有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G30Y
ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループは、「感動を・ともに・創る / 私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます」を企業理念に掲げています。これを支えるために、これまでに蓄積してきた「音と人が関わる技術」をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、素材・解析、センシング、メカトロニクス、音源、信号処理、ネットワーク、感性評価等、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器事業については当社楽器事業本部、及びYamaha Guitar Group, Inc.の開発部門、音響機器事業については当社音響事業本部、NEXO S.A.、Steinberg Media Technologies GmbH、Yamaha Unified Communications, Inc.の開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は24,926百万円であります。
1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、「トランスアコースティックピアノ TA2」と「サイレントピアノ SH2、SC2」を開発しました。音質面では、ベーゼンドルファー「インペリアル」をサンプリングした音源を新たに搭載したほか、ヘッドフォン使用時でも自然な演奏体験を実現する音響技術「バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)」を採用したことで、さらに豊かな音と響きでの演奏が可能となりました。また「TA2」では、トランスデューサーを軽量化し、従来モデルよりクリアな高音の響きを実現しています。機能面では、一部のモデルでBLUETOOTHオーディオ接続に対応しました。当社が開発した無料アプリ「スマートピアニスト」との連携により、音色の切り替えや録音などの各種機能をスマートデバイス上で簡単に操作できます。また、管楽器の新製品として、軽やかな吹奏感と柔らかく太い音色を実現したカスタムテナーバストロンボーン「YSL-823G」を開発しました。カスタムモデルながら二枚取りゴールドブラス製薄肉ベルを搭載するなど、非常に軽量化された作りとなっています。その結果、楽器の反応性が向上し明瞭な発音性を実現しています。また、シンプルであたたかみを感じさせるデザインの大人向けピアニカ「P-37E」を開発しました。現行の同音域ピアニカ「P-37D」の機構をベースとしながら、「P-37E」は、レスポンスの良さ、強弱のコントロールのしやすさはそのままに、倍音のバランスを整えることでまろやかで芯のあるメロウな音色となっています。なお、2017年発売のカジュアル管楽器「Venova」は、「2017年度グッドデザイン大賞」に続き、「アジアデザイン賞2018」の上位賞である「Grand Award with Special Mention」、ドイツのデザイン賞「German Design Award 2019」を受賞し、「Winner」に選出されました。また、「トランスアコースティックピアノ TA2」は、「2018年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
ギター・ドラム関連では、「トランスアコースティック」技術搭載ギターの新モデルとして、「CG-TA」「CSF-TA」を開発しました。微妙なタッチや、音のニュアンス、強弱の差によって多彩な音色を表現するナイロン弦の魅力を、トランスアコースティック機能が一層引き立て、普段はスチール弦を弾いている方々にも、サウンドバリエーションを拡げる1本としてご愛用いただけるモデルです。また、エレキギター「PACIFICAシリーズ」の上位モデルとして、市場ニーズの高いピックアップコンフィグレーションモデル「PACIFICA612VⅡFM」を開発しました。本製品は、フロントとセンターにシングルコイルを、リアにハムバッキングのピックアップを搭載した「PACIFICAシリーズ」のフラッグシップモデルです。また、シェル材にメイプルを採用し明るく華やかな広がりのある音質と表現力豊かなサウンドを実現したドラムス「ツアーカスタム」を開発しました。新たに開発したインバースダイナフープによりナチュラルな倍音をコントロールすることで、シェル素材が持つ本来のサウンドキャラクターをより引き出します。また、アンプモデラー/プロファイラー使用ギタリスト向けのLine 6ブランドのアクティブ・ギタースピーカー・システム「Powercab 112シリーズ」を開発しました。ギター用スピーカーの迫力とダイナミックなレスポンスを、PA用スピーカーに匹敵するワイドなレンジで実現しました。
