有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D6IR
ライフネット生命保険株式会社 事業等のリスク (2018年3月期)
当社の財務内容、業績など、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある主なリスクは、以下のとおりです。当社は、これらのリスクを認識したうえで、事態発生の回避及び発生した場合の迅速かつ適切な対応に努めます。なお、本項における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
①生命保険業界全般に係るリスク
(a) 法規制に係るリスク
当社は、保険業法の規定による生命保険業免許を受けた保険会社であり、保険業法等による規制と金融庁の広範な監督の下にあります。保険会社に適用される法規制の改正は、当社の保険販売に影響を及ぼす、又は法規制に対応するための予期せぬ追加コストの発生により当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、保険監督者国際機構(International Association of Insurance Supervisors: IAIS)は、保険資本基準に関する今後の実施計画を公表しており、この影響を受けて金融庁が新たなソルベンシー規制を導入した場合、現行の規制とは大きく異なる可能性があります。このように新たな規制や基準等が導入された場合には、これらに含まれる制約が、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、保険業法は、内閣総理大臣(原則として金融庁長官に権限委任。以下同じ)に対して、免許の取消し、業務の停止、立入検査、報告又は資料の提出など、保険業に関する広範な監督権限を与えております。特に、保険業法では、当社が、法令に基づく内閣総理大臣による処分を受けた場合、定款、事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書などの基礎書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反した場合、免許に付された条件に違反した場合、又は公益を害する行為をした場合に、内閣総理大臣が保険業法第133条に基づき、当社の免許を取り消すことができると定めております。仮に、当社の免許が取り消されることとなれば、当社は事業活動を継続できなくなり、解散となる可能性があります。
(b) 会計基準の変更に係るリスク
保険業法及び関連する規制・ガイドラインは、責任準備金の計算に関する基準を規定しております。当社は、当該基準に従い責任準備金の計算を行っておりますが、責任準備金の積増しを求める基準変更を予測しコントロールすることは困難であり、当社の財務内容及び業績に影響を及ぼす基準変更が行われる可能性があります。
また、国際会計基準審議会は、すべての保険契約に首尾一貫した基準で適用し得る単一の国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:以下、「IFRS」)として、IFRS第17号「保険契約」を公表しております。今後、当社がIFRSに準拠した財務報告を行うこととなった場合、当該変更の影響を受ける可能性があります。例えば、保険負債の現在価値を測定する際の割引率として、リスクフリー・レートを用いることとなった場合、当社は、直近の金利水準などの計算要素を考慮した保険負債の現在価値を測定することとなり、負債や純資産の金額に影響を及ぼす可能性があります。
(c) 日本国内の人口動態に係るリスク
1960年代後半以降、日本国内の合計特殊出生率は総じて減少傾向にあり、依然として低い水準にあります。その中で、15歳から64歳までの人口(以下、「生産年齢人口」)も減少しております。このような人口動態の変化が、日本国内における生命保険市場に悪影響を与える可能性があります。また、当社が販売する生命保険商品の顧客基盤は、主にこの生産年齢人口に属しております。生産年齢人口が今後も減少し続け、生命保険に対する需要が減少することとなれば、当社の生命保険事業の規模が縮小する可能性があります。
また、65歳以上の高齢人口の増加により、社会保障費は増加し続けております。将来的に、社会保険料又は税金の負担が増加し、国内の景気悪化、雇用水準の低迷及び可処分所得の減少といった事態が発生すると、お客さまが負担可能な保険料水準が低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(d) 大規模災害等における事業継続性に係るリスク
新型インフルエンザのような感染症の大流行や東京や大阪等の人口密集地域を襲う地震・津波・テロ等の大規模災害を原因として大量の死傷者が発生した場合、当社は保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされます。当社は、保険業法上の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、これは必ずしもあらゆる大規模災害発生時の支払いを担保するものではなく、保険金・給付金の支払いが危険準備金を超える可能性があります。また、当社は、地震等で被災した場合を想定して事業継続計画を策定しておりますが、この事業継続計画の想定を超えるような大規模災害が発生した場合、当社の業務運営に重大な支障をきたす可能性があります。
(e) 社会保障制度等の変更に係るリスク
生命保険は、相互扶助の原理に基づき、国の社会保障制度を補完する私的保障の中核を担っております。当社の商品も、国の社会保障制度を前提として設計されており、社会保障制度の変更があった場合、訴求力を失う可能性があります。
また、私的保障の充実を促す仕組みである生命保険料控除制度が税制改正により縮小若しくは廃止となった場合、当社の新契約件数の獲得、ひいては当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(f) 他の生命保険会社の破綻に係るリスク
