有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NRVS (EDINETへの外部リンク)
株式会社すららネット 事業の内容 (2021年12月期)
当社は、環境に左右されず、どのような子どもたちにも最適な「教育の機会」を提供することを目指し、EdTech(※1)による教育サービスの提供とその運用コンサルティングサービスの提供を行う事業を展開しております。
当社は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校等に対して、EdTech教材「すらら」「すららドリル」「ピタドリ」(以下「すらら」等)サービスの提供を行っております。また、「すらら」等を導入する顧客に対して、「すらら」等を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、無料勉強会の定期開催等による各種経営支援サービス、他社とのコラボレーションによるコンテンツの提供等を行っております。
当社は、「SuRaLabo」プロジェクトや、大学をはじめ各教育機関と共同で実施する「すらら」等サービス利用者の学習状況に関するビックデータ分析といった研究成果をサービスにフィードバックすることで、より学習効果の高い教材を目指しております。
また、海外マーケットにつきましては、独立行政法人国際協力機構(JICA)から採択を受けた各種事業等を契機としてスリランカやインドネシアでの当社サービス「Surala Ninja!」の利用が進んでおり、2021年12月31日現在、海外マーケットにおける導入校数は55校となりました。
当社の事業は、eラーニングサービス関連事業の単一セグメントであるため、以下に主要なサービスの内容を記載いたします。
(1) サービスの概要
当社が提供するサービスの内容は以下のとおりです。AI×アダプティブラーニング教材「すらら」は小学校から高校までの国語、算数/数学、英語、理科、社会5教科の学習を、先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、一人ひとりの理解度に合わせて進めることができるアダプティブな e-ラーニング教材です。レクチャー機能、ドリル機能、テスト機能により、一人一人の習熟度に応じて理解→定着→活用のサイクルを繰り返し、学習内容の定着をワンストップで実現できます。初めて学習する分野でも一人で学習を進めることができる点が特長です。「すららドリル」ならびに「ピタドリ」は、アダプティブなドリルと自動作問・採点機能を有するテストにより、学びの個別最適化を実現する「すらら」の姉妹版という位置づけで、「すららドリル」は主に公立小中学校で、「ピタドリ」はローカル中堅大手塾で、それぞれ活用されています。
① 「すらら」サービスの提供
具体的には、以下の機能を有しております。〈「すらら」の機能〉
機能 | 内容 |
レクチャー機能 | 初めて学習する分野でも一人で学習を進めることができる無学年式の講義。アニメーションキャラクターが先生役となり、わかりやすい講義を行う。先生役のキャラクターには、著名声優を採用。根本的・概念的な深い理解が得られるよう、スモールステップで講義を展開し、学校の進度に関わらずゼロから内容を理解できる。一方的な講義ではなく、途中でクイズなどの参加型アクティビティを取り入れ、インタラクティブに学習を進めていくことができる。 |
AIドリル機能 | 学習者の解答結果から苦手分野を分析・特定し、理解度に合わせた解説や問題を提示することで、生徒が苦手分野を自分で克服できる機能。180,000問以上の豊富な問題数に加え、特許取得の「つまずき診断」機能により問題が解けない根本的な原因を自動で見つけ出し、「難易度コントロール」機能により一人ひとりの理解度に合った問題を出題するため、一人でも自分に合った学習を進めることができる。 |
テスト機能 | WEB上で自動作問、自動採点し、一人ひとりに合わせ学習箇所の提示までを一貫して実施できるテスト機能。自由に学習単元を選択できる「小テスト」、学年、学期ごとの学習単元の理解度と必要な復習が一目でわかる「学力診断テスト」、教科書と学習範囲を選んで腕試しできる「定期テスト」の3つのテストを用途に応じて使い分け活用できる。自動作問・自動採点機能により、実施直後に結果を診断し、テスト結果に基づく専用の個別カリキュラムを提示するため自分に合った学習を進めることができる。2021年11月には、教師がオリジナル問題を作問・登録できる機能を追加した。 |
ゲーミフィケーション機能 (※2) | 学習者に対して学習の継続意欲を促進させ、目標達成へのモチベーションを高めるための機能。2020年8月より、学習者に対するモチベーティング機能をさらに強化し、生徒が学習を進め、達成した場合にポイントを獲得できる「アチーブ・エッグ」というゲーミフィケーション要素を連動させている。獲得したポイントは、好きなアバターを設定し、キャラクターを選ぶことや、キャラクターを育てて楽しむことに利用できる。ゲーミフィケーション機能を楽しむためには定期的にポイントを獲得することが必要であり、さらに学習のモチベーションを向上させることが期待できる。ゲーミフィケーション機能を用いることにより学習者の学習行動サイクルを確立することを目指している。 |
