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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D82R

有価証券報告書抜粋 株式会社栗本鐵工所 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは有用な製品とサービスを社会に提供して、人類社会の幸福に貢献するという企業理念のもと、基盤となる事業ドメイン「社会インフラ」および「産業設備」において、鋭意研究開発活動に努めております。近年は新事業創造に向けた研究開発成果の早期創出を目指して、コーポレート研究開発部門(クリモト創造技術研究所)と各事業部門との連携をより一層強化しており、市場直結型の技術開発を推進すると共に、オンリーワンの高機能材料ならびにその生産プロセスの開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,516百万円であり、セグメント別の研究開発費は、パイプシステム事業398百万円、機械システム事業116百万円、産業建設資材事業137百万円であります。主な研究概要とその成果については次の通りであります。なお、研究開発費については、コーポレート研究開発部門で行っている新規分野開発と基盤技術研究の費用864百万円が含まれております。

~主要研究開発活動~
(社会インフラ関連)
① 水道管路耐震化に向けた製品の開発
地震が頻発するわが国において、管路の耐震性を高めることは重要課題でありますが、現状耐震性を有する管路比率は39%程度に留まっております。ところが管路更新が捗らず、管路の老朽化は年々進んでいるため耐用年数を超過した管路の比率(管路経年化率)は既に13%を超えています。そのような状況を踏まえ、管路更新・耐震化促進に資するため、長寿命を特長とする新型耐震管GX形(75mm~300、400mm)の拡販に努めており、全国の政令指定都市をはじめ多くの事業体にご採用いただいております。また、GX形に加え、さらに低コストで軽量化を実現したNS形(E種管)のラインナップにより、事業体様からの多様な要望に応え、市場での拡販を精力的に進めて参ります。
さらに喫緊の課題となる中大口径管路の更新事業においても、事業体様のご要望にお応えする形で、このたび当社独自工法となる「ハイブリッドシステム工法」を開発しました。当工法は、中大口径更新事業の主力工法となる非開削工法において、既工法より、工期短縮およびトータルコストの削減を図ることが可能であり、水源から末端に至るトータル的な老朽管路の更新、耐震化に貢献すべく、取り組んで参ります。

② インフラ向け更生管の開発、交通インフラ分野ならびに橋梁補修分野への新規参入
当社は連続FW成形*技術をコア技術として、電力ケーブル保護管、下水道管及び農業用水管など主にインフラ市場分野向けにFRP(M)管を販売してきました。近年、インフラ新設事業は成熟期を迎え、既存設備の更新や長寿命化が課題となっております。そこで、当社はその分野で培った技術力を生かし、施工性に優れ、かつ高耐震性、高強度を有した更生工法の開発に注力しております。今後、この分野における製品開発を加速させ、既に市場投入している電力及び通信向け更生材の他、順次新製品を投入していく予定です。
交通インフラ分野の自動車関連ではコンポジット新製品や生産設備販売ビジネス、また鉄道関連では不燃性樹脂および絶縁性をキーワードにした新商材を基軸に新規参入を進めております。併せて、橋梁補修分野に関しては引抜成形技術を活用した製品を中心に種々の製品展開を進めて行く予定です。
* FW成形:フィラメントワインディングと呼ばれるFRP成形法の一種。

③ 軽量鋼管分野、消音分野における開発
軽量鋼管分野においては、既存製品であるスパイラルダクトのカシメ部にシール剤を封入し、リーク低減を実現した「プレミアムスパイラルダクト」を開発、市場に投入しました。今後もコア技術を軸とし、顧客ニーズに対応した付加価値製品の開発に取り組んで参ります。また、消音分野では、道路インフラ更新需要に対応する遮音壁の開発に取り組んで参ります。


