有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G8OZ
株式会社リコー 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。
この理念に基づき、当社グループは、第19次中期経営計画(2017年4月-2020年3月)において「リコー再起動」(2017年度~)、「リコー挑戦」(2018年度~)を掲げ、成長戦略に立脚した技術戦略に基づく研究開発活動を推進しております。
「リコー挑戦」では、社会の継続的な発展のために、製品やサービスの提供範囲を広げ、「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES」をはじめとする新たな価値を提供し続けるために、3つの戦略(成長戦略0、1、2)を設定しています。
研究開発活動においては、この“3つの成長戦略を支える技術開発の強化”と“新たな可能性につながる事業創発”に貢献する取り組みを進めています。
これらの活動を、グローバルな研究開発拠点との連携および顧客とのコミュニケーションを通して、より高い価値の創出につなげていきます。
■成長戦略を支える技術開発の強化
成長戦略0においては、全世界に広がるお客様との関係性を深め、これまでの当社グループの基盤事業としてきたオフィスプリンティング領域において、複合機(MFP)の更なる進化を図るとともに、お客様のワークフロー改善、業務生産性向上を目指した技術開発に取り組んでいます。
成長戦略1においては、プリンティング技術の強みを生かして、紙媒体以外への印刷、表示する印刷から機能する印刷へとその可能性を広げるための取り組みを行っています。これまで培ってきた電子写真、インクジェット、サーマル技術によるオンデマンド印刷によって、アナログからデジタルへのプロセス革新を実現するための取り組みを、外部技術も積極的に取り入れ、強化しています。
成長戦略2においては、これまでに培った約140万社の顧客基盤に新たな付加価値を乗せていくために、現場のワークフローのデジタル化に着手し、当社グループのデータ・画像のキャプチャリング技術や、画像処理技術をクラウド上で活用する取り組みを行っています。
成長戦略の加速に向けた技術リソース拡充のため、戦略的な提携、協業により外部技術の取り込み、効率化を図っていきます。
2018年度は、メイクリープス株式会社(企業間取引、受発注、請求書の発行等のやり取りを行うソフトウエアを保有)、株式会社エルエーシー(トラックなどの車両へのデジタル塗装技術を保有)、ColorGATE Digital Output Solutions GmbH(特性の異なるさまざまな素材に対する独自のカラーマッチング技術、産業印刷向けソフトウエアを保有)、Coloreel社(工業用刺繍機向け染色ユニットの開発、生産技術を保有)等の外部企業との提携、M&Aを行いました。
■新たな可能性につながる事業創発
成長戦略を支える技術開発のほか、これまでに培った材料、プロセス技術、インクジェット技術等のコア技術を応用し、ヘルスケア、アディティブマニュファクチャリング、環境分野など将来の成長に向け、広く社会に貢献していく技術開発の取り組みを行っています。
当社グループでは、大学・研究機関、企業の力を積極的に活用し、最先端技術の開発を効率的に進めています。インクジェット技術やマシンビジョン、画像処理技術などのコア技術を応用して、国が支援する最先端研究開発支援プログラムや大学、各種独立行政法人との共同研究開発へも積極的に参画しています。また、ベンチャー企業ともより良い関係を構築し、新規事業創出の加速を図っています。
当社グループでの研究開発の進め方としては、日本、米国、インド、中国に研究開発拠点を設け、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っています。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しています。
上記取り組みを通して、今後も、これまでの製品開発で培ってきた画像処理、光学、材料・デバイス、環境、ネットワーク、ソフトウエアなどのコア技術を新たなアイデアと融合させ、イノベーティブな技術開発に積極的に取り組み、お客様に感動していただけるような革新的な商品・サービスの実現を目指していきます。
IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(16,987百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は 111,013百万円です。
(1) オフィスプリンティング分野
