有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100COFL
横浜ゴム株式会社 研究開発活動 (2017年12月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様にご満足いただくべく努力を重ねています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、150億95百万円であります。
当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
研究本部の研究開発費の金額は、12億8百万円であります。
・マテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料開発技術を確立
マテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料の開発技術を確立しました。本技術は、当社が革新的なゴム材料設計の発想を得るために研究を進めてきたシミュレーション技術と実際のゴムを使った設計・加工、分析・計測の研究結果から得たデータを統合し、さらにAI(機械学習)による情報・知識探査を導入したものです。これにより、今までにない高機能なゴム開発の精度とスピードを飛躍的に高めることが期待できます。
・インフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を開発
タイヤのゴム材料と形状設計にインフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を開発しました。本技術はAI(機械学習)による情報・知識探査を活用したことが最大の特長で、高性能タイヤの開発精度や開発スピードを飛躍的に高めることが期待できます。
従来は、技術者が主観的に行っていた情報と知識の探査過程において、AI(機械学習)を活用することにより、様々な商品カテゴリーに合った性能バランスを実現するために重要な設計因子を、客観的かつ定量的に短時間で導き出すことが可能となりました。
また、既存の検討範囲を超えた広大な設計空間でのデータ取得が可能となり、ブレイクスルーに繋がる設計因子の獲得、さらにその設計因子が重要となるメカニズムも解析可能となり、今後、そのメカニズムに基づいた新たな開発アプローチの発想を得ることも期待できます。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)タイヤ
グローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をしました。
研究開発費の金額は、107億9百万円であります。
1)新型「トヨタ ヴィッツ」・「トヨタ ハイラックス」、新型「SUBARU XV」・「SUBARU WRX STI」、
「マツダ CX-5」及び新型「Jeep Compass」に新車装着
・2017年1月からトヨタ自動車株式会社が発売し、日本、オーストラリア及びニュージーランドで販売の新型「ヴィッツ」の新車装着(OE)用タイヤとして「YOKOHAMA dB E70(ヨコハマ・デシベル・イーナナマル)」、「BluEarth E70(ブルーアース・イーナナマル)」及び「S73(エスナナサン)」を納入開始しました。
「YOKOHAMA dB E70」は、静粛性にプライオリティを置いて開発しており、ハイレベルな静粛性に加え、優れた走行安定性、高い剛性、快適な乗心地を実現させたほか、低燃費性能も追求しています。
「BluEarth E70」及び「S73」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術 を採用し、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせた乗用車用サマータイヤです。
また、2017年9月から13年ぶりに国内販売を再開したピックアップトラック新型「ハイラックス」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR A/T G94(ジオランダー・エイティー・ジーキューヨン)」の納入を開始しました。「GEOLANDAR A/T G94」は、SUV用オールテレーンタイヤで、当社の先進タイヤ技術「BluEarth」テクノロジーを採用しており、様々な路面を走破するユーティリティ性能に加え、優れた低燃費性能や快適性能、安全性能を発揮します。
・2017年2月、株式会社SUBARUが大幅改良して発売した「WRX STI」の新車装着(OE)用タイヤとして、グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイ・イチマルゴ)」を納入開始しました。
「ADVAN Sport V105」はハイパワー・プレミアムカー向けタイヤで、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせています。
また、2017年5月に株式会社SUBARUが国内で発売した新型「SUBARU XV」の新車装着(OE)用タイヤとして「BluEarth E70」を納入開始しました。
