有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DIOP
株式会社フジクラ 研究開発活動 (2018年3月期)
当社グループは、①エネルギー・情報通信、②エレクトロニクス、③自動車電装各分野の新商品並びに新技術の開発を積極的に行っております。当社グループの研究開発活動は、先端技術総合研究所が全社研究開発を、また各事業部門の開発部が部門別開発活動を進めております。
環境対応型製品開発の一環として、高温超電導線材、色素増感太陽電池などの商品化に向けた開発を進めています。高温超電導線材では、人工ピンの導入など、更なる特性向上とともに事業化に向けた量産技術の開発に取り組んでいます。高磁場中でも高い特性を有するイットリウム系高温超電導線材は、分析用NMRや医療用MRIなどの強磁場コイル用途において、システムのコンパクト化、高解像度化などが期待されています。国家プロジェクトで高い評価を頂くとともに、超電導線材の基礎研究では低温工学・超電導学会より「業績賞(工業技術業績)」を受賞しました。
色素増感太陽電池においては、低照度下での高効率発電特性を利用したエネルギーハーベスティング用薄型モジュールを自立型電源として利用し、無線部に「高精度同期によるマルチホップ機能」を実装した「マルチホップ無線エネルギーハーベスト(EH)型環境センサシステム」を開発しました。このマルチホップ通信のエネルギーハーベスト化技術は、Embedded Technology & IoT Technology 2017において「IoT Technology優秀賞」を受賞しました。
次世代大容量高速無線通信に利用されるミリ波帯通信機器や受動デバイスの開発を進めています。移動体通信フロントホール・バックホールや、固定通信網ラストマイルなどの通信インフラ用途にミリ波モジュールを提供します。このモジュールは、フェーズドアレイを用いたビームフォーミング機能により、高利得で鋭いアンテナビームを広範囲に方向制御でき、60GHz帯を用いて超高速伝送、長距離伝送を実現します。
新しいダイレクト印刷技術を用いて透明電極フィルムの開発を進めています。このフィルムは、線幅が数マイクロメートルの高精細配線を用いることで高透過率、低抵抗を実現します。フレキシブル用途も含めた大型タッチパネルへの展開を進めています。
ICや受動部品などをポリイミド多層配線板に埋め込んだ薄型部品内蔵基板、「WABE Package®」(Wafer And Board level device Embedded Package)の開発を進めています。3個のICチップを厚さ方向に重ねて埋め込んだ16層の超多層構造となる3チップスタック型部品内蔵基板を世界で初めて実用化しました。このような複数部品を内蔵した高精細・高多層の高密度配線板を提供し、製品の軽薄短小化に貢献していきます。
ディープ・ラーニングを用いた人工知能(AI)の研究開発に取り組んでいます。独自の学習方法を開発し、製品製造工程での異常をAIにより可視化することにより、先進的なAIによる工程管理を進めています。このAI技術により、半導体ウエハ上の各レーザーダイオード(LD)素子の高度の外観判定を達成しました。他の製品製造工程への展開を進め、AI+IoT(Internet of Things)を導入したものづくりを推進します。
セグメント別の研究開発活動及びその成果は次のとおりで、当連結会計年度の連結研究開発費は162億円であります。
①エネルギー・情報通信カンパニー
長距離高速伝送システム用ファイバとして、低損失光ファイバFutureGuide®-HSCを商品化いたしました。本ファイバは国際電気通信連合の陸上長距離システム向け勧告(ITU-T G.654.E)に準拠しており、デジタル信号処理を用いた最新の伝送システムに最適な特性を有しています。
光ファイバ1本に複数のコアを持つマルチコアファイバは、将来の大容量伝送用光ファイバの有力候補です。2017年度は、現在の汎用光ファイバと同じ外径を有し、コア数が多いファイバの開発に注力しました。日本電信電話株式会社、株式会社KDDI総合研究所、住友電気工業株式会社、古河電気工業株式会社、日本電気株式会社、千葉工業大学と共に開発を行い、世界最大の毎秒118.5テラ・ビット伝送を実現しました。(本開発の一部は国立研究開発法人情報通信研究機構殿の委託研究成果です。)今後、マルチコアファイバ技術の標準化、実用化をめざすとともに、将来の多様なデータ通信需要に対応可能な光伝送基盤の実現に貢献していきます。
PANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバは通信用偏波面保持光ファイバの代表的な構造で、当社が世界でトップシェアを誇る製品です。2017年度は、高密度、大容量通信に必要な集積シリコン光回路と低損失な結合を可能とする新製品を開発しました。集積シリコン光回路に必要な小コア・小クラッド径を有しながら、汎用の光ファイバとの低損失な結合も可能な特長を備えています。
クラウドサービスやIoT技術の発展を背景に、光ファイバケーブルの需要が拡大しています。光ファイバケーブル網を経済的に構築する技術として、光ファイバを高密度で実装した細径・軽量な光ファイバケーブル「Spider Web Ribbon ®」及び「Wrapping Tube Cable®」を開発し製品化しています。昨年度は世界最高水準の細径・高密度となる3456心ケーブルを製品化しました。また、更なる細径・軽量化を実現するため、被覆径200μmの細径光ファイバを用いた「Spider Web Ribbon ®」及び「Wrapping Tube Cable®」の開発にも取り組んでいます。本ケーブルは、テレコムネットワーク用途のみならず、世界的に拡大するデータセンタ等にも導入が進んでおり、今後も製品ラインナップの拡充と高機能化に注力します。
通信データの大容量化要求を背景に、光コネクタの高機能化にも注力しています。超多心かつ低接続損失を実現する技術に一層の磨きをかけるとともに、伝送装置に使用されるフロント、バックパネル光コネクタ、屋外で使用される多心防水型光コネクタ、取り扱い性に優れた多心レンズ型光コネクタ等製品ラインナップを充実させました。また光デバイス内で使用される高実装密度型光コネクタの開発にも注力しております。
光ファイバケーブルを接続する融着接続装置を中心としたシステムを継続して改良しています。操作性、保守性を大幅に向上させた切断工具の新製品を発売しました。繰り返し切断により切断刃の一部は摩耗しますが、ダイヤルを回すだけで摩耗していない部分へ簡単に位置変更できます。また、光ファイバを把持するゴムクランプや切断刃自体を、お客様が交換できるようになりました。さらに、光ファイバ融着接続装置には無線機能を追加搭載しました。スマートフォンや切断工具との通信を利用した連携動作を実現し、光ファイバケーブルの接続作業性を改善しています。
金属のマーキング、溶接及び切断で使用されるレーザ加工機の市場では、ビーム品質が良く、かつ小型で電力変換効率が高い光源を利用したファイバレーザへの乗り換えが加速しています。当社は、光通信用ファイバや部品で培ったコア技術をベースにファイバレーザの研究開発に注力しています。2017年度は小型・軽量化を図ったパルスファイバレーザ、小型・軽量化及び電力変換効率アップを図った高出力連続波ファイバレーザなどの新製品をリリースしました。高出力マルチモードファイバレーザでは、新たに出力8kWを製品化して製品ラインアップを拡充しました。また、シングルモードファイバレーザでは出力5kWの開発に成功しました。産業応用を踏まえたファイバレーザの高出力化の推進により、レーザ学会より「業績賞(進歩賞)」を受賞しました。更なる小型・軽量化及び高出力化、電力変換効率アップを目指して研究開発を進めてまいります。
エネルギー問題がますます重要性を増す中で、省エネルギーの推進、環境負荷の低減、資源の有効活用につながるケーブル・機器の開発を積極的に進めております。
航続距離延長や環境政策により、ますます普及が進む電気自動車の充電インフラとして、急速充電器の設置数が拡大しています。バッテリ容量の拡大及び充電時間の短縮のため、充電器は現行の3~7倍の出力になるものと予測され、大容量急速充電に対応するためケーブル冷却機能を付加し、操作性・取扱い性に優れる充電コネクタ・ケーブルの開発に注力しております。
また、ケーブル設備の経年化が進む中、リアルタイムデータに基づいたスマートメンテナンスに不可欠な常時監視型劣化診断システムの開発を進めています。
