有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G7UW
株式会社三井E&S 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,546百万円であり、この中には受託研究等の費用1,346百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。
(1)船舶
・省エネ船を得意とする当社グループの強みの維持・向上を狙い、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。本年度は、新ルール対応した87,000重量トン型ポストパナマックスバルクキャリアーneo87BCを開発し、市場投入致しました。また、neoシリーズとして最初にリリースしたneo66BCですが、新ルールに適用させるバージョンアップを完了し、同じく市場投入しております。今後もneoシリーズのラインナップ拡充を図って参ります。
・次世代艦艇への適用を意図して、2014年より高速艦艇船型の開発を進めて参りましたが、防衛省向けに「新艦艇」と呼ばれていた3,900トン型護衛艦1隻を受注いたしました。また、2014年より輸送艦艇の開発も進めており、昨年末に防衛省から発表された中期防衛力整備計画に中小型級船舶を新たに導入することが明記され、今後、これらの研究成果を生かすことができる輸送艇の受注が期待されます。
・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSの開発を継続的に続けています。これらのシステムは船舶の操船自動化の基盤となりますが、2017年からは、人が行っていた認知や判断についても自動化を図る自律化船の実用化に向けた研究開発にも着手しています。2018年度は、「自動運航船に関する実証事業」をはじめとした国土交通省の三つの事業にも参画し、実船を用いた実証試験等にも力を入れ、製品リリースに向けた開発を進めています。
・海底調査や危険物の処理に利用可能な海洋無人機ASVの研究開発を進めております。このASVの技術を活用して、日本チーム“Team KUROSHIO”に加わり、広域海底探査技術を競う国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」へ参加しました。昨年「Round1技術評価試験」を通過し、2018年12月に行われた「Round2実海域競技」(決勝)で、広範囲な海底地形データの取得に成功し、開発してきたASVの性能と信頼性が確認されました。コンペティションの結果は2019年6月に発表があり、準優勝という結果を収めることができました。
当事業に係る研究開発費は、600百万円であります。
(2)海洋開発
・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。
・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社の浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。
・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法の開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、308百万円であります。
(3)機械
・基幹製品関連では、海事分野での積極的な環境保全のニーズに対し、省エネ、低排出技術を商品化し営業活動を行っており、多様な商品を顧客に届けるため、製造現場の技術革新が必要とされています。これに対応し、国土交通省の海事生産性革新(i-Shipping)の一環である先進船舶・造船技術研究開発費補助事業の補助を受け、ICT(Information and Communication Technology)を利活用して舶用ディーゼルエンジンの生産性を向上させる技術開発である「スマートファクトリー基盤技術の開発」を開始しました。情報の高度利用により、関係会社を含めたサプライチェーンの効率化により、工程と作業の無理・むら・無駄の撲滅を目指します。
また、世界的な船舶のデジタライゼーションに対する取り組みとして、船舶の運航に関わるビッグデータを国内舶用業界で共有・活用するためのデータ共有基盤となるIoS(Internet of Ships)オープンプラットフォームに、舶用主機メーカーとして参画しています。主機アフターサービスの一環として、遠隔診断サービスや予防保全サービスに加えて、ビッグデータ共有・利活用の環境整備にも積極的に取り組んでいます。
・運搬機事業関連では、自社設備として大分工場内にテスト用トランステーナ(コンテナ荷役用クレーン)1機と全長100mの走行用テストエリアを整備し、新設ターミナルの自動化対応や既設クレーンの遠隔・自動化への課題検証や対策テストを進めています。本トランステーナは、人工衛星によって地球上の現在位置を決定し自動操舵するシステムGNSS-TAS(Global Navigation Satellite System - Transtainer Automatic Steering system)や各種カメラ、センサー並びにネットワーク機材を搭載しており、オフィスからの遠隔運転操作が可能です。さらに、コンテナ掴み時に微細な位置合わせができる新設計のトロリー、スプレッダを搭載し、製品化に向けた機能開発を行います。
一方、これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS(Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS(Container Terminal Management System)、R-CMS(Remote Crane Management System)などのソフトウェア製品を連携し、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築し、国内外に拡販していきます。