昨今のクラウドサービス市場拡大に伴い、時間や場所の制約を受けずに働く環境が整備されてきており、さまざまな業務の効率化が進んでいます。こうした環境変化を受け、複合機(MFP)においても、多様なニーズに対応する機器を開発すると共に、開発パートナーと連携したクラウドソリューションの展開を加速しています。
一般のオフィス向け複合機(MFP)やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発、環境負荷低減に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)設計・技術開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
A4 カラープリンター「RICOH SP C352」を新発売
~コンパクトながら高性能で、さまざまな業務の課題を解決~
・置場所を選ばないコンパクトサイズを実現
・高生産性、高画質、高耐久性を実現
・環境負荷の低減に配慮した設計
・さまざまな業務に貢献する幅広い用紙対応力
・使いやすさを追求し優れた操作性を実現
A3 カラーレーザープリンターの調剤業務用医療モデル「RICOH SP C840ME」を新発売
~薬袋とお薬情報シートを連続印刷する際の生産性を向上~
・患者様をお待たせしない高生産性
・医療調剤業務を支える用紙対応力
・快適な使いやすさを追求した操作性
A4 モノクロプリンター/複合機 「RICOH SP 3700/同 SP 2300L シリーズ」を新発売
~生産性を向上し、モバイル機器からの印刷に幅広く対応~
・高い生産性を実現
・モバイル機器からの各種印刷手段に幅広く対応
・本体もトナー単価も低コストを実現
・コンパクト&スタイリッシュなデザイン
A3 ジェルジェットプリンター「RICOH SG 7200」を新発売
~モバイル対応を強化し、多様化する働き方を支援~
・使いやすさを追求した優れた操作性を実現
・コンパクト設計&スタイリッシュなデザイン
・ビジネスで求められる高い生産性と耐久性
・様々な業務を支援する幅広い用紙対応力
デジタルフルカラー複合機「RICOH IM C2000」、「RICOH IM C6000/C5500/C4500/C3500/C3000/C2500」を新発売
~「はたらく」は、もっとインテリジェントに~
・クラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」を介して各種クラウドサービスを提供可能
・より使いやすくなった10.1インチ大型フルカラータッチパネル「MultiLink-Panel」を搭載
・高速スキャンにより紙文書の電子化効率を向上
・カラーQSU技術により、トップクラスの標準消費電力量(TEC)を実現
・オフィスの心地よさを高める優れた静音性
・クラウド経由のプリントなど、さまざまなデバイスからの印刷に対応
・高速出力と高画質で、多彩なプリントニーズに対応
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 49,654百万円です。
(2) オフィスサービス分野
オフィスでのコミュニケーションや働き方が変わりつつある中、当社グループは、時間や場所にとらわれないコミュニケーションを通してコラボレーションを促進する、ビジュアルコミュニケーション製品をお客様に提供しています。
テレビ会議・Web会議システム、インタラクティブ ホワイトボード(IWB)、プロジェクター等の機器と、それらの機器を活用した仕事の効率化についてのノウハウやソリューションなどのサービスを提供し、働く環境を当社グループがトータルにサポートすることで、お客様の生産性向上に寄与する価値提供を目指します。
そのために、ビジュアルコミュニケーション関連の技術開発、ITサービス/アプリケーションサービス及び、それらのサービスを支えるクラウドプラットフォームの開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
路面性状モニタリングシステムが土木研究センター性能確認試験に合格
~ステレオカメラで測定する手法として初めて~
・一般財団法人土木研究センターが実施した「路面性状自動測定装置の性能確認試験」に合格
・一般車両で走行しながら路面の3次元画像と輝度画像を同時に撮影し、路面の「ひび割れ」「わだち掘れ」「平たん性」を自動測定・分析する路面性状計測システムの実現
・AI(機械学習)による機械判読、撮影から測定結果作成までの自動化・高度化を行う
「RICOH Remote Concierge System」を新発売
~店舗の顧客とスタッフをリモートでつなぐ遠隔接客システム~
・場所にとらわれず遠隔対応が可能
・人材を有効活用しながら個別店舗の業務を補完し、質の高いサービスを提供
・顧客は画面のボタンを選んで押すだけの簡単操作
中小企業の生産性革新に貢献する「RICOH Intelligent WorkCore」を提供開始
