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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D602

有価証券報告書抜粋 第一三共株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を2025年ビジョンとして掲げております。
2025年ビジョンの達成に向けて、重点領域であるがん領域については、ADCフランチャイズ、AMLフランチャイズ及びブレークスルー・サイエンス(注1)を3つの柱として設定し、戦略的な研究開発活動に取り組んでおります。
また、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患を次世代領域と位置付け、研究の加速化を進めております。
研究から初期開発段階では、パートナリング、オープンイノベーション、トランスレーショナルリサーチを利用して、標準治療を変革する先進的新薬創出を目指した活動を進めております。
後期開発段階では、がん領域と循環代謝領域等の製品の開発を進めております。
ライフサイクルマネジメント(注2)では、循環代謝領域を中心に継続した取り組みを実施しております。
2017年4月にバイオ医薬品のモダリティ研究(注3)と生産技術研究開発の機能を集約化したバイオロジクス本部を新設いたしました。
研究機能強化の取り組みの一環として、2018年4月1日に当社の国内子会社であるアスビオファーマ㈱を吸収合併いたしました。
(注)1.ブレークスルー・サイエンス:革新的な科学技術を応用した、がん治療法に抜本的な変革をもたらす新規治療モダリティ。
2.ライフサイクルマネジメント:適応症の拡大や用法・用量の改善等により、医薬品の製品価値を一層高め、長期間にわたりその価値を医療現場に提供するための取り組み。
3.モダリティ研究:抗体、抗体薬物複合体、ペプチド及び核酸等、低分子を除く全ての化合物の創薬技術研究。
当連結会計年度の研究開発費は、2,360億円(前連結会計年度比10.1%増)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は、24.6%となりました。
主な研究開発プロジェクトの進捗状況は、次のとおりであります。

