有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D8CS
塩野義製薬株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
(1) 創薬及びCMC研究*1
当連結会計年度は前連結会計年度に引き続き、感染症、疼痛・神経の2大コア疾患領域を中心として継続的な開発候補品及び開発品の創出を目指し、取り組んでまいりました。その結果、感染症領域におきましては、新規メカニズムを有する抗HIV薬開発候補品、新規抗結核治療薬候補S-004992を創出することができました。疼痛・神経領域におきましては、中枢性神経障害性疼痛薬候補S-637880を創出いたしました。
また、低分子だけでなく中分子領域においても、ペプチド創薬プログラムを複数開始し、核酸創薬からは、ワクチン用アジュバント*2の開発候補品も創出いたしました。
特発性肺線維症治療薬候補S-770108(ピレスパ吸入製剤)につきましても、独自の吸入製剤技術を活用することにより臨床試験入りを果たすことができました。
また、低分子化合物の製造技術について、光を利用した酸化還元反応を合成経路の中に組み込むことで、原料コストを約半分に削減することに成功いたしました。また、中分子化合物の製造技術について、がんペプチドワクチン(S-288301)の製造過程での反応に関し、マイクロウェーブを利用することで反応時間を約1/40に短縮することに成功いたしました。
*1 CMC研究:原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究を統合した研究
*2 アジュバント:非特異的免疫賦活作用で薬物の効果を増強させる物質
(2) 開発
当連結会計年度は、新規の抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ錠に優先的に経営資源を投下することで、日本において2017年10月25日に「先駆け審査指定制度*3」の下で承認申請し、2018年2月23日に承認を取得いたしました。さらに2018年3月14日に販売開始と、画期的新薬をいち早く患者さまへお届けすることに貢献することができました。
また、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルにつきましては、近年、地球規模での多剤耐性菌(AMR)問題が深刻化する中、セフィデロコルの価値を最大化するためにカルバペネム耐性グラム陰性菌感染症に対する試験を行ってまいりました。
また、乱用防止を目的としたオキシコンチンTR錠*4について2017年8月に承認を取得し、2017年12月に販売を開始いたしました。日本において既に発売されている血小板減少症治療薬Mulpletaにつきましては、米国、欧州において承認申請いたしました。
ゾフルーザにつきましては、その価値最大化のための顆粒剤の第Ⅲ相臨床試験を開始しました。サインバルタにつきましても、小児におけるうつ病、うつ状態を適応にした第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。
*3 先駆け審査指定制度:「日本再興戦略」に基づき、世界に先駆けて開発され、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる医薬品等を指定し、各種支援による早期の実用化を目指す制度
*4 オキシコンチンTR錠:乱用防止を目的としたTR(Time Release、徐放)製剤
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は599億45百万円となりました。
開発品(2018年5月現在)
*: Long acting parenteral formulation
当連結会計年度は前連結会計年度に引き続き、感染症、疼痛・神経の2大コア疾患領域を中心として継続的な開発候補品及び開発品の創出を目指し、取り組んでまいりました。その結果、感染症領域におきましては、新規メカニズムを有する抗HIV薬開発候補品、新規抗結核治療薬候補S-004992を創出することができました。疼痛・神経領域におきましては、中枢性神経障害性疼痛薬候補S-637880を創出いたしました。
また、低分子だけでなく中分子領域においても、ペプチド創薬プログラムを複数開始し、核酸創薬からは、ワクチン用アジュバント*2の開発候補品も創出いたしました。
特発性肺線維症治療薬候補S-770108(ピレスパ吸入製剤)につきましても、独自の吸入製剤技術を活用することにより臨床試験入りを果たすことができました。
また、低分子化合物の製造技術について、光を利用した酸化還元反応を合成経路の中に組み込むことで、原料コストを約半分に削減することに成功いたしました。また、中分子化合物の製造技術について、がんペプチドワクチン(S-288301)の製造過程での反応に関し、マイクロウェーブを利用することで反応時間を約1/40に短縮することに成功いたしました。
*1 CMC研究:原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究を統合した研究
*2 アジュバント:非特異的免疫賦活作用で薬物の効果を増強させる物質
(2) 開発
当連結会計年度は、新規の抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ錠に優先的に経営資源を投下することで、日本において2017年10月25日に「先駆け審査指定制度*3」の下で承認申請し、2018年2月23日に承認を取得いたしました。さらに2018年3月14日に販売開始と、画期的新薬をいち早く患者さまへお届けすることに貢献することができました。
また、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルにつきましては、近年、地球規模での多剤耐性菌(AMR)問題が深刻化する中、セフィデロコルの価値を最大化するためにカルバペネム耐性グラム陰性菌感染症に対する試験を行ってまいりました。
また、乱用防止を目的としたオキシコンチンTR錠*4について2017年8月に承認を取得し、2017年12月に販売を開始いたしました。日本において既に発売されている血小板減少症治療薬Mulpletaにつきましては、米国、欧州において承認申請いたしました。
ゾフルーザにつきましては、その価値最大化のための顆粒剤の第Ⅲ相臨床試験を開始しました。サインバルタにつきましても、小児におけるうつ病、うつ状態を適応にした第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。
*3 先駆け審査指定制度:「日本再興戦略」に基づき、世界に先駆けて開発され、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる医薬品等を指定し、各種支援による早期の実用化を目指す制度
*4 オキシコンチンTR錠:乱用防止を目的としたTR(Time Release、徐放)製剤
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は599億45百万円となりました。
開発品(2018年5月現在)
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
感染症 | S-649266 (セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物) | セフェム系抗生物質 (注射) | 多剤耐性グラム陰性菌感染症 | グローバル:フェーズⅢ 米国:申請準備中 | 自社 | 自社 |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザTM] | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザウイルス感染症 | 日本:承認(2018年2月) 米国:申請準備中 グローバル:フェーズⅢ | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザTM] | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザウイルス感染症(小児) | 日本:承認(2018年2月) | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザTM] | インフルエンザ治療薬 (経口・顆粒) | インフルエンザウイルス感染症 | 日本:申請(2018年4月) | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) |
