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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G80D

有価証券報告書抜粋 宮地エンジニアリンググループ株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。
当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は110百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。

1.宮地エンジニアリング
当連結会計年度における研究開発費は69百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。
(1)施工技術に関する研究
① 大規模更新に関する研究
高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されており、これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。
② 工場溶接技術に関する研究
工場溶接工程の生産性向上を目的に、完全溶込み溶接継手の開先形状の狭開先化に取り組んでおります。
③ 現場溶接技術に関する研究
橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。

(2)新材料・新素材に関する研究開発
① FRPの橋梁構造物への適用に関する研究
橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や、鉄道用の壁高欄、防風柵を実用化し、さらなる構造改善を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品開発も進めております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。

(3)構造・強度・検査に関する研究開発
① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討
合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、継続して構造・製作および施工に関する合理化、コスト削減のための改良の検討を進めております。
② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討
橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、継続して施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討を行ってまいりましたが、構造的にコスト低減に限界があり他社との競争力が低く、コンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の開発費用の増大も考えられるため、費用対効果と市場性の観点から今後の研究の方向性を継続して検討しております。
③ 高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法に関する研究
老朽化が進む鋼橋において、簡易的な維持管理手法の構築が社会的ニーズとなっており、腐食損傷を受けた鋼橋の強度評価が求められています。このため、琉球大学と共同で、腐食が著しい高力ボルト摩擦接合継手の腐食状態と残存すべり耐力に関する研究を進めています。現在までに、「高力ボルトの腐食減肉と残存軸力の評価法」及び「連結板の腐食減肉とすべり耐力の評価法」を提案しております。今後は、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の総合的な耐力診断手法を検討してまいります。
④ 溶接継手の非破壊検査に関する研究
橋梁の完全溶込み溶接継手の超音波探傷検査に関する研究であり、溶接欠陥を挿入した試験体を用いて超音波自動探傷における溶接欠陥の検出性能の評価、適切な判定方法の検討を非破壊検査会社と共同で進めております。

(4)新製品・新技術に関する研究開発
① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討
既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を継続して進めております。OSMOS(光学ストランドモニタリングシステム)の無線型センサーLIRISを用いて、架設時の安全管理のための傾斜モニタリング、補修工事における架設時品質管理と補修効果評価のための変位モニタリングを実施し、モニタリングの有効性の検証と有効活用に関する検討を実施しております。
② 複合・合成構造の研究開発
従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋についても中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。また、エム・エム ブリッジ株式会社とともに参画した、高速道路のオーバーブリッジにおけるロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する高速道路総合技術研究所との共同研究は、載荷試験結果に基づくFEM解析による検討を実施し、補強効果について定性的・定量的な評価を実施しております。さらに、東日本旅客鉄道株式会社の工程短縮を目的としたバラスト撤去低減可能な工事桁の開発に参画し、FEM解析を用いた最適な断面検討と載荷実験による性能評価を実施しており、その成果として共同で特許を出願しております。
③ i-Constructionへの取り組み
構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザースキャナー、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を目的としたi-Constructionへの取り組みを行っております。

(5)施工工法等に関わる研究、取り組み
① PC業者、補修業者との連携
既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。
② 送り出し工法の合理化に関する研究
当社で請け負う桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全に高速で鋼桁を送り出すことが求められております。これらの社会のニーズにこたえるため、ここ数年をかけ新開発した「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」を実工事でフル活用し、その有効性を実証しており、今後は適用工事範囲を増やし、さらなる効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指してまいります。
③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究
当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、リフトアップ工法や移動ステージによるスライド工法を用いた施工を実施し、その有効性を実証しております。今後は実工事において更なる改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究してまいります。
④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究
先に開発した、建築構造物のコンクリート柱・壁や橋梁のコンクリート床版を切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを応用した「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に切断撤去工事を実施しその有効性を実証しております。今後、急増すると思われる高速道路における床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、同システムのさらなる改良に着手し、交通規制を最小にした高効率なシステムとなる様、改良研究・開発に取り組んでおります。

2.エム・エム ブリッジ
当連結会計年度における研究開発費は41百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。
(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発
① 保全工事生産性向上のための研究
高速道路各社において実施される床版の掛け替え工事を対象として、各種施工方法、機材等を選定して実施試験を行い、施工方法、施工時間他の検証をしております。
② 橋梁の耐風設計に関する研究
建築分野他での活用が広がっている数値流体解析について橋梁への適用を検討しております。

(2)新製品・新技術に関する研究開発
① i-Constructionへの取組
現地調査での活用が期待出来る写真測量技術、付属物取付のマーキング時等に活用が期待できるMR(複合現実)技術他の生産性向上につながると考えられるICT技術の橋梁への適用について調査・検証を実施しております。
② 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証
環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。
③ 複合・合成構造の研究開発
1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、ロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する共同研究を実施しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01461] S100G80D)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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