(1) がん領域
① DS-8201(抗HER2 ADC)
2016年12月にFDAよりHER2陽性の転移性乳がん治療を対象として、優先承認審査(Fast Track)指定されております。さらに、2017年8月にFDAよりHER2陽性の再発・転移性乳がん治療を対象として、画期的治療薬(Breakthrough Therapy)の指定制度の対象品目と認定されました。また、2018年3月に厚生労働省より、がん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な再発・進行性胃がん患者に対する治療として、先駆け審査指定制度の対象品目と認定されました。
HER2陽性がん患者を対象としたフェーズ1試験パート2(症例拡大試験)を日本及び米国で実施しております。その途中経過を2017年6月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)及び2017年9月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表いたしました。さらに、HER2陽性及びHER2低発現の乳がん患者を対象とした安全性と有効性に関する最新データを2017年12月に米国サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表するとともに、HER2陽性の胃がん患者を対象とした安全性と有効性に関する最新データを2018年1月に米国臨床腫瘍学会の消化器癌シンポジウム(ASCO-GI)で発表いたしました。
HER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたグローバル・フェーズ2試験を2017年8月に開始いたしました。
HER2陽性の再発・進行性胃がん患者を対象とした日本及び韓国でのフェーズ2試験を2017年11月に開始いたしました。
HER2陽性の再発・進行性大腸がん患者を対象としたグローバル・フェーズ2試験を2018年2月に開始いたしました。
(ⅰ) DS-8201の研究開発提携
・当社は、米国Bristol-Myers Squibb Co.とHER2陽性の乳がん及び膀胱がん患者を対象とした、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(製品名:オプジーボ)との併用療法を評価する臨床試験の共同実施に関する契約を2017年8月に締結いたしました。
・当社は、米国Puma Biotechnology, Inc.及び米国Memorial Sloan Kettering Cancer CenterとHER2変異固形がん患者を対象としたチロシンキナーゼ阻害剤ネラチニブ(米国製品名:NERLYNX)との併用療法を評価する前臨床試験の共同実施に関する契約を2017年12月に締結いたしました。
② U3-1402(抗HER3 ADC)
HER3陽性の難治性の転移性乳がん患者を対象としたフェーズ1/2試験を日本及び米国で実施しております。
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与中に病勢進行したEGFR変異のある非小細胞肺がん患者を対象とした米国でのフェーズ1試験を2018年2月に開始いたしました。
③ DS-1062(抗TROP2 ADC)
再発・進行性の非小細胞肺がん患者を対象とした日本及び米国でのフェーズ1試験を2018年2月に開始いたしました。
④ キザルチニブ
欧米及びアジアで、FLT3-ITD変異を有するAMLの二次治療及び一次治療の適応取得を目的としたフェーズ3試験を実施しております。
⑤ DS-3201
再発・難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象としたフェーズ1試験を日本で実施しております。その途中経過を2017年12月に米国血液学会(ASH)で発表いたしました。
再発・難治性のAML及び急性リンパ性白血病患者を対象としたフェーズ1試験を米国で実施しております。
⑥ ペキシダルチニブ
2015年10月にFDAより腱滑膜巨細胞腫(以下「TGCT」という。)の治療における画期的治療薬(Breakthrough Therapy) の指定制度の対象品目と認定されております。
欧米でのTGCT患者を対象としたフェーズ3試験において、主要評価項目を達成したことを2017年10月に発表いたしました。
⑦ DS-1647
東京大学医科学研究所 藤堂具紀教授と共同で国内フェーズ2試験を実施しているがん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)が2016年2月に悪性神経膠腫を対象として、先駆け審査指定制度の対象品目と認定されております。さらに、2017年7月に同疾病を対象として、希少疾病用再生医療等製品に指定されました。
⑧ デノスマブ
日本で、2012年より多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変、また2014年より骨巨細胞腫の適応症で、製品名ランマークとして販売しております。さらに、2013年より骨粗鬆症に対する国内製造販売承認を取得し、プラリアの製品名で販売しております。
プラリアについて、関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制の効能・効果追加の承認を2017年7月に取得いたしました。
米国Amgen Inc.と共同で実施するランマークの乳がん術後補助療法に関するグローバル・フェーズ3試験の結果概要を2018年2月に発表いたしました。主要評価項目である無骨転移生存期間の延長は達成できませんでした。なお、新たな安全性上の懸念は認められませんでした。
(ⅰ) 主な研究開発提携等
(a) Glycotope GmbHとのADCに関するオプション契約の締結
・当社は、ドイツGlycotope GmbHががん治療薬として開発中のPankoMab-GEX(抗TA-MUC1抗体)を、当社のADC技術を活用してADC化した薬剤の事業化に係るオプション契約を2017年10月に同社と締結いたしました。
・本契約の下、当社はADC化したPankoMab-GEXの薬効を確認する予備的試験を実施後、同薬剤に関する全世界での独占的開発及び商業化権利を取得することができます。
(b) MD Anderson Cancer CenterとのAML治療の研究開発提携に関する契約の締結
・当社の米国子会社である第一三共Inc.及びプレキシコンInc.は、米国テキサス大学 MD Anderson Cancer CenterとAML治療の研究開発提携に関する契約を2017年9月に締結いたしました。
・本契約の下、当社AMLフランチャイズの複数の開発品の併用効果(当社薬剤間及び他社薬剤との併用効果)を評価するとともに、非臨床試験や新規バイオマーカー(注4)の探索等のトランスレーショナルリサーチを実施いたします。
(注)4.バイオマーカー:患者さんの層別化、医薬品の作用機序解明及び有効性・安全性の指標。
(c) Max Planck Innovation GmbHとのがん領域における研究開発提携契約の締結
・当社は、ドイツMax Planck Innovation GmbH及びその探索研究機関であるLead Discovery Center GmbH(以下「LDC」という。)とがん領域における共同研究を実施し、LDCが探索する新規リード化合物(注5)の開発及び販売の独占的実施権を取得できるオプション契約を2017年7月に締結いたしました。
・本契約の下、がん細胞の転写と増殖を阻害する新規化合物の最適化を行うための共同研究を実施いたします。
(注)5.リード化合物:創薬過程の出発点となる化合物で、その化学構造を修飾することで、活性、毒性、薬物動態等の改善が期待できる化合物。
(d) Boston Pharmaceuticals Inc.とのDS-5010に関するライセンス契約の締結
・当社は、米国Boston Pharmaceuticals Inc.と当社が保有する選択的RETキナーゼ阻害剤DS-5010の全世界での研究開発、製造及び商業化の権利を同社に導出する契約を2017年8月に締結いたしました。
(e) 新規がん温熱療法に関するオープンイノベーション研究の開始
・当社は、公立大学法人名古屋市立大学、学校法人中部大学 中部大学、三菱UFJキャピタル㈱(以下「三菱UFJキャピタル」という。)と、新規がん温熱療法に関するオープンイノベーション研究を2018年3月に開始いたしました。
・本研究を行うために、2013年に当社と三菱UFJキャピタルが共同設立したOiDEファンド投資事業有限責任組合から共同研究等に必要な資金を全額出資し、OiDE RYO-UN㈱を設立しております。
・新規の創薬基盤技術研究の産学連携を推進し、新たな治療法の開発を目指して参ります。

