有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D78P
ピーエス・コンストラクション株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループの研究開発活動は、当社において、社会のニーズを的確に把握するために、本社に技術開発部門を配備し、プレストレストコンクリート(以下、「PC」という)技術および在来技術の改良、新規分野への参入を目指し、効率的に成果をあげることを目的とした研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・学・官との共同研究を積極的に推進しております。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は5億69百万円であります。
1.土木設事業
(1)MuSSL工法の開発
近年、高速道路3社(以下、NEXCO)において大規模更新・修繕事業が始まっています。その中でも鋼橋の鉄筋コンクリート床版(以下、RC床版)の取替えの工事は、延長224km(約1,000橋)にも及び、工期短縮や耐久性向上の観点から、プレキャストPC床版(以下、PCaPC床版)への交換が求められています。これまで、PCaPC床版相互の接合部は施工時に底型枠が不要なあご付き形状とし、ループ継手で接合するのが一般でしたが、RC床版の更新では床版厚が薄くあご付き形状のループ継手が適用できない課題があります。これに対し、他社においては種々の継手工法が開発、実用化されていますが、当社においても同種工事の積極的な受注を目指し、差別化を図るため、他社継手で適用できないあご付き床版に適用可能な継手構造の開発を目的に、「MuSSL工法」として2タイプの継手構造を開発しました。このような構造は“輪荷重走行試験により耐用年数100年相当であることを確認すること”が求められているため、昨年度は同試験を実施し、所要の性能を確認いたしました。試験に際しては、社内および報道関係、NEXCO各社に対する見学会を開催し、工法概要を説明するとともに試験状況の確認をしていただき、おおむね良好な評価をいただいております。
また、試験体レベルの製作では確認できなかった工場における製作性および架設時の注意点の確認を行うことを目的に、実製作を反映した床版試験体を工場製作し、その試験体を用いて架設試験も実施いたしました。
これらの成果をもとに、本年度は中国自動車道における実施工へ適用中であり、東名高速道においても予定しております。
(2)コンクリート構造物の塩害劣化を経済的に検知できるチタンワイヤーセンサーの開発
コンクリート構造物の塩害劣化は、コンクリート表面にひび割れ、剥離等が生じて顕在化しますが、それ以前の早い時期に劣化の兆候を把握できれば補修費用等は大幅に削減され、構造物の長寿命化に有効です。劣化の兆候を把握する方法としては、鉄筋の自然電位を計測することが広く行われており、それには照合電極と電直流電圧を計測するテスターが必要です。この照合電極は市販品が流通していますが、外形寸法が直径20mm程度、長さが130mm程度であり、また、価格も1個あたり数万円であるため、コンクリート構造物の劣化監視として多数配置することは難しい状況にあります。当社が開発したチタンワイヤーセンサーは直径3mm、長さ30mm程度で従来の照合電極と同等の計測性能を有し、価格も従来品の20分の1程度とすることが可能であるため、多数の配置が容易です。
既に実構造物における検証も終え、今後は公共構造物の劣化監視システムの一部として採用を目指しております。
また、多数点の自然電位の監視には、無線情報伝送システムを開発中であり、既に開発済のモバイルモニターシステムに統合することを予定しております。
(3)橋守プロジェクト
「橋守プロジェクト」とは、当社施工の既設PC橋の点検から診断までを技術系職員が一貫して実施する取組で、2011年より本格的に始動しております。現地調査および評価・判定した結果をデータベースとして登録し、社内技術へフィードバックすることが標準的な手順で、重大な変状があった場合には、道路管理者へ報告やメンテナンス技術を提案しています。
このプロジェクトで調査した橋梁は23都道府県430橋となりました(2018年3月時点)。それ以前より点検した橋梁も含めると、当社では約3,700橋分の点検データを保有していることになります。
一昨年度は、これらの点検データを全て当社の地図システム内のデータベースに統合し、昨年度はさらに過去に点検を行った橋梁の情報を追加しデータの充実を進めました。
今後は、各支店に点検担当者を配置し、これら点検データや資料をさらに充実するよう取組んでまいります。
土木事業に係る研究開発費は5億27百万円であります。
2.建築事業
(1)柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発
建築部門におけるプレキャスト化(PCa化)の拡大・推進に向けて、PCa梁部材の接合における簡便な納まりと施工性向上を可能とするPCa工法の開発を目的として、柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発を実施しております。
本工法で対象とするPCa工法は,柱梁接合部内で左右の梁主筋を各々定着し,狭隘部での鉄筋相互の接合工程を省略することによる省力化、工程短縮を狙ったもので、2016年度には定着具を設けた比較的定着長さが短い鉄筋の引き抜き要素実験を実施し、2017年度には柱・梁の部分架構による構造性能を検討するための実験を実施しました。
2018年度はさらに種々の適用条件を検討して構造安全性を確認し、第3者機関による技術評価の取得を目指します。
(2)ピーエス三菱PCaPC外付けフレーム耐震補強工法の技術評価更新
