有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D7DS
ダイニック株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グル-プの研究開発体制は、既存事業分野の拡大を主目的とする事業部技術部門と各事業部間の技術の複合化による新規商品開発を担当する開発技術センタ-より構成され、それぞれが連携をとりつつ効率のよい開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発活動は引き続き、当社のコア技術の継続的強化を図り効率的開発に努め、環境・エネルギー関連や医薬・食品分野を中心に今後大きな成長が期待される分野の開発に重点的に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は237百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1) 印刷情報関連事業
低迷する出版関連市場では、積極的な海外市場展開と出版・文具市場で培った紙クロス技術を生かしたパッケージ用クロスの開発・拡販に注力しております。更に新規用途向け機能用紙の開発を進め食品用途、テープ用途、ラベル用途向けの受注を新たに獲得し、引き続きこの分野での開発に注力してまいります。印字媒体及びその他の関連市場では、海外市場を中心にその性能が高く評価されている水分ゲッターシート「HGS」は、液状タイプの開発も完了し、有機ELディスプレイ以外の多用途展開を進め新たな受注を獲得しております。熱転写リボンは食品包材向けに開発したグレードにおいて、その優れた特性が国内外市場で評価され実績を伸ばし、導入した新規コーターは生産性の拡大に寄与しております。また、キャパシタ用に開発した導電性塗料技術を使った新規用途への開発も積極的に進めており、シールド材等の新たな受注に結び付いております。引き続き、当社のコア技術である配合技術・コーティング技術を駆使した更に高性能の熱転写リボンや機能性フィルム開発を進め、海外市場を含めた新規市場への展開を図ってまいります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は85百万円であります。
(2) 住生活環境関連事業
快適な生活空間を創造する商品や、住宅や車輌及び工業資材などの幅広い分野に、当社の不織布や合成樹脂シート製造技術とコーティング・ラミネート技術を巧みに組み合わせた新製品を開発、提案してまいりました。壁装材分野では、生活環境改善・防汚・表面強化・クラック防止等の新規機能の付与やデザイン企画力の向上に努め、新規意匠性に秀でた壁紙の開発を引き続き進めております。
工業用途向けでは、フレコン用ターポリンは耐熱性とガスバリア性、軽量性、導電性機能向上等の開発を引き続き進めると共に拡販に努めております。
フィルター関連では、空気清浄機用フィルター、自動車エンジン用フィルター、キャビンフィルターで販売拡大を図ってきましたが、新たに燃料電池用フィルターやクリーンルーム用ケミカルフィルターをラインアップしております。また、開発した蒸散板シートは、洗浄による繰り返し使用や抗菌・抗カビ等の機能付与により冷蔵ショーケースのドレン水蒸散用等の業務用途への採用を進め実績を拡大しております。また、意匠性においても、耐久性能が高いインクジェットプリント技術を開発しデザイン性を格段にアップした商品の拡販を進めております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は102百万円であります。
(3)包材関連事業
アルミ箔・フィルムを素材とした食品容器用蓋材やインナーシール材を中心に手掛ける包材関連では“環境に優しく”をテーマにアルミレス蓋材の開発や、顧客の高速充填等の要求に素早く対応した新製品、新機能の開発を行ってきましたが、新たに海外の食品包材の規格に対応したグレードの受注を獲得し、生産量を拡大しております。フィルムや不織布ベースにエンボス加工を施す特殊材料加工では、主力商品であるパップ材の離型フィルム等の医療用途から、食品包材・電子機器関連分野への展開を進めております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は36百万円であります。
なお、その他につきましては、上記報告セグメントには帰属しない研究開発活動として、従来にはない商品・製品に関する調査・探求や、生産前段階での試作や試験等の活動が挙げられます。
当連結会計年度における研究開発費の金額は14百万円であります。
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