~パートナーとの協業を強化。さまざまな業種業務のワークフロー改善により働き方改革を支援~
・新販売されたRICOH IM Cシリーズ(7機種16モデル)とクラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」を介して提供される各種クラウドサービス
・複合機本体の基本性能を最新の状態にアップデートできる「RICOH Always Current Technology」の初実装
・最新のクラウドサービスとの連携、ワークフロー改善や最先端のセキュリティ機能への対応の実現
・AIを活用したOCR機能による紙ドキュメントの情報をデジタルデータ化、クラウドサービスとシームレス連携
「RICOH Cloud OCR for 請求書」を提供開始
~請求書をデジタル化、中小企業の業務プロセスを革新するクラウドソリューション~
・リコー独自の帳票解析技術と画像処理技術を搭載したAIを活用
・請求書に記載された請求日、請求元会社名、請求金額などの情報を自動認識し一括データ化
・事前の帳票定義をしなくても自動的に必要情報を抽出することが可能、簡単導入
シスコシステムズ合同会社とデジタルワークプレイス実現に向けて戦略的提携
~よりシンプルでセキュアなクラウドソリューションをグローバルに展開~
・クラウド、ネットワーク、デバイスの3つのレイヤーで、よりシンプルでセキュアな環境を提供
・「RICOH Smart Integration」を介して最新のクラウドサービスと連携
・Cisco Identity Service Engineとの連携により、ネットワークに繋がるデバイスの運用・管理の自動化と適切なセ
キュリティ設定を実現
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 5,060百万円です。
(3) 商用印刷分野
当社グループは印刷業のお客様に向けて、性能面・価格面に強みをもつ商品とワークフローソリューションを組み合わせた提案を行い、「Offset to Digital」を実現するとともに、大手商用印刷のお客様の新規獲得を目指します。
商用印刷分野における電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術、プロダクションプリンティングワークフローを支えるアプリケーション技術の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
カラープロダクションプリンター「RICOH Pro C9210/C9200」を新発売
~商用印刷の生産機としての基本性能を追及したフラッグシップモデル~
・オフセット印刷に迫る滑らかな高画質
・新技術スイング&シフト式レジストレーションにより、高い表裏見当精度の実現
・新技術「IQCT*for High End」により、色味調整(キャリブレーション)や画像位置調整等を自動化
・印刷中の色変動の自動抑制技術(新機能)による、オペレーションの省力化と品質の安定化の両立
*Inline Quality Control Technology:印刷前や印刷中の調整を自動化し、安定して高品質な印刷物を提供する技術
RICOH Pro VCシリーズ向け新インクおよび最上位機種「RICOH Pro VC70000」を発売
~新開発インク、新乾燥技術によりオフセット印刷に迫る高画質・高生産性を実現~
・新開発インクでは、アンダーコートなどの事前処理なしにオフセットコート紙への印刷が可能
・色域の大幅拡大によるオフセット印刷に迫る高画質の実現
・新乾燥技術の搭載により、印刷速度が大幅に向上。(毎分150m:A4サイズの印刷物を毎時120,000ページ印刷可能)
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 25,827百万円です。
(4) 産業印刷分野
産業用インクジェットヘッドに対するニーズは多様化しています。製品や用途開発が積極的に進んでおり、今後の成長が有望視されている分野です。
プリンティング技術の可能性を拡げる分野として今後成長が見込まれるのが、インクジェットコンポーネントなどの作像システム、産業プリンターです。プロセスのデジタル化によって、少量・多品種・低コストでのオンデマンド印刷が可能となります。
また、多様なニーズの中から特に成長しているセグメントに対して、インクジェットヘッド、作像システム、産業プリンターの技術開発を行い、積極的に商品を投入しています。特に、服飾や布地などに直接印刷するDirect to Garment(DTG)は今後の大きな市場成長が予測されており、他社との連携やM&Aも積極的に行い、事業の拡大を目指しています。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
産業用インクジェットヘッド「RICOH MH5320/5340/5320 Type A*」を新発売
