有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VIOY (EDINETへの外部リンク)
 ニューラルグループ株式会社 事業の内容 (2024年12月期)
ニューラルグループ株式会社 事業の内容 (2024年12月期)
当社グループは、当社及び連結子会社4社(ニューラルマーケティング株式会社、ニューラルエンジニアリング株式会社、Neural Group (Thailand) Co., Ltd.、Neural Solutions (Thailand) Co., Ltd.)で構成されております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(1) 事業の概況
当社グループは「AIで心躍る未来を」をミッションとして、リアル空間のデジタル化による社会課題の解決を目指しております。当社グループ事業は、デジソリューション、ライフスタイルの2つのサービスドメインで構成されております。
デジソリューションサービスドメインでは、AIカメラを活用した駐車場や物流施設のトラックバースの効率的な運用を実現する「デジパーク」、街中の人流解析や防犯に活用いただける「デジフロー」、在宅勤務支援ツール「リモデスク」、屋外及び屋内用LEDディスプレイの「ニューラルビジョン」「デジルック」、デジタルサイネージを媒体とするマンションサイネージ広告サービス「フォーカスチャネル」を提供しているほか、人・車両検知を行いサイネージ・パトランプ等へ即時発報、施設における安全性向上や運用効率化を支援する「エッジアラート」の提供を開始しました。ライフスタイルサービスドメインでは、アパレル向けファッショントレンド解析「AIMD」や、積込み最適化ソリューション「AI-VANNING」といった幅広いAIシステムソリューションを提供しているほか、当社の資本業務提携先であるソニー株式会社と共同で開発した1on1支援ツール「KizunaNavi」の提供を開始しました。
当社グループの目指すスマートシティのビジョンは、データが循環する社会であります。当社グループはスマー
トシティを運営するためのエッジAIプラットフォームの提供を通じ、「待ちのない街」と「情報に出逢える街」を
創出します。当社が提供するサービスは相互に密接に関連しており、AIによる解析サービス、エッジAI機器やLEDサ
イネージの提供、AIライセンスの提供を通じ、未来のAIスマートシティの実現を目指しております。
(2) 当社グループの技術の特徴と優位性
① 独自の深層学習技術のライブラリ開発
当社グループは、技術分野として、深層学習技術に基づく独自のAIライブラリを開発し、当社グループのAIエンジニアリング事業に活用しております。AIライブラリの開発にあたっては、汎用のオープンソースのアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度のモデルを使用しております。また、当社グループでは、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズを行うことができます。当社グループでは、深層学習における学習データを準備する上で、深い知見を持つ専属のデータアノテーションチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%(注)を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。
更に、学習データの仕分けに用いる自社開発の独自ソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数か月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用したAIモデルの効率的な学習を可能とする周辺開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。
(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムのうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。
② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性
当社グループは、エッジAIと呼ばれる、端末処理(エッジコンピューティング)でAIを実行・動作させる技術の研究開発及び活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバーにアップロードし、サーバーで大規模な解析処理を行う必要がありました。こうしたサーバーの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く社会に浸透するための課題となっていました。エッジAIでは、カメラ等で取得された画像をはじめとしたデータをローカルに設置したエッジコンピュータが取得・解析し、解析後のメタデータ(解析結果を記したテキストデータ)のみを必要に応じてサーバーに送信します。そのため、画像や映像といった容量の大きいデータを通信網を用いて送受信する必要がなく、サーバーが受信するデータはすでに解析後のデータであり、AI解析を行うための大規模なGPUをサーバーが持つ必要もなくなるため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、通信網を経由して送受信されるデータの容量も画像や映像に比べてはるかに小さくなるため、携帯電話での通信が行える程度のインターネット環境と電源さえあれば当社の提供するAIサービス・プロダクトは利用可能であり、拡張性の高さも当社サービスの特徴の1つです。
さらに、エッジAIの特徴として端末で処理を行うため、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送信することなくAIを活用できることから、個人情報やプライバシー保護の面において高い優位性を有しております。
エッジAIを動作させるためのエッジコンピュータやそこに搭載されるプロセッサはグローバルで様々なメーカーのものが存在しておりますが、当社グループのAIソフトウエアは特定のデバイスやプロセッサに依存しておらず、デバイス・プロセッサに対して横断的に搭載することが可能です。加えて、当社グループは、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することが可能です。また、端末の限られた処理性能の中で安定的に動作するように最適化されたアルゴリズムの開発・実装に深い知見を有しており、スマートフォンのような小型・軽量の端末であっても高度なAIを組み込んだアプリケーションの開発が可能です。
当社グループはエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。
③ 独自に開発する軽量・高精度なAIライブラリと、エッジコンピューティングの親和性
AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは従来から認識されていましたが、エッジコンピュータに深層学習モデルを搭載するにはモデルの軽量化が必須要件でした。誰でも利用できるオープンソースの学習済モデルやライブラリを組み合わせて開発されたAIソフトウェアは一定程度の計算能力を必要とするものが多く、また現実の多様な環境下で商用レベルで活用できる精度を発揮することは困難です。そのため、実環境下で商用レベルの解析精度を発揮し、なおかつエッジコンピュータの限られた計算能力の中で画像解析AIを安定的に実行・動作させるためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社グループは、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルとエッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保したエッジAI技術の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社グループは、ビジネス・エコシステムを構築することができる領域において、エッジAI技術を活用したサービスを次々に開発・提供し、事業の創出・拡大を積極的に行っております。(3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール
当社グループが現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下のとおりとなっております。| 深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名 | 機能 | 
| 物体検知・分類ライブラリ | 通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。 | 
| 単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる 奥行き推定ライブラリ | 多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。 | 
| 視線検知ライブラリ | 人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。 | 
| グループ解析ライブラリ | 歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。 | 
| 歩行モード解析ライブラリ | 歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足を止めそうか等)を推定。 | 
| 通行者属性推定ライブラリ | カメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。 | 
| ファッション属性解析ライブラリ | 着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル等)を推定。 | 
| 顔画像からの人物検知・認証ライブラリ (同一人物特定) | 人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。 | 
| 全身画像からの人物検知・認証ライブラリ (同一人物推定) | 人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。 | 
| 車両ナンバープレート認識ライブラリ | ナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。 | 
| 車両ナンバープレート学習用画像生成ツール | アクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。 | 
| スマートフォンでも動作可能な軽量化済み 物体検出・分類ライブラリ | 軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。 | 
| 動体検知・分類・追跡ライブラリ | 動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。 | 
| 3次元箱形状測定ライブラリ | スマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。 | 
| 作業工程認識ライブラリ | 工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。 | 
| 作業動線解析ライブラリ | 工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。 | 
| 異常検知・予知保全ライブラリ | 構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。 | 
| CTスキャン異常検出ライブラリ | CTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で不良を判定。 | 
| GANを用いた異常検知ライブラリ | GANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。 | 
| ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリ | スマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能。 | 
| 満空認識ライブラリ | カメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。 | 
| 広告配信最適化ライブラリ | デジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。 | 
| 予測・レコメンドエンジンライブラリ | 時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。 | 
| 流行自動検出ライブラリ | ファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。 | 
| 単眼カメラによる3次元モーション解析・ 3Dモデリングライブラリ | 単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。 | 
| シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワーク | シミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。 | 
| アクティブラーニングを用いた アノテーションツール | アクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。 | 
| サービス横断的なデータの統一管理ソリューション | 当社グループが提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。 | 
| モジュール化された地方自治体向けソリューション | 地方自治体におけるさまざまなユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラム。 | 
| エッジデバイスライブラリ管理システム | エッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。 | 
| エッジデバイス死活監視システム | エッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。 | 
| エッジデバイス自動インストーラー | 携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。 | 
