有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100COE5
株式会社テラプローブ 事業の内容 (2017年12月期)
昨年(2017年)6月より世界有数のOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)企業であるPowertech Technology Inc.(以下「PTI」といいます)グループの一員となった当社グループは、当社(株式会社テラプローブ)及び海外連結子会社(TeraPower Technology Inc. 以下「テラパワー」といいます。)及び連結子会社(株式会社テラプローブ会津。以下、「テラプローブ会津」といいます。)により構成されており、半導体製造工程におけるウエハテスト及びファイナルテスト受託を主たる業務としております。
一般的に半導体製造工程は、ウエハ(*1)上に半導体チップを作り込む前工程(*2)と、半導体チップを組立しパッケージングする後工程(*3)に分類されます。この前工程で行う検査をウエハテストといい、後工程で行う検査をファイナルテストといいます。当社グループでは、どちらのテスト工程も受託しております。
ウエハテストとは、ダイシング(*4)前のウエハ状態で、ウエハ上に作り込まれた半導体チップの電気特性を検査し、良品・不良品の判別を行うものです。具体的には、回路が作り込まれたウエハ上の半導体チップにあるパッド(*5)の一つ一つに、プローブと呼ばれる細い探針を当てて電気信号を流し、半導体回路が設計どおりに機能しているかをテスタ(*6)、プローバ(*7)等の装置を用いて電気的に検査します。
さらに当社は、蓄積したノウハウを利用したプログラムの改良を提案し、顧客から支給されたテストプログラムを基に多数個同時測定用プログラムを開発したり、プローブカード(*8)設計を受託することなどによって、一回のテストでより多くの半導体チップを検査できるようにし、テスト効率を上げることで、顧客のウエハテストのコスト低減に貢献しております。
ファイナルテストとは、組立終了後のパッケージ状態で設計どおりに機能するかどうかの検査のほか、最終製品の外観異常の有無を検査するパッケージ外観検査などを含みます。
なお、当社グループではシステムソリューションセンター(熊本県熊本市)において、画像処理技術を応用したソフトウエア開発や、生体信号を使用したヒューマンインターフェース技術の研究を行っております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
(1) メモリ事業
当社グループのメモリ事業の主な業務はDRAM(*9)のウエハテスト業務の受託であり、主に広島事業所とテラパワーで行っております。当社グループは、日本国内の半導体メーカーや、海外の半導体メーカー、ファブレス等からウエハテストを受託しております。一般的にウエハテストは、上記のように顧客から支給されたテストプログラムを使用して、ウエハ上に作り込まれた半導体チップの電気特性をテストし、良品・不良品の判別を行い、その結果を顧客に提供して業務が完了します。これに加え、一部のメモリ向けには、ウエハ1枚からより多くの半導体チップを製品化できるように、半導体チップにレーザーを用いた加工を施すサービスの提供も行っております。
(2) システムLSI事業
当社グループのシステムLSI事業では、国内外の半導体メーカーやファンダリが生産したSoC(*10)、マイコン(*11)、イメージセンサ(*12)、アナログ(*13)などの半導体製品のウエハテスト業務の受託が中心で、その他にファイナルテスト業務も受託しており、主に九州事業所、テラパワー、テラプローブ会津で行っています。さらに、九州事業所とテラパワーの双方において、自動車産業向け品質マネジメントシステム(ISO/TS16949)の認証を取得しており、日本と台湾の両拠点で高品質が要求される車載半導体のテスト受託を強化してまいります。システムLSI事業におけるウエハテストも、一般的には顧客から支給されたテストプログラムを使用してテストし、ウエハ上に作り込まれた半導体チップの特性について、良品・不良品の判別を行い、その結果を顧客に提供して業務が完了します。システムLSI事業における受託製品はメモリ事業と比較すると多品種少量生産の場合が多く、製品によりテスト機器やテスト環境が異なるなどの特徴があります。そのため顧客の様々なニーズに対応していく技術力と柔軟性が求められております。
[半導体製造工程]
(注) 上記工程図内のウエハテスト工程(6~10)は、メモリ製品のウエハテスト工程を記載しております。