なお、当セグメントに係る研究開発費は103億円であります。
②エレクトロニクスカンパニー
民生及び産業用の電子機器に使われるフレキシブルプリント回路基板(FPC)・メンブレン・コネクタ・電子ワイヤ・センサ・ハードディスク・サーマル製品の開発を行っています。スマートフォンに代表されるモバイル機器は、情報通信速度の高速化や高機能化が進み、周辺機器とのつながりやすさが強く要求されています。また、電気自動車普及の加速に伴い、車載向けの電子部品の需要も増えており、これらの開発にも力を入れています。自動車用電子部品は、各種環境下での高い信頼性が要求されています。
FPCについては、高密度化や高速伝送化に対応するため、部品内蔵基板、狭ピッチ表面実装、高精細FPCを基盤とした高密度実装のトータルソリューションの提供を目的として開発を進めています。高精細FPCには従来のサブトラクティブ法だけでなく、セミアディティブ法の採用も進めています。また、高信頼性確保のため、自動化を推進し、製造での更なる工程能力向上、検査能力向上に取り組んでいます。
メンブレンについては、細線印刷技術や機能性ペーストの開発を進めることでパソコン、家電、車載用など従来の需要に加え、医療、ウエアラブル、ヘルスケアといった新しい市場を開拓していきます。
コネクタについては、「小型・低背」「堅牢」「防水」「高速伝送」「作業性」をキーワードに製品開発を推進しています。モバイル機器用途としては、Board to Boardコネクタの小型・堅牢化、バッテリ用コネクタ等の製品バラエティ拡充に取り組みました。産業機器用途では、防水丸形コネクタの小型軽量化、結線/嵌合作業の改善に取り組みました。車載用、4K/8K放送用、5G基地局用等のコネクタの開発も進めています。
電子ワイヤについては、エレクトロニクス市場での更なる高速、高容量データ伝送の要求に答えるべく開発を進めています。インターフェースケーブルとしては、USB3.1 Type-C(Gen.2) 10Gbps対応ケーブルアセンブリ品を開発し、USBの認証を取得しました。機器内配線としては、モバイル機器やウエアラブル機器などの用途に向け、高速伝送が可能で、かつ高屈曲耐久の需要に貢献するケーブルアセンブリの開発を進めています。
センサについては、高精度な増幅・温度補償済み圧力センサの製品ラインナップを拡充すべく、開発を進めています。特に、数kPaクラスの微圧領域の圧力検知が必要とされる呼吸器関係の医療機器や産業機器などのニーズに応えるため、新たに微圧レンジ用デジタル出力圧力センサの新製品AL4シリーズを開発し、製品ラインナップを拡充しています。
サーマル製品については、スマートフォン等のモバイル機器向けに、薄型の熱対策部品のニーズが高まっていることに応え、0.3mm厚さの超薄型ヒートパイプ及び0.4mm厚さの超薄型ベーパーチャンバーを開発しました。更なる熱性能の向上、薄型化に取り組み、開発を進めています。また、スーパーコンピュータ等の大容量冷却向けの水冷式クーリングユニットは、CPUの高性能化、ボードの高密度実装化に伴い、更なる冷却性能の効率化が求められており、これらのニーズに応えるべく開発を進めています。
なお、当セグメントに係る研究開発費は44億円であります。
③自動車電装カンパニー
自動車電装においては、「環境」、「安全」、「快適」をキーワードとし、ワイヤハーネスを中心としたEDS(Electric Distribution System)の分野と、エレクトロニクス事業で培った薄型配線材の技術を応用した機能モジュールの分野で、新商品・新技術の開発を推進しております。
2017年度の主な研究開発の成果として、EDS分野ではワイヤハーネスの軽量化を目的とした太物アルミハーネスの開発を完了し、量産準備を進めています。また、電気自動車の大電流化に対応しつつ、車両レイアウト自由度の向上に貢献するために、柔軟性が高いケーブルの開発に着手し、早期の開発完了を目指しています。
機能モジュールの分野では、シートベルトリマインダに関する保安基準の改正により、後席シートにおけるセンサ適用の検討を開始しました。後席における特有の検知・非検知スペックに対応できる、センサ構造の標準化を進めています。