当社は、国内の他の生命保険会社とともに、破綻した生命保険会社の契約者を保護する生命保険契約者保護機構(以下、「保護機構」)への負担金支払い義務を負っております。将来的に、国内の他の生命保険会社が破綻した場合や、保護機構への負担金の支払いに関する法的要件が変更された場合には、保護機構に対する追加的な負担を求められ、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、他の生命保険会社の破綻は、生命保険業界全体に対する消費者の評価にも悪影響を与え、生命保険会社に対するお客さまの信頼を損なう可能性があります。この生命保険会社に対する不信感の影響で、当社の新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少を招き、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(g) 競争状況に係るリスク
当社は事業の中心を日本において運営しております。日本の生命保険市場においては、規制緩和のための法改正により証券会社や銀行などでも保険商品の販売が可能となるなど、販売競争は激しさを増しております。当社も、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、保険子会社を保有している又は大手保険会社と業務提携している国内の大手金融機関との競争に直面しております。また、販売チャネルのひとつとしてインターネットチャネルに参入する生命保険会社の数は徐々に増加しており、今後も同業他社及び異業種からの新規参入又はインターネットを販売チャネルとする生命保険会社の増加によって、価格競争等が一層激化する可能性があります。当社が競争力を維持できない場合には、新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少により、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(h) ネット生保業界の風評に係るリスク
インターネットを通じた生命保険商品の販売は、2011年度以降に複数の会社が新規参入を果たしたこともあり、様々なメディアにおいて「ネット生保」という新しい業種・業態として認知を高めつつあります。このような業界認知の向上は、当社の認知度向上及び成長にプラスに寄与する側面もある一方、同業他社において個人情報の漏えいやシステム障害等の問題が生じた場合は、ネット生保業界全体に対する消費者の評価に悪影響を与え、それにより当社の新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少を招き、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②当社の生命保険事業に係るリスク
(a) インターネットを通じた個人向け保険商品販売に集中しているリスク
当社は、主にインターネットを通じて個人向けに保険商品を販売しております。そのため、当社が想定するほどにインターネットを通じた保険商品への購買行動が消費者に浸透しない場合には、新契約件数の継続的拡大という点において、大きな課題に直面する可能性があります。
また、情報漏えいに対する問題意識の高まりなどから、インターネットの利用を制約するような法規制が導入された場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(b) 提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク
当社は、インターネットを通じた生命保険商品の直接販売に加えて、生命保険業界内外の企業との業務提携を通じた販売チャネルの拡大・多角化を行っております。2015年4月には、KDDI株式会社と資本業務提携契約を締結し、当該提携先の顧客基盤等を活かした生命保険商品の販売を行っております。
この業務提携は、当社の事業戦略上重要である一方、当該提携先が事業上の問題に直面した場合、業界再編などによって戦略を転換した場合、又は当社が魅力的な提携相手でなくなったと判断された場合などには、当社との業務提携が解消される、又は提携内容が変更される可能性があります。その結果、当社は事業戦略の変更を迫られ、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(c) 営業費用の投下に係るリスク
生命保険業では一般的に、長期間にわたり平準的に保険料を収受する一方、契約前後の短期間に広告宣伝費・代理店手数料などが集中的に支出されるため、会計上の損失が生じることがあります。当社は、認知度の向上や新契約の獲得を目的として、テレビCMや検索連動型広告に代表される各種の広告宣伝を行っております。営業活動の方向性が適切ではなかった場合、一定の投下金額に対する新契約件数が減少したり、一定の新契約件数を達成するために当初想定以上の投下金額を要したりする場合には、営業活動の効率性が低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(d) 外部検索エンジンへの依存に係るリスク
当社は、インターネットを主な販売チャネルとしており、当社のウェブサイトに訪れるユーザーのうち、検索エンジン経由が一定割合を占めることから、ウェブサイトへの集客は各検索エンジンの表示結果に依存しております。検索結果において、上位表示となる条件は、各検索エンジンの運営者に委ねられているため、今後、検索エンジンの運営者における上位表示の条件の変更などにより、当社にとって優位に働かない状況が生じる可能性があります。それにより、当社のウェブサイトへの集客効果が低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(e) 保険金・給付金の支払い漏れに係るリスク
