有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G6PY
株式会社ジェイテクト 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループは、JTEKT GROUP VISION「No.1 & Only One-より良い未来に向かって-」を2014年4月に策定し、必要な要素として「価値づくり」「モノづくり」「人づくり」という3本の柱を掲げております。その中の「価値づくり」が技術の分野では特に重要であり、ステアリング、駆動系部品、ベアリング、工作機械・メカトロニクス商品を中心に、まだない価値をつくり続けるという想いを込めて、研究開発活動を推進しております。
お客様の期待を超えるような新しい価値を生み出し続けるために、先を見据えた将来の商品につなげる基盤要素研究に取り組んでおります。その内容は強い技術領域をさらに進化、融合させるもので、トライボロジー(潤滑、摩擦、摩耗などを対象とする科学技術)・材料技術、超精密加工技術、システム制御技術、基盤・要素技術などをベースにしております。また、「地球にやさしい、安全・安心・快適」な新商品をスピーディかつ確実に提供することを目的に、成長分野を視野に入れた積極的な研究開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は63,626百万円であり、各セグメントにおける研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1) 機械器具部品
① ステアリング事業
ステアリング事業では、自動車の低燃費/高機能化に貢献できる電動パワーステアリングの全ラインアップを品揃えしており(Only One)、また、グローバルシェアは25%を超え世界トップであります(No.1)。今後も社会やお客様のニーズにお応えした商品を提供するため、次世代商品の開発に取り組んでまいります。当連結会計年度の主な成果としては、次のとおりであります。内閣府が推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として、自動運転技術・正着制御技術の開発とともに、東京臨海地区や沖縄で大型路線バスによる実証実験を実施いたしました。また、2019年4月には自動運転の普及に向けた統合制御ソフトウェア開発の合弁会社「株式会社J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッド ダイナミクス)」を設立し、ステアリングシステムの開発で培った技術と経験を活かして、より良いクルマづくり、スマートモビリティ社会の創造に貢献してまいります。
② 駆動事業
駆動事業では、従来からの走行安定性・安全性向上へのニーズに対応したドライブライン既存技術(CVJ、4WDユニット、プロペラシャフト)の深化を進めるとともに、自動車の電動化に対応していくため、4WDシステムへの開発強化にも引き続き取り組んでおります。また、オイルポンプにおいては、従来のトランスミッション用に加え、駆動用モータの油冷・潤滑用途への展開も強化しており、さらに燃料電池車(FCV)向けには、高圧水素供給バルブと減圧弁の需要拡大に対応した低コスト化にも取り組んでおります。当連結会計年度の主な成果としては、次のとおりであります。当社の主力商品の一つである電子制御4WD用カップリング(ITCC)を、リヤデファレンシャルの左右に搭載して左右輪のトルクを独立してコントロールできる、トルクベクタリングを行うシステムがありました。今回、そのシステムに「新開発の電磁クラッチ」を加えたシステム構成とすることにより、2WD走行時にプロペラシャフトの回転を止めて、後輪への動力を切断し燃費向上を図る、ディスコネクト機能を付与した「新4WDシステム」を量産開始いたしました。
また一方では、スポーツ用途のリヤデファレンシャル用やフルタイム4WDセンタデファレンシャル用のトルセンを、FF乗用車の更なる“安全・安心”のために、そのフロントデファレンシャル用として用途拡大を図るべく、小型・軽量・低コスト化に取り組んでおります。
そして、ドライブラインシステムサプライヤへの飛躍や、急速に進む自動車の電動化にも対応していくため、開発体制の見直しによる開発力強化を図り、4WDシステム「eモータ後輪駆動ユニット」等の開発にも引き続き取り組んでまいります。
③ 軸受(ベアリング)事業
軸受事業では、環境規制への対応、高効率化のニーズが強まるなか、これまで培ってきた基盤技術をさらに進化させるとともに、自動車の電動化や自動運転化、産機分野での使用環境の多様化、さらには“モノ”から“コト”への市場ニーズ変化に対応する新たな商品開発に取り組んでおります。当連結会計年度における主な成果は、次のとおりであります。自動車用ベアリングでは、泥水環境下でのシール寿命の大幅な向上とトルク75%低減を同時に実現させた「低トルクハブユニット」を開発いたしました。また、電力消費率(電費)向上が強く求められるEV/HEV車の電動ユニット用に、回転トルク30%低減とシールの追随性向上を実現した「超低トルクシール付き玉軸受」を開発いたしました。
産機用ベアリングでは、半導体製造装置内の高温下において、300℃まで使用可能なグリースを用い、従来の固体潤滑軸受に比べ軸受寿命を6倍以上に向上させた「超高温用グリース封入軸受」を開発いたしました。また農建機車両等の過酷な条件下での使用において、従来の長寿命軸受よりさらに1.5倍以上寿命を向上させた「次世代長寿命軸受(NK軸受)」を開発いたしました。
鉄鋼設備におけるモノからコトへの対応として、多段圧延機用軸受の最適補修研削量を疲労度に応じて高精度に設定する技術や、圧延機用駆動軸の補修・交換時期予測を個々の使用状況に応じて行う「駆動軸履歴管理システム」を開発いたしました。
さらに、オリンピック正式種目となったスケートボードに用いて、選手の技の難易度向上に寄与すべく、低トルクと回転フィーリングを徹底的に追求した「スケートボード用玉軸受」も開発いたしました。
(2) 工作機械
工作機械・メカトロ事業においては、お客様のモノづくりにおいてすべてのフェーズで価値を提供するため、工作機械をはじめ、IoEソリューション、ライフサイクルサポート等、あらゆる価値の提供に取り組んでまいりました。労働人口減少、EV化などの社会変化とAI化などの技術の進展に対し新たな取り組みをいたしました。当連結会計年度における主な成果としては、次のとおりであります。ギヤ複合加工性能を向上させ工程集約が実現できる「ギヤスカイビングセンタGS200H」、AI機能のスマートフェースコントロールで誰でも高品位なロール加工が実現できる「CNC円筒研削盤GE4Pi」、EV化で増加する減速機の偏心シャフトを高速で加工できる「CBN小型クランクシャフト研削盤GF16S」の販売を開始し、第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2018)に出品いたしました。また、工程集約で効率的な加工ができる旋回主軸搭載の「5軸マシニングセンタFH630SX-5A」の開発を行い販売を開始いたしました。
IoE商品としては、人の成長をサポートする「スキルアップNAVI」を含めた6つのソリューションを商品化し、「JTEKT IoE ソリューション」の充実を図りました。これからも引き続き、商品の価値を高めお客様のニーズに迅速に応えてまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01602] S100G6PY)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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