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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G6IU

有価証券報告書抜粋 三菱電機株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

研究開発については、成長戦略を推進する要として、短期・中期・長期のテーマをバランスよく遂行してまいります。
現在の事業の徹底強化と変革に向けた開発を推進するとともに、様々な技術、事業を持つ当社の強みを生かした技術シナジー・事業シナジーを通じた更なる価値の創出や、未来技術の開発による持続的成長の実現にも取り組んでまいります。
これらを支えるため、当社製品の競争優位性の源泉となる共通基盤技術の継続的深化を行ってまいります。
また、大学など社外研究機関とのオープンイノベーションで外にある技術を積極的に活用し、開発効率化に繋げてまいります。当連結会計年度における三菱電機グループ全体の研究開発費の総額は2,127億円(前連結会計年度比101%)であり、事業セグメントごとの主な研究開発成果は以下のとおりです。

(1) 重電システム
発電機・電動機などの回転機、開閉機器・変圧器などの送変電機器や受配電機器、交通システム、昇降機などの基幹製品の競争力強化に向けた開発を行うとともに、監視制御システム、電力情報システム、ビル管理システム、映像情報システムなどIT応用システムの開発を行っています。当該分野における研究開発費は347億円であり、主な成果は以下のとおりです。
① 電力用ガス絶縁開閉装置向け遮断・絶縁技術
高電圧の電力系統に用いられるSF6*1ガス絶縁開閉装置の電流遮断性能を25%向上させる「アーク冷却促進技術」と、絶縁性能を30%向上させる「高電圧導体の高密度絶縁コーティング技術」を開発しました。開閉装置の小型化を推進し、地球温暖化係数が高いSF6ガスの使用量の削減に貢献します。
② 鉄道事業者向け車両情報監視・分析システム「TIMA*2」
当社最新の車両制御情報管理装置で収集した運行中の車両情報を、IoT技術の活用により可視化・分析するシステムを開発しました。ビッグデータの活用により、旅客サービス向上や運行支障時の対応の迅速化、定期検査・部品交換周期の最適化を推進し、鉄道のさらなる安全・安定運行に貢献します。
③ 高層ビル向けエレベーター用ロープ制振装置
強風や長周期地震動発生時に起きる高層ビルのエレベーターロープの揺れを抑制するロープ制振装置を開発しました。ロープの揺れによるエレベーターの運行休止頻度を低減することで安定運行を実現し、利用者の利便性の向上に貢献します。

(2) 産業メカトロニクス
FA制御システム機器、サーボモータなどの駆動機器、配電制御機器、メカトロ機器、産業用ロボット、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、カーマルチメディア機器、予防安全(自動運転)・運転支援系システムなどの競争力強化に向けた開発を行っています。当該分野における研究開発費は708億円であり、主な成果は以下のとおりです。
① 産業用PC「MELIPCシリーズ」
FA分野での制御用途およびエッジコンピューティング用途向けの産業用PC「MELIPCシリーズ」としてフラグシップモデル「MI5000」、ディスプレイ一体型パネルコンピュータ「MI3000」2機種、ミドルレンジモデル「MI2000」、小型・低コストモデル「MI1000」の計5機種を開発しました。生産現場のリアルタイムなデータ収集やITシステムとの連携、さまざまなデータを見える化することで生産現場のIoT化を実現し、生産性の向上に貢献します。
② ドライバーモニタリングシステム(DMS)
カメラで運転者・助手席搭乗者をモニタリングするDMSに個人認識判定の機能を搭載しました。個人を特定することで車内のHMI(Human Machine Interface)や機器設定をユーザーに合わせて最適化でき、快適な運転環境を提供することで安心・安全・快適な運転に貢献します。

(3) 情報通信システム
情報通信インフラやネットワークソリューション機器及び宇宙関連システムなどの開発を行っています。当該分野における研究開発費は153億円であり、主な成果は以下のとおりです。
① モービルマッピングシステム「MMS-G」
自動運転に用いる3次元地図作成やインフラ管理などで活用される高精度3次元移動計測装置であるモービルマッピングシステム(MMS)の新製品を開発しました。小型・軽量化により輸送や着脱が容易で、自動車、鉄道、船舶や台車などを用いた多くの計測用途に活用できます。
② IoTシステム対応三菱通信ゲートウェイ「温度拡張型IoT GW」
2017年に製品化した標準型IoT GWをベースに、無線WAN(Wide Area Network)通信機能、SDカードスロットを搭載しつつ、動作温度上限を55℃に拡張し、平置き設置を可能にした温度拡張型IoT GWを開発しました。
③ 電子署名クラウドサービス「MELSIGN」
HPKI(Healthcare Public Key Infrastructure)カードを用いて電子化された医療関連文書に対してオンラインでの署名や改ざん検知を可能とする機能を開発し、電子署名クラウドサービス「MELSIGN」としてサービスを開始しました。