② 「すらら」等を導入する顧客に対する経営支援
学習塾や学校等に対して、「すらら」等を現場で活用した教育カリキュラムの提案や成功事例・各種ノウハウの提供等の経営支援サービスを提供しております。また、当社のサービスを使って学習塾を独立開業される方等に対して、物件探索や資金調達・販売促進活動・その他塾経営に必要な情報等を提供する開業支援サービスを提供しております。③ 他社とのコラボレーションによるコンテンツサービスの提供
当社は「すらら」等をはじめとする自社教材に加え、他社コンテンツサービスの品揃えを拡充し、顧客満足とユーザーの拡大を目指しております。当社は、他社とのコラボレーションにより、英会話や長文読解コンテンツ、英語の発音評価機能などを提供しております。(2) サービスの対象顧客と収益構造
当社は、オンライン学習教材の「すらら」等サービスを、主に全国の学習塾、学校等の「すらら」等導入校、個人学習者に対して提供しております。当社の主な収益源は、「すらら」等サービスを導入校や個人学習者に対して提供することによる、サービス利用料収入等であります。〈学習塾・学校向け(BtoBtoC)の事業モデル〉
学習塾や学校等のBtoBtoCの事業モデルにおいては、当社は導入校に対して「すらら」等を利用するための管理者用ID(先生ID)を発行し、導入校は導入校に通う生徒向けに生徒IDを発行しております。導入校に通う生徒は導入校を介して「すらら」を利用することになります。導入校は「すらら」の各種機能を使って、生徒に対する受講フォローを実施しますので人件費・各種管理コストの発生を抑制することが可能となります。「すらら」は当社のサービスを使って独立開業される方や、従来より塾を経営されている個人顧客に加えて、複数の校舎や生徒を有する学習塾や学校等の法人顧客や自治体(公立学校)にも利用されています。法人顧客においては、授業内の活用だけでなく、「すらら」を活用した反転授業(※3)等により自宅でも利用されています。また、当社は、当社のサービスを使って学習塾を独立開業される方等に対しては、「すらら」等サービスを提供することに加えて、「物件や資金調達、内装や生徒募集に関するサポート」、「無料勉強会の定期開催による成功事例・塾経営ノウハウの共有」、「販売促進チラシ等の無償提供」等の各種経営支援を実施しております。当社による「すらら」等サービス提供の対価として、学習塾においては、「すらら」等サービスを契約された1校舎につき課金される月額「サービス利用料」と、導入校がすららシステムに登録した生徒ID1つにつき課金される月額「ID利用料」を主な収益として得ております。また、学校法人においては、契約時に発生する「初期導入料」と、導入校がすららシステムに登録した生徒ID1つにつき課金される月額「ID利用料」を主な収益として得ております。
〈個人学習者向け(BtoC)の事業モデル〉
個人学習者向けのBtoCの事業モデルにおいては、当社が個人学習者に対して「すらら」を利用するための生徒IDを発行しております。IDを持つ生徒には、当社と業務協力関係にある「すらら」導入塾の先生(すららコーチ)から、いつまでにどこまで学習するかといった「月1回の目標設定」や、つまずいているところがないか「週1回程度の電話やメールでの進捗確認等の受講フォローが行われます。当社による「すらら」サービス提供の対価として、個人学習者においては、生徒ID1つにつき課金される月額「ID利用料」を主な収益として得ております。また、導入塾の先生に対しては、受講フォロー業務委託料を支払うことにより、エンドユーザーの数が増える度に導入塾の収益も増えるといった当社とWin-Winの関係となる事業モデルを構築しております。
これらのサービス提供の結果、2021年12月末時点でのすらら導入校数は2,606校、すらら利用ID数は433,439IDとなっております。また、当事業年度における「ID利用料」の売上比率は67%となっております。
〈課金対象導入校数の推移及びID数の推移〉
年月 | すらら導入校数(校) | すららID数(ID) | ||||||||
学習塾 | 学校 | 海外 | 合計 | 学習塾 | 学校(注2) | 海外 | BtoC | 合計 | ||
ID課金 | 校舎課金 | |||||||||
2010年12月末 | 97 | 47 | ― | 144 | 1,322 | 2,283 | 14,182 | ― | 49 | 17,836 |
2011年12月末 | 181 | 55 | ― | 236 | 2,157 | 3,755 | 15,579 | ― | 26 | 21,517 |
2012年12月末 | 318 | 57 | ― | 375 | 3,543 | 4,521 | 16,825 | ― | 44 | 24,933 |