電子楽器関連では、プレーヤーの最高のパフォーマンスを引き出す次世代ステージピアノ「CP88」「CP73」を開発しました。アコースティックピアノの音色には、コンサートグランドピアノ「CFX」からサンプリングしたものに加え、ベーゼンドルファー「インペリアル」、使い込まれたアップライトピアノのサウンドが特長の「U1」などの音色も搭載しており、演奏する音楽ジャンルや用途に応じて使い分けることができます。さらに、数々の名曲で使われてきた「CP80」をはじめ、1970年代からシーンを彩ってきた数々のビンテージエレクトリックピアノの音色を搭載しています。機能面では、新たに開発したステージ演奏に求められるあらゆる操作をシンプルに実現できるユーザーインターフェースを採用しています。また、若者に新たな楽器の楽しみ方を提案する新ブランド「sonogenic」の製品として、ショルダースタイルの電子キーボード「SHS-500」を開発しました。鍵盤楽器を演奏したことがない方でもすぐに楽しさを実感できる、コンパクトなショルダーキーボードです。無料アプリ「Chord Tracker」と連動させて使用する「JAM機能」を使うと、スマートデバイスに保存している楽曲のコード進行にマッチする音が自動的に鍵盤に割り当てられ、お気に入りの曲と自由にセッションを楽しむことができます。また、歌詞とメロディーを入力するだけでバーチャルシンガーによる歌声制作が楽しめるソフトウェア「VOCALOID」の新バージョンである「VOCALOID5」を開発しました。4年ぶりの新バージョンとなった本製品では、さらに多くのクリエイターにバーチャルシンガーによる音楽を取り入れていただきたいという思いから、歌詞とメロディーをゼロから創作する従来の制作フローに加えて、大量に用意されたプリセットフレーズやオーディオをドラッグ&ドロップするだけで歌のベースが出来上がる新しい製作フローを採用しました。歌唱表現の調整も、分かりやすくビジュアル化されたアイコンを選択するだけで、より素早くダイレクトにクリエイターの感性を反映出来るようになりました。なお、デジタルワークステーション「Genos」が「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2018」を、電子ピアノ 「クラビノーバ CSPシリーズ」が「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2019」を、ボーカロイドキーボード「VKB-100」、電子ピアノ「P-121」「P-125」「P-515」が「2018年度グッドデザイン賞」を受賞しました。また、ボーカロイドキーボード「VKB-100」は、グッドデザイン大賞や特別賞の候補で、特に優れたデザインに与えられる「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。
楽器事業の研究開発費は9,415百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、ヤマハのオーディオ技術を集大成した「C-5000」、及び「M-5000」を開発しました。「C-5000」「M-5000」は、楽器製造からコンサートホールの設計まで、さまざまな分野で音と音楽に深く関わってきた総合力を背景に、当社がこれまで蓄積してきた独自のオーディオ技術を集大成したフラッグシップHiFiセパレートアンプです。フォノ端子を含む全音声入力からスピーカー出力までの全段完全バランス伝送をはじめ、パラレルMOS-FET出力段を装備したフローティング&バランス・パワーアンプ、すべてのオーディオ回路をチャンネルごとにワンボード化して背中合わせに配置し、信号経路を最短化するブックマッチ・コンストラクションなど、最新の開発成果と独創的なノウハウを結集しました。また、ホームシアター再生の理想を追求したフラッグシップモデル「AVENTAGEセパレートシリーズ」として、「CX-A5200」、及び「MX-A5200」を開発しました。「CX-A5200」は、最適な音場効果をリアルタイムに創出する革新的サラウンド体験「SURROUND:AI」や最新の高性能D/Aコンバーターの搭載など、パフォーマンスと使用感覚の両面を最新の技術・デバイスによってアップデートしました。「MX-A5200」は、多彩なスピーカーアサインを可能にするチャンネルセレクターに加えて、新たにBRIDGE出力モードも装備するなど、システム構成の自由度をいっそう高めました。また、アナログとデジタルの融合で、新しい音楽スタイルを提案するネットワークターンテーブル「MusicCast VINYL 500」を開発しました。高剛性キャビネットに加え、駆動方式には高い回転安定性を実現するベルトドライブ方式を採用し、さらに剛性に優れたストレートトーンアームを採用するなど、高品位な音でレコード再生が楽しめる優れた基本性能を搭載しました。さらに、ヤマハ独自のワイヤレスネットワーク機能「MusicCast」に対応し、レコードの音を他の「MusicCast」対応機器にワイヤレスで飛ばして再生したり、アナログとデジタルの融合により、新しい音楽ライフを提案するターンテーブルです。