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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DC0V

有価証券報告書抜粋 雪印メグミルク株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など、いまだ厳しい外部環境の中、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は4,330百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〔乳製品〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,757百万円です。
① 当社
油脂カテゴリーにおいては、加工油脂食品類のおいしさや使いやすさなどの特性の向上に取り組むとともに、トランス脂肪酸低減に取り組んでおります。家庭用マーガリン類の全商品について配合を見直し、トランス脂肪酸を多く含む部分水素添加油脂を使用しない配合を実現した商品を発売しました。また若年層のマーガリン需要獲得を図るため、甘味系スプレッドの開発を行い、幅広い世代のお客様の認知率、食経験、好感度が高い株式会社不二家の「ミルキー」の味が楽しめる商品として「ミルキーソフト」を発売致しました。
チーズカテゴリーにおいては、カテゴリーの更なる活性化に向けた商品力、ラインナップの強化に取り組んでおります。プロセスチーズでは最大ボリュームのスライスチーズにおいて、外食メニューで人気の高まっているチェダーチーズを100%使用した「チェダースライス」を発売致しました。また、世界のチーズデザートをヒントにした商品開発を行っている「Cheese sweets Journey」については、北欧をテーマに「3種のベリーとヨーグルト風味のチーズスイーツ」を発売致しました。伸長著しいベビーチーズカテゴリーにおいては「スパイシーサラミベビーチーズ」を発売し、高まる家飲み需要に対応しました。長年お客様にご愛顧頂いている「6Pチーズ」については外装カートンの開封シールをつまみやすく開けやすいシールに変更致しました。
食品カテゴリーでは、「かんたんマッシュポテト」を食事の支度を短時間に対応できる商品として発売致しました。
今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。

乳製品における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・部分水素添加油脂を使用しない配合の家庭用マーガリン類の開発においては、当社独自の乳化技術や結晶化制御技術を活用することにより、「風味のよさ」や「ぬりやすさ」を両立した商品にすることができました。また、当社独自の油脂加工技術や油脂配合技術により、飽和脂肪酸の低含有量化を実現し、引き続き「コレステロール0(ゼロ)」の訴求が可能な商品を実現しました。
・マーガリン類を想定したモデル乳化物において、添加する乳化剤が結晶形成に与える影響について研究した結果、水滴界面上の飽和モノグリセリドが鋳型となって結晶核形成を促進し、結晶を微細化させる作用があることがわかりました。
・チーズの風味は、チーズ中の脂肪やタンパク質の分解の程度によって変わります。チーズの風味を強化する研究において、食用真菌類の培養物をチーズ添加して熟成させることで、過度な遊離脂肪酸の生成が抑えられ、タンパク質の分解率が増したチーズになることがわかりました。
・マウスを対象とした動物実験において、バターミルクからリン脂質を濃縮して調製した乳由来リン脂質高含有素材を配合した飼料を摂取させたところ、小胞体ストレスによる肝臓の脂肪蓄積を低減させる効果があることを見出しました。
これらの研究成果は家庭用のマーガリン類・ショートニングの商品の価値向上に活用するとともに、アジアオレオサイエンス会議・日本油化学会年会、日本栄養・食糧学会大会、日本食品科学工学会などの各学会で発表いたしました。
② 雪印ビーンスターク㈱
「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでいます。
商品開発では、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「すこやかM1」は、永年の母乳調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。
今年度は、大人のための“美味しい粉ミルク型サプリメント”「プラチナミルク」をピップ株式会社との共同取組により発売しました。「プラチナミルク」は、当社が半世紀以上にわたる母乳研究および乳幼児用粉ミルクの研究で培った研究開発力で応える新カテゴリー商品です。本品については、世間の関心も高く、発売後、数々のメディアでご紹介いただきました。
赤ちゃん向け商品としては、「ビーンスターク 赤ちゃんのプロバイオ ビフィズスM1」を発売しました。母乳栄養児の腸内にはビフィズス菌が多く存在します。本品は、生後0か月以降の“赤ちゃんのすこやかな毎日”を応援する生きたビフィズス菌が効果的に摂取できるオイル(植物油)ドロップス型の商品です。世界各国で発売されているビフィズス菌のオイルドロップス型サプリメントを当社が日本で初めて発売しました。
また現在、雪印メグミルク㈱との共同研究として、約30年ぶりとなる全国的な母乳調査研究を実施しています。今年度、これらの研究の一環として、大阪樟蔭女子大学との共同研究により、最近の日本人の母乳中ビタミンD濃度を明らかにしました。2016年に収集した母乳では、夏に母乳中のビタミンD濃度が高いこと、また、外出時間と母乳中ビタミンD濃度に有意な正の相関が認められ、母乳中ビタミンD濃度は季節や外出時間の影響を強く受けることがわかりました。また、2016年に収集した母乳では、1989年に収集した母乳に比べて母乳中ビタミンD濃度が低いことが認められ、経年的なビタミンD栄養状態の低下が母乳中ビタミンD濃度低下に寄与した可能性が考えられました。これらの研究成果を、「第71回日本栄養・食糧学会」他において、学術発表しました。