| エッジデバイスセキュリティシステム | エッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 | 
(4) 展開するAIサービスと販売形態
当社グループは、独自に開発した多数のモデル・AIライブラリを用いて事業を創出し、AIサービスを提供しております。「デジソリューション」ドメインでは、独自のAI搭載機器やサービスの設置・販売・メンテナンス、AIライセンス供与、システム開発、サイネージ機器のファブレス開発の他、当社グループがブランドとして提供するマンションサイネージ広告サービスにおいては、広告枠の販売による対価を受領しております。「ライフスタイル」ドメインにおいては、ライセンス供与、システム開発及びAI搭載機器の設置・販売・メンテナンスに係る対価を受領しています。
① デジソリューション
(I) 駐車場・モビリティ(デジパーク)
当社グループは、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社グループ技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。デジパークを導入した商業施設では、屋外の複数駐車場と屋内立体駐車場の満空状況をリアルタイム(5分間隔)でウェブサイト上で更新しています。また、電光掲示板を活用して現地での満空表示も実施しております。
また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に変わる新しい技術を開発し、ナンバープレートを100%に近い精度で検知するライセンスも保有しております。事前登録などとあわせてパーキングチケットのチケットレス化への取組みも強化し、精算時の混雑の緩和による快適なパーキング運営の実現を目指しています。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
当社グループは、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。AIカメラとその周辺機器を一式セットで提供するユニット販売が主流となっています。電気機器の設置工事を受注できる体制を整備するため、2021年10月1日ニューラルエンジニアリング株式会社を設立し、一般建設業許可(電気通信工事業)を取得いたしました。これによりAIライセンスの提供だけではなく、機器の設置と保守運用まで一気通貫でサービスを提供できるようになりました。
(ⅱ) 本サービスの特徴
屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。
・設置の容易さ
本サービスで使用するAIカメラは多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器はその管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器はオペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用
取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができます。また、データ送信などに有線回線が不要なためAIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。
(Ⅱ) 人流・防犯(デジフロー)
国内では、新型コロナウイルスは2023年5月には5類感染症に移行し、2023年7月には海外からの外国人観光客は中国からの旅行者を除くと、過去最多だった新型コロナウイルス感染拡大前の2019年7月を上回るなど、国内経済はインバウンド効果による経済の活性化を期待する声が広がっています。一方、観光客数の急回復が「オーバーツーリズム」として住民生活に悪影響を及ぼす懸念も報道されており、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社グループサービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社グループサービスの活用が進んでいます。
また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体、教育機関等と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に参加しております。
(Ⅲ) サイネージ広告(フォーカスチャネル)
2021年11月1日よりハイグレードマンションを中心にサイネージ広告事業を展開する株式会社フォーカスチャネルを完全子会社化し、グループに取り込みました。これを契機に、自社ブランドとしてのサイネージ広告事業の展開を加速してまいりました。なお、株式会社フォーカスチャネルはシナジーの加速と、より一層の事業の効率化を図るため、2022年8月1日に当社連結子会社の株式会社ネットテンとの吸収合併を経た後、商号変更を経て、現在ニューラルマーケティング株式会社に含まれる事業となっております。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
当社グループは、AIカメラを搭載したサイネージを無償でマンションに設置し、サイネージで配信する広告枠を販売いたします。広告枠の間にエンターテイメント性の高い情報などを配信することで、自然と目を引く広告メディアを目指しております。また、AIサイネージの隣に紙のチラシを置くことができるラックも設置し、デジタルと紙媒体の両面でマーケティングが打てる仕組みとなっております。
AIサイネージはマンションの入り口付近やエレベーターホール、コンシェルジュデスクの脇など、住民の方が必ず通る動線上に配置しており、一定以上の視認回数を確保できるものとなっております。
(ii) 本サービスの特徴
本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知が可能です。コロナ禍でも通行人数に大きな差が出にくいマンションエントランスにAIサイネージを設置することで、安定的な広告視聴回数を維持できるのが特徴です。設置場所となるマンションにも施設が自由に情報配信できる枠を無償で提供しており、これまでは紙で掲示していたマンション側のお知らせをオンラインでサイネージに配信することができるようになります。マンション共有スペースの景観改善と管理業務のデジタル化を推進するツールとして導入が進んでいます。
(IV) LEDサイネージ(ニューラルビジョン・デジルック)
2022年2月21日よりLEDサイネージのファブレスメーカーである株式会社ネットテンを完全子会社化し、グループに取り込みました。子会社化後、2022年8月1日に同じく当社子会社であった株式会社フォーカスチャネルを吸収合併した後、2022年9月1日にはニューラルマーケティング株式会社へと商号変更を実施しました。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
「ニューラルビジョン」「デジルック」という自社ブランドのLEDサイネージをこれまでに10,000点以上(当社完全子会社化以前の実績含む)販売・設置した実績を保有しております。全国に10拠点(大阪あべの、大阪住吉、東京、仙台、広島、福岡、札幌、名古屋、高松、宮崎)に営業人員を擁し、訪問販売営業及び法人営業により小売店舗、オフィスビル、商業施設、公共施設、地方自治体、スタジアムなどに対し、屋内外で設置するためサイネージを提供しております。