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
疼痛・ 神経 | S-297995 (ナルデメジントシル酸塩) [日本:スインプロイク®] [米国:Symproic®] | 末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト (経口) | オピオイド誘発性便秘症 | 米国・日本:承認(2017年3月) 欧州:申請(2017年3月) | 自社 | 自社 |
S-877489 (リスデキサンフェタミンメシル酸塩) | 中枢神経刺激薬 (経口) | 小児ADHD | 日本:申請(2017年4月) | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-877503 (グアンファシン塩酸塩) [インチュニブ®] | 非中枢神経刺激薬 (経口) | 成人ADHD | 日本:フェーズⅢ | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-120083 | 炎症性疼痛治療薬 (経口) | 炎症性疼痛 | 日本:フェーズⅠ 米国:フェーズⅡ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
S-010887 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-117957 | 不眠症治療薬 (経口) | 不眠症 | 米国:フェーズⅠ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
S-600918 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-637880 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
LY248686 (デュロキセチン塩酸塩) [サインバルタ®] | SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) (経口) | うつ病・うつ状態(小児) | 日本:フェーズⅢ | Eli Lilly (米国) | 自社/日本イーライリリー社 | |
代謝 疾患 | S-237648 | ニューロペプチド Y Y5受容体アンタゴニスト (経口) | 肥満症 | 日本:フェーズⅡ 米国:フェーズⅠ | 自社 | 自社 |
S-707106 | インスリン抵抗性改善薬 (経口) | 2型糖尿病 | 米国:フェーズⅡa | 自社 | 自社 | |
フロン ティア | S-888711 (ルストロンボパグ) [日本:ムルプレタ®] | トロンボポエチン受容体作動薬 (経口) | 慢性肝疾患による血小板減少症 | 日本:承認(2015年9月) 米国:申請(2017年12月) 欧州:申請(2018年1月) | 自社 | 自社 |
S-524101 [アシテア®] | ダニ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | ダニ抗原による小児通年性アレルギー性鼻炎 | 日本:承認(2018年2月) | Stallergenes社 (フランス) | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 食道がん | 日本:フェーズⅢ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 膀胱がん | 日欧:フェーズⅡ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-525606 | スギ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | スギ抗原によるアレルギー性鼻炎 | 日本:フェーズⅡ | Stallergenes社 (フランス) | 自社 | |
S-488210 | がんペプチドワクチン (注射) | 頭頸部がん | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-222611 (epertinib) | HER2/EGFRデュアル阻害薬 (経口) | 悪性腫瘍 | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | 自社 | 自社 | |
S-770108 | 抗線維化薬 (吸入) | 特発性肺線維症 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 |
開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 | |
S/GSK1349572 (dolutegravir) | インテグラーゼ阻害薬 (経口) | HIV感染症(治療) | 米国:承認(2017年11月) 欧州:申請(2017年6月) (DTG/rilpivirine配合剤(2剤維持療法)) グローバル:フェーズⅢ (DTG/3TC未治療患者・2剤維持療法) | Shionogi-ViiV Healthcare社 | ViiV Healthcare社(英国) | |
S/GSK1265744 LAP* (cabotegravir) | インテグラーゼ阻害薬 (注射) | HIV感染症(治療及び予防) | グローバル:フェーズⅢ(治療) グローバル:フェーズⅢ(予防) | Shionogi-ViiV Healthcare社 | 治療:ViiV Healthcare社(英国) 予防:ViiV社、HPTN、NIAID、 Gilead社(米国) | |
S-0373 | 非ペプチド型TRHミメティック(経口) | 脊髄小脳変性症 | 日本:フェーズⅢ | 自社 | キッセイ薬品(日本) | |
Janssen/シオノギ β-セクレターゼ阻害薬 | β-セクレターゼ阻害薬 (経口) | アルツハイマー病 | グローバル:フェーズⅡ/Ⅲ | 自社 | Janssen Pharmaceuticals社 (米国) | |
オスペミフェン [米国:オスフィーナ®] | 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(経口) | 閉経後膣萎縮症に伴う膣乾燥感 | 米国:申請(2018年3月) | QuatRx社(米国) | Duchesnay社(カナダ) |
一般名 [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 | |
オキシコドン塩酸塩水和物 [オキシコンチン®] | アヘンアルカロイド系麻薬(経口) | 中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛 | 日本:申請中(2016年11月) | Napp社(英国) | 自社 |
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00923] S100D8CS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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