~高画質・高生産性に加え、インク対応力強化や長寿命化を実現~
・最小液滴量5pl(ピコリットル)への対応と着弾位置精度が向上(従来ヘッド比)
・粒状感の少ない高精細な印刷が可能
・大滴吐出時においても最大50kHzの駆動周波数を実現。印刷速度が向上、高生産性を実現
*「RICOH MH 5320 Type A」 はインクポートなしモデル
産業印刷機器メーカー株式会社エルエーシーの全株式取得
~立体物に印刷する独自インクジェット技術とリコーの技術を融合し、産業印刷事業を強化~
・立体物へのダイレクトプリントを可能とする独自インクジェット技術(高粘度インク対応 高飛翔距離(最大100mm程度))
・株式会社エルエーシー独自のインクジェット技術と、当社グループ保有技術のシナジーによる新たな顧客価値の創造
工業用刺繍機向け糸染色ユニットの生産に向け、スウェーデンのColoreel社と協業
~オンデマンドで糸に染色可能なインクジェットプリントモジュールを提供~
・刺繍糸などの白糸にオンデマンドで染色できるインクジェットプリントモジュールの開発
・生産過程での糸への自在な染色が可能
・衣料分野の少量多品種化対応、テキスタイルデザインの自由度を無限に広げることが可能
・糸の染色工程で発生する大量の排水が不要となり、環境負荷を低減
産業印刷向けソフトウエアメーカー、カラーゲート社の全株式取得について合意
・ヨーロッパを中心に広い顧客基盤を有しているColorGATE Digital Output Solutions GmbH(カラーゲート社)の全株式を取得
・特性の異なるさまざまな素材(フィルムやタイル、衣料、床材等)に対する独自のカラーマッチング技術力を強化
・最適なカラーマネジメントソフトウエアやワークフローソフトウエアを提供
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 8,003百万円です。
(5) サーマル分野
世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指します。
また、生産ライン上で高速に可変情報の記録を行いたいという市場要求に対応した、レーザー記録方式である「FC-LDAプリンター」装置についても開発の目途がつきました。お客様への印刷デモ、印刷サンプルの提供を開始します。
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 1,331百万円です。
(6) その他分野
産業用光学部品・モジュール、電装ユニット、精密機器部品、デジタルカメラ、3Dプリント、環境、ヘルスケア、金融サービス等に関わる当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
■産業用光学部品・モジュール分野
自動車業界を含む産業機器分野で、これまでに培った技術の強みを活かしながら事業を展開し、多くのビジネスパートナーと共に社会課題の解決に努めています。
ファナック株式会社の小型切削加工機ロボドリル用加工状態モニタリングシステムを展示会で展示
・独自の振動センサーと専用コントローラによる工具状態と加工状態の2つの見える化を実現
・振動パワーの変化のスコア化による段取不備、加工条件の不適正、工具破損による異常振動の記録
・波形やスコアのデータを蓄積し、分析に役立てるデータ連携も可能
・現在、ファナック株式会社と協業で小型切削加工機ロボドリル用加工状態モニタリングシステムの商品化に向け開発中
レーザースキャン方式車載ヘッドアップディスプレイ(HUD)用プロジェクションユニットを開発
・TFT方式に比べ、高コントラスト、かつ、広色域の色表現が可能
・運転状況や人間特性を考慮した独自のアルゴリズムの活用による重要情報の的確な伝達
・マイクロレンズ技術を応用したスクリーンと独自開発した2軸MEMSスキャナーによる高画質・高信頼性の実現
路面状態を検出可能な車載用ステレオカメラを開発、量産
・株式会社デンソーと共同開発し、2017年9月より量産を開始 累計約2万台出荷
・3次元画像処理技術に当社グループ独自のデンスステレオマッチング技術を搭載
・車両周辺を高密度に3次元で検知でき、路面の細かい凹凸まで検出が可能
・データ処理の高速化により自動車用安全装置に求められるリアルタイム性を達成
■ヘルスケア分野
2016年に、高齢化社会への対応、医療費削減、地域間の医療水準格差解消などが求められるヘルスケア分野に本格的に事業参入し、「ヘルスケアソリューション」「メディカルイメージング」「バイオメディカル」の3つを重点領域と定めて事業拡大を目指しています。
統合医療介護連携システム「RICOH Regional Health Net」を新発売し、地域包括ケア関連事業に参入
・地域の施設同士が医療と介護のさまざまな情報を双方向で共有できるクラウドサービス