〔飲料・デザート類〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,611百万円です。
・ 当社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、「“リラックスした集中”を持続させ、仕事をはかどらせてくれる“デスクトップラテ”」というコンセプトの「BOTTLATTE」シリーズで、新たに「カフェラテ砂糖不使用」「コーヒーリッチ」の2品を発売しました。既存の2品(「カフェラテ」、「クリーミーカフェラテ」)と合わせ、パッケージをスタイリッシュなデザインにリニューアルし、賞味期間を18日間に延長しました。
カップ飲料商品では、“ミルクの濃厚さ” にこだわって開発した「濃厚ミルク仕立て クリーミーミルク」、「濃厚ミルク仕立て カフェラテ」、「濃厚ミルク仕立て 抹茶ラテ」をリニューアルし、さらにミルク感が引き立つ味わいにしました。
果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、市場規模が拡大しているスムージーにおいて、既存品2品(「Dole® GREEN SMOOTHIE」「Dole® BERRY SMOOTHIE」)のリニューアル、ならびに新商品2品(「Dole® CITRUS SMOOTHIE」「Dole® PINK SMOOTHIE」)を発売いたしました。
ヨーグルトカテゴリーでは、「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」を、ヨーグルトで初めてとなる「内臓脂肪を減らすのを助ける」特定保健用食品(トクホ)として、2018年3月20日より、全国発売いたしました。
さらに、機能性表示食品の「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ」に、新商品(ベリーミックス)を3月20日より追加し、「ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズのラインナップを強化してターゲット層の拡大とシリーズの活性化を図ってまいります。
デザートカテゴリーでは、2015年秋に発売してからご好評をいただいている「たべる雪印コーヒー」をリニューアルいたしました。「雪印コーヒー」の味により近づけるよう風味を改良し、“雪印コーヒーを食べて楽しむ” という魅力をより高めました。

飲料・デザート類における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」のRSウイルス(Respiratory Syncytial ウイルス)増殖抑制効果について、マウスを対象とした動物実験により、経口投与された「ガセリ菌SP株」が消化器官から肺に作用するメカニズムに関する新たな知見を得ることができました。
・当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)の摂取がインフルエンザ感染後のウイルスの増殖を抑制する効果について、マウスの細胞を使った実験により、メカニズムに関する新たな知見を得ました。
・マウスを対象とした動物実験において、当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)を投与することにより、自己免疫性脳脊髄炎の発症や悪化が抑制される可能性があることを見出しました。
・マウスを対象とした動物実験において、当社独自の乳酸菌であるサーモフィルス菌(SBT1277株)の脱脂乳培養物を摂取することにより、肝臓の脂質蓄積が抑制され、脂質代謝が改善される効果があることを見出しました。
これらの研究成果は、日本食品免疫学会、日本食品科学工学会などの各学会での発表の他、論文としてFrontiers in Microbiologyに掲載いたしました。


〔飼料・種苗〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は961百万円です。
・ 雪印種苗㈱
飼料分野では、代用乳の機能性向上と原価低減を目的に7銘柄をリニューアルしました。改善ポイントはタンパク源の変更、新規アミノ酸の添加です。自給飼料有効活用関係では、高消化性のオーチャードグラス「えさじまん」の乾物消失率、乳生産について優位性が確認されました。乳酸菌関係は、予乾ロールサイレージ向けとして、「サイマスター3」を発売しました。
牧草・飼料作物分野ではアルファルファ「ケレス2」とチモシー「キウス」は出願公表されOECD登録も完了しました。根釧地域において利用可能なフェストロリウム「ノースフェスト」の品種登録を申請しました。2015年に優良品種に認定されたシロクローバ「アバパール」と2013年に同じく優良品種に認定されたメドウフェスク「コスモポリタン」を2018年から発売しました。
畑作・園芸種苗分野では大根夏系新発売品種「夏巡り」は北海道において順調に拡売されています。枝豆は「神風香」の試作結果が良好なため2018年から本格販売を開始しました。スイートコーン「ミエルコーン84」の試作結果が良好なため本格販売を開始しました。花卉はポットカーネーションの自社育成9品種を品種登録申請し受理されました。シクラメン培養塊茎1品種を品種採択し、2018年から発売しました。
植物機能性研究分野(微量分析技術・生理活性物質・緑肥)では高速液体クロマトグラフ質量分析計の活用が順調に進んでおり、今後新規の物質分析を進めます。緑肥関係ではイネ科とマメ科の新規のカバークロップについて試験を進め、発売に向けてステップアップを図ります。
環境緑化分野の芝生関係ではケンタッキーブルーグラス「レジェンド」を「エクスカージョン」の後継品種として品種採択し、また新規の植生用品種としてメドウフェスク「レバンシュ」を品種採択し発売しました。

当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23202] S100DC0V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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