生命保険業界全体が保険金等の「不払い問題」を契機に以後継続的に支払い体制の強化を図る中で、当社においても、正確かつ迅速な支払いを行うための不断の努力を重ねております。しかし、事務手続き上の重大な過失や保険金・給付金の支払い漏れが発生した場合、行政処分の如何にかかわらず、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(f) 情報漏えいに係るリスク
当社は、インターネットを活用した生命保険業務を展開しており、顧客情報(個人情報)を主に電磁的方法により保有しております。当社は、情報セキュリティ管理の重要性を経営の最重要課題の一つと認識しておりますが、当社役員・従業員、代理店、外部委託先による顧客情報の紛失・漏えい・不正利用が発生した場合、若しくは第三者が当社の情報システムに侵入して当社の顧客情報を不正取得した場合には、金融庁から行政処分を受けるほか、当社への信頼の低下、ブランドの毀損及び訴訟や顧客からの損害賠償などの多額の費用負担により、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(g) 事務リスク
当社が構築した事務リスク管理体制が有効に機能することなく、事務手続き上の重大な過失が起こった場合、当社の風評の低下又は財務上の損害をもたらす可能性があるとともに、行政処分を受ける可能性があります。また、当社の外部委託先や代理店の不適切な事務処理が原因で、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(h) システムリスク
当社は、インターネットを主な販売チャネルとしており、情報システムの安定運用に依拠して、生命保険の販売、引受け、契約の管理、統計データ及び顧客情報の記録・保存などの事業運営を行っております。また、当社の業容拡大、商品ラインアップの増加及び業務効率化の追求にあわせて、情報システムへの継続的な投資が必要となります。開業以来現在に至るまで大規模なシステムトラブルなどは発生しておらず、安定したシステム運用を行っておりますが、事故、災害、停電、ユーザー集中、人為的ミス、妨害行為、内部・外部からの不正アクセス、ウイルス感染やネットワークへの不法侵入、外部からのサービス妨害攻撃、ソフトウェアやハードウェアの異常等の要因により、当社の情報システムが機能しなくなる可能性があります。これらが原因で、当社がお客さまに提供するサービス、保険金・給付金の支払いや保険料の収納、資産運用業務などを一時的に中断せざるを得ない事態が生じる可能性があり、その結果、当社のレピュテーションが低下し、お客さまの信頼感の低下を招くとともに、行政処分につながるおそれがあり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(i) 技術革新に係るリスク
当社は、インターネットを活用した生命保険業務を展開していることから、インターネットとその関連技術に精通し続けることが当社の成長において不可欠です。IT関連業界は、技術革新のスピードが速く、新技術の登場により当業界の技術標準又は顧客の利用環境が変化することから、新技術への対応が遅れた場合、当社の提供する保険商品及びサービスが劣後し、業界内での競争力の低下を招き、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(j) 保険引受リスク
生命保険料は、予定発生率(死亡率、入院率など)、予定利率、予定事業費率と呼ばれる3つの計算基礎率に基づいて計算されております。しかし、例えば、予定発生率のうち、予定死亡率よりも実際の死亡率が高く、想定よりも多くの保険金を支払うこととなる可能性があります。また、終身医療保険、定期療養保険、就業不能保険及びがん保険などの非伝統的なリスクを保障する商品に用いる予定発生率は、死亡率などの伝統的なリスクを保障する生命保険商品の計算基礎率に比べ、相対的に高い不確実性を内包しております。さらに、当社は、これまで、定期死亡保険・終身医療保険・定期療養保険・就業不能保険・がん保険の保障性5商品に限定した生命保険の販売を行っていることにより、リスク・ポートフォリオにおいて、リスクを分散させる効果が相対的に小さくなる可能性があります。
(k) 資産運用リスク
当社は、高格付けの公社債などを資産運用の主たる手段として保有しております。また、運用資産の一部として海外の株式・債券なども保有しております。
昨今、国債などの金利は低水準で推移しておりますが、現在の金利水準が将来も続く保証はなく、今後当社が保有している公社債の金利が上昇し、時価が下落する可能性があります。また、当社が保有する社債の発行企業の業績が著しく悪化し、当社が定める基準に抵触した場合、予期せぬタイミングで社債を売却することとなり、当社が損失を被る可能性があります。
海外の株式・債券は、適切なリスクコントロールのうえ、投資を実施しているため、為替リスクや投資先の信用リスクに与える影響は限定的であるものと認識しておりますが、予期せぬ市場の変動等により円高が進行した場合に、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(l)金利変動に係るリスク
当社は、ALM(Asset Liability Management:資産負債の総合管理)を通じ、資産と負債双方が抱える金利リスクのバランスを管理しております。ALMを適切に実行できなかった場合又は市場環境がALMによって対処し得る程度を超えて大きく変動した場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(m) 財務健全性の悪化に係るリスク
ソルベンシー・マージン比率の低下など、当社の財務健全性が悪化した又は悪化したと判断された場合には、新契約件数の減少、解約等による保有契約件数の減少、新契約獲得費用の増加などにより、当社の事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響は、当社に対する否定的なメディア報道や風評、業績悪化、株価の下落等によって生じる可能性があります。さらに、当社にとって有利な条件で資本増強ができない又は資本増強そのものができない可能性があります。