2018年4月に、新たに「自動車電装R&Dセンター」を開設しました。「車両電動化」、「自動運転」、「コネクテッドカー」などのトレンドに沿った新技術・新製品を創出する活動を拡大してまいります。
なお、当セグメントに係る研究開発費は14億円であります。
環境対応型製品開発の一環として、高温超電導線材、色素増感太陽電池などの商品化に向けた開発を進めています。高温超電導線材では、人工ピンの導入など、更なる特性向上とともに事業化に向けた量産技術の開発に取り組んでいます。高磁場中でも高い特性を有するイットリウム系高温超電導線材は、分析用NMRや医療用MRIなどの強磁場コイル用途において、システムのコンパクト化、高解像度化などが期待されています。国家プロジェクトで高い評価を頂くとともに、超電導線材の基礎研究では低温工学・超電導学会より「業績賞(工業技術業績)」を受賞しました。
色素増感太陽電池においては、低照度下での高効率発電特性を利用したエネルギーハーベスティング用薄型モジュールを自立型電源として利用し、無線部に「高精度同期によるマルチホップ機能」を実装した「マルチホップ無線エネルギーハーベスト(EH)型環境センサシステム」を開発しました。このマルチホップ通信のエネルギーハーベスト化技術は、Embedded Technology & IoT Technology 2017において「IoT Technology優秀賞」を受賞しました。
次世代大容量高速無線通信に利用されるミリ波帯通信機器や受動デバイスの開発を進めています。移動体通信フロントホール・バックホールや、固定通信網ラストマイルなどの通信インフラ用途にミリ波モジュールを提供します。このモジュールは、フェーズドアレイを用いたビームフォーミング機能により、高利得で鋭いアンテナビームを広範囲に方向制御でき、60GHz帯を用いて超高速伝送、長距離伝送を実現します。
新しいダイレクト印刷技術を用いて透明電極フィルムの開発を進めています。このフィルムは、線幅が数マイクロメートルの高精細配線を用いることで高透過率、低抵抗を実現します。フレキシブル用途も含めた大型タッチパネルへの展開を進めています。
ICや受動部品などをポリイミド多層配線板に埋め込んだ薄型部品内蔵基板、「WABE Package®」(Wafer And Board level device Embedded Package)の開発を進めています。3個のICチップを厚さ方向に重ねて埋め込んだ16層の超多層構造となる3チップスタック型部品内蔵基板を世界で初めて実用化しました。このような複数部品を内蔵した高精細・高多層の高密度配線板を提供し、製品の軽薄短小化に貢献していきます。
ディープ・ラーニングを用いた人工知能(AI)の研究開発に取り組んでいます。独自の学習方法を開発し、製品製造工程での異常をAIにより可視化することにより、先進的なAIによる工程管理を進めています。このAI技術により、半導体ウエハ上の各レーザーダイオード(LD)素子の高度の外観判定を達成しました。他の製品製造工程への展開を進め、AI+IoT(Internet of Things)を導入したものづくりを推進します。
セグメント別の研究開発活動及びその成果は次のとおりで、当連結会計年度の連結研究開発費は162億円であります。
①エネルギー・情報通信カンパニー
長距離高速伝送システム用ファイバとして、低損失光ファイバFutureGuide®-HSCを商品化いたしました。本ファイバは国際電気通信連合の陸上長距離システム向け勧告(ITU-T G.654.E)に準拠しており、デジタル信号処理を用いた最新の伝送システムに最適な特性を有しています。
光ファイバ1本に複数のコアを持つマルチコアファイバは、将来の大容量伝送用光ファイバの有力候補です。2017年度は、現在の汎用光ファイバと同じ外径を有し、コア数が多いファイバの開発に注力しました。日本電信電話株式会社、株式会社KDDI総合研究所、住友電気工業株式会社、古河電気工業株式会社、日本電気株式会社、千葉工業大学と共に開発を行い、世界最大の毎秒118.5テラ・ビット伝送を実現しました。(本開発の一部は国立研究開発法人情報通信研究機構殿の委託研究成果です。)今後、マルチコアファイバ技術の標準化、実用化をめざすとともに、将来の多様なデータ通信需要に対応可能な光伝送基盤の実現に貢献していきます。
PANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバは通信用偏波面保持光ファイバの代表的な構造で、当社が世界でトップシェアを誇る製品です。2017年度は、高密度、大容量通信に必要な集積シリコン光回路と低損失な結合を可能とする新製品を開発しました。集積シリコン光回路に必要な小コア・小クラッド径を有しながら、汎用の光ファイバとの低損失な結合も可能な特長を備えています。
クラウドサービスやIoT技術の発展を背景に、光ファイバケーブルの需要が拡大しています。光ファイバケーブル網を経済的に構築する技術として、光ファイバを高密度で実装した細径・軽量な光ファイバケーブル「Spider Web Ribbon ®」及び「Wrapping Tube Cable®」を開発し製品化しています。昨年度は世界最高水準の細径・高密度となる3456心ケーブルを製品化しました。また、更なる細径・軽量化を実現するため、被覆径200μmの細径光ファイバを用いた「Spider Web Ribbon ®」及び「Wrapping Tube Cable®」の開発にも取り組んでいます。本ケーブルは、テレコムネットワーク用途のみならず、世界的に拡大するデータセンタ等にも導入が進んでおり、今後も製品ラインナップの拡充と高機能化に注力します。
通信データの大容量化要求を背景に、光コネクタの高機能化にも注力しています。超多心かつ低接続損失を実現する技術に一層の磨きをかけるとともに、伝送装置に使用されるフロント、バックパネル光コネクタ、屋外で使用される多心防水型光コネクタ、取り扱い性に優れた多心レンズ型光コネクタ等製品ラインナップを充実させました。また光デバイス内で使用される高実装密度型光コネクタの開発にも注力しております。
光ファイバケーブルを接続する融着接続装置を中心としたシステムを継続して改良しています。操作性、保守性を大幅に向上させた切断工具の新製品を発売しました。繰り返し切断により切断刃の一部は摩耗しますが、ダイヤルを回すだけで摩耗していない部分へ簡単に位置変更できます。また、光ファイバを把持するゴムクランプや切断刃自体を、お客様が交換できるようになりました。さらに、光ファイバ融着接続装置には無線機能を追加搭載しました。スマートフォンや切断工具との通信を利用した連携動作を実現し、光ファイバケーブルの接続作業性を改善しています。
金属のマーキング、溶接及び切断で使用されるレーザ加工機の市場では、ビーム品質が良く、かつ小型で電力変換効率が高い光源を利用したファイバレーザへの乗り換えが加速しています。当社は、光通信用ファイバや部品で培ったコア技術をベースにファイバレーザの研究開発に注力しています。2017年度は小型・軽量化を図ったパルスファイバレーザ、小型・軽量化及び電力変換効率アップを図った高出力連続波ファイバレーザなどの新製品をリリースしました。高出力マルチモードファイバレーザでは、新たに出力8kWを製品化して製品ラインアップを拡充しました。また、シングルモードファイバレーザでは出力5kWの開発に成功しました。産業応用を踏まえたファイバレーザの高出力化の推進により、レーザ学会より「業績賞(進歩賞)」を受賞しました。更なる小型・軽量化及び高出力化、電力変換効率アップを目指して研究開発を進めてまいります。
エネルギー問題がますます重要性を増す中で、省エネルギーの推進、環境負荷の低減、資源の有効活用につながるケーブル・機器の開発を積極的に進めております。
航続距離延長や環境政策により、ますます普及が進む電気自動車の充電インフラとして、急速充電器の設置数が拡大しています。バッテリ容量の拡大及び充電時間の短縮のため、充電器は現行の3~7倍の出力になるものと予測され、大容量急速充電に対応するためケーブル冷却機能を付加し、操作性・取扱い性に優れる充電コネクタ・ケーブルの開発に注力しております。
また、ケーブル設備の経年化が進む中、リアルタイムデータに基づいたスマートメンテナンスに不可欠な常時監視型劣化診断システムの開発を進めています。
なお、当セグメントに係る研究開発費は103億円であります。
②エレクトロニクスカンパニー