また、「MusicCast」に対応した機器において、Amazonが提供するクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」に対応し、快適な音声操作を実現するための「MusicCastスマートホーム」スキルを開発しました。Amazonが販売するスマートスピーカー「Amazon Echo」に搭載された音声サービス「Alexa」を使用し、「MusicCast」対応機器の音声操作を実現するためのインターフェースです。電源のオン/オフ、音量調整などの基本動作を、シンプルかつ直感的な言葉で「Alexa」に対し話しかけるだけで「MusicCast」対応機器を操作することが可能になります。なお、プレミアムブックシェルフスピーカー「NS-5000」、ワイヤレスストリーミングプリアンプ「WXC-50」が、ドイツのデザイン賞「German Design Award 2019」を受賞し、ともに優秀な作品に贈られる「Winner」に選出されました。
業務用音響機器関連では、スピーカーシステム「VXLシリーズ」を開発しました。「VXLシリーズ」は、会議室やホテルの宴会場などにおいて、明瞭な拡声・音楽再生を実現するラインアレイ形式のスピーカーです。ドライバーにネオジム磁石を贅沢に使用した3.75cmフルレンジユニットを採用し、幅54mmのスリムな形状を実現することで、音声明瞭度が求められながらも設置スペースに制限の多い、オフィス内の会議室やプレゼンテーションルーム、ホテルの宴会場などへ導入しやすくなっています。また、高度な信号処理能力と大出力アンプを、コンパクトなサイズで実現したNEXO社のパワードデジタルTDコントローラー「NXAMPmk2」を開発しました。音声信号の入出力部は、32bit/96kHz対応のA/D・D/Aコンバーターを採用し、幅広い帯域で高品位なサウンドを実現しています。プロセッシング部には、高い信号処理能力を持ったDSPを搭載し、NEXO社スピーカー全モデルに対応するとともに、アンプ出力の電圧・電流などを監視し、システム全体を安全に駆動しながらスピーカーの能力を最大限まで引き出します。さらに、パワーアンプ部は、最新のClass Dアンプを採用し、2U(高さ8.8センチ)とコンパクトな筐体サイズでありながら、高い出力が可能です。また、プロの音楽制作環境にも対応する音質と機能を備えたフラッグシップモデル、スタインバーグオーディオインターフェース「AXR4T」を開発しました。最大32bit/384kHz録音再生可能なA/D・D/Aコンバーターや4基のフロントハイブリットマイクプリアンプ、レイテンシーフリーのシステムを構築する28×24マトリクスミキサーを搭載しています。また、使いやすさを重視し、クリエイティブで快適な音楽制作環境を実現したスタインバーグソフトウェア「Cubase 10」を開発しました。1989年に「Cubase」を発売して以来スタインバーグ社が培ってきた技術を集結し、より強力なDAWソフトウェアとして進化しました。本製品では、ワークフローの改善、エフェクトの追加、プラグインの再設計、ユーザビリティの向上などを実現しています。
情報通信機器関連では、DanteネットワークとPoEシステムをサポートしたL2スイッチ「SWR2311P-10G」を開発しました。Audinate社が開発し世界的に活用されているデジタルオーディオネットワーク規格「Dante」に対応し、設定・監視・管理・運用を簡単に行え、より安定したネットワークの構築を実現します。また、時間や場所にとらわれない快適な遠隔コミュニケーションをポータブルサイズで実現するユニファイドコミュニケーションスピーカーフォン「YVC-200」を開発しました。マイク、スピーカーに加え音声信号処理を内蔵し、遠隔会議が利用可能なパソコンやスマートフォン、タブレットに接続するだけで、すぐに打ち合わせたいタイミングからアイディアを生み出すためのディスカッションまで、まるで同僚とオフィスで会話しているようなクリアで快適な会話を実現します。
音響機器事業の研究開発費は11,127百万円であります。
3 その他の事業
電子デバイス事業関連では、ロシアや欧州で義務化された緊急通報システムの自動車への搭載に対応した車載通話モジュールを開発しました。これまで培ってきた信号処理技術を活用する事で、緊急時に求められるクリアな通話品質を実現しています。
ゴルフ事業関連では、ボール初速のアップによる、さらなる飛びに加え、やさしさも追求した「inpres UD+2(インプレス・ユーディープラスツー)」シリーズの2019年モデルを開発しました。「inpres UD+2 ドライバー」「inpres UD+2 フェアウェイウッド/ユーティリティ」では、フェースをシャフト軸から遠ざけてヘッドターンのエネルギーがより大きく伝わるようにした「ヘッドターンエネルギー構造」を新たに取り入れることでボール初速がアップしました。更に、シャフト先端部におもりを配置し、インパクト時の無駄な動きを抑える「チップウェイトテクノロジー」を「inpres UD+2 アイアン」を含むすべてのクラブでシリーズ採用したことで、ボール初速だけでなく最適な打ち出し角度・スピン量も実現し、飛びにさらなる磨きをかけています。