「BluEarth E70」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術 を採用し、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせた乗用車用サマータイヤです。
・2017年2月にマツダ株式会社が発売したクロスオーバーSUVの新型「マツダ CX-5」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR G98(ジオランダー・ジー・キューハチ)」」の納入を開始しました。
「GEOLANDAR G98」は、SUV用タイヤ「GEOLANDAR」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を採用し、低燃費性能を高めながら、高級SUVに相応しい走行性能や安全性能、快適性能をバランスさせたタイヤです。
・2017年4月、FCA US LLC(所在地:米国ミシガン州、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の子会社)が2017年6月から北米で発売した新型「Jeep Compass」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR G055(ジオランダー・ジーゼロゴーゴ)」を納入開始しました。
「GEOLANDAR G055」は、横浜ゴムの先進タイヤ技術「BluEarth」テクノロジーにより開発したSUV用タイヤで、世界的に人気の都市型クロスオーバー車や中・小型SUVなどオンロード走行を重視した車両をターゲットとして、様々な路面を走破するユーティリティ性能に加え、優れた低燃費性能、快適性能、安全性能を実現させています。
2)ハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701」に15サイズを追加
2017年3月、「楽しいハンドリング」をテーマに開発された「ADVAN」の新たなハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」に15サイズを追加拡充し、スポーツカーをはじめ、コンパクトカーからミドルセダン、インチアップユーザーからのニーズに幅広く対応する全39サイズとなりました。
「ADVAN」の“走る歓び”をより多くのドライバーに提供することを開発のコンセプトとして、通常の市街地での街乗りやワインディングロード、高速道路などの様々なシーンでスポーティーなハンドリングをドライバーに提供します。
さらに、全39サイズについて、国内タイヤラベリング制度におけるウェットグリップ性能で最高グレード「a」を獲得しており、雨の日のドライビングでの安心感を確保しています。
また、ハイパフォーマンス・スポーティータイヤに対する多くの軽自動車ユーザーからの要望に応え、軽自動車向けサイズを3サイズ追加し、2017年10月から日本国内にて販売を開始しました。これらは、国内で販売されているハイト系軽自動車純正タイヤサイズとして業界で初めて国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」を獲得しました。また、転がり抵抗性能においても全サイズ「A」を獲得しています。この3サイズ追加により、当社のウェットグリップ性能最高グレード「a」を実現したサイズの数は、業界初の215サイズとなります。
3)ハイト系コンパクトカー・軽自動車向けタイヤ「BluEarth RV-02CK」を発売
2017年3月、ハイト系コンパクトカー及び軽自動車向け専用商品となる「BluEarth RV-02CK(ブルーアース・アールブイ・ゼロツー・シーケー)」を日本で発売しました。
ハイト系のコンパクトカーや軽自動車は、装備などの充実化にともない、従来より車高は高く、重量は重くなってきており、タイヤの「しっかり感」を求めるお客様が増えています。
「BluEarth RV-02CK」は、「低燃費で雨に強い」をコンセプトに「背の高い車や重量の重い車で起こりがちなふらつきと偏摩耗の抑制」と「優れた静粛性」を発揮するミニバン専用タイヤ「BluEarth RV02(ブルーアース・アールブイゼロツー)」をベースに開発し、パターンデザインの最適化などにより、お客様のニーズに対応しているほか、国内タイヤラベリング制度では、転がり抵抗性能は「A」を獲得し、またウェットグリップ性能は「b」にランクされます。
また、「BluEarth RV-02」は、3月から発売したクロスオーバーSUV向けの新サイズを含めると、全35サイズとなり、Lクラスミニバンからハイト系軽自動車までを幅広くカバーしています。
4)タクシー用タイヤ「TAXI TOURING 898」を発売
2017年4月からタクシー用タイヤの新商品「TAXI TOURING 898(タクシー・ツーリング・ハチキューハチ)」を発売しました。
「TAXI TOURING 898」は、タクシー用タイヤに求められる耐摩耗性能とグリップ性能を両立させる新しいトレッドパターンと専用コンパウンドを採用しました。さらに、アーチ型の断面形状を持つ「マウンド・プロファイル」を搭載し、ブロックの接地圧をきめ細かくコントロールすることで偏摩耗を抑制し、低燃費性能にも配慮しています。
また、2017年10月から、トヨタ自動車株式会社が国内で発売した次世代タクシー「JPN TAXI」の新車装着(OE)用タイヤとして納入を開始しました。