・患者の診療・検査・処方・介護にまつわる多様な情報を1つのシステムで管理、共有化
・国が目指す地域の包括的な支援・サービス提供体制、「地域包括ケアシステム」の構築に貢献
・医療・介護従事者のワークフローを変えることなく、双方向での情報連携が可能
ミネベアミツミ株式会社と協業し、介護市場向けベッドセンサーシステムを販売開始
・高精度センサーをベッド脚に設置し、非接触・非侵襲*で体動、参考体重などを検知
・「離床検知」「活動履歴レポート」「同時見守り」「参考体重レポート」など多彩な機能を充実
・IoT技術で利用者の安全・ストレス軽減、ご家族の安心、介護従事者のケアの品質の向上と業務負担軽減に貢献
*皮膚や身体の開口部に器具の挿入を必要としないこと
脳磁計測システム「RICOH MEG」*を国内市場向けに販売開始
~最新鋭の医療機器を導入した熊谷総合病院「PET総合検診棟」で採用~
・2017年12月に米国市場で販売開始、今回の国内市場で2カ国目の販売
・最新鋭の医療機器と共に、質の高い検査で病気の早期発見・早期治療・治療効果の判定までが可能
*販売名:脳磁計測システム RICOH160-1(医療機器認証番号:22100BZX00914000)
■環境分野
1990年代から取り組んできた環境経営の考え方をさらに進化させ、“お客様と共に進化する環境経営”を目指しています。2016年には御殿場に環境を基軸とした新規事業の創出・拡大を目的に設立した「リコー環境事業開発センター」を開所し、環境技術の実証実験の場として技術開発を行っております。
センサーで人の所在や照度、室温を検知し自動制御する照明・空調制御システムを提供開始
~環境展示会「エコプロ2018」に出展~
・センシング技術やクラウド技術を活用し、入室に合わせた照明の自動点灯が可能
・照明や空調のきめ細かな制御を自動で行うことで、省エネと快適性を、利便性の実現
・人の在不在データを取得し、空間の利用状況を把握することで利用実態に適したワークプレイスの改善に貢献
■デジタルカメラ分野
ユニークで魅力的なハードウエアとそのデータ活用により、新たな画像・映像表現を創造していきます。
RICOH360
~360°の画像・映像活用サービスを統合したポータルサイト「RICOH360」を公開開始~
・360°の全天球イメージを活用したソリューション・サービス事例集をポータルサイト「RICOH360」にて公開
・「伝えるをスマートに」「すべてを撮ったそのあとはRICOH360」をコンセプトに、「THETA 360.biz」「RICOH360 - Ad」「RICOH360 - Analysis」といった360°の全天球イメージを活用したサービス導入の玄関口としての役割を担う
「THETA 360.biz」、「RICOH360 – Ad」、「RICOH360 - VRステージング」、「RICOH360 – Analysis」、「RICOH360 - VR Presenter」、「RICOH360 – Snap」、「RICOH Developer Connection、RICOH R Development Kit」等
360°行動分析が可能な「RICOH360 - Analysis」を提供開始
~全天球画像カメラを用いて簡単・手軽に人の滞留をデータ化~
・全天球画像カメラ「RICOH THETA」と、Deep Learningによる認識技術を搭載した「クラウドサービス」の連携
・360度の広範囲にわたって人の滞留分布を計測可能
・RICOH THETA 1台で半径約6mのエリアを分析可能、複数台を組み合わせることで広範囲をカバー
・「どのエリアに」「どの時間帯に」「どれくらい人がいたか」を客観的に把握可能
RICOH360 - VRステージングを提供開始
~クラウドサービスTHETA 360.bizを活用し、不動産物件情報の訴求力アップ~
・360°あらゆる角度の画像を閲覧可能とし、新しいユーザー体験・空間認知効果を向上
・不動産の空室物件画像にバーチャルで家具や小物を配置し表示、実物の家具のようなリアリティを追及
・バーチャルで様々なパターンや豪華な装飾を配置しての提案が可能
ワンショットで360°の全天球イメージを撮影できるカメラ「RICOH THETA Z1」を新発売
~約2300万画素相当の高品質な360°の静止画撮影を実現~
・高画質、高品質を追求した同シリーズのフラッグシップモデル
・1.0型の裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載
・動画撮影時には回転3軸補正による強力な手ぶれ補正機能の搭載
・4K相当の滑らかで臨場感あふれる360°の動画撮影の実現
※全天球カメラ「RICOH THETA」の意匠登録第1480863号が2018年度関東地方発明表彰において「特許庁長官賞」受賞
ハイエンドコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR Ⅲ」を新発売