その他の事業の研究開発費は4,384百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は2,638件であります。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器事業については当社楽器事業本部、及びYamaha Guitar Group, Inc.の開発部門、音響機器事業については当社音響事業本部、NEXO S.A.、Steinberg Media Technologies GmbH、Yamaha Unified Communications, Inc.の開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は24,926百万円であります。
1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、「トランスアコースティックピアノ TA2」と「サイレントピアノ SH2、SC2」を開発しました。音質面では、ベーゼンドルファー「インペリアル」をサンプリングした音源を新たに搭載したほか、ヘッドフォン使用時でも自然な演奏体験を実現する音響技術「バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)」を採用したことで、さらに豊かな音と響きでの演奏が可能となりました。また「TA2」では、トランスデューサーを軽量化し、従来モデルよりクリアな高音の響きを実現しています。機能面では、一部のモデルでBLUETOOTHオーディオ接続に対応しました。当社が開発した無料アプリ「スマートピアニスト」との連携により、音色の切り替えや録音などの各種機能をスマートデバイス上で簡単に操作できます。また、管楽器の新製品として、軽やかな吹奏感と柔らかく太い音色を実現したカスタムテナーバストロンボーン「YSL-823G」を開発しました。カスタムモデルながら二枚取りゴールドブラス製薄肉ベルを搭載するなど、非常に軽量化された作りとなっています。その結果、楽器の反応性が向上し明瞭な発音性を実現しています。また、シンプルであたたかみを感じさせるデザインの大人向けピアニカ「P-37E」を開発しました。現行の同音域ピアニカ「P-37D」の機構をベースとしながら、「P-37E」は、レスポンスの良さ、強弱のコントロールのしやすさはそのままに、倍音のバランスを整えることでまろやかで芯のあるメロウな音色となっています。なお、2017年発売のカジュアル管楽器「Venova」は、「2017年度グッドデザイン大賞」に続き、「アジアデザイン賞2018」の上位賞である「Grand Award with Special Mention」、ドイツのデザイン賞「German Design Award 2019」を受賞し、「Winner」に選出されました。また、「トランスアコースティックピアノ TA2」は、「2018年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
ギター・ドラム関連では、「トランスアコースティック」技術搭載ギターの新モデルとして、「CG-TA」「CSF-TA」を開発しました。微妙なタッチや、音のニュアンス、強弱の差によって多彩な音色を表現するナイロン弦の魅力を、トランスアコースティック機能が一層引き立て、普段はスチール弦を弾いている方々にも、サウンドバリエーションを拡げる1本としてご愛用いただけるモデルです。また、エレキギター「PACIFICAシリーズ」の上位モデルとして、市場ニーズの高いピックアップコンフィグレーションモデル「PACIFICA612VⅡFM」を開発しました。本製品は、フロントとセンターにシングルコイルを、リアにハムバッキングのピックアップを搭載した「PACIFICAシリーズ」のフラッグシップモデルです。また、シェル材にメイプルを採用し明るく華やかな広がりのある音質と表現力豊かなサウンドを実現したドラムス「ツアーカスタム」を開発しました。新たに開発したインバースダイナフープによりナチュラルな倍音をコントロールすることで、シェル素材が持つ本来のサウンドキャラクターをより引き出します。また、アンプモデラー/プロファイラー使用ギタリスト向けのLine 6ブランドのアクティブ・ギタースピーカー・システム「Powercab 112シリーズ」を開発しました。ギター用スピーカーの迫力とダイナミックなレスポンスを、PA用スピーカーに匹敵するワイドなレンジで実現しました。