5)SUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR M/T G003」を発売
2017年8月、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR」のマッドテレーンタイヤの新商品「GEOLANDAR M/T G003(ジオランダ―・エムティー・ジーゼロゼロサン)」を発売し、10月には「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
「GEOLANDAR M/T G003」は、従来品の「GEOLANDAR M/T+(ジオランダー・エムティー・プラス」の発売から13年ぶりとなる、特にオフロードユーザー向けの新商品で、マッド、ロック、ダート、砂利などあらゆる路面でのオフロード性能を追求するとともに、耐久性・耐摩耗性の向上による優れたロングライフ性能を追求しました。
6)スタッドレスタイヤの最高傑作「iceGUARD 6」を発売
2017年9月、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD」の新商品「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」を発売し、10月には「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
「iceGUARD 6」は、「iceGUARD」の基本コンセプトである「氷に効く」、「永く効く」、「燃費に効く」に加え、第4のベネフィットとしてウェット性能(「ウェットに効く」)が新たに追加され、スタッドレスタイヤの最重要性能である氷上制動を大幅に向上させつつ、ウェット性能を一段と高めることを目指して開発されました。
7)世界初、ゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を開発
東北大学多元物質科学研究所内の陣内研究室と株式会社日立ハイテクノロジーズが共同で、タイヤ内のゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を世界で初めて開発しました。同技術により、接着劣化しにくい材料配合や新素材などの研究が可能となり、耐久性を大幅に高めた高品質タイヤの開発などを期待することができます。
タイヤの補強材として使用されるスチールベルトは、ゴムとスチールコードを接着してベルト状にしたもので、ゴムとスチールコードの接着保持力は、タイヤの耐久性において極めて重要となります。これまでも接着界面を解析する研究が行われてきましたが、2次元の解析では、タイヤが劣化した後の接着界面の正確な把握が困難だったため、タイヤの開発には十分に活かされていませんでした。
今般、集束イオンビーム(FIB)による数ナノメートル単位での接着界面の断面作製と走査型電子顕微鏡(SEM)による断面画像収集を自動で繰り返し、接着界面の3次元構造を構築できる株式会社日立ハイテクノロジーズの最新のリアルタイム3DアナリティカルFIB-SEM複合装置「NX9000」を活用し、これに陣内研究室が開発した画像処理技術を組み合わせることにより、劣化した接着界面の正確な把握と劣化によって発生する元素レベルでの組成変化を解析することに成功し、2017年5月に開催された日本ゴム協会の「2017年年次大会」及び「第66回高分子学会年次大会」で発表しました。
今後はさらに研究を進め、乗用車用タイヤはもちろん、より過酷な条件下で使用されるトラック・バス用タイヤやOR(オフ・ザ・ロード)タイヤの開発でも同技術を活用していくほか、ゴムとスチールコードの接着部材を使用しているタイヤ以外の商品(コンベヤベルトなど)への応用も検討していきます。
8)スポーツ走行を強く意識したストリートラジアルタイヤ「ADVAN A08B」の 16インチをモデルチェンジ
2017年9月、ストリートラジアルタイヤ「ADVAN A08B(アドバン・エイゼロハチ・ビー)」の16インチサイズをモデルチェンジしました。
今回のモデルチェンジでは、パターン、コンパウンド、構造の見直しを図り、従来モデルで定評のあった高速域での優れた操縦安定性をさらに向上しつつ、ドライ・ウェット性能を高次元で両立させています。
また、過去に2年連続でシリーズチャンピオンを獲得した「GAZOO Racing 86/BRZ Race」プロフェッショナルシリーズのレギュレーションを満たしており、10月にスポーツランドSUGOで開催された同シリーズの第7戦で表彰台を独占しました。
9)「ADVAN」装着車が「SUPER GT 2017開幕戦 GT300クラス」で優勝、「全日本ダートトライアル選手権」の
トップクラスでシリーズチャンピオンを獲得し5連覇を達成
・2017年4月、岡山国際サーキット(岡山県)で開催された「SUPER GT 2017シリーズ開幕戦 GT300クラス」で「ADVAN」レーシングタイヤを装着した「グッドスマイル 初音ミクAMG」が優勝しました。「ADVAN」レーシングタイヤ装着車は、昨シリーズのGT300クラスでシリーズチャンピオンを獲得しており、2年連続チャンピオンに向けて好スタートを切りました。
・2017年7月、輪島市門前モータースポーツ公園(石川県)で開催された「全日本ダートトライアル選手権」のトップクラスであるDクラスにおいて、「ADVAN」ラリー・ダートトライアル用タイヤを装着した「ADVAN トラスト クスコ WRX」が、2戦を残してシリーズチャンピオンを獲得し、5連覇の偉業を達成したことで、「ADVAN」の高い戦闘力を実証しました。
