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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DCQJ

有価証券報告書抜粋 株式会社リプロセル 事業の内容 (2018年3月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは主に当社(株式会社リプロセル)及び子会社3社、関連会社3社の合計7社により構成されております。
特に、当社、米国子会社のREPROCELL USA Inc.、英国子会社のREPROCELL Europe Ltd.では、iPS細胞の技術を基盤とした(1)研究支援事業や、再生医療製品の開発および治験を行う(2)メディカル事業を中心に展開しております。
事業の概要は以下のとおりであります。

事業内容内容
研究支援事業 iPS細胞の研究に必要な試薬を大学や公的研究機関、製薬企業等に製造・販売しています。現在は研究用試薬だけではなく、再生医療にも応用できる臨床研究用試薬としてiPS細胞培養液「ReproMed iPSC Medium」や、細胞凍結保存液「ReproCryo RM」もラインナップしています。
さらに、当社グループが持つヒト細胞調達能力を活かし、ヒト細胞の提供および創薬支援受託サービスを製薬企業やバイオテック企業へ提供しています。
受託サービスのひとつであるヒトiPS細胞の作製では、当社が保有する次世代RNAリプログラミング技術を使用し、皮膚や血液だけでなく尿からも、高品質なiPS細胞を作製しています。さらに、iPS細胞から心筋細胞や神経細胞、肝細胞を作製するサービスを組み合わせることにより、顧客の要望に応じたモデル細胞の提供も行っています。
また、欧州のREPROCELL Europe内にはGLP(Good Laboratory Practice: 医薬品の非臨床試験の安全性に関する信頼性を確保するための基準)に準拠した施設「Centre for Predictive Drug Discovery」を保有しており、信頼性の高い受託サービスを実施しております。
メディカル事業 再生医療関連では、再生医療製品の早期承認取得を目指して、2つのパイプラインを推進しております。
1つ目のパイプラインとして、ヒト体性幹細胞を用いた再生医療製品「ステムカイマル」の日本での治験準備を進めております。ステムカイマルは台湾のSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)が開発した、健常者ドナー由来の体性幹細胞を用いた再生医療製品です。当社はステミネント社と日本における共同開発および販売に関する独占契約を締結しており、脊髄小脳変性症を対象とした国内での治験開始に向けて準備を進めています。
2つ目のパイプラインとして、米国Q Therapeutics Inc.(以下、Qセラ社)と共同で、中枢神経系疾患を対象として、再生医療製品となるiPS細胞由来神経グリア細胞(iGRP)の研究開発に取り組んでいます。
その他にも、臓器移植に関連した臨床検査の受託サービスを行っております。



iPS細胞は、培養器内で大量に増やすことが可能であり、体の様々な細胞に分化する能力を持っていることから、これまでに無い次世代のライフサイエンス事業を生みだす分野として、大きく注目を集めています。
当社グループでは、iPS細胞を事業の中核に据え、事業領域を「研究支援事業」と「メディカル事業」の2つに分けて事業を推進しています。 短中期的な事業の柱として研究支援事業を推進し、中長期的な成長ドライバーとしてメディカル事業を早期に立ち上げることにより、当分野のマーケットリーダーになることを目指します。

事業セグメントと成長戦略
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(1) 研究支援事業
iPS細胞ビジネスはグローバルで成長しており、日本、米国、欧州が世界の主力市場となっています。当社グループでは、日米欧それぞれに拠点を置き、各地域の顧客へタイムリーに研究試薬および創薬支援サービスの提供をしております。

研究試薬は、iPS細胞の研究で使用されるものを中心に取り揃えており、具体的には、リプログラミング試薬、培養液、凍結保存液、低分子化合物、グロースファクター、抗体などがあります。iPS細胞の研究で必要とされる試薬はほぼ全てラインナップしており、大学や公的研究機関および製薬企業等に、e-commerce、直販、代理店販売を通じて販売しております。当社では、日米欧の3拠点でラボを構えており、これら研究試薬の研究開発および技術サポートを行っております。
最近では、再生医療の研究を開始する大学および企業が増加しており、基礎研究用の試薬だけでなく、各種規制に対応した臨床研究用試薬のニーズが高まっています。iPS細胞培養液「ReproMed iPSC Medium」や、細胞凍結保存液「ReproCryo RM」は、科学的に安全性の高い成分のみで構成されており、厚生労働省の薬事審査機関である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)により、生物由来原料基準のクリアおよび再生医療等製品の原材料としての適格性が確認されております。今後、このような臨床研究用の試薬のラインナップを拡大してまいります。