(n) 責任準備金の積み立て不足に関するリスク
当社は、法令に従い、将来の保険金・給付金支払いに備えた責任準備金を積み立てております。これらの責任準備金は、一定の前提に基づいて計算されておりますが、これらの前提は不確実なものであることから、当社の実績が試算の前提条件より大きく悪化した場合には、責任準備金の積み立てが不足し、財務の健全性が悪化する可能性があります。
(o) 再保険取引に関するリスク
当社は、保険引受リスクの軽減のため、再保険会社と再保険契約を締結しております。しかし、再保険契約は、取引先の存在が前提となるカウンターパーティ・リスクが伴うことから、将来適切な条件で締結できない場合や、再保険の締結自体ができない場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(p) 政策投資に係るリスク
当社は、業務提携の目的で政策投資を行っております。保有株式は、市場経済の動向や投資先の財務内容及び業績が悪化した場合や株価の変動によって価格が下落した場合、減損又は評価損が発生する可能性があります。また、シナジー効果が見込めるベンチャー企業を含む非公開企業等に対して、政策投資を行っており、今後も行う可能性があります。投資先の選定にあたっては、必要な検討を実施したうえで投資判断を行っておりますが、市場経済の動向や投資先の財務内容及び業績が悪化した場合や為替の変動が発生した場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(q) 流動性リスク
当社は、保険金・給付金の支払いに対応するために必要な一定程度の預貯金を含め、手元流動性を確保した資産運用を行っております。しかし、感染症の大流行・地震・津波・テロなどの大規模災害により、急遽、多額の保険金・給付金の支払いが求められた場合、不利な条件での資産の売却を強いられ、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、大規模災害が金融市場の混乱につながった場合など、資産の処分が全くできなくなった場合、保険金・給付金の支払いが遅延する可能性があります。その結果、当社のレピュテーションが低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(r) 訴訟リスク
当社は、主に予防法務に重点を置き、弁護士などと相談しながら訴訟の発生リスクを極小化しており、現在までのところ、重大な訴訟は発生しておりません。しかし、生命保険事業に関連した訴訟において当社が不利な結果を被る可能性もあり、将来にわたって当社の業績に影響を及ぼす訴訟や係争が発生する可能性があります。また、同様に、他社が係争中の訴訟において、生命保険会社に不利な判決が下された場合においても、潜在的な訴訟リスクや顧客対応に係る事務コストが高まる可能性があります。
(s) リスク管理体制に係るリスク
当社は、リスク管理に関係するあらゆる事項の報告を行う全社横断的な機関である「リスク管理委員会」を設置し、適切なリスク管理を行っております。しかし、リスクを把握する上で必要となる過去の実績や経験の蓄積が十分ではない可能性があり、当社のリスク管理体制が有効に機能しなかった場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(t) 当社役員及び従業員、代理店、外部委託先又は顧客の不正により損失を被るリスク
当社は、当社役員及び従業員、代理店、外部委託先又は顧客による詐欺やその他の不正、例えば、違法な保険募集、顧客情報の不正利用、顧客による詐欺・なりすまし、その他の不祥事件等により、損失を被るリスクがあります。特に、違法な募集行為や顧客情報の不正利用が発生した場合には、金融庁から行政処分を受けるほか、当社への信頼の低下、ブランドの毀損及び訴訟などの多額の費用負担につながり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(u) 当社従業員の雇用等に係るリスク
当社は、生命保険会社としての業務遂行のため、安定した事務遂行と高い専門性を有する人材の確保・育成に努めております。しかし、有能で熟練した人材は限られており、人材獲得の競争激化に加え、重大な人事・労務問題が発生し、当社の信頼が著しく低下することにより、必要な人材の確保及び育成を図ることができなくなった場合、又は社内の人材の流出が起こった場合には、当社の円滑な業務運営に問題が生じる可能性があります。
③その他のリスク
(a) 中期計画等の達成に係るリスク
当社は、2016年5月に2018年度までの中期計画を発表しました。当社を取り巻く経済環境、競争環境等の事業環境その他の理由により、計画どおりに進捗せず、これを達成できない可能性があります。なお、2018年5月に業績予想として発表したとおり、中期計画における経営目標のうち、経常収益は未達となる見込みです。
(b) ストックオプション制度に係るリスク
当社は、業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストックオプション制度を採用しており、会社法の規定に基づく新株予約権を当社取締役及び従業員に付与しております。これらの新株予約権又は今後付与される新株予約権が行使された場合、株式価値が希薄化する可能性があります。
(c) 繰越欠損金に係るリスク
当社では、現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しておりますが、税務上認められる期限までに繰越欠損金が解消されない場合、繰越欠損金による課税所得の控除が受けられない可能性があります。
(d) 配当政策に係るリスク