・2017年11月、ツインリンクもてぎ(栃木県)で開催された「SUPER GT 2017最終戦 GT300クラス」で、「ADVAN」レーシングタイヤの装着車が3位入賞を果たし、シリーズチャンピオンを獲得しました。GT300クラスでのヨコハマタイヤ勢のシリーズチャンピオン獲得は、昨年に続き2年連続となり、横浜ゴム創立100周年の年に有終の美を飾りました。
10)「第45回東京モーターショー2017」に出展
2017年10月、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「第45回東京モーターショー2017」に出展しました。同年同月に創立100周年を迎えることを記念し、長い歴史の中でエキサイティングな走りを提供してきた過去と現在のヒット商品を展示するほか、”YOKOHAMA”の高い技術力を象徴するゴムの技術や未来へ向けた次世代技術を訴求しました。
ブースでは日本初のコードタイヤ「ハマタウン」(1921年製造)の再現モデルや横浜ゴム初のラジアルタイヤ「G.T. スペシャル」(1967年発売)、スポーツラジアルという新しいカテゴリーを切り拓いた「ADVAN HF(アドバン エイチエフ)」(1978年発売)などの歴史的商品と併せて、秋から販売した「ADVAN HF Type D(アドバン エイチエフ タイプディー)」や高い走行性能を発揮するストリートスポーツタイヤ「ADVAN A052(アドバン・エイ・ゼロゴーニ)」などの過去から現在に渡りモーターファンを魅了させたタイヤを展示し、100年の歴史の中で脈々と受け継がれてきたチャレンジスピリッツを伝えるとともに、そこから生まれた先進かつハイパフォーマンスな商品を紹介しました。
ゴムの技術では、特にウェットグリップ技術を訴求し、”YOKOHAMA”史上最高の静粛性を提供するプレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB V552(アドバン・デシベル・ブイゴーゴーニ)」や多くのプレミアムカーに新車装着されているグローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」、ハイパフォーマンス低燃費タイヤ「BluEarth-A(ブルーアース・エース)」など多くの商品で高いウェットグリップ性能を実現していることをアピールしました。
時代を見据えた次世代技術としては、省資源化による環境貢献を目的として、大幅に軽量化を実現したライトウエイトタイヤや、車体が受ける空気の流れをコントロールし燃費や安全性能を高めるエアロダイナミクスタイヤの進化モデルなどを参考出展しました。
11)最新の軽量化設計技術を採用したライトウエイト低燃費タイヤ「BluEarth-air EF21」を開発
創立100周年を記念し、最新の軽量化設計による環境貢献を目指した先進技術コンセプトタイヤ「BluEarth-air EF21(ブルーアース・エアー・イーエフ・ニーイチ)」を開発しました。
「BluEarth-air EF21」は、燃費向上を目的とした車両全体の軽量化への寄与、使用材料の省資源化による環境貢献を目指し、最新の軽量設計技術を採用しており、軽量で薄くかつ高剛性な構造を実現し、質量において約25%の軽量化を達成したほか、新たに開発した専用コンパウンドと最先端のゴム混合技術「A.R.T. Mixing」を採用しました。
また、国内タイヤラベリング制度において、転がり抵抗性能「AAA」、ウェットグリップ性能「a」の最高グレードを獲得しており、優れた低燃費性能とウェット性能を発揮します。
(2)MB
お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。
研究開発費の金額は、25億99百万円であります。
1)ホース配管事業
・高圧ホースは、建設機械、産業機械、船舶や港湾設備向けの油圧機器用に幅広く使用されております。このうち、船舶や港湾設備で使用される高圧ホースは、各国または国際的な船級協会の認証を取得する必要があります。このため、すでに米国のSAE規格あるいは欧州のEN規格適合品として建設機械、産業機械向けを中心に海外販売を行っている「SAE100R1S」及び「SAE100R2S」について、さらなる市場拡大を狙い、DNV GL(ノルウェー・ドイツ船級協会)の船級認証を取得しました。
・2017年11月、高圧ホースとして地盤改良に用いられるグラウト工法用の水・グラウトホース「GTシリーズ」に最高使用圧力42MPa「GT420」(5サイズ)を追加発売しました。グラウト工法とは、地下鉄やトンネル、ビルなどの建設にあたり、地中に固化材(グラウト)を注入して地盤改良や強化を図る工法で、近年、工期短縮のため超高圧化したグラウト注入に対応した超高圧グラウトホースが求められていました。そこで、「GT420」は従来35MPa高圧ホースの実績を生かし、ホース補強層構造には耐久性に優れたスパイラル構造を採用したほか、ホース取扱い時のホースへの外傷による寿命低下に対応するため、汎用高圧ホースに比べて耐摩耗性の高いホースカバーを使用しているのが特徴です。今後、耐震補強工事や液状化対策工事、さらに都市部の社会基盤整備の需要増加が見込まれます。