(産業設備関連)
① 二次電池向けプラント開発
当社の長年の粉体装置事業を基盤とし、リチウムイオンを主とする二次電池市場へ装置・システム・プラントで 積極参入すべくプロジェクトを2011年より立ち上げ活動を推進しております。その一環として、営業活動、PR効果促進、技術ノウハウの獲得・構築及び各装置の改良・改善のため、当社住吉工場内に、電池スラリーの混練設備、電池原料の乾燥・焼成・粉砕設備を配置した二次電池用のテストセンターを設置しています。信頼性のある高精度供給装置、摩耗に対するコンタミレス等に改良を加えた設備であり、本センターで顧客対応実証実験と自主実験による研究開発を進め、さらに創意工夫を重ねて改良・改善を行い、営業展開を強めております。
さらに、最近では中国・欧州を中心に将来の自動車EV化に向けた電池の大容量設備計画が増加するなか、当社提案の連続化スラリープロセスが評価され始めており、営業展開を進めています。加えて、次世代リチウムイオン電池として着目されている全固体電池材料製造プロセスの研究開発にも鋭意取り組んでいます。

② サーボプレスの応用技術開発
当社は近年、湿式クラッチブレーキの開発、サーボプレスの開発を行い、納入実績を積み重ねております。サーボプレスにおいては油圧装置と組み合わせた複合成形へも取り組み、鍛造技術の開発を進めております。更に、数年前に開発済みのM2M(遠隔監視装置)に加えて、プレスの状態が把握でき、保全性が高まる「見える化」の開発も進めており、両輪により営業活動を強めていく予定であります。

(コンポジットプロジェクト関連)
炭素繊維強化プラスチックのハイサイクル成形システムおよび成形品の開発
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は軽くて強いという性質を持つ優れた部材であり、近年では金属製部品の代替として様々な分野・製品への適用が進んでおります。しかしながら、自動車部品など身近な製品へのさらなる普及のためには、製造コストの低減や生産サイクルの短縮、品質管理の強化など様々な課題を克服する必要があります。
当社は、混練装置やプレス機などの設備製造技術と国内有数のFRP成形実績を基盤とし、独自のCFRP量産テクノロジーの開発を進め、各種課題の解決に取り組んでおります。主な取り組みとしては、Carbon-LFTDシステム*1、ハイサイクルRTMシステム*2およびCFRP引抜成形について、デモ成形設備を導入し、具体的なCFRPパーツの設計、試作、量産から設備までのトータル・ソリューション開発を進めております。各種デモプラントが稼働する「クリモトコンポジットセンター」を有効活用し、成形設備および成形品分野での事業展開を目指します。
*1 Carbon-LFTDシステム:原材料である炭素繊維ロービングと熱可塑性樹脂を直接混練してプレス成形するCFRTP
成形システム。
*2 ハイサイクルRTMシステム:積層された炭素繊維シートに、熱硬化性樹脂を注入・含浸させ、加熱硬化させて成
形するシステム。

(クリモト創造技術研究所関連)
磁気粘性流体(MRF)の開発
磁気粘性流体とは、油の中に鉄微粒子を分散させた機能性流体であります。流体に磁力を与えると急激に粘性が増して半固体状態になり、磁力を取り除くと流動性のある液体状態に戻るという特徴があります。これを利用して、自動車用ダンパー等に実用化されております。当社では、鉄微粒子を今までより小さいナノサイズにしたMRF(商標名:SoftMRFⓇ)を新たに開発し、従来適用例が少なかったクラッチ、ブレーキ等の回転系デバイスへの採用に取り組んでおります。鉄微粒子のナノサイズ化によって、流体の再分散性および耐久性が向上しました。また、この流体を用いたデバイスは応答性能が優れていることから、リアルな触感を発現できます。これらの特長を活かしてSoftMRFⓇの製品として下肢装具関節部への適用やVR(バーチャル・リアリティ)アクティビティへの採用が実現しました。今後、市場拡大が予想されるハプティクスデバイス*関連分野等での実用化を目指して、流体のバリエーション拡大、コストダウンと安定生産技術の確立を進めると同時に適用範囲を拡大しSoftMRFⓇの販売を進めてまいる予定であります。
* ハプティクスデバイス:人間が手などを使って得る触覚や力覚を情報として扱う学問分野をハプティクスと称
し、ここではナノMRFを使って主に力覚を人工的に与えられるデバイスを指します。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01268] S100D82R)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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