当社は、利益の蓄積が進んでいないことから、設立以来、剰余金の配当を実施しておりませんが、将来的には内部留保の充実が図れた場合は、剰余金の配当を検討することとしております。しかし、安定的に利益を計上できない場合には、剰余金の配当による株主還元が困難となる可能性があります。
①生命保険業界全般に係るリスク
(a) 法規制に係るリスク
当社は、保険業法の規定による生命保険業免許を受けた保険会社であり、保険業法等による規制と金融庁の広範な監督の下にあります。保険会社に適用される法規制の改正は、当社の保険販売に影響を及ぼす、又は法規制に対応するための予期せぬ追加コストの発生により当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、保険監督者国際機構(International Association of Insurance Supervisors: IAIS)は、保険資本基準に関する今後の実施計画を公表しており、この影響を受けて金融庁が新たなソルベンシー規制を導入した場合、現行の規制とは大きく異なる可能性があります。このように新たな規制や基準等が導入された場合には、これらに含まれる制約が、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、保険業法は、内閣総理大臣(原則として金融庁長官に権限委任。以下同じ)に対して、免許の取消し、業務の停止、立入検査、報告又は資料の提出など、保険業に関する広範な監督権限を与えております。特に、保険業法では、当社が、法令に基づく内閣総理大臣による処分を受けた場合、定款、事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書などの基礎書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反した場合、免許に付された条件に違反した場合、又は公益を害する行為をした場合に、内閣総理大臣が保険業法第133条に基づき、当社の免許を取り消すことができると定めております。仮に、当社の免許が取り消されることとなれば、当社は事業活動を継続できなくなり、解散となる可能性があります。
(b) 会計基準の変更に係るリスク
保険業法及び関連する規制・ガイドラインは、責任準備金の計算に関する基準を規定しております。当社は、当該基準に従い責任準備金の計算を行っておりますが、責任準備金の積増しを求める基準変更を予測しコントロールすることは困難であり、当社の財務内容及び業績に影響を及ぼす基準変更が行われる可能性があります。
また、国際会計基準審議会は、すべての保険契約に首尾一貫した基準で適用し得る単一の国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:以下、「IFRS」)として、IFRS第17号「保険契約」を公表しております。今後、当社がIFRSに準拠した財務報告を行うこととなった場合、当該変更の影響を受ける可能性があります。例えば、保険負債の現在価値を測定する際の割引率として、リスクフリー・レートを用いることとなった場合、当社は、直近の金利水準などの計算要素を考慮した保険負債の現在価値を測定することとなり、負債や純資産の金額に影響を及ぼす可能性があります。
(c) 日本国内の人口動態に係るリスク
1960年代後半以降、日本国内の合計特殊出生率は総じて減少傾向にあり、依然として低い水準にあります。その中で、15歳から64歳までの人口(以下、「生産年齢人口」)も減少しております。このような人口動態の変化が、日本国内における生命保険市場に悪影響を与える可能性があります。また、当社が販売する生命保険商品の顧客基盤は、主にこの生産年齢人口に属しております。生産年齢人口が今後も減少し続け、生命保険に対する需要が減少することとなれば、当社の生命保険事業の規模が縮小する可能性があります。
また、65歳以上の高齢人口の増加により、社会保障費は増加し続けております。将来的に、社会保険料又は税金の負担が増加し、国内の景気悪化、雇用水準の低迷及び可処分所得の減少といった事態が発生すると、お客さまが負担可能な保険料水準が低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(d) 大規模災害等における事業継続性に係るリスク
新型インフルエンザのような感染症の大流行や東京や大阪等の人口密集地域を襲う地震・津波・テロ等の大規模災害を原因として大量の死傷者が発生した場合、当社は保険給付に関する予測不可能な債務を負うリスクにさらされます。当社は、保険業法上の基準に従って危険準備金を積み立てておりますが、これは必ずしもあらゆる大規模災害発生時の支払いを担保するものではなく、保険金・給付金の支払いが危険準備金を超える可能性があります。また、当社は、地震等で被災した場合を想定して事業継続計画を策定しておりますが、この事業継続計画の想定を超えるような大規模災害が発生した場合、当社の業務運営に重大な支障をきたす可能性があります。
(e) 社会保障制度等の変更に係るリスク
生命保険は、相互扶助の原理に基づき、国の社会保障制度を補完する私的保障の中核を担っております。当社の商品も、国の社会保障制度を前提として設計されており、社会保障制度の変更があった場合、訴求力を失う可能性があります。
また、私的保障の充実を促す仕組みである生命保険料控除制度が税制改正により縮小若しくは廃止となった場合、当社の新契約件数の獲得、ひいては当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(f) 他の生命保険会社の破綻に係るリスク
