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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GCK6

有価証券報告書抜粋 パナソニックホールディングス株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、主要領域の成長戦略に基づき、将来を担う新技術や新製品の開発に注力しました。加えて、『くらしアップデート』の実現を支えるIoT・人工知能(AI)・ビッグデータ等の技術開発やこれらを用いた新規事業創出にも積極的に取り組みました。
セグメントや事業部などの組織を横断した主な取り組みと成果は、以下のとおりです。
・人を中心に考えた新しいくらしのオープンなサービス基盤「HomeX」を開発
『家そのものをもう一人の「家」族としてとらえ、毎日の新しい体験を提供し、よりあなたらしいワクワクする生活を創る、くらしの統合プラットフォーム「HomeX」』を開発しました。その第一弾として、専用端末「HomeX Display」を発表。この端末と連動した家電、住宅設備、そして毎日の新しい情報を提供されるクラウドサービスを通じて、住む人の好みや生活シーンに合わせた、一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな生活提案を行います。
今後も「HomeX」をオープンな住空間の基盤と位置付け、サービス事業者や家電・住宅設備メーカーとの共創を加速し『住めば住むほど豊かになるくらし』に貢献します。
・年齢、性別、身体負荷や感情など人を理解するセンシング技術群を開発
1)画像処理技術とAIを活用し、顔認識による年齢/性別などの外見的な人の特徴や心拍数といったバイタル情報を同時に認識・推定する「人センシング技術」
2)複数のカメラを使い、空間における人の動きや姿勢を立体的に検知して、身体への負荷を定量化・可視化する「身体負荷センシング技術」
3)熱感知カメラ、感圧センサ、匂いセンサなどからのデータと独自の分析アルゴリズムを組み合わせることで、感情、集中度、温冷感など人の状態を高精度に推定する「感情センシング技術」
を開発しました。これらの先進的な技術により、人の状態や感情を深く理解できるようになり、一人ひとりの快適なくらしへの提案に貢献します。
・高度化するサイバー攻撃をAIで迅速に検知するサイバーセキュリティ技術を開発
長年培ってきた技術を進化させ、ビル、自動車、工場内の通信をAIで監視し、正常から逸脱したものをサイバー攻撃と判断する「攻撃検知AI技術」を開発しました。これにより、過去に出現した例がない未知のサイバー攻撃に対しても迅速に対応できるようになります。
今後もサイバーセキュリティの研究開発を強化し、IoT時代における安心・安全な社会の実現に貢献します。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,888億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」1,152億円、「エコソリューションズ」573億円、「コネクティッドソリューションズ」899億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」2,259億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。

(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として、白物家電や情報家電、空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・世界初、気象情報と連携するルームエアコンのAI予測機能を開発
住宅の環境データに気象情報を掛け合わせて室内の清浄度や室温、電気代を予測する独自アルゴリズムを搭載した「エオリアAI」を開発しました。これにより、学習した気密性や断熱性などの住宅情報に株式会社ウェザーニューズから提供されるPM2.5や花粉の飛散予報データを掛け合わせて室内の空気が汚れるタイミングを予測し、先読みして自動で空気清浄を行う世界初の「AI先読み空気清浄」を実現しました。さらに、住宅情報と気温予報データを用いた分析から未来の室温を予測。アプリで外出時間を入力すれば「運転したまま外出する場合」と「帰宅後に運転を再開する場合」の電気代と帰宅時の室温を判定する「つけっぱなし判定」機能を実現しました。
・テクニクス ダイレクトドライブターンテーブルシステム「SL-1000R」を開発
高トルクとなめらかな回転を実現する、コアレス・ダイレクトドライブ・モーターを開発しました。ステーターコイルを両面に配置した12極18コイル駆動を採用し、高トルクを実現。さらに、モーターの高トルク化に合わせて、回転制御アルゴリズムを進化させ回転中の不要な振動を抑えてきめ細かい制御を行います。ターンテーブルプラッターには、10mm厚の真鍮、アルミダイカスト、高減衰ラバーによる3層構造に加え、最上部の真鍮の最外周部にタングステンウェイトを12個埋め込むことで、約1トン・cm²におよぶ慣性質量で安定した回転を実現します。また、コントロールユニットを別筐体とし、不要なノイズの影響を徹底して排除しました。
これらの技術により、アナログレコードの豊かな音を鮮やかにありのままに再現します。
・純水素燃料電池の製品化に向けた基盤技術を開発
5kWタイプの純水素燃料電池を開発し、山梨県「ゆめソーラー館やまなし」と神奈川県「Tsunashima SST」にて実証実験を開始しました。本開発には、家庭用燃料電池「エネファーム」の開発で培った技術を応用し、水素と酸素を反応させて発電を行う「スタック」の小型・高効率化に成功。コンパクトな筐体で5kWの発電出力を実現しました。また、複数台の純水素燃料電池を連携制御して発電出力を高めることが可能なため、施設の規模に応じた適切な出力に対応します。