(2) スペシャルティメディスン領域(注6)
(注)6.スペシャルティメディスン領域:がん以外の領域。循環代謝、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患等の領域を含む。
① エドキサバン
日本では、2011年より下肢整形外科手術患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応症で製品名リクシアナとして販売しており、2014年に非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、並びに静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺塞栓症)の治療及び再発抑制の両効能を追加取得しております。
海外では、米国、欧州及びアジア等、20カ国以上で販売承認を取得しております。
経カテーテル大動脈弁置換術を施行した心房細動患者を対象とした欧米での無作為化比較試験(ENVISAGE-TAVI AF試験)を2017年4月に開始いたしました。
がんを合併した静脈血栓塞栓症患者を対象とした欧米でのHokusai-VTE CANCER試験の結果を2017年12月に米国血液学会(ASH)のlate breaking sessionで発表いたしました。
② エサキセレノン
糖尿病性腎症の患者を対象とした国内フェーズ3試験を2017年9月に開始いたしました。
本態性高血圧症の患者を対象とした国内フェーズ3試験において、主要評価項目を達成した試験結果概要を2017年9月に発表いたしました。
本試験結果に基づき、2018年2月に高血圧症に係る国内製造販売承認申請を行いました。
③ ミロガバリン
疼痛患者を対象とした2つのフェーズ3試験の結果概要を2017年6月に発表いたしました。日本及びアジアでの帯状疱疹後神経痛の患者を対象とした試験は、主要評価項目を達成しました。一方、欧米での線維筋痛症の患者を対象とした試験は、主要評価項目を達成しませんでした。
日本及びアジアでの糖尿病性末梢神経障害性疼痛の患者を対象としたフェーズ3試験において、主要評価項目を達成した試験結果概要を2017年8月に発表いたしました。
日本及びアジアでのフェーズ3試験結果に基づき、2018年2月に末梢性神経障害性疼痛に係る国内製造販売承認申請を行いました。
④ DS-5141
㈱Orphan Disease Treatment Instituteと共同で国内フェーズ1/2試験を実施しているデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤DS-5141が2017年4月に先駆け審査指定制度の対象品目と認定されました。
⑤ CHS-0214
日本で、米国Coherus BioSciences, Inc.と共同開発中の関節リウマチ等の自己免疫疾患治療薬エタネルセプトバイオ後続品CHS-0214について、安定供給を可能とする製法を確立できなかったことから、2017年7月に開発中止を決定いたしました。
(ⅰ) 主な研究開発提携等
(a) Translational Sciences, Inc.とのTS23に関するライセンス契約の解約
・当社は、研究開発パイプラインの優先順位付けにより、米国Translational Sciences, Inc.との血栓溶解剤TS23に関する開発及び商業化に関する権利を解約することを2017年10月に決定いたしました。
(b) Charleston Laboratories Inc.とのCL-108に関する開発及び販売契約の解約
・当社及び当社の米国子会社である第一三共Inc.は、米国の疼痛市場並びに当社ポートフォリオを再評価した結果、米国Charleston Laboratories Inc.との制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108に関する開発及び販売契約を解約することを2017年8月に決定いたしました。
(c) クオリプス㈱とのiPS細胞由来心筋シートの商業化に関する契約の締結
・当社は、大阪大学発ベンチャー企業であるクオリプス㈱への出資及び同社が開発するiPS細胞由来心筋シートの全世界での販売オプション権を取得する契約を2017年8月に締結いたしました。
・本契約の下、iPS細胞由来心筋シートを用いた重症心不全治療薬の実用化を目指します。


事業等のリスク株式の総数等


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