当社は、国内の他の生命保険会社とともに、破綻した生命保険会社の契約者を保護する生命保険契約者保護機構(以下、「保護機構」)への負担金支払い義務を負っております。将来的に、国内の他の生命保険会社が破綻した場合や、保護機構への負担金の支払いに関する法的要件が変更された場合には、保護機構に対する追加的な負担を求められ、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、他の生命保険会社の破綻は、生命保険業界全体に対する消費者の評価にも悪影響を与え、生命保険会社に対するお客さまの信頼を損なう可能性があります。この生命保険会社に対する不信感の影響で、当社の新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少を招き、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(g) 競争状況に係るリスク
当社は事業の中心を日本において運営しております。日本の生命保険市場においては、規制緩和のための法改正により証券会社や銀行などでも保険商品の販売が可能となるなど、販売競争は激しさを増しております。当社も、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、保険子会社を保有している又は大手保険会社と業務提携している国内の大手金融機関との競争に直面しております。また、販売チャネルのひとつとしてインターネットチャネルに参入する生命保険会社の数は徐々に増加しており、今後も同業他社及び異業種からの新規参入又はインターネットを販売チャネルとする生命保険会社の増加によって、価格競争等が一層激化する可能性があります。当社が競争力を維持できない場合には、新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少により、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(h) ネット生保業界の風評に係るリスク
インターネットを通じた生命保険商品の販売は、2011年度以降に複数の会社が新規参入を果たしたこともあり、様々なメディアにおいて「ネット生保」という新しい業種・業態として認知を高めつつあります。このような業界認知の向上は、当社の認知度向上及び成長にプラスに寄与する側面もある一方、同業他社において個人情報の漏えいやシステム障害等の問題が生じた場合は、ネット生保業界全体に対する消費者の評価に悪影響を与え、それにより当社の新契約件数の減少及び解約等による保有契約件数の減少を招き、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②当社の生命保険事業に係るリスク
(a) インターネットを通じた個人向け保険商品販売に集中しているリスク
当社は、主にインターネットを通じて個人向けに保険商品を販売しております。そのため、当社が想定するほどにインターネットを通じた保険商品への購買行動が消費者に浸透しない場合には、新契約件数の継続的拡大という点において、大きな課題に直面する可能性があります。
また、情報漏えいに対する問題意識の高まりなどから、インターネットの利用を制約するような法規制が導入された場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(b) 提携先との関係及び提携先の業績に係るリスク
当社は、インターネットを通じた生命保険商品の直接販売に加えて、生命保険業界内外の企業との業務提携を通じた販売チャネルの拡大・多角化を行っております。2015年4月には、KDDI株式会社と資本業務提携契約を締結し、当該提携先の顧客基盤等を活かした生命保険商品の販売を行っております。
この業務提携は、当社の事業戦略上重要である一方、当該提携先が事業上の問題に直面した場合、業界再編などによって戦略を転換した場合、又は当社が魅力的な提携相手でなくなったと判断された場合などには、当社との業務提携が解消される、又は提携内容が変更される可能性があります。その結果、当社は事業戦略の変更を迫られ、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(c) 営業費用の投下に係るリスク
生命保険業では一般的に、長期間にわたり平準的に保険料を収受する一方、契約前後の短期間に広告宣伝費・代理店手数料などが集中的に支出されるため、会計上の損失が生じることがあります。当社は、認知度の向上や新契約の獲得を目的として、テレビCMや検索連動型広告に代表される各種の広告宣伝を行っております。営業活動の方向性が適切ではなかった場合、一定の投下金額に対する新契約件数が減少したり、一定の新契約件数を達成するために当初想定以上の投下金額を要したりする場合には、営業活動の効率性が低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(d) 外部検索エンジンへの依存に係るリスク
当社は、インターネットを主な販売チャネルとしており、当社のウェブサイトに訪れるユーザーのうち、検索エンジン経由が一定割合を占めることから、ウェブサイトへの集客は各検索エンジンの表示結果に依存しております。検索結果において、上位表示となる条件は、各検索エンジンの運営者に委ねられているため、今後、検索エンジンの運営者における上位表示の条件の変更などにより、当社にとって優位に働かない状況が生じる可能性があります。それにより、当社のウェブサイトへの集客効果が低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(e) 保険金・給付金の支払い漏れに係るリスク
生命保険業界全体が保険金等の「不払い問題」を契機に以後継続的に支払い体制の強化を図る中で、当社においても、正確かつ迅速な支払いを行うための不断の努力を重ねております。しかし、事務手続き上の重大な過失や保険金・給付金の支払い漏れが発生した場合、行政処分の如何にかかわらず、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(f) 情報漏えいに係るリスク