(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・毎日のくらしをアップデートしながら、家族をつなぎ、見守り、応援する都市型IoT住宅『カサート アーバン』を開発
くらしの統合プラットフォーム 「HomeX」を搭載した都市型IoT住宅『カサート アーバン』を開発しました。専用端末「HomeX Display」を複数の居室に設置し、照明やシャッターを遠隔操作したり、多彩な情報を得たり、クラウドにつながることができます。住むほどに新しい機能が届き、一人ひとりのライフスタイルに合わせてくらしをアップデートしていくことができます。
また、強固な構造を可能にする柱や間仕切りの少ない開放的な空間設計、業界最小の15cmモジュールや勾配架構・ダウンフロアで、都市の限りある敷地を最大限に活用することが可能になります。さらに、汚れた外気をキレイにして室内に取り入れ、居室ごとの温度調整も可能な換気・空調システム「エアロハス」や、くらしのニオイを抑える「エアイーX」の採用等、一年を通じて安心で健康的な室内環境を実現し、ヒートショック対策も可能にします。
・「オゾンウォーター」搭載のIoT対応全自動おそうじトイレ「アラウーノ」を開発
水と電気のみで除菌効果のあるオゾン水を生成する「オゾンウォーター」デバイスを開発しました。ダイヤモンド電極を搭載することで効率良くオゾンを生成し、さらに独自の斜めスリット構造により、オゾンの溶解効率向上を実現しました。このデバイスを全自動おそうじトイレに搭載することにより、トイレ退出後3分後に、除菌・防カビ・脱臭に効果を発揮する「オゾンウォーター」を洗浄ノズルや便器に約1分間散布することで、便器内の汚れの元になる菌などを抑制します。また、新開発のスマートフォン専用アプリにより、スマートフォン操作で洗浄位置などの各種設定や、健康をサポートするお通じ記録、使用状況確認によるみまもり、電気・水道代金などの確認が可能になり、便利と健康をサポートできるIoTサービスを提供します。
・パワーが必要な急勾配で力を発揮し高い走破性を実現する電動アシストマウンテンバイクを開発
内部に変速機能を持つ国内初のマルチスピードドライブユニットを開発し、電動アシストマウンテンバイクに搭載しました。これにより、チェーン変速に比べ変速不具合が少ない上に、1回の変速に要する時間は0.5秒で、ペダル停止状態でも変速が可能なため、スムーズで静かにいつでも変速できます。また、フロント変速の採用により、フロント2段×リヤ10段の20段変速とギヤレシオを広くし、車輪の出力トルクは従来モデルの1.41倍を実現。パワーが必要な急勾配の坂道などで力を発揮します。さらに、12Ahの大容量バッテリーを搭載することで従来モデルを超える長距離走行を可能にしました。

