有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D9PK
太陽ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,089百万円となり、前連結会計年度に比べ146百万円減少しています。
注力した研究内容と成果は以下のとおりです。
(1) SR
当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのレジストの開発を着手しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次世代の車載基板用SRとして最終顧客認証が得られるように対応を進めています。
PKG基板用SRは、記憶媒体であるSSDやスマートフォンに搭載されるメモリー、アプリケーションプロセッサーなどのCSP(Chip Size Package)に多く使用されています。半導体チップとPKG基板との接続信頼性が重視されるPKG基板用SRは、平滑性に優れたDFタイプが年々増加しています。当社グループは、DFにおいて困難とされていたSR表面がマット状に形成できる技術を確立し、顧客の認証取得に動いています。更に、車載用PKG基板や種々のセンサー類に適用が図れるようSRの開発を進めています。
また、実装される部品から発生する熱が効率よく放熱されるSRの開発を進め、高放熱SRとして顧客の評価が進行しています。更に、信号を正しく早く伝えることが必要な高速通信基板に対応したSRも新たに開発を進めており、市場の展開を図っていきます。
(2) 層間絶縁材
PKG基板に使用されるDFタイプの層間絶縁材料を開発しています。新たな市場として受動素子に使用される材料としても評価が進み、顧客採用が開始されました。また、高速通信基板向けに対応した新たな層間絶縁材料も開発を進め、顧客評価が進行しています。さらに、層間絶縁材としてDFタイプのみではなく銅箔付きタイプの開発も進めており、顧客の新しい要求に応えられる製品を開発しています。
(3) 感光性カバーレイ
スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立に応えるため、感光性カバーレイを新規に開発し、顧客の採用が決定したことで量産が始まりました。今後はこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案を行ってまいります。
(4) 導電性接着剤
スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることによりファインピッチ化への対応を可能にしています。これまで、市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。
(5) ウェアラブル端末用部材
現在、新規エレクトロニクス市場としてのウェアラブル端末市場の成長が広く注目されています。
ウェアラブル端末市場は、スマートウォッチやスマートグラスに代表される「体外デバイス」だけでなく、活動量計・導電性繊維を使ったスポーツ・ヘルスケア分野向け「体表デバイス」、更には医療機器向け生体センサーといった「電子皮膚デバイス」分野にも広がってきています。
ウェアラブル端末は「体に密着させて使用する電子製品」であるため、ここに使われる部材には、折り曲げが可能なフレキシブル性に留まらず、「伸び特性」といった「ストレッチャブル性」も要求されることが多くなっています。これまでのPWB用部材で当社グループが培ってきた技術をベースに、成長が期待されるウェアラブル端末市場への参入を目指し、ストレッチャブルな導電材料開発を進めてきた結果、顧客で採用が決定しています。
(6) インクジェット用SR
インクジェット塗布機に対応したSRを開発し、塗布機メーカー、顧客と共に採用に向けて評価を進めています。インクジェット塗布機によるSR塗布工法は乾燥・露光・現像工程が省略され、省スペースで必要な部分に選択的に塗布可能であり環境に優しい基板製造工法の一つです。またSR用途だけでなく同装置を用いてめっきレジスト、エッチングレジスト、QFP(Quad Flat Package)用絶縁材、フレキシブルタイプ等様々な用途に向け、開発を進めています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,089百万円となり、前連結会計年度に比べ146百万円減少しています。
注力した研究内容と成果は以下のとおりです。
(1) SR
当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用されるHDI(High Density Interconnection/高密度実装配線)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、HDI基板の製造方法においてMSAP工法(Modified Semi Additive Process)が採用されたことで位置精度がこれまで以上に求められることからデジタル露光方式である直接描画露光装置が一般化され、HDI基板に使用されるSRの色は、緑色から黒色に移行しています。当社グループでは黒色かつ、直接描画露光装置に対応する高感度SRの開発を早期に始め、知的財産権を確保することで多くの顧客に採用されています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのレジストの開発を着手しています。車載基板は、エンジン搭載車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次世代の車載基板用SRとして最終顧客認証が得られるように対応を進めています。
PKG基板用SRは、記憶媒体であるSSDやスマートフォンに搭載されるメモリー、アプリケーションプロセッサーなどのCSP(Chip Size Package)に多く使用されています。半導体チップとPKG基板との接続信頼性が重視されるPKG基板用SRは、平滑性に優れたDFタイプが年々増加しています。当社グループは、DFにおいて困難とされていたSR表面がマット状に形成できる技術を確立し、顧客の認証取得に動いています。更に、車載用PKG基板や種々のセンサー類に適用が図れるようSRの開発を進めています。
また、実装される部品から発生する熱が効率よく放熱されるSRの開発を進め、高放熱SRとして顧客の評価が進行しています。更に、信号を正しく早く伝えることが必要な高速通信基板に対応したSRも新たに開発を進めており、市場の展開を図っていきます。
(2) 層間絶縁材
PKG基板に使用されるDFタイプの層間絶縁材料を開発しています。新たな市場として受動素子に使用される材料としても評価が進み、顧客採用が開始されました。また、高速通信基板向けに対応した新たな層間絶縁材料も開発を進め、顧客評価が進行しています。さらに、層間絶縁材としてDFタイプのみではなく銅箔付きタイプの開発も進めており、顧客の新しい要求に応えられる製品を開発しています。
(3) 感光性カバーレイ
スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立に応えるため、感光性カバーレイを新規に開発し、顧客の採用が決定したことで量産が始まりました。今後はこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案を行ってまいります。
(4) 導電性接着剤
スマートフォンやタブレット端末等の情報端末機器に使用されている基板の接合向けに、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤の開発を行いました。導電粒子にはんだ粉を用いることにより高い接合信頼性を有し、はんだ粉の粒子径を変えることによりファインピッチ化への対応を可能にしています。これまで、市場に展開されている異方導電性フィルムとの差別化が図れたことで顧客評価が積極的に行われています。
(5) ウェアラブル端末用部材
現在、新規エレクトロニクス市場としてのウェアラブル端末市場の成長が広く注目されています。
ウェアラブル端末市場は、スマートウォッチやスマートグラスに代表される「体外デバイス」だけでなく、活動量計・導電性繊維を使ったスポーツ・ヘルスケア分野向け「体表デバイス」、更には医療機器向け生体センサーといった「電子皮膚デバイス」分野にも広がってきています。
ウェアラブル端末は「体に密着させて使用する電子製品」であるため、ここに使われる部材には、折り曲げが可能なフレキシブル性に留まらず、「伸び特性」といった「ストレッチャブル性」も要求されることが多くなっています。これまでのPWB用部材で当社グループが培ってきた技術をベースに、成長が期待されるウェアラブル端末市場への参入を目指し、ストレッチャブルな導電材料開発を進めてきた結果、顧客で採用が決定しています。
(6) インクジェット用SR
インクジェット塗布機に対応したSRを開発し、塗布機メーカー、顧客と共に採用に向けて評価を進めています。インクジェット塗布機によるSR塗布工法は乾燥・露光・現像工程が省略され、省スペースで必要な部分に選択的に塗布可能であり環境に優しい基板製造工法の一つです。またSR用途だけでなく同装置を用いてめっきレジスト、エッチングレジスト、QFP(Quad Flat Package)用絶縁材、フレキシブルタイプ等様々な用途に向け、開発を進めています。
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