ピーエス三菱PCaPC外付けフレーム耐震補強工法は2004年に(一財)日本建築防災協会より技術評価を取得して以来87件の耐震補強物件に適用されています(他社への部材供給を含むと105件)。技術評価の有効期限が2018年4月であり、今般技術評価の更新を行いました。
建築事業に係る研究開発費は42百万円であります。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果ならびに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は5億69百万円であります。
1.土木設事業
(1)MuSSL工法の開発
近年、高速道路3社(以下、NEXCO)において大規模更新・修繕事業が始まっています。その中でも鋼橋の鉄筋コンクリート床版(以下、RC床版)の取替えの工事は、延長224km(約1,000橋)にも及び、工期短縮や耐久性向上の観点から、プレキャストPC床版(以下、PCaPC床版)への交換が求められています。これまで、PCaPC床版相互の接合部は施工時に底型枠が不要なあご付き形状とし、ループ継手で接合するのが一般でしたが、RC床版の更新では床版厚が薄くあご付き形状のループ継手が適用できない課題があります。これに対し、他社においては種々の継手工法が開発、実用化されていますが、当社においても同種工事の積極的な受注を目指し、差別化を図るため、他社継手で適用できないあご付き床版に適用可能な継手構造の開発を目的に、「MuSSL工法」として2タイプの継手構造を開発しました。このような構造は“輪荷重走行試験により耐用年数100年相当であることを確認すること”が求められているため、昨年度は同試験を実施し、所要の性能を確認いたしました。試験に際しては、社内および報道関係、NEXCO各社に対する見学会を開催し、工法概要を説明するとともに試験状況の確認をしていただき、おおむね良好な評価をいただいております。
また、試験体レベルの製作では確認できなかった工場における製作性および架設時の注意点の確認を行うことを目的に、実製作を反映した床版試験体を工場製作し、その試験体を用いて架設試験も実施いたしました。
これらの成果をもとに、本年度は中国自動車道における実施工へ適用中であり、東名高速道においても予定しております。
(2)コンクリート構造物の塩害劣化を経済的に検知できるチタンワイヤーセンサーの開発
コンクリート構造物の塩害劣化は、コンクリート表面にひび割れ、剥離等が生じて顕在化しますが、それ以前の早い時期に劣化の兆候を把握できれば補修費用等は大幅に削減され、構造物の長寿命化に有効です。劣化の兆候を把握する方法としては、鉄筋の自然電位を計測することが広く行われており、それには照合電極と電直流電圧を計測するテスターが必要です。この照合電極は市販品が流通していますが、外形寸法が直径20mm程度、長さが130mm程度であり、また、価格も1個あたり数万円であるため、コンクリート構造物の劣化監視として多数配置することは難しい状況にあります。当社が開発したチタンワイヤーセンサーは直径3mm、長さ30mm程度で従来の照合電極と同等の計測性能を有し、価格も従来品の20分の1程度とすることが可能であるため、多数の配置が容易です。
既に実構造物における検証も終え、今後は公共構造物の劣化監視システムの一部として採用を目指しております。
また、多数点の自然電位の監視には、無線情報伝送システムを開発中であり、既に開発済のモバイルモニターシステムに統合することを予定しております。
(3)橋守プロジェクト
「橋守プロジェクト」とは、当社施工の既設PC橋の点検から診断までを技術系職員が一貫して実施する取組で、2011年より本格的に始動しております。現地調査および評価・判定した結果をデータベースとして登録し、社内技術へフィードバックすることが標準的な手順で、重大な変状があった場合には、道路管理者へ報告やメンテナンス技術を提案しています。
このプロジェクトで調査した橋梁は23都道府県430橋となりました(2018年3月時点)。それ以前より点検した橋梁も含めると、当社では約3,700橋分の点検データを保有していることになります。
一昨年度は、これらの点検データを全て当社の地図システム内のデータベースに統合し、昨年度はさらに過去に点検を行った橋梁の情報を追加しデータの充実を進めました。
今後は、各支店に点検担当者を配置し、これら点検データや資料をさらに充実するよう取組んでまいります。
土木事業に係る研究開発費は5億27百万円であります。
2.建築事業
(1)柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発
建築部門におけるプレキャスト化(PCa化)の拡大・推進に向けて、PCa梁部材の接合における簡便な納まりと施工性向上を可能とするPCa工法の開発を目的として、柱梁接合部内梁主筋定着型PCa工法の開発を実施しております。
本工法で対象とするPCa工法は,柱梁接合部内で左右の梁主筋を各々定着し,狭隘部での鉄筋相互の接合工程を省略することによる省力化、工程短縮を狙ったもので、2016年度には定着具を設けた比較的定着長さが短い鉄筋の引き抜き要素実験を実施し、2017年度には柱・梁の部分架構による構造性能を検討するための実験を実施しました。
2018年度はさらに種々の適用条件を検討して構造安全性を確認し、第3者機関による技術評価の取得を目指します。
(2)ピーエス三菱PCaPC外付けフレーム耐震補強工法の技術評価更新
ピーエス三菱PCaPC外付けフレーム耐震補強工法は2004年に(一財)日本建築防災協会より技術評価を取得して以来87件の耐震補強物件に適用されています(他社への部材供給を含むと105件)。技術評価の有効期限が2018年4月であり、今般技術評価の更新を行いました。
建築事業に係る研究開発費は42百万円であります。
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