電子楽器関連では、プレーヤーの最高のパフォーマンスを引き出す次世代ステージピアノ「CP88」「CP73」を開発しました。アコースティックピアノの音色には、コンサートグランドピアノ「CFX」からサンプリングしたものに加え、ベーゼンドルファー「インペリアル」、使い込まれたアップライトピアノのサウンドが特長の「U1」などの音色も搭載しており、演奏する音楽ジャンルや用途に応じて使い分けることができます。さらに、数々の名曲で使われてきた「CP80」をはじめ、1970年代からシーンを彩ってきた数々のビンテージエレクトリックピアノの音色を搭載しています。機能面では、新たに開発したステージ演奏に求められるあらゆる操作をシンプルに実現できるユーザーインターフェースを採用しています。また、若者に新たな楽器の楽しみ方を提案する新ブランド「sonogenic」の製品として、ショルダースタイルの電子キーボード「SHS-500」を開発しました。鍵盤楽器を演奏したことがない方でもすぐに楽しさを実感できる、コンパクトなショルダーキーボードです。無料アプリ「Chord Tracker」と連動させて使用する「JAM機能」を使うと、スマートデバイスに保存している楽曲のコード進行にマッチする音が自動的に鍵盤に割り当てられ、お気に入りの曲と自由にセッションを楽しむことができます。また、歌詞とメロディーを入力するだけでバーチャルシンガーによる歌声制作が楽しめるソフトウェア「VOCALOID」の新バージョンである「VOCALOID5」を開発しました。4年ぶりの新バージョンとなった本製品では、さらに多くのクリエイターにバーチャルシンガーによる音楽を取り入れていただきたいという思いから、歌詞とメロディーをゼロから創作する従来の制作フローに加えて、大量に用意されたプリセットフレーズやオーディオをドラッグ&ドロップするだけで歌のベースが出来上がる新しい製作フローを採用しました。歌唱表現の調整も、分かりやすくビジュアル化されたアイコンを選択するだけで、より素早くダイレクトにクリエイターの感性を反映出来るようになりました。なお、デジタルワークステーション「Genos」が「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2018」を、電子ピアノ 「クラビノーバ CSPシリーズ」が「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2019」を、ボーカロイドキーボード「VKB-100」、電子ピアノ「P-121」「P-125」「P-515」が「2018年度グッドデザイン賞」を受賞しました。また、ボーカロイドキーボード「VKB-100」は、グッドデザイン大賞や特別賞の候補で、特に優れたデザインに与えられる「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。
楽器事業の研究開発費は9,415百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、ヤマハのオーディオ技術を集大成した「C-5000」、及び「M-5000」を開発しました。「C-5000」「M-5000」は、楽器製造からコンサートホールの設計まで、さまざまな分野で音と音楽に深く関わってきた総合力を背景に、当社がこれまで蓄積してきた独自のオーディオ技術を集大成したフラッグシップHiFiセパレートアンプです。フォノ端子を含む全音声入力からスピーカー出力までの全段完全バランス伝送をはじめ、パラレルMOS-FET出力段を装備したフローティング&バランス・パワーアンプ、すべてのオーディオ回路をチャンネルごとにワンボード化して背中合わせに配置し、信号経路を最短化するブックマッチ・コンストラクションなど、最新の開発成果と独創的なノウハウを結集しました。また、ホームシアター再生の理想を追求したフラッグシップモデル「AVENTAGEセパレートシリーズ」として、「CX-A5200」、及び「MX-A5200」を開発しました。「CX-A5200」は、最適な音場効果をリアルタイムに創出する革新的サラウンド体験「SURROUND:AI」や最新の高性能D/Aコンバーターの搭載など、パフォーマンスと使用感覚の両面を最新の技術・デバイスによってアップデートしました。「MX-A5200」は、多彩なスピーカーアサインを可能にするチャンネルセレクターに加えて、新たにBRIDGE出力モードも装備するなど、システム構成の自由度をいっそう高めました。また、アナログとデジタルの融合で、新しい音楽スタイルを提案するネットワークターンテーブル「MusicCast VINYL 500」を開発しました。高剛性キャビネットに加え、駆動方式には高い回転安定性を実現するベルトドライブ方式を採用し、さらに剛性に優れたストレートトーンアームを採用するなど、高品位な音でレコード再生が楽しめる優れた基本性能を搭載しました。さらに、ヤマハ独自のワイヤレスネットワーク機能「MusicCast」に対応し、レコードの音を他の「MusicCast」対応機器にワイヤレスで飛ばして再生したり、アナログとデジタルの融合により、新しい音楽ライフを提案するターンテーブルです。また、「MusicCast」に対応した機器において、Amazonが提供するクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」に対応し、快適な音声操作を実現するための「MusicCastスマートホーム」スキルを開発しました。Amazonが販売するスマートスピーカー「Amazon Echo」に搭載された音声サービス「Alexa」を使用し、「MusicCast」対応機器の音声操作を実現するためのインターフェースです。電源のオン/オフ、音量調整などの基本動作を、シンプルかつ直感的な言葉で「Alexa」に対し話しかけるだけで「MusicCast」対応機器を操作することが可能になります。なお、プレミアムブックシェルフスピーカー「NS-5000」、ワイヤレスストリーミングプリアンプ「WXC-50」が、ドイツのデザイン賞「German Design Award 2019」を受賞し、ともに優秀な作品に贈られる「Winner」に選出されました。