・社会インフラ事業関連では、廃炉作業向に,世界で初めてセンサレス制御技術を採用するとともに、耐放射線性が従来の2倍以上となる電気機械式マニピュレータを、ドイツの原子力用マニピュレータ専業メーカーと共同開発しました。耐放射線性は、実際に全部品にガンマ線を照射した後に絶縁特性や機械強度に劣化がないことを検証しました。本マニピュレータの特長は、交換頻度が半減する結果それ自身を含む二次廃棄物が大幅に削減されること、アーム関節部には配管がなく電気配線の回転制限がないため動作範囲が広いこと、上腕、下腕及び手先がモジュール化されておりアーム長の仕様変更や各モジュールの遠隔着脱が可能なことなどです。電力会社をはじめとして廃炉事業に関連する顧客に対して、初号機を用いた遠隔操作のデモンストレーションを行いました。
当事業に係る研究開発費は、1,962百万円であります。
(4)エンジニアリング
・株式会社ウェンティ・ジャパンと検討を進めていた富山県下新川郡入善町の洋上風力発電事業計画を推進することになり、事業会社を設立する準備を進めています。自社開発の施工法「フォーク付き台船による着床式洋上風車の一括架設方式」の採用により、工期の短縮化と漁業への影響低減が期待されます。
・プラント設備等の監視診断への機械学習を用いた画像認識技術の活用の一環として、株式会社アダコテックと共同で都市ごみ清掃工場から発生するスラグ流れを数値化するシステムを実用化しました。本システムの導入により、プラント運転員の負荷低減・省力化への貢献につながり、また、運転員の教育ツールなどへの展開も期待されます。
当事業に係る研究開発費は、865百万円であります。
(5)その他
・IoT活用による生産性向上については、競争力の強化を目指して工場と協力して取り組みを進めております。各工場の工程を見える化し、設備稼働率の向上や省人化を進めていきます。
・海底にある次世代資源の開発・事業化を目指し活動を行っています。天然ガスの主成分であるメタンを有する表層型メタンハイドレートに関して、2016年度から開始されている、国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発に参加するとともに、採掘技術を確立するため、業界トップレベルの海底掘削技術、サービスを世界中に提供しているドイツのMHWirth GmbH社との協業を開始しています。さらに、急速に進む自動車の電動化等で注目されるレアアースを含んでいるレアアース泥に関して、2017年度から開始された、国による揚収技術の研究開発に参加しています。
・グループ共通の基盤技術として生産技術、解析技術、AI技術の開発に取り組んでいます。生産技術では、溶接自動化、生産計画自動作成及び3次元デジタル計測などの技術による生産性の向上、解析技術では構造解析、流体解析、機構解析などを組み合わせた連成解析の高度化による設計支援を行っています。また、オープンソフトウェアを活用したAI画像認識技術による製品の付加価値向上を目指しています。
・連結子会社の三井E&Sシステム技研株式会社の主要製品である勤怠管理システム「TIME-3X」については、働き方改革を支援する労務管理サポート機能の強化を図っています。
当事業に係る研究開発費は、809百万円であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,546百万円であり、この中には受託研究等の費用1,346百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。
(1)船舶
・省エネ船を得意とする当社グループの強みの維持・向上を狙い、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。本年度は、新ルール対応した87,000重量トン型ポストパナマックスバルクキャリアーneo87BCを開発し、市場投入致しました。また、neoシリーズとして最初にリリースしたneo66BCですが、新ルールに適用させるバージョンアップを完了し、同じく市場投入しております。今後もneoシリーズのラインナップ拡充を図って参ります。
・次世代艦艇への適用を意図して、2014年より高速艦艇船型の開発を進めて参りましたが、防衛省向けに「新艦艇」と呼ばれていた3,900トン型護衛艦1隻を受注いたしました。また、2014年より輸送艦艇の開発も進めており、昨年末に防衛省から発表された中期防衛力整備計画に中小型級船舶を新たに導入することが明記され、今後、これらの研究成果を生かすことができる輸送艇の受注が期待されます。
・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSの開発を継続的に続けています。これらのシステムは船舶の操船自動化の基盤となりますが、2017年からは、人が行っていた認知や判断についても自動化を図る自律化船の実用化に向けた研究開発にも着手しています。2018年度は、「自動運航船に関する実証事業」をはじめとした国土交通省の三つの事業にも参画し、実船を用いた実証試験等にも力を入れ、製品リリースに向けた開発を進めています。
・海底調査や危険物の処理に利用可能な海洋無人機ASVの研究開発を進めております。このASVの技術を活用して、日本チーム“Team KUROSHIO”に加わり、広域海底探査技術を競う国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」へ参加しました。昨年「Round1技術評価試験」を通過し、2018年12月に行われた「Round2実海域競技」(決勝)で、広範囲な海底地形データの取得に成功し、開発してきたASVの性能と信頼性が確認されました。コンペティションの結果は2019年6月に発表があり、準優勝という結果を収めることができました。
当事業に係る研究開発費は、600百万円であります。
(2)海洋開発
・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。
・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社の浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。
・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法の開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、308百万円であります。