当社は、インターネットを活用した生命保険業務を展開しており、顧客情報(個人情報)を主に電磁的方法により保有しております。当社は、情報セキュリティ管理の重要性を経営の最重要課題の一つと認識しておりますが、当社役員・従業員、代理店、外部委託先による顧客情報の紛失・漏えい・不正利用が発生した場合、若しくは第三者が当社の情報システムに侵入して当社の顧客情報を不正取得した場合には、金融庁から行政処分を受けるほか、当社への信頼の低下、ブランドの毀損及び訴訟や顧客からの損害賠償などの多額の費用負担により、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(g) 事務リスク
当社が構築した事務リスク管理体制が有効に機能することなく、事務手続き上の重大な過失が起こった場合、当社の風評の低下又は財務上の損害をもたらす可能性があるとともに、行政処分を受ける可能性があります。また、当社の外部委託先や代理店の不適切な事務処理が原因で、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(h) システムリスク
当社は、インターネットを主な販売チャネルとしており、情報システムの安定運用に依拠して、生命保険の販売、引受け、契約の管理、統計データ及び顧客情報の記録・保存などの事業運営を行っております。また、当社の業容拡大、商品ラインアップの増加及び業務効率化の追求にあわせて、情報システムへの継続的な投資が必要となります。開業以来現在に至るまで大規模なシステムトラブルなどは発生しておらず、安定したシステム運用を行っておりますが、事故、災害、停電、ユーザー集中、人為的ミス、妨害行為、内部・外部からの不正アクセス、ウイルス感染やネットワークへの不法侵入、外部からのサービス妨害攻撃、ソフトウェアやハードウェアの異常等の要因により、当社の情報システムが機能しなくなる可能性があります。これらが原因で、当社がお客さまに提供するサービス、保険金・給付金の支払いや保険料の収納、資産運用業務などを一時的に中断せざるを得ない事態が生じる可能性があり、その結果、当社のレピュテーションが低下し、お客さまの信頼感の低下を招くとともに、行政処分につながるおそれがあり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(i) 技術革新に係るリスク
当社は、インターネットを活用した生命保険業務を展開していることから、インターネットとその関連技術に精通し続けることが当社の成長において不可欠です。IT関連業界は、技術革新のスピードが速く、新技術の登場により当業界の技術標準又は顧客の利用環境が変化することから、新技術への対応が遅れた場合、当社の提供する保険商品及びサービスが劣後し、業界内での競争力の低下を招き、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(j) 保険引受リスク
生命保険料は、予定発生率(死亡率、入院率など)、予定利率、予定事業費率と呼ばれる3つの計算基礎率に基づいて計算されております。しかし、例えば、予定発生率のうち、予定死亡率よりも実際の死亡率が高く、想定よりも多くの保険金を支払うこととなる可能性があります。また、終身医療保険、定期療養保険、就業不能保険及びがん保険などの非伝統的なリスクを保障する商品に用いる予定発生率は、死亡率などの伝統的なリスクを保障する生命保険商品の計算基礎率に比べ、相対的に高い不確実性を内包しております。さらに、当社は、これまで、定期死亡保険・終身医療保険・定期療養保険・就業不能保険・がん保険の保障性5商品に限定した生命保険の販売を行っていることにより、リスク・ポートフォリオにおいて、リスクを分散させる効果が相対的に小さくなる可能性があります。
(k) 資産運用リスク
当社は、高格付けの公社債などを資産運用の主たる手段として保有しております。また、運用資産の一部として海外の株式・債券なども保有しております。
昨今、国債などの金利は低水準で推移しておりますが、現在の金利水準が将来も続く保証はなく、今後当社が保有している公社債の金利が上昇し、時価が下落する可能性があります。また、当社が保有する社債の発行企業の業績が著しく悪化し、当社が定める基準に抵触した場合、予期せぬタイミングで社債を売却することとなり、当社が損失を被る可能性があります。
海外の株式・債券は、適切なリスクコントロールのうえ、投資を実施しているため、為替リスクや投資先の信用リスクに与える影響は限定的であるものと認識しておりますが、予期せぬ市場の変動等により円高が進行した場合に、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(l)金利変動に係るリスク
当社は、ALM(Asset Liability Management:資産負債の総合管理)を通じ、資産と負債双方が抱える金利リスクのバランスを管理しております。ALMを適切に実行できなかった場合又は市場環境がALMによって対処し得る程度を超えて大きく変動した場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(m) 財務健全性の悪化に係るリスク
ソルベンシー・マージン比率の低下など、当社の財務健全性が悪化した又は悪化したと判断された場合には、新契約件数の減少、解約等による保有契約件数の減少、新契約獲得費用の増加などにより、当社の事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響は、当社に対する否定的なメディア報道や風評、業績悪化、株価の下落等によって生じる可能性があります。さらに、当社にとって有利な条件で資本増強ができない又は資本増強そのものができない可能性があります。
(n) 責任準備金の積み立て不足に関するリスク
当社は、法令に従い、将来の保険金・給付金支払いに備えた責任準備金を積み立てております。これらの責任準備金は、一定の前提に基づいて計算されておりますが、これらの前提は不確実なものであることから、当社の実績が試算の前提条件より大きく悪化した場合には、責任準備金の積み立てが不足し、財務の健全性が悪化する可能性があります。