(3) コネクティッドソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、企業・法人向けの機器やIoTソリューションの研究開発を行っています。主な成果としては、
・高臨場感をリアルタイムで伝える第5世代移動通信(5G)映像伝送技術を開発
大容量・低遅延の特徴を有する5G技術と、移動時・混雑時などでも高精細な映像を途切れることなくスムーズに伝送できる可変符号化レート技術とを組み合わせた「5G-AV-QoS技術」を開発しました。これにより遠隔地であってもその場にいるかのような高臨場感を実現しました。また、総務省が実施した5G総合実証試験にも参加し、この技術を用いて移動するサテライトオフィスや、バーチャル博物館の実証を行いました。
また、5Gの特長を生かし、災害時に強く、高いセキュリティを実現する新たな地域内通信である、ローカル5Gシステムの開発にも積極的に取り組んでいます。
・JDA Software Group, Inc (JDA社)と工場・物流・流通業向けのジョイントソリューションの提供に合意
JDA社のサプライチェーンマネジメント(SCM)向けソフトウェアと、当社の技術とエッジデバイスを組み合わせた統合的なジョイントソリューションの提供について発表しました。JDA社の提供するソフトウエアと、当社の倉庫のベルトコンベヤー上の荷物の仕分け業務の効率を改善する「荷仕分支援システム」、店舗での欠品情報をリアルタイムに伝達することで製造・配送の優先順位を最適化する「欠品検知システム」、人の行動や物の検知により工場、倉庫、店舗などで人、物、レイアウトの最適化を実現する「マルチモーダルセンシング技術」、作業員のIDと位置検知により最適配置を実現する「顔認証技術」の連携により、SCMの現場におけるプロセスを革新し、製造・物流・流通業界に貢献します。
・「顔認証による入退セキュリティ&オフィス可視化システム」の実証実験を実施
ディープラーニング技術を応用した世界最高水準の顔認証技術の活用により、「入退セキュリティ&オフィス可視化システム」を開発し、「CEATEC JAPAN 2018」のプレスセンターで実証実験を行いました。従来のICカードを用いた入退セキュリティシステムは、登録・発行・配布に手間がかかるなどの課題がありましたが、本システムでは顔画像と名刺を登録すれば、以降は顔認証のみで入退室が可能になり、バッジの貸し借りや盗難による不正入場を防ぎ、セキュリティ強化と利便性向上が図れます。さらに、入退室管理に加え名刺情報と顔情報の連携により、従業員や一時的な来訪者が施設のどこを通過したか、会議室で誰と誰がミーティングを行ったかを可視化が可能になります。

(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのインフォテインメント関連機器、二次電池をはじめとした電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・EV向け新プラットフォーム「48V ePowertrain」を開発
モーター設計や冷却構造を見直すことで、従来と同じ容積で2倍以上の出力(出力密度2倍以上)となる18kW(従来8kW)の高出力を実現するEV向け新プラットフォーム「48V ePowertrain」を開発しました。高出力の実現により、同じ出力の場合従来は2ユニット必要だったものを1ユニットに削減することができ、小型化も同時に実現しました。この新しいプラットフォームを採用することにより、小型EVのさらなる軽量化、車室空間の拡大、走行距離の延長が可能になります。
このプラットフォームをベースとした上下分離構造のコンセプト小型モビリティ「SPACe_C」を米国で開催されたCES2019に出展し、人、モノ、コトを細かくつなぐことで人々のくらしを支え、観光地や街中などで小型モビリティの新たな活用を提案しました。
・Time of Flight (TOF)方式長距離画像センサを開発
視認性の悪い夜間でも250m先の物体を検知するTOF方式距離画像センサを開発しました。本センサには、増倍性能を維持しながらアバランシェフォトダイオード(APD)画素の面積を大幅に低減する「APD画素化技術」と、高密度な距離画像を実現する「長距離計測画像化技術」を新たに開発し採用しました。これらの新規技術により、従来は困難であった三次元距離画像の長距離化と高解像度化との両立に成功しました。このセンサは、車載用距離測定や暗闇での広域監視など、さまざまな分野へ展開が可能になります。
・車載部品の実装信頼性を向上させる高耐熱性二次実装アンダーフィル材料の製品化技術を確立
従来の車載部材用のアンダーフィル材に使用される速硬化の樹脂は、高いガラス転移温度と低い熱膨張係数の両立が難しく、耐熱性を高めることが困難でしたが、当社独自の樹脂設計技術、反応制御技術により、高い転移温度(180℃)を維持しつつ、低い熱膨張係数(20ppm)を実現しました。また、樹脂設計技術とフィラー制御技術により、高い流動性を実現し、20mm角以上の半導体パッケージの実装補強に対応できます。
これらの技術により、車載用途に適した実装信頼性と、大型半導体パッケージの生産性向上に貢献する高耐熱性 二次実装アンダーフィル材の製品化を実現しました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01772] S100GCK6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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