2013年12月末 | 428 | 60 | ― | 488 | 4,985 | 6,244 | 16,428 | ― | 112 | 27,769 |
2014年12月末 | 511 | 72 | ― | 583 | 6,682 | 9,011 | 16,728 | ― | 127 | 32,548 |
2015年12月末 | 520 | 86 | 4 | 610 | 7,384 | 10,779 | 15,098 | ― | 186 | 33,447 |
2016年12月末 | 543 | 111 | 21 | 675 | 9,610 | 13,700 | 13,614 | 812 | 218 | 37,954 |
2017年12月末 | 561 | 133 | 23 | 717 | 13,872 | 18,912 | 15,790 | 1,810 | 594 | 50,978 |
2018年12月末 | 757 | 154 | 29 | 940 | 15,895 | 29,260 | 12,285 | 2,248 | 1,122 | 60,810 |
2019年12月末 | 872 | 183 | 42 | 1,097 | 18,637 | 33,476 | 13,104 | 2,401 | 2,349 | 69,967 |
2020年12月末 | 1,116 | 1,096 | 55 | 2,267 | 25,280 | 334,566 | 8,585 | 1,936 | 3,416 | 373,783 |
2021年12月末 | 1,215 | 1,336 | 55 | 2,606 | 22,494 | 403,621 | 937 | 2,710 | 3,677 | 433,439 |
(注) 1.上記のすらら・すららドリル導入校数は、月額「サービス利用料」が発生する校舎数を対象に記載しております。なお、「海外」については、契約上月額「サービス利用料」の課金を行っておりませんが、参考値として契約校舎数を記載しております。
2.上記の「学校」のすらら・すららドリルID数について、内訳を記載しております。ID課金数は、導入校がすららシステムに登録した生徒ID1つにつき課金されるものを指します。校舎課金数は、導入校が当社に対して1校舎につき固定の利用料金を支払うことで生徒IDを登録することができるものであり、生徒ID1つにつき課金されないものを指します。なお、学校法人との契約において、当社が導入校に対して提供する現在の契約内容はID課金のみであり、校舎課金は株式会社C&I Holdingsにおける事業運営時に契約された導入校の一部に対して提供している契約内容であります。
3.「すらら」は小学校から高校までの国語、算数/数学、英語、理科、社会 5教科の学習を、先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、一人一人の理解度に合わせて進めることができるアダプティブな eラーニング教材です。「すららドリル」は、アダプティブなドリルと自動作問・採点機能を有するテストからなり、「すらら」の姉妹版として主に公立小中学校向けに提供を開始しています。
4.従来、「その他」として開示しておりましたNPOなどを通じたID数を、契約実態に合わせて「学習塾」に含めております。それに従い過年度のID数も「学習塾」へ組替えております。
5. ID数の「その他」項目として開示しておりました契約は、導入校数に含めておりませんでしたので、上記4の変更に伴い、2019年12月末及び、2020年12月末学習塾校舎数と校舎数合計を各々41校加算しております。
〈公立学校の導入校数及びID数〉
年月 | 公立学校(注1) | EdTech導入補助金(注2) | ||
学校数 | ID数 | 学校数 | ID数 | |
2020年12月末 | 860 | 289,576 | 616 | 217,473 |
2021年12月末 | 1,126 | 339,330 | 484 | 161,885 |
(注) 1.経済産業省EdTech導入補助金により利用している学校数・ID数を含めております。
2.経済産業省EdTech導入補助金により利用している学校数・ID数になります。
[事業系統図]
当社の事業の系統図は、以下のとおりであります。
〈用語集〉
※1 EdTech:EdTech(エドテック)とは、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語
※2 ゲーミフィケーション:ゲームの要素をゲーム以外の分野に応用することで、楽しく続けることができ、サービスの継続率や顧客満足度等のロイヤリティを高める仕組みをつくること
※3 反転授業:これまで教室で一律講義していた新たな学習内容を、オンライン学習教材等を用いて自宅で予習することで教室では講義を行わず、その代わりに教室では従来宿題としていた課題について講師が個々の生徒の特性に合わせた指導を行ったり、生徒同士での協働学習を行う形態の授業
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