(o) 再保険取引に関するリスク
当社は、保険引受リスクの軽減のため、再保険会社と再保険契約を締結しております。しかし、再保険契約は、取引先の存在が前提となるカウンターパーティ・リスクが伴うことから、将来適切な条件で締結できない場合や、再保険の締結自体ができない場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(p) 政策投資に係るリスク
当社は、業務提携の目的で政策投資を行っております。保有株式は、市場経済の動向や投資先の財務内容及び業績が悪化した場合や株価の変動によって価格が下落した場合、減損又は評価損が発生する可能性があります。また、シナジー効果が見込めるベンチャー企業を含む非公開企業等に対して、政策投資を行っており、今後も行う可能性があります。投資先の選定にあたっては、必要な検討を実施したうえで投資判断を行っておりますが、市場経済の動向や投資先の財務内容及び業績が悪化した場合や為替の変動が発生した場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(q) 流動性リスク
当社は、保険金・給付金の支払いに対応するために必要な一定程度の預貯金を含め、手元流動性を確保した資産運用を行っております。しかし、感染症の大流行・地震・津波・テロなどの大規模災害により、急遽、多額の保険金・給付金の支払いが求められた場合、不利な条件での資産の売却を強いられ、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、大規模災害が金融市場の混乱につながった場合など、資産の処分が全くできなくなった場合、保険金・給付金の支払いが遅延する可能性があります。その結果、当社のレピュテーションが低下し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(r) 訴訟リスク
当社は、主に予防法務に重点を置き、弁護士などと相談しながら訴訟の発生リスクを極小化しており、現在までのところ、重大な訴訟は発生しておりません。しかし、生命保険事業に関連した訴訟において当社が不利な結果を被る可能性もあり、将来にわたって当社の業績に影響を及ぼす訴訟や係争が発生する可能性があります。また、同様に、他社が係争中の訴訟において、生命保険会社に不利な判決が下された場合においても、潜在的な訴訟リスクや顧客対応に係る事務コストが高まる可能性があります。
(s) リスク管理体制に係るリスク
当社は、リスク管理に関係するあらゆる事項の報告を行う全社横断的な機関である「リスク管理委員会」を設置し、適切なリスク管理を行っております。しかし、リスクを把握する上で必要となる過去の実績や経験の蓄積が十分ではない可能性があり、当社のリスク管理体制が有効に機能しなかった場合、当社の財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(t) 当社役員及び従業員、代理店、外部委託先又は顧客の不正により損失を被るリスク
当社は、当社役員及び従業員、代理店、外部委託先又は顧客による詐欺やその他の不正、例えば、違法な保険募集、顧客情報の不正利用、顧客による詐欺・なりすまし、その他の不祥事件等により、損失を被るリスクがあります。特に、違法な募集行為や顧客情報の不正利用が発生した場合には、金融庁から行政処分を受けるほか、当社への信頼の低下、ブランドの毀損及び訴訟などの多額の費用負担につながり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(u) 当社従業員の雇用等に係るリスク
当社は、生命保険会社としての業務遂行のため、安定した事務遂行と高い専門性を有する人材の確保・育成に努めております。しかし、有能で熟練した人材は限られており、人材獲得の競争激化に加え、重大な人事・労務問題が発生し、当社の信頼が著しく低下することにより、必要な人材の確保及び育成を図ることができなくなった場合、又は社内の人材の流出が起こった場合には、当社の円滑な業務運営に問題が生じる可能性があります。
③その他のリスク
(a) 中期計画等の達成に係るリスク
当社は、2016年5月に2018年度までの中期計画を発表しました。当社を取り巻く経済環境、競争環境等の事業環境その他の理由により、計画どおりに進捗せず、これを達成できない可能性があります。なお、2018年5月に業績予想として発表したとおり、中期計画における経営目標のうち、経常収益は未達となる見込みです。
(b) ストックオプション制度に係るリスク
当社は、業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストックオプション制度を採用しており、会社法の規定に基づく新株予約権を当社取締役及び従業員に付与しております。これらの新株予約権又は今後付与される新株予約権が行使された場合、株式価値が希薄化する可能性があります。
(c) 繰越欠損金に係るリスク
当社では、現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しておりますが、税務上認められる期限までに繰越欠損金が解消されない場合、繰越欠損金による課税所得の控除が受けられない可能性があります。
(d) 配当政策に係るリスク
当社は、利益の蓄積が進んでいないことから、設立以来、剰余金の配当を実施しておりませんが、将来的には内部留保の充実が図れた場合は、剰余金の配当を検討することとしております。しかし、安定的に利益を計上できない場合には、剰余金の配当による株主還元が困難となる可能性があります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E26327] S100D6IR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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