シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D57M

有価証券報告書抜粋 株式会社医学生物学研究所 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度は2016年度策定の5か年計画に従い、昨年度に整備した体外診断用医薬品事業に集中した研究開発体制の下、着実な試薬開発を進めてまいりました。
当連結会計年度における研究開発費は前期比6.8%減の12億2百万円で、主な進展は以下のとおりです。
(1) 体外診断用医薬品
① 自己抗体検査薬
当社の主力製品である「MESACUPTM anti-p53テスト」の次世代製品として「MEBLuxTMテスト anti-p53」の開発を完了し、2018年3月に体外診断用医薬品として製造販売承認を受けました。当検査は食道がん、大腸がん、乳がんの診断に有効であり、従来品は広く臨床検査の現場で使用されてきました。今回の新製品は磁性粒子技術と化学発光技術に基づいた全自動測定器対応品であり、従来品よりも性能面や処理能力面、迅速性で優れており、より市場ニーズに沿った仕様となっております。
中国の連結子会社である恩碧楽(杭州)生物科技有限公司では、中国向け診断薬中間体・原料の商業生産を開始しましたが、2020年以降の中国事業拡大を見据えて、化学発光技術による自己抗体検査薬投入を目的とした新たな開発チームを立ち上げました。恩碧楽(杭州)生物科技有限公司と当社開発チームは連携した活動を進めてまいります。
② ラテックス凝集検査薬
大手グローバル検査薬企業へのOEM製品の開発を進め、従来品よりも感度、測定範囲に優れた製品の開発を完了しました。2018年3月に体外診断用医薬品として製造販売認証申請を行い、2018年度には市場投入の予定です。
③ 遺伝子検査薬
当社では大腸がんの治療方針決定に利用されるRAS遺伝子の変異を検出する「MEBGENTM RASKETキット」を販売してきました。しかし、2016年改定の大腸がん診療ガイドラインにおいて従来の検査対象であるKRASとNRASに加え、新たにBRAF遺伝子検査も推奨されました。当社ではそのニーズに対応すべく、従来品の改良版である「MEBGENTM RASKET-Bキット」を開発し、2017年12月に体外診断用医薬品として製造販売承認を受けました。本製品の投入によりさらなる市場の拡大が見込まれます。
また、炎症性腸疾患治療薬であるチオプリン製剤の副作用予測マーカーであるNUDT15遺伝子の多型検査薬を東北大学などと共同開発し、体外診断用医薬品として製造販売承認申請を行いました。チオプリン製剤は重篤な白血球減少症や完全脱毛などの副作用を引き起こす場合がありますが、本製品によりそのリスクを予測、回避することが可能となります。
なお、本製品は医療ニーズが高く、厚労省により迅速審査項目に選定されており、早期の市場投入が期待されます。

(2) 基礎研究用試薬
MHCテトラマー試薬
本年度はMHCテトラマー試薬と関連製品を併せ、72品目を上市しました。
最近注目を浴びている免疫チェックポイント阻害剤によるがん免疫療法はヒト自身が持つ抗原特異的細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T Lymphocyte:CTL)によってがんを攻撃、除去する治療法です。現在、その治療効果を高める研究が世界中で行われていますが、その中でヘルパーT細胞(Th)の重要性が注目されています。当社ではCTLを検出するMHCクラスⅠテトラマーと併せ、Thを検出するMHC クラスⅡテトラマーも製品化しており、今後の需要拡大が見込まれます。
また、個々のがん患者に対するオーダーメイド治療の分野でもMHCテトラマーによる免疫モニタリングが注目度を増しています。現在、がん治療研究の最前線では、MHCテトラマーを用いて個々のがん特異的な抗原(ネオアンチゲン)を攻撃するCTLや、それを支えるThの検出が盛んに行われています。MBLIでは、これらの需要に対応するため、MHCテトラマー技術を基本にしたQuick Switchキットを開発しました。このキットを用いることにより、多様なネオアンチゲンに対する特異的なCTLをさらに容易に検出することを実現しました。
がん免疫治療は多様であり、それぞれに対応した免疫モニタリング手法が要求されるため、当社ではこの領域の事業拡大に対応した研究開発・生産体制を整えて行きます。

(3) 抗体作製技術
抗体作製技術やリコンビナント タンパク質作製技術は当社の根幹をなす技術です。
当期は従来複数の事業所や部署に分散していた抗体作製技術を当社伊那研究所内の一つの開発ユニットにまとめました。これにより、モノクローナル抗体作製技術、ファージ抗体作製技術、リコンビナント抗体生産技術、リコンビナント タンパク質作製技術、抗体加工技術などが集約され、より効率的な抗体開発体制が整いました。
前期より進めてきました新規の抗体作製技術である「MAGrahd法」の導入が完了し、診断薬用などの多様なモノクローナル抗体が迅速に獲得できています。また、リコンビナント抗体の大量生産系の実装が進み、来期にはリコンビナント抗体を使用した体外診断薬の上市を予定しています。本法により、特にラテックス凝集検査薬では大幅な生産コストの削減が可能となります。

(4) 蛍光タンパク質技術
当社では、蛍光タンパク質を用いてタンパク質相互作用を生きた細胞内でリアルタイムに観察できる「FluoppiTM」を開発し、グローバルで製薬企業や創薬ベンチャーへのライセンスアウト活動を進めてきました。今期はさらに本法を応用した革新的な創薬探索技術の確立を目指し、シンガポールのp53 Laboratory (A*STAR)との共同研究を行いました。p53 Laboratoryは治療薬を含むがん研究で世界的に著名な研究機関であり、当研究所で高い評価を受けたことにより今後の「FluoppiTM」のグローバル展開の加速が期待されます。

(5) JKiC(JSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター)
2017年10月に実用的運用が開始された当センターの研究対象は、1)精密医療、2)幹細胞生物学と細胞医療、3)微生物叢、4)先端医療機器の4領域で、この中から世界に貢献する実用技術の確立を目指しています。当社では、精密医療、微生物叢、先端医療機器の3領域に研究員を派遣すると共に、JKiCとの共同取り組みを通じ最先端の研究開発を支援しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00978] S100D57M)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。