有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DDOD
阿波製紙株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
研究開発の基本方針
当社グループは、環境に配慮し広範囲で高度な機能材料の開発に取り組むことにより、顧客要求にマッチした製品を提供し社会に貢献することを開発の基本方針としております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は435,639千円であります。なお、当連結会計年度における品目別の研究成果は次のとおりであります。
(1)自動車関連資材分野
① エンジン用濾材
エンジン用濾材は、用途として主に吸気用、潤滑油用、燃料用フィルターに使用されております。
天然パルプ、コットンリンター、ポリエステルなどの合成繊維を主原料として、空気中のゴミ、他車から排出されるスス、潤滑油中のカーボン粒子、燃料中のゴミ、水分などを取り除き、エンジンに清浄な空気、燃料を供給すること及び潤滑油の性能を維持することができます。
当連結会計年度においては、国内だけでなくインドを含めた東南アジア向けの多塵地域に適した濾材開発に取り組みました。
また、近年フィルターに求められる高性能化(ロングライフ・高効率)に対応する手段として、紙と不織布のコンポジット化が可能になる実験用貼り合せ装置の導入が完了し、新たなタイプの濾材開発に着手しております。
② クラッチ板用摩擦材
クラッチ板用摩擦材は、主にオートマチック自動車用のクラッチ板用摩擦材として使用されております。
多種多様な原材料を当社の技術により混合、定着させてシート化し、優れた耐摩耗、耐久、耐熱、高摩擦性能を有する高品質な紙となっております。
当連結会計年度においては、品質及び原価低減の両立取り組みとしてより安価な原材料の使用可能性の検討、提案を実施し、量産移行をすることが出来たため、さらに他品番への水平展開を進めています。また、品質改善取組みとして製造工程、原材料種、配合などの最適化による生産効率及び品質の向上において良好な結果を得ることが出来ました。
③ 鉛蓄電池用セパレータ原紙
鉛蓄電池用セパレータ原紙は、ポリエチレンパルプ、シリカ粉体を主体原料とし、主に高い信頼性が要求される特殊産業車両用、据え置き型バックアップ用などの鉛蓄電池セパレータに使用されております。
当連結会計年度においては、顧客要求に対応した製品作りを行うため、原材料入手安定化への取り組みとして原材料代替試作やサンプル提案を行い良好な結果が得られました。また、製造工程の最適化による品質の改良維持に取り組みました。さらに、新たな市場可能性として新規の引き合いに対する検討、サンプル提案を行いました。
(2)水処理関連資材分野
① 分離膜用資材
主に分離膜用資材(分離膜支持体)として、世界の水処理用逆浸透膜メーカーが製造する逆浸透膜モジュールに使用されております。
当社は専用の抄紙機及び熱圧加工機を保有しており、ポリエステル繊維100%の湿式不織布である当社の分離膜支持体は平滑性に優れ、安定した物性で連続生産が可能であり、分離膜を形成するのに最適であります。
分離膜方式による水処理方法は、蒸発方式と比較して、低コストで環境負荷小、需要変動への柔軟性などから、近年導入事例が増加しております。
当連結会計年度においては、より一層顧客満足を高めるために、設備改良を含めた新工法での品質向上の検討を実施いたしました。また、さらなる販売量拡大に向けて、積極的なサンプルワークを進めるとともに、各顧客要求にマッチした製品開発に取り組みました。さらに、次世代の製品開発についても、市場ニーズを把握しながら、開発を継続してまいります。
② M-fine(エム・ファイン)
M-fine(エム・ファイン)とは、当社が提供するメンブレン(ナノレベルの微細な孔径を有する分離膜)及び水処理などのモジュール・ユニットの総称であります。
このM-fineを、当社の事業領域を機能材料から機能部材や機能部品へ拡げるための商品の一つとするべく、廃水処理に使用されるMBR(膜分離活性汚泥法)用浸漬膜及びユニットの事業化推進に取組みました。
その結果、市場展開に関しては新たな用途へ適用範囲の拡大を、品質的には信頼性の更なる向上や高性能化に向けた開発に着手するなど、事業の拡大に向けた取り組みを行っております。
(3)一般産業用資材分野
CARMIX(カルミックス)とは、当社が提供する炭素複合材の総称であります。
CARMIX CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)マットは、ポリプロピレン・ナイロン・ポリカーボネートの3種類の樹脂でラインナップをしております。成形性の良さを生かし、輸送機器・電子機器・建材など、幅広い市場へ展開中です。リサイクル炭素繊維の適用に向けた開発も開始いたしました。
CARMIX熱拡散シートは、ラインナップ品とカスタマイズ品が採用され販売開始いたしました。電気電子分野においては部品の高性能化に伴い放熱要求も高まっており、新たな市場創造に向けて鋭意開発をしております。
これらに加え、電磁波吸収体の開発取組みも行っており、自動車の自動運転技術や第5世代移動体通信システムといった高度情報化社会到来に向けた電波対策商材開発も進めております。
さらに、当連結会計年度においては、東京ビッグサイトで開催された「新機能性材料展2018」にこれらの商材を展示し、電子機器関連のみならず自動車関連まで様々な分野での顧客要求を確認し、新たな機能を活かした立体成形体(CFRTP)や放熱材(熱拡散シート)、電磁波対策材の商品化に向けて開発を進めております。