2)ハマタイト・電材事業
・波長選択型ブルーライトカット
中国では、スマートフォンやタブレットに使用されるブルーライトカット保護フィルムの需要が伸びており、従来の青色光を失った光を透過させるため、補色である黄色光が強く見えてしまう「吸収」タイプに代わり、薄っすらと表面が青く光り、意匠性においても好まれる「反射」タイプが人気となっています。
当社が開発した反射する光の波長をコントロールする技術を活かして、ブルーライトカットフィルムの「反射」機能をもつコーティング材として「HR380-553」を発売し、中国のフィルム加工メーカーでPETフィルムへの塗布・加工に使用されています。
本技術は、各色反射の意匠性向上や赤外線反射等にも応用可能です。
・易剥離性弾性ホットメルト
優れた柔軟性及び粘着性を有し、かつ容易に剥離することができる粘着材(ホットメルト材)を開発しました。また、剥離可能であることから、この粘着財が使用された製品が不要となった際には、部品のリサイクルを促進することができるので、自動車、建築、家電市場におけるリサイクル要求への対応手段として期待できます。
(3)ATG
革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。
研究開発費の総額は、2億51百万円であります。
1)各種農機具展示会への出展
2017年2月から3月にかけては、欧州最大級の農業機械展示イベントであるSIMA(シマ)、世界最大規模の建設車両展示イベントであるCONEXPO(コネクスポ)などの展示会へ出展しました。
2017年5月から6月にかけては、中近東最大の国際自動車アフターマーケット展示会であるAUTOMECHANIKA Dubai(オートメカニカ ドバイ)、世界最大級の林業機械展であるElmia Wood(エルミア・ウッド)など、様々な農業機械、建設車両、林業機械の展示会へ出展し、ATG製品を理解していただく場を設けました。
2017年10月から12月にかけては、世界最大級の自動車アフターマーケットの見本市であるSEMA Show(セマ ショー)、世界最大規模の農業機械展であるAGRI TECHNICA(アグリ テクニカ)などの展示会へ出展しました。
2)新商品の発売
多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。
当連結会計年度において発売した商品は、主に次のものとなります。
[ALLIANCEブランド]
・337 DEEP LUG(337 ディープ ラグ):
水田等走行時に求められるトラクション性能およびセルフクリーニング性能を兼ね備え、オン&オフ問わず乗り心地も快適なトラクター用バイアスタイヤ(2017年2月発売)
・374 AGRI-STAR(374 アグリ スター):
段状のラグにより、水田やサトウキビ畑等にて求められるトラクション、グリップ性能を実現し、セルフクリーニング性能にも優れるトラクター用ラジアルタイヤ(2017年3月発売)
・AGRIFLEX+ 389(アグリフレックスプラス 389):
一般的なフローテーションタイヤと比べて空気圧が30%低い状態での走行を可能にしたことにより、接地面を拡げ、土壌への接地圧を低減した農業トレーラー用VFフローテーションラジアルタイヤ(2017年5月発売)
・MH-504(エムエイチ 504):
マテリアルハンドリング(生産や物流の拠点内における原材料や製品等の移動)に求められる高い耐荷重性、安定性を有し、最適化されたトレッドパターンにより舗装路面上で優れたパフォーマンスを発揮するフォークリフト用タイヤ(2017年8月発売)
・392:
高速かつ高荷重でのオペレーションを可能とし、対カット・パンク性やトラクション性に優れ、同時に土壌接地圧・転がり抵抗を低減させた軟質路面向け農業機械用ラジアルタイヤ(2017年11月発売)
[Galaxyブランド]
・MIGHTY MOW - TS(マイティー モウ - ティーエス):
接地面積を最適化したトレッドパターンにより、芝生へのダメージを軽減すると同時に高い磨耗性能を実現した芝刈り機用バイアスタイヤ(2017年4月発売)
・YARDMASTER SDS(ヤードマスター エスディーエス):
パンクによるダウンタイムをなくすことに加えて、長いタイヤ寿命を実現することで、現場の生産性改善とコスト削減に貢献するフォークリフト用プレミアムノーパンクタイヤ(2017年9月発売)
・HM 500S(エイチエム 500エス):
超深溝のスムーストレッドパターン、特別に開発したケーシング及びトレッドコンパウンドにより、摩耗しやすい舗装路面において優れた耐久性を発揮する港湾荷役機械用バイアスタイヤ(2017年11月発売)
[PRIMEXブランド]
・GRADE ROCK XT Ⅱ(グレード ロック エックスティー ツー):
特別なトレッドコンパウンドと広い接地面を有するパターンにより、耐カット・パンク性に優れ、同時に耐磨耗性、トラクション性を高次元でバランスさせた建設・産業車両向けタイヤ(2017年8月発売)
上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 3億29百万円あります。
経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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