さらに、当社グループでは、グローバルなネットワークを活用して様々な種類のヒト細胞や組織を調達しており、主に製薬企業を顧客として、各種細胞の提供および受託サービスを実施しております。欧州のREPROCELL Europe内には、GLP(Good Laboratory Practice: 医薬品の非臨床試験の安全性に関する信頼性を確保するための基準)準拠施設「Centre for Predictive Drug Discovery」を保有しており、より信頼性の高いサービス提供しております。
また、当社が保有する第3世代RNAリプログラミング技術を利用し、iPS細胞受託サービスを実施しております。本技術では、皮膚や血液だけでなく、尿からもiPS細胞が作製できることに加え、作製されたiPS細胞に関しても、遺伝子変異や残存因子のない高品質な細胞となっています。
さらに、iPS細胞から心筋細胞や神経細胞、肝細胞を作製するサービスを組み合わせることにより、顧客の要望に沿ってカスタマイズした多様なモデル細胞の提供も行っています。例えば、アルツハイマー病患者の尿から作製したiPS細胞を神経細胞に分化誘導することにより、アルツハイマー病の特徴を持ったモデル細胞を作製し、提供することが出来ます。

当社グループではヒトiPS細胞やヒト細胞に関する最先端のプラットフォームをグローバルに保有しており、これらを活用して他社との差別化を図りながら、事業を推進しております。

iPS細胞事業の事業系統図

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(2) メディカル事業
再生医療関連では、再生医療製品の早期承認取得を目指して、2つのパイプラインを推進しております。
1つ目のパイプラインとして、ヒト体性幹細胞を用いた再生医療製品「ステムカイマル」の治験準備を進めています。ステムカイマルは台湾のSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)が開発した、健常者ドナー由来の体性幹細胞を用いた再生医療製品です。当社はステミネント社と日本において脊髄小脳変性症を対象とした臨床開発および販売に関する独占契約を締結しています。
脊髄小脳変性症は小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性してしまう事により徐々に歩行障害や嚥下障害などの運動失調が現れ、日常の生活が不自由となってしまう原因不明の疾患です。日本では指定難病とされており、患者数は約3万人と言われている希少疾患です。
ステミネント社では、台湾及びアメリカでも脊髄小脳変性症を対象とした臨床開発を進めています。このうち、先行する台湾では第Ⅰ/Ⅱa相の治験が終了し、製品に関連する有害事象が無いこと、及び製品の有効性を示唆するデータが報告されております。また、アメリカでは食品医薬品局(FDA)より希少疾患向け医薬品等の開発を促進するオーファンドラッグ指定を受け、治験準備を行っています。
当社では、治験において一定の安全性や効能が認められた場合に、早期承認を得る事ができる日本の制度や、ステミネント社で既に取得されている治験データを活用し、ステムカイマルの早期承認取得を目指しています。

2つ目のパイプラインとして、米国Q Therapeutics Inc.(以下、Qセラ社)と共同で、中枢神経系疾患を対象とした再生医療製品となるiPS細胞神経グリア細胞(iGRP)の研究開発に取り組んでいます。
当社の保有しているRNAリプログラミング技術を利用することで、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に最適なiPS細胞を作製することができます。この技術を利用することで、iPS細胞の技術課題であるがん化のリスクを克服し、早期の承認取得を目指します。一方、Qセラ社では、米国においてiPS細胞とは異なる細胞(体性幹細胞)を利用して中枢神経系疾患の研究開発を進めており、すでに米国FDAに筋萎縮性側索硬化症(ALS)※1および横断性脊髄炎(TM)※2の治験申請(IND)を完了しています。
今後、両社の技術を活用することで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および横断性脊髄炎(TM)を対象としたiPS細胞再生医療製品を迅速に開発してまいります。なお、両社で研究開発を加速するため、合弁会社「株式会社MAGiQセラピューティクス」(以下、MQ社)を設立いたしました。また、両疾患について、日本では当社が独占的な商業化ライセンス権を受けております。

その他、メディカル事業では、臓器移植に関連した臨床検査の受託サービスも行っております。

メディカル事業のパイプライン
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(参考情報)
※1:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
体を動かすための神経系(運動神経)が変性してしまい、筋力の低下による運動障害や嚥下障害等の症状があらわれる病気です。運動神経のみが変性するため、意識や五感は正常であり、知能の低下もありません。病状の進行が極めて速い一方で、有効な治療法は確立されていません。日本では指定難病とされており、国内患者数は約1万人とされています。
※2:横断性脊髄炎(TM)
脊髄の一部分が横方向にわたって炎症を起こすことによって発生する神経障害です。通常、腰部の痛み、筋肉衰弱、つま先や脚の異常な感覚などの症状が突然発症することで始まり、その後急速に、麻痺や閉尿や排便制御の喪失などの深刻な症状がみられます。原因は特定されておらず、有効な治療法は確立されていません。国内患者数は約1.5万人とされています。


沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E27585] S100DCQJ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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