民生及び産業用の電子機器に使われるフレキシブルプリント回路基板(FPC)・メンブレン・コネクタ・電子ワイヤ・センサ・ハードディスク・サーマル製品の開発を行っています。スマートフォンに代表されるモバイル機器は、情報通信速度の高速化や高機能化が進み、周辺機器とのつながりやすさが強く要求されています。また、電気自動車普及の加速に伴い、車載向けの電子部品の需要も増えており、これらの開発にも力を入れています。自動車用電子部品は、各種環境下での高い信頼性が要求されています。
FPCについては、高密度化や高速伝送化に対応するため、部品内蔵基板、狭ピッチ表面実装、高精細FPCを基盤とした高密度実装のトータルソリューションの提供を目的として開発を進めています。高精細FPCには従来のサブトラクティブ法だけでなく、セミアディティブ法の採用も進めています。また、高信頼性確保のため、自動化を推進し、製造での更なる工程能力向上、検査能力向上に取り組んでいます。
メンブレンについては、細線印刷技術や機能性ペーストの開発を進めることでパソコン、家電、車載用など従来の需要に加え、医療、ウエアラブル、ヘルスケアといった新しい市場を開拓していきます。
コネクタについては、「小型・低背」「堅牢」「防水」「高速伝送」「作業性」をキーワードに製品開発を推進しています。モバイル機器用途としては、Board to Boardコネクタの小型・堅牢化、バッテリ用コネクタ等の製品バラエティ拡充に取り組みました。産業機器用途では、防水丸形コネクタの小型軽量化、結線/嵌合作業の改善に取り組みました。車載用、4K/8K放送用、5G基地局用等のコネクタの開発も進めています。
電子ワイヤについては、エレクトロニクス市場での更なる高速、高容量データ伝送の要求に答えるべく開発を進めています。インターフェースケーブルとしては、USB3.1 Type-C(Gen.2) 10Gbps対応ケーブルアセンブリ品を開発し、USBの認証を取得しました。機器内配線としては、モバイル機器やウエアラブル機器などの用途に向け、高速伝送が可能で、かつ高屈曲耐久の需要に貢献するケーブルアセンブリの開発を進めています。
センサについては、高精度な増幅・温度補償済み圧力センサの製品ラインナップを拡充すべく、開発を進めています。特に、数kPaクラスの微圧領域の圧力検知が必要とされる呼吸器関係の医療機器や産業機器などのニーズに応えるため、新たに微圧レンジ用デジタル出力圧力センサの新製品AL4シリーズを開発し、製品ラインナップを拡充しています。
サーマル製品については、スマートフォン等のモバイル機器向けに、薄型の熱対策部品のニーズが高まっていることに応え、0.3mm厚さの超薄型ヒートパイプ及び0.4mm厚さの超薄型ベーパーチャンバーを開発しました。更なる熱性能の向上、薄型化に取り組み、開発を進めています。また、スーパーコンピュータ等の大容量冷却向けの水冷式クーリングユニットは、CPUの高性能化、ボードの高密度実装化に伴い、更なる冷却性能の効率化が求められており、これらのニーズに応えるべく開発を進めています。
なお、当セグメントに係る研究開発費は44億円であります。
③自動車電装カンパニー
自動車電装においては、「環境」、「安全」、「快適」をキーワードとし、ワイヤハーネスを中心としたEDS(Electric Distribution System)の分野と、エレクトロニクス事業で培った薄型配線材の技術を応用した機能モジュールの分野で、新商品・新技術の開発を推進しております。
2017年度の主な研究開発の成果として、EDS分野ではワイヤハーネスの軽量化を目的とした太物アルミハーネスの開発を完了し、量産準備を進めています。また、電気自動車の大電流化に対応しつつ、車両レイアウト自由度の向上に貢献するために、柔軟性が高いケーブルの開発に着手し、早期の開発完了を目指しています。
機能モジュールの分野では、シートベルトリマインダに関する保安基準の改正により、後席シートにおけるセンサ適用の検討を開始しました。後席における特有の検知・非検知スペックに対応できる、センサ構造の標準化を進めています。
2018年4月に、新たに「自動車電装R&Dセンター」を開設しました。「車両電動化」、「自動運転」、「コネクテッドカー」などのトレンドに沿った新技術・新製品を創出する活動を拡大してまいります。
なお、当セグメントに係る研究開発費は14億円であります。
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