業務用音響機器関連では、スピーカーシステム「VXLシリーズ」を開発しました。「VXLシリーズ」は、会議室やホテルの宴会場などにおいて、明瞭な拡声・音楽再生を実現するラインアレイ形式のスピーカーです。ドライバーにネオジム磁石を贅沢に使用した3.75cmフルレンジユニットを採用し、幅54mmのスリムな形状を実現することで、音声明瞭度が求められながらも設置スペースに制限の多い、オフィス内の会議室やプレゼンテーションルーム、ホテルの宴会場などへ導入しやすくなっています。また、高度な信号処理能力と大出力アンプを、コンパクトなサイズで実現したNEXO社のパワードデジタルTDコントローラー「NXAMPmk2」を開発しました。音声信号の入出力部は、32bit/96kHz対応のA/D・D/Aコンバーターを採用し、幅広い帯域で高品位なサウンドを実現しています。プロセッシング部には、高い信号処理能力を持ったDSPを搭載し、NEXO社スピーカー全モデルに対応するとともに、アンプ出力の電圧・電流などを監視し、システム全体を安全に駆動しながらスピーカーの能力を最大限まで引き出します。さらに、パワーアンプ部は、最新のClass Dアンプを採用し、2U(高さ8.8センチ)とコンパクトな筐体サイズでありながら、高い出力が可能です。また、プロの音楽制作環境にも対応する音質と機能を備えたフラッグシップモデル、スタインバーグオーディオインターフェース「AXR4T」を開発しました。最大32bit/384kHz録音再生可能なA/D・D/Aコンバーターや4基のフロントハイブリットマイクプリアンプ、レイテンシーフリーのシステムを構築する28×24マトリクスミキサーを搭載しています。また、使いやすさを重視し、クリエイティブで快適な音楽制作環境を実現したスタインバーグソフトウェア「Cubase 10」を開発しました。1989年に「Cubase」を発売して以来スタインバーグ社が培ってきた技術を集結し、より強力なDAWソフトウェアとして進化しました。本製品では、ワークフローの改善、エフェクトの追加、プラグインの再設計、ユーザビリティの向上などを実現しています。
情報通信機器関連では、DanteネットワークとPoEシステムをサポートしたL2スイッチ「SWR2311P-10G」を開発しました。Audinate社が開発し世界的に活用されているデジタルオーディオネットワーク規格「Dante」に対応し、設定・監視・管理・運用を簡単に行え、より安定したネットワークの構築を実現します。また、時間や場所にとらわれない快適な遠隔コミュニケーションをポータブルサイズで実現するユニファイドコミュニケーションスピーカーフォン「YVC-200」を開発しました。マイク、スピーカーに加え音声信号処理を内蔵し、遠隔会議が利用可能なパソコンやスマートフォン、タブレットに接続するだけで、すぐに打ち合わせたいタイミングからアイディアを生み出すためのディスカッションまで、まるで同僚とオフィスで会話しているようなクリアで快適な会話を実現します。
音響機器事業の研究開発費は11,127百万円であります。
3 その他の事業
電子デバイス事業関連では、ロシアや欧州で義務化された緊急通報システムの自動車への搭載に対応した車載通話モジュールを開発しました。これまで培ってきた信号処理技術を活用する事で、緊急時に求められるクリアな通話品質を実現しています。
ゴルフ事業関連では、ボール初速のアップによる、さらなる飛びに加え、やさしさも追求した「inpres UD+2(インプレス・ユーディープラスツー)」シリーズの2019年モデルを開発しました。「inpres UD+2 ドライバー」「inpres UD+2 フェアウェイウッド/ユーティリティ」では、フェースをシャフト軸から遠ざけてヘッドターンのエネルギーがより大きく伝わるようにした「ヘッドターンエネルギー構造」を新たに取り入れることでボール初速がアップしました。更に、シャフト先端部におもりを配置し、インパクト時の無駄な動きを抑える「チップウェイトテクノロジー」を「inpres UD+2 アイアン」を含むすべてのクラブでシリーズ採用したことで、ボール初速だけでなく最適な打ち出し角度・スピン量も実現し、飛びにさらなる磨きをかけています。
その他の事業の研究開発費は4,384百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は2,638件であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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