~究極のスナップシューターを目指して主要デバイスを一新~
・新開発の高解像GR LENS 、「GR LENS18.3mm F2.8」を搭載
・解像性能を優先したローパスフィルターレス仕様のAPS-CサイズCMOSイメージセンサーと新開発の画像処理エンジン「GR ENGINE 6」を搭載
・AF高速化を実現するハイブリッドAFを採用
・独自の手ぶれ補正機構"SR"を搭載
・高性能を凝縮した小型デザイン
・Bluetooth®&無線LANのデュアル通信
防水・防塵・耐衝撃、耐薬品性タイプの現場対応用デジタルカメラ「RICOH G900」「RICOH G900 安心保証モデル」を新発売
~「デジタル工事写真の高度化に関する協議会」の提唱する小黒板情報連携機能・信憑性確認(改ざん検知機能)に準拠~
・有効画素数約2000万画素、裏面照射型CMOS採用により画質を向上
・防水・防塵・耐衝撃だけでなく耐薬品性を強化。過酷な現場に不可欠なタフ性能を装備
・「デジタル工事写真の高度化に関する協議会」が提唱する小黒板情報連携機能・信憑性確認(改ざん検知機能)に準拠
・多様な現場に応える多彩な機能
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 6,363百万円です。
(7) 基礎研究分野
各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、プリンティング技術の応用研究開発、新規機能材料やデバイスの研究開発、次世代画像表示・画像認識・画像処理技術とそれに必要なフォトニクス技術の研究開発、データの収集・解析技術の研究開発、人工知能の応用研究開発、システムソリューションの開発、生産技術開発、環境関連技術及びヘルスケア関連技術の研究開発等を行っております。
当連結会計年度の主な発表・成果は次のとおりです。
バイオプリンティング技術によりDNA分子数を1個単位で制御
~DNA分子が所定の数だけ入った標準物質により、遺伝子検査の精度向上に貢献~
・1個単位で決まった数だけプレート上のウェル(くぼみ)中に、特定の遺伝子配列のDNA分子が所定の数だけ入ったDNA標準物質(DNA標準プレート)の製造に成功
・これまでに無い低濃度領域(1分子から1,000分子)の取り扱いが可能
・遺伝子検査装置、試薬、遺伝子検査手法の精度管理をこれまで以上に厳密に校正を行うことが可能
・遺伝子組換え食品検査精度の向上やがん・感染症の見逃し防止などへの応用可能性
世界初、インクジェット技術による二次電池の新たな製造技術を開発
~IoTデバイスやウェアラブルデバイス向けに、自由な形状で電池を製造することが可能に~
・セラミックスの微粒化および独自分散技術による低粘度かつ高濃度な電極材料インクの製造を実現
・リチウムイオン二次電池に用いられているほとんどの種類の電極材料のインク化に成功
・インクジェットヘッドから吐出することで、さまざまな形状の電池を製造することが可能
※「nano tech 2019 第18回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」の出展者から選出される「nano tech大賞2019」で、最高位の「nano tech大賞」を受賞。電池のデジタル印刷製造を大きく前進させたことが賞された。
AIモデルの学習を26倍高速化、学習電力効率を90倍に
~高速/低消費電力なGBDTモデル学習回路アーキテクチャを開発~
・CPU/GPUを用いた一般的なソフトウエアライブラリと比べて、26~259倍の学習高速化を実現
・従来よりも短時間でのGBDTモデルの学習・更新が可能
・モデル学習の電力効率は、GPU/CPUと比較して90~1,105倍
※研究開発本部 リコーICT研究所の研究グループは、本技術の研究成果を米国コーネル大学が運営する世界的な論文投稿サイトarXiv.orgで発表(https://arxiv.org/abs/1812.08295)
構成の異なる2つの文書の内容を比較して対応づける新しいAI技術を開発
~2018年10月に開催された「第2回AI・業務自動化展 秋」に出展~
・ディープラーニングによって学習した語句の意味に基づき、語句が属する文や段落の意味の近さも考慮
・文や段落同士を対応づけるアルゴリズムを考案し、より一般的な文書の対応づけに適用
・従来のテキスト分類技術と比較し、2倍以上の対応づけの精度を実現
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 14,774百万円です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02275] S100G8OZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。