有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100E75G
ペプチドリーム株式会社 研究開発活動 (2018年6月期)
当社の研究開発部門は、3つのグループ(創薬開発グループ、合成グループ、先端開発グループ)によって構成されています。創薬開発グループの役割は、クライアントである国内外の製薬企業と協働しながら当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を駆使して、クライアントから提供された創薬ターゲット(標的タンパク質)に対して強く結合する特殊ペプチドを探索し、ヒットペプチド候補を見つけ出すこと(スクリーニング)にあります。合成グループは、見つけ出されたヒットペプチド候補を医薬品候補化合物へと最適化する作業を担当しております。
先端開発グループでは、自社創薬および世界中の特別な技術を有する製薬企業、バイオベンチャー企業、アカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことで、自社のパイプラインの拡充を図っています。当社の研究開発費は同グループにおける発生費用を対象にしています。当事業年度における研究開発費は、921,343千円となっています。
自社創薬については、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)を標的タンパク質とした抗インフルエンザウイルス特殊ペプチド「PD-001」に加えて複数のプログラムが進行しています。「PD-001」は前臨床試験が無事に終了し現在データ解析を進めております。
戦略的提携による創薬については、JCRファーマ株式会社と血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)通過を可能とするキャリアペプチドの創製を行っております。モジュラス株式会社とはこれまで開発が難しかった複数の標的タンパク質に対して当社がPDPSを用いて特殊ペプチドのヒット化合物を取得し、モジュラスが計算科学技術を用いてヒット化合物と標的タンパク質を結合させた複数の結晶構造解析に基づき、低分子医薬品候補化合物をデザインする創薬共同研究を開始しております。また英国ヘプタレス・セラピューティクスとはGタンパク質共役受容体(GPCR)として知られているプロテアーゼ活性化受容体(PAR2)を標的タンパク質とする新規医薬品候補の研究開発を行っており、PAR2に対して高い親和性と選択性を有するペプチド・アンタゴニストを同定しております。米国クリオ・ファーマシューティカル(以下 クリオ)とは、当社がPDPSを用いてクリオが選択した複数のがん細胞表面および免疫細胞表面の受容体ターゲットに対する特殊ペプチドを特定し最適化を実施しており、それらの特殊ペプチドとクリオが有するAntibody Recruiting Molecule(ARM)およびSynthetic Antibody Mimic(SyAM)の技術を用いたペプチド-薬物複合体(PDC)を合成し死滅させたいがん細胞に免疫細胞をリクルートする治療薬の共同研究開発を行っております。川崎医科大学とは難治性希少疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対するペプチド創薬の共同研究開発を続けております。ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下 ゲイツ財団)とは、世界の最貧国において大きな問題となっている2つの感染症である結核とマラリアを治療するための新規特殊ペプチドを見出すことを目的とした複数のプログラムにつき、ゲイツ財団からの補助金による研究開発を続けております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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