当社グループは、環境に配慮し広範囲で高度な機能材料の開発に取り組むことにより、顧客要求にマッチした製品を提供し社会に貢献することを開発の基本方針としております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は435,639千円であります。なお、当連結会計年度における品目別の研究成果は次のとおりであります。
(1)自動車関連資材分野
① エンジン用濾材
エンジン用濾材は、用途として主に吸気用、潤滑油用、燃料用フィルターに使用されております。
天然パルプ、コットンリンター、ポリエステルなどの合成繊維を主原料として、空気中のゴミ、他車から排出されるスス、潤滑油中のカーボン粒子、燃料中のゴミ、水分などを取り除き、エンジンに清浄な空気、燃料を供給すること及び潤滑油の性能を維持することができます。
当連結会計年度においては、国内だけでなくインドを含めた東南アジア向けの多塵地域に適した濾材開発に取り組みました。
また、近年フィルターに求められる高性能化(ロングライフ・高効率)に対応する手段として、紙と不織布のコンポジット化が可能になる実験用貼り合せ装置の導入が完了し、新たなタイプの濾材開発に着手しております。
② クラッチ板用摩擦材
クラッチ板用摩擦材は、主にオートマチック自動車用のクラッチ板用摩擦材として使用されております。
多種多様な原材料を当社の技術により混合、定着させてシート化し、優れた耐摩耗、耐久、耐熱、高摩擦性能を有する高品質な紙となっております。
当連結会計年度においては、品質及び原価低減の両立取り組みとしてより安価な原材料の使用可能性の検討、提案を実施し、量産移行をすることが出来たため、さらに他品番への水平展開を進めています。また、品質改善取組みとして製造工程、原材料種、配合などの最適化による生産効率及び品質の向上において良好な結果を得ることが出来ました。
③ 鉛蓄電池用セパレータ原紙
鉛蓄電池用セパレータ原紙は、ポリエチレンパルプ、シリカ粉体を主体原料とし、主に高い信頼性が要求される特殊産業車両用、据え置き型バックアップ用などの鉛蓄電池セパレータに使用されております。
当連結会計年度においては、顧客要求に対応した製品作りを行うため、原材料入手安定化への取り組みとして原材料代替試作やサンプル提案を行い良好な結果が得られました。また、製造工程の最適化による品質の改良維持に取り組みました。さらに、新たな市場可能性として新規の引き合いに対する検討、サンプル提案を行いました。
(2)水処理関連資材分野
① 分離膜用資材
主に分離膜用資材(分離膜支持体)として、世界の水処理用逆浸透膜メーカーが製造する逆浸透膜モジュールに使用されております。
当社は専用の抄紙機及び熱圧加工機を保有しており、ポリエステル繊維100%の湿式不織布である当社の分離膜支持体は平滑性に優れ、安定した物性で連続生産が可能であり、分離膜を形成するのに最適であります。
分離膜方式による水処理方法は、蒸発方式と比較して、低コストで環境負荷小、需要変動への柔軟性などから、近年導入事例が増加しております。
当連結会計年度においては、より一層顧客満足を高めるために、設備改良を含めた新工法での品質向上の検討を実施いたしました。また、さらなる販売量拡大に向けて、積極的なサンプルワークを進めるとともに、各顧客要求にマッチした製品開発に取り組みました。さらに、次世代の製品開発についても、市場ニーズを把握しながら、開発を継続してまいります。
② M-fine(エム・ファイン)
M-fine(エム・ファイン)とは、当社が提供するメンブレン(ナノレベルの微細な孔径を有する分離膜)及び水処理などのモジュール・ユニットの総称であります。
このM-fineを、当社の事業領域を機能材料から機能部材や機能部品へ拡げるための商品の一つとするべく、廃水処理に使用されるMBR(膜分離活性汚泥法)用浸漬膜及びユニットの事業化推進に取組みました。
その結果、市場展開に関しては新たな用途へ適用範囲の拡大を、品質的には信頼性の更なる向上や高性能化に向けた開発に着手するなど、事業の拡大に向けた取り組みを行っております。
(3)一般産業用資材分野
CARMIX(カルミックス)とは、当社が提供する炭素複合材の総称であります。
CARMIX CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)マットは、ポリプロピレン・ナイロン・ポリカーボネートの3種類の樹脂でラインナップをしております。成形性の良さを生かし、輸送機器・電子機器・建材など、幅広い市場へ展開中です。リサイクル炭素繊維の適用に向けた開発も開始いたしました。
CARMIX熱拡散シートは、ラインナップ品とカスタマイズ品が採用され販売開始いたしました。電気電子分野においては部品の高性能化に伴い放熱要求も高まっており、新たな市場創造に向けて鋭意開発をしております。
これらに加え、電磁波吸収体の開発取組みも行っており、自動車の自動運転技術や第5世代移動体通信システムといった高度情報化社会到来に向けた電波対策商材開発も進めております。
さらに、当連結会計年度においては、東京ビッグサイトで開催された「新機能性材料展2018」にこれらの商材を展示し、電子機器関連のみならず自動車関連まで様々な分野での顧客要求を確認し、新たな機能を活かした立体成形体(CFRTP)や放熱材(熱拡散シート)、電磁波対策材の商品化に向けて開発を進めております。
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