(4) 電子デバイス
様々な事業分野を支える半導体デバイスなどの開発を行っています。当該分野における研究開発費は141億円であり、主な成果は以下のとおりです。
① 高性能パワー半導体モジュール
最新第7世代Siチップを搭載し、リフローはんだ付け実装に対応した表面実装パッケージ型IPM「MISOP」や、インバーターシステムの低損失化・小型化に寄与する「3.3kVフルSiCモジュール」を開発しました。
② 第5世代移動通信システム基地局対応の光・高周波デバイス
移動通信システムの高速大容量化・低消費電力化に寄与する、光通信用デバイス「25Gbps EML CAN」や、複数の周波数帯に1台で対応可能な「超広帯域デジタル制御GaN増幅器」を開発しました。


(5) 家庭電器
空調機器、調理家電、家事家電、照明機器、デジタル映像機器、電材住設機器、太陽光発電システムなどの開発を行っています。当該分野における研究開発費は438億円であり、主な成果は以下のとおりです。
① 三菱ルームエアコン「霧ヶ峰 FZシリーズ」
ルームエアコンの制御において、「おまかせA.I.自動」の機能向上により、少し先の部屋の温度と湿度の変化の予測に基づいて、最適な運転モードと気流に自動で切り替えることで、さらなる快適性と省エネ性を実現しました。この省エネ性能の向上により三菱ルームエアコン「霧ヶ峰 FZシリーズ」は、第1回エコプロアワードおよび2018年度省エネ大賞を受賞しました。
② 軽量高吸塵コードレススティッククリーナ
小型でありながら業界トップクラス*3の高効率と、毎分12.5万回転の高速回転によるハイパワーを実現した高性能ブラシレスDCブロアーモーター「JCモーター」を搭載したコードレススティッククリーナHC-JXH「iNSTICK ZUBAQ」を開発しました。「JCモーター」の搭載により、高い吸塵性能と軽量化の両立を実現しました。

(6) その他・共通(先端技術・共通基盤技術)
社会課題解決による顧客価値の創出を目的として、先端技術の研究開発を推進しています。当該分野における研究開発費は339億円であり、主な成果は以下のとおりです。
① 金属三次元造形を高精度化する点造形技術
空孔がほとんどない高品質な三次元構造を高速で造形するレーザーワイヤーDED*4方式を採用した金属三次元造形装置において、レーザー技術、数値制御技術、CAM*5技術を連携させた、独自の高精度な点造形技術を開発し、従来の連続造形技術に比べ形状精度を60%(当社比)向上させました。
② 樹脂成形導波管スロットアレーアンテナ
樹脂成形とメッキを組み合わせた製造法の採用と独自の構造により、業界トップクラス*6の性能を有し、軽量化・低コスト化も実現した「樹脂成形導波管スロットアレーアンテナ」を開発しました*7。今後は気象レーダーや航空管制レーダー、地表観測用レーダー、衛星通信用アンテナなどの幅広い分野に向けた実用化に取り組みます。
③ シームレス音声認識技術
当社AI技術「Maisart*8」を用いて、世界で初めて*9不特定多数のユーザーが何語を話すか分からない状況でも高精度な音声認識を実現する「シームレス音声認識技術」を開発しました。複数の話者が同時に話し、音声が重なる状況にも対応します。
④ 3D計測データの欠損補完技術
3Dスキャナの計測データを設計に活用するため、データの欠損部分を補完する技術を開発しました。設計図面を入手できない古い他社設備の寸法をパソコン上で正確に抽出できるようにすることで、保守部品の設計を容易にしました。


*1 六フッ化硫黄。地球温暖化係数がCO2の22,800倍と環境負荷が高い
*2 Train Information Monitoring and Analysis system
*3 2018年4月5日当社調べ、家庭用コードレスクリーナ用途において
*4 DED :Directed Energy Deposition(指向性エネルギー堆積法)
:集束された熱エネルギーを利用して材料を溶解・積層する造形プロセス
*5 CAM :Computer Aided Manufacturing(コンピューター支援製造)
:入力された三次元形状データを基に、加工用プログラムの作成などの生産準備全般をコンピューター上で行う技術
*6 2019年1月25日現在。一般のパッチアレーアンテナとの比較において(当社調べ)
*7 国立研究開発法人 科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)「卓越した電波干渉低減能力を有する新リッジ構造の樹脂製導波管アンテナの開発」の助成を受けて実施
*8 Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technology
:全ての機器をより賢くすることを目指した当社のAI技術ブランド
*9 2019年2月13日現在(当社調べ)


(注) 「第2 事業の状況」の各記載金額には消費税等を含んでいません。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01739] S100G6IU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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