(ii) 本サービスの特徴
設置台数実績は国内最大(自社調べ)であり、競争力の高い部材仕入れ、安定した供給や設置施工能力、全国にわたる充実したメンテナンス体制、幅広い商品取扱、映像放映に必要となる素材作成能力や独自ソフトウエアの保有から、国内トップのLEDファブレスメーカーとしての実績を保有しております。また、強固な営業販売網と販売ノウハウにより、再現性の高い事業展開が見込まれます。
(Ⅴ) 在宅勤務支援(リモデスク)
新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、国内外の多様な事業者において、従業員の在宅化が急速度で進みました。そうした新しい働き方を支えるソリューションとして在宅勤務支援「リモデスク」を開発し、特に個人情報を多く扱うために在宅勤務が難しいとされていたコールセンター中心にサービスを提供しています。エッジAIの優位性を活かし、個人情報保護やプライバシーに配慮しながら自宅でも高い情報セキュリティを維持できるインフラを整えることで、コールセンターの在宅化を推進するツールとして活用の場を広げております。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。コールセンター内で問題行動とされるスマートフォンを使った画面撮影や、本人以外の第三者のなりすまし、画面の覗き込み等の行為が行われた場合に、それを検知して監督者に通知するAIソフトウエアを提供しております。(ⅱ) 本サービスの特徴
本サービスはエッジAIを活用することにより勤務中の画像を通信し続けることなく、問題行動が起きた場面だけが通知される仕組みになっており、働く人のプライバシーに配慮しながら機密性の高い情報を扱う方の在宅勤務を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。
(Ⅵ) リアルタイム検知・発報(エッジアラート)
デジパーク・デジフローなどのサービスで活用している人・車両などの物体検知AIやナンバープレート認識AI、サイネージ関連技術を応用・発展させ、商業・物流施設をはじめとした様々な施設の安全性向上・運用効率化を支援するサービスとして、「エッジアラート」を提供しております。深刻な人手不足が見込まれる施設管理の領域における課題の解決を通じて、持続的・効率的な施設運営と利用者の安全性の向上に貢献いたします。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
本サービスは、施設の出入り口に設置したAIカメラで、周辺の人・車両の動きや車両のナンバープレートを解析し、検出結果を付近に設置したサイネージやパトランプに反映したり、事前に登録したメールアドレス宛のメール通知などを即時に行うものです。これにより、誘導員がいない施設の出入り口付近における人・車両の出会い頭の事故の発生を抑制することができるようになるほか、逆走検知や施設利用が許可されていない車両の検知・通知が可能となり、施設の安全性・運用効率の向上に貢献します。(ⅱ) 本サービスの特徴
本サービスでは、安全性の観点からリアルタイムな通知が非常に重要であり、エッジAIの特徴である即時性と親和性の高いユースケースであると考えております。また、本サービスの提供に必要なAIライブラリは、当社グループの既存サービスで活用しているものと共通化されているため、精度の改善や安定性の向上などの活動を効率的に行うことができるようになっており、当社グループのAIライブラリの横展開の実現性・将来性を示すものとなっています。
② ライフスタイル
(I)ファッショントレンド解析
当社グループは、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。また、ECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等ファッショントレンド解析サービスから派生したシステム等の開発により、アパレルメーカーの業務効率化、デジタル化に資するサービスを提供しております。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
当社グループは、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長袖など)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。
(ii) 本サービスの特徴
AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社グループのサービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社グループのサービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。(Ⅱ)AIによる積込み最適化システム「AI-VANNING」
「AI-VANNING」は、リアルタイムで荷物の形状を認識し、形状や重量に合わせ、最善の積込み方法や仕切り板のレイアウトなどの提案を行い、荷崩れによる品質の低下やヒューマンエラーによる遅延時間を削減できるだけでなく、使用コンテナ数を最小限に抑えることにより、輸送費用の減少を実現します。また、これまで手作業に依存していた書類の取り扱い等の作業をペーパーレス化することで、人材不足問題の解消と効率的かつ正確な積込みプロセスを提供します。サービス提供開始後は、完全自動化に向け、順次サービス内容を拡張していく予定です。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
物流業界において人材不足は深刻な課題の一つとして挙げられており、2024年問題(※1)が注目を集めるとともにAI技術を活用した業務効率化サービスへの関心が高まっています。当社グループは、今回のシステム導入を皮切りに、今後も最先端AI技術を活用して海貨業界におけるDX化をリードしていくことを目指し、海貨業界の課題解決の支援と、より効率的かつ持続可能な運送プロセスの実現を支援していきます。(※1)2024年4月1日以降、働き方改革関連法により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が設けられることによって発生する問題
(ii) 本サービスの特徴
本サービスは、独自開発したAIアルゴリズムに基づき、最適なコンテナ積込みレイアウトを作成します。その結果、作業の手戻りなどが抑制されることで、人的リソースの効率的な利用を実現します。また、従来の手作業で行われていた受注及び入庫報告書の処理を自動化し、エラーの発生を最小限に抑えます。これにより、作業者の負担が軽減され、業務の正確性が向上します。DX化が可能な作業を手作業からオートメーションへ移行することによって、人材はより高度なタスクにシフトされるとともに、技術的なスキルと生産性の向上が期待でき、人手不足の解消につながります。
また、海貨業界全体のDXを推進するための強力な支援ツールとして機能します。デジタルプラットフォームを通じて業界内のステークホルダーがリアルタイムで連携し、情報共有と効率的な取引が可能となります。
(Ⅲ)1on1支援ツール「KizunaNavi」