以上に述べた事項を事業系統図に示すと次のとおりです。
[事業系統図]
2017年12月31日現在
用語解説
(*1)ウエハ:ウエハは単結晶シリコンの塊(インゴット)から薄く切り出された円盤状のものの表面を研磨した薄い板で、半導体チップを製造するための直接材料となるものです。このウエハ上にトランジスタ、キャパシタ(電荷を蓄える部品:コンデンサ)、配線などを作り込み、電子回路を形成します。
直径は200mm(8インチ)、300mm(12インチ)が一般的で、大口径化するにつれウエハ1枚当たりから取れる半導体チップ数が多くなりコストダウンにつながります。半導体チップ面積が同じであれば、300mmウエハは200mmウエハの2倍程度のチップの生産が可能です。
(*2)前工程:一般的に半導体製造工程のうち、ウエハ上に半導体チップを作り込み、ウエハ状態で検査し、良品・不良品の判別をするまでの工程を指します。
(*3)後工程:一般的に半導体製造工程のうち、前工程以降の半導体チップをパッケージングし、個々の半導体デバイスを検査し、不良品を除去するまでの工程を指します。
(*4)ダイシング:ウエハ上に作られた半導体チップを、ダイヤモンド刃のカッターなどで個々の半導体チップに切り離すことを指します。
(*5)パッド:半導体チップ上に形成された端子(電極)を指します。この端子に探針(プローブ)を当て、半導体の電気特性を測定します。
(*6)テスタ:半導体の電気特性を検査するための装置です。テストプログラムに基づき、直流、交流特性並びに機能について検査を行います。
(*7)プローバ:プローブカードを装着し、テスタに接続して使用します。ウエハを1枚ずつ出し入れし、ウエハを移動しながら半導体チップのパッドにプローブを接触させる装置です。
(*8)プローブカード:ウエハテストにおいて、半導体チップの電気的検査をするために用いられる接続治具(探針)です。半導体チップのパッド(電極)とテスタとを接続する役割を持ち、パッドに探針(プローブ)を接触させることにより、半導体チップの電気的検査を行い良否判定をします。
半導体チップのパッド位置に合わせてプローブの配置も変わるため、製品毎に専用のプローブカードが必要となります。
(*9)DRAM(Dynamic Random Access Memory) : DRAMは、記憶単位が1個のトランジスタと1個のキャパシタ(電荷を蓄える部品:コンデンサ)で構成される半導体で、集積度に優れています。このためビット単価も安く、大容量のメモリを必要とするシステムを中心に使用されます。DRAMは情報をキャパシタに電荷で蓄えるため、微少の漏れ電流によって長時間放置すると情報が失われます。このため定期的に同一情報を再書き込みする必要があります。
(*10)SoC(System on Chip) : 一つの半導体チップ上に、必要とされる一連の機能(システム)を集積したものを指します。複数の機能を1チップ上に集積することで、基板上に複数の単機能LSIを実装するよりも機器自体の小型化が可能になるなどのメリットがあります。
(*11)マイコン:家電製品や電子機器の制御などに使われる、一つの半導体チップにコンピュータシステム全体を集積した半導体で、パソコンなどに内蔵されるマイクロプロセッサに比べ機能はシンプルで性能も低いが、安価でシステム全体の基板面積や部品点数、消費電力を少なく抑えることができます。
(*12)イメージセンサ:画像を電気信号に変換する半導体素子を指します。デジタルカメラをはじめ、携帯電話などにも広く使用されています。CCD、CMOSなど構造によりいくつかの種類があります。
(*13)アナログ:無線通信用半導体や電源制御用半導体、アナログデータをデジタルデータに変換するコンバータなど多くの種類があります。
(*14)MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):機械要素部品(稼動する部品)、センサ、電子回路などを一つの基板上に集積化したデバイスを指します。製品として市販されている物としては、インクジェットプリンタのヘッド、圧力センサ、加速度センサ、DMD(プロジェクタ)、電子コンパスなどがあります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E24994] S100COE5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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