(3)機械
・基幹製品関連では、海事分野での積極的な環境保全のニーズに対し、省エネ、低排出技術を商品化し営業活動を行っており、多様な商品を顧客に届けるため、製造現場の技術革新が必要とされています。これに対応し、国土交通省の海事生産性革新(i-Shipping)の一環である先進船舶・造船技術研究開発費補助事業の補助を受け、ICT(Information and Communication Technology)を利活用して舶用ディーゼルエンジンの生産性を向上させる技術開発である「スマートファクトリー基盤技術の開発」を開始しました。情報の高度利用により、関係会社を含めたサプライチェーンの効率化により、工程と作業の無理・むら・無駄の撲滅を目指します。
また、世界的な船舶のデジタライゼーションに対する取り組みとして、船舶の運航に関わるビッグデータを国内舶用業界で共有・活用するためのデータ共有基盤となるIoS(Internet of Ships)オープンプラットフォームに、舶用主機メーカーとして参画しています。主機アフターサービスの一環として、遠隔診断サービスや予防保全サービスに加えて、ビッグデータ共有・利活用の環境整備にも積極的に取り組んでいます。
・運搬機事業関連では、自社設備として大分工場内にテスト用トランステーナ(コンテナ荷役用クレーン)1機と全長100mの走行用テストエリアを整備し、新設ターミナルの自動化対応や既設クレーンの遠隔・自動化への課題検証や対策テストを進めています。本トランステーナは、人工衛星によって地球上の現在位置を決定し自動操舵するシステムGNSS-TAS(Global Navigation Satellite System - Transtainer Automatic Steering system)や各種カメラ、センサー並びにネットワーク機材を搭載しており、オフィスからの遠隔運転操作が可能です。さらに、コンテナ掴み時に微細な位置合わせができる新設計のトロリー、スプレッダを搭載し、製品化に向けた機能開発を行います。
一方、これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS(Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS(Container Terminal Management System)、R-CMS(Remote Crane Management System)などのソフトウェア製品を連携し、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築し、国内外に拡販していきます。
・社会インフラ事業関連では、廃炉作業向に,世界で初めてセンサレス制御技術を採用するとともに、耐放射線性が従来の2倍以上となる電気機械式マニピュレータを、ドイツの原子力用マニピュレータ専業メーカーと共同開発しました。耐放射線性は、実際に全部品にガンマ線を照射した後に絶縁特性や機械強度に劣化がないことを検証しました。本マニピュレータの特長は、交換頻度が半減する結果それ自身を含む二次廃棄物が大幅に削減されること、アーム関節部には配管がなく電気配線の回転制限がないため動作範囲が広いこと、上腕、下腕及び手先がモジュール化されておりアーム長の仕様変更や各モジュールの遠隔着脱が可能なことなどです。電力会社をはじめとして廃炉事業に関連する顧客に対して、初号機を用いた遠隔操作のデモンストレーションを行いました。
当事業に係る研究開発費は、1,962百万円であります。
(4)エンジニアリング
・株式会社ウェンティ・ジャパンと検討を進めていた富山県下新川郡入善町の洋上風力発電事業計画を推進することになり、事業会社を設立する準備を進めています。自社開発の施工法「フォーク付き台船による着床式洋上風車の一括架設方式」の採用により、工期の短縮化と漁業への影響低減が期待されます。
・プラント設備等の監視診断への機械学習を用いた画像認識技術の活用の一環として、株式会社アダコテックと共同で都市ごみ清掃工場から発生するスラグ流れを数値化するシステムを実用化しました。本システムの導入により、プラント運転員の負荷低減・省力化への貢献につながり、また、運転員の教育ツールなどへの展開も期待されます。
当事業に係る研究開発費は、865百万円であります。
(5)その他
・IoT活用による生産性向上については、競争力の強化を目指して工場と協力して取り組みを進めております。各工場の工程を見える化し、設備稼働率の向上や省人化を進めていきます。
・海底にある次世代資源の開発・事業化を目指し活動を行っています。天然ガスの主成分であるメタンを有する表層型メタンハイドレートに関して、2016年度から開始されている、国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発に参加するとともに、採掘技術を確立するため、業界トップレベルの海底掘削技術、サービスを世界中に提供しているドイツのMHWirth GmbH社との協業を開始しています。さらに、急速に進む自動車の電動化等で注目されるレアアースを含んでいるレアアース泥に関して、2017年度から開始された、国による揚収技術の研究開発に参加しています。
・グループ共通の基盤技術として生産技術、解析技術、AI技術の開発に取り組んでいます。生産技術では、溶接自動化、生産計画自動作成及び3次元デジタル計測などの技術による生産性の向上、解析技術では構造解析、流体解析、機構解析などを組み合わせた連成解析の高度化による設計支援を行っています。また、オープンソフトウェアを活用したAI画像認識技術による製品の付加価値向上を目指しています。
・連結子会社の三井E&Sシステム技研株式会社の主要製品である勤怠管理システム「TIME-3X」については、働き方改革を支援する労務管理サポート機能の強化を図っています。
当事業に係る研究開発費は、809百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02123] S100G7UW)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。