近年、働き手及び企業・団体を取り巻く環境は大きく変化してきており、特にリモートワークやハイブリッドワークの普及、働き手の価値観の多様化、個々の成長を重視する企業文化の浸透などの結果、マネジメントのあり方も変化が求められてきています。中でも、コミュニケーションの質・量の向上や社員1人1人にあわせた対話の重要性が高まりつつあります。そうした環境において、1on1が働き手から組織へのエンゲージメントや生産性を高めるために有効な手法として取り入れられていますが、そうした成果につなげることができている企業はまだまだ多いとは言えない状況です。このような社会環境において当社は、保有する画像解析・エッジAI技術と、当社グループの資本業務提携先であるソニー株式会社の音声関連技術を組み合わせ、1on1の組織への定着と継続的な改善を支援するツールとして、「KizunaNavi」を共同で開発しました。1on1というプライバシーに配慮すべき領域は、映像や音声をクラウドにアップロードせず端末内で解析を実行できるエッジAI技術の特性と親和性が高く、利用者の心理的安全性に配慮しつつサービスを利用できることが強みとなっております。
(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ
当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。マネージャー・メンバーの会話の比率やキーワード、表情や動きなどを解析することで、1on1の内容を定量化したレポートを作成し、マネージャーに対してよかった点や今後に向けた改善点をレポートと合わせてフィードバックします。1on1の構造上、人事や有識者などの第三者が同席して指導・改善したり、部下から上司への適切なフィードバックを期待することは困難ですが、KizunaNaviを利用することでマネージャーは自身の1on1に関するフィードバックを適切に受けることができるようになり、マネージャーとしてのスキル・マインドの向上に貢献することができます。また、その結果、1on1においてマネージャーからの適切なコミュニケーションが行われることで、メンバーのエンゲージメントの向上などにもつながることが期待できます。また、適切な1on1を実施するためには事前準備が重要であるため、1on1を設定する際にはメンバーがテーマの入力を行うフローになっておりますが、そこで入力されたテーマに基づいて、メンバーの考えや意見を引き出すための質問例を生成してマネージャーに提供します。これにより、マネージャーのスキルに依存せずにメンバーに問いかけができるため、メンバーが中心となった1on1を実施することが期待できます。
(ii) 本サービスの特徴
本サービスはエッジAIを活用することにより、1on1における画像・音声を通信し続けることなく、解析結果のみが送信・保存される仕組みになっており、マネージャー・メンバーのプライバシーに配慮しながら1on1の定着・継続的な改善を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。また、当社の保有する画像解析・エッジAI技術と、ソニー株式会社が保有する音声認識技術を組み合わせており、同様の機能を有するサービスの開発・提供を目指す場合、画像・音声・エッジコンピューティングなどの複数の領域における高い技術力が必要となるため、非常に高い競合優位性があるものと考えております。また、解析・フィードバックの項目や1on1のスムーズな実施に必要な各種機能について、人材育成・組織開発などを手掛ける日本能率協会マネジメントセンターの監修を受けており、当該領域における専門的な知見も踏まえて開発されていることも本サービスの強みとなっております。
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用語集
| 用語 | 用語の定義 | 
| アクティブラーニング | 学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法 | 
| 後処理 | 検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理 | 
| アノテーション | 人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うこと | 
| アノテータ | 学習データを作成する者 | 
| アルゴリズム | コンピュータ上における問題を解くための手順・解き方 | 
| AI | Artificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステム | 
| MD | Merchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること | 
| 学習データ | 学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの | 
| 学習モデル | 画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム | 
| 機械学習技術 | 人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法 | 
| 強化学習 | 行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する | 
| 計算資源 | 計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと | 
| 検出精度 | 正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度 | 
| 構造化データ | コンピュータが処理できるようにルールに従って作られたデータ、行と列を持つ表形式のデータのこと | 
| サイネージ | 表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体 | 
| 深層学習技術 | ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法 | 
| スケーラビリティ | 機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性 | 
| スマートシティ | 先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと | 
| 3Dモデリング | 2次元の画像データを3次元で表現すること | 
| 端末処理(エッジコンピューティング) | データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理すること | 
| ニューラルネットワーク | 人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのこと | 
| 非構造化データ | 例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのこと | 
| プロパー消化率 | 建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと | 
| 前処理 | 検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等) | 
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E35841] S100VIOY)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
	
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