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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G3VA

有価証券報告書抜粋 日本電気株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

NECグループは、ICTを活用して社会インフラを高度化する「社会ソリューション事業」に注力することにより、人が豊かに生きる安全・安心・効率・公平な社会の実現を目指しています。その実現に向けて中央研究所は、社会ソリューション事業の軸となる既存事業を発展させる技術や、社会に新たな価値を提供しうる将来事業向けの先進的な技術を創出し、かかる技術の事業化を加速することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。
具体的には、ビッグデータの解析により新たな価値を創造する「データサイエンス」の技術領域と、これを効率的かつセキュアに支える「ICTプラットフォーム」の技術領域を中心に研究開発を推進しています。
「データサイエンス」の技術領域では、長年にわたる技術の蓄積と事業実績、世界トップレベルの性能を持つAI(人工知能)の技術群や、IoT(Internet of Things)基盤技術を活用し、実世界の見える化をはかることで従来よりも広く深い情報の収集・分析を行い、複雑化・不確実化する社会システムの将来を予測することによって、社会システム全体のデジタルトランスフォーメーションに貢献していきます。
「ICTプラットフォーム」の技術領域では、コンピューティングやネットワーキング、セキュリティの分野において、デジタルトランスフォーメーションの深化に対応するユニークな技術を発展させることにより、即時性・遠隔性・堅牢性とダイナミズムを実現するための研究開発を進めています。
また、グローバルに研究成果を創出するため、北米、欧州、シンガポール、中国にも研究開発拠点を設置し、それぞれの地の利を生かした研究開発を推進しています。2018年7月には、新興国向けソリューションの開発を目的としてインドにも研究開発拠点を設置しました。また、顧客や世界最先端の技術を有する研究パートナーとのオープンイノベーションを通じて、より大きな社会価値を創出することに挑戦しており、2019年3月には、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)と共同で量子アニーリングを始めとする量子コンピューティング技術の開発加速を目的とした「NEC-産総研 量子活用テクノロジー連携研究室」を産総研つくばセンター内に設立しました。
なお、NECグループは、「2020中期経営計画」のもと、「実行力の改革」に向けて事業開発力の強化に取り組んでおり、競争力のある技術の収益化を進めています。これを具現化する取り組みとして、2018年4月に、NECグループの最先端AI技術の開発リーダーを創業者として、データ分析プロセスをAIによって自動化するソフトウェアを開発し、グローバルに販売するドットデータ社を米国に設立しました。同社は、外部資金調達などを通じて迅速な事業拡大を目指しています。また、同年7月に、コア技術のグローバルな事業化を加速するインキュベーションを担うNECエックス社を米国に設立し、グローバルなビジネス機会の探索を行っています。

NECグループの当連結会計年度における主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。

(パブリック事業)
カメラから顔や体の一部が見えない人物でも高精度に照合する「人物照合技術」を開発
当社の顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術ベンチマークテストで4回連続して第1位評価を獲得するなど、静止画だけでなく、より照合処理の難しい動画においても非常に高い認証精度を有しています。しかし、識別したい人物の顔がカメラに写っていなければ認証することができません。そこで、これまでは横向き・後ろ向きなどカメラから顔の見えない人物を照合する場合、その人物の全身を複数のカメラを使って照合する方法が採られてきましたが、把握したい人物の全身の一部が人混みや物陰などでカメラから見えない場合、照合が困難でした。
当社は、これまで顔認証技術などにより培ってきた当社の映像解析技術とディープラーニング(深層学習)技術を用いることで、カメラから顔や体の一部が見えない人物を全身の外観画像から照合することができる「人物照合技術」を開発しました。本技術は、カメラに写った人物の服装や体型などを分析し、全身の外観画像と比較することで、同一人物かどうかを判定するもので、公開データベースを活用した自社実験において約9割の人物照合率を達成しました。本技術を応用することで、例えば、施設に設置された複数のカメラ映像の中から同一人物を簡単にリアルタイムで見つけ出すことができるようになり、人や遮へい物が多い大規模施設内の警備支援や、顔認証技術との組み合わせによる迷子等の人物捜索サービスを提供することが可能となります。
当社は、本技術を適用した各種ソリューションを2019年度から順次展開していきます。

(エンタープライズ事業、システムプラットフォーム事業)
AIを活用した時系列データ分析による状態判別技術を開発
当社は、システムや設備に設置されたセンサなどから収集・蓄積された時系列データを用いて迅速かつ高精度に当該システム・設備の状態を判別し、異常検知、障害診断、故障予測を実現するAI技術「時系列データ モデルフリー分析技術」を開発しました。従来、システムや設備の運用監視にあたっては、監視対象のシステムや設備から得られるデータを数式などを用いてモデル化し、そのシステムや設備がモデルどおりに稼働しているか判断する方法が多く採られていましたが、モデルの構築・検証・評価(チューニング)に時間と手間がかかっていました。本技術は、監視対象のシステムや設備から得られる過去と現在の時系列データの類似性を照合可能とするもので、モデル化が不要であり、低コストかつ短期間でスムーズに導入することができます。また、本技術を用いた場合、蓄積されたデータが少ない段階からシステムや設備の運用監視を行うことが可能であり、運用監視をしながらその精度を向上させることができます。
当社は、本技術を用いたシステム・設備の運用監視を2019年度中に火力発電所で開始することを目指しており、実証・検証を重ねたうえで、道路・橋梁、鉄道・自動車など他の社会インフラへの適用拡大を進めていきます。

当連結会計年度におけるNECグループ全体の研究開発費は、108,141百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。

パブリック事業12,622百万円
エンタープライズ事業5,725百万円
ネットワークサービス事業17,464百万円
システムプラットフォーム事業26,893百万円
グローバル事業23,015百万円
その他22,422百万円

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01765] S100G3VA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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