シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G4H9

有価証券報告書抜粋 タカラバイオ株式会社 事業の内容 (2019年3月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当企業集団は、当社の親会社、当社および当社の関係会社(子会社)9社(以下、当社を含めて「当社グループ」という。)で構成され、バイオ産業支援事業および遺伝子医療事業の両事業を展開しております。当社グループの事業内容と当該事業における各社の位置づけは次のとおりであります。
なお、この2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)現在の事業内容
① バイオ産業支援事業
当社グループは、バイオテクノロジーを利用して研究、製品開発、検査事業等を行う大学、公的研究機関や企業の研究部門、検査会社を主な顧客としております。このような顧客に対し、当社グループの製品・商品およびサービスや技術資料集等を印刷物として配布、もしくは自社ホームページに掲載する等の販促活動を行い、販売代理店経由または顧客に対して直接、製品・商品およびサービスを提供しております。
1)バイオテクノロジーの研究開発および産業利用の状況
バイオテクノロジーとは、医療、農業、環境、資源・エネルギー等の分野で、生物が持つ能力や性質を有効に活用するテクノロジーを指します。1970年代に遺伝子組換え技術が開発され、近代バイオテクノロジーの利用が始まりました。その後も、ゲノムや幹細胞等の分野で相次いで技術革新が進み、世界的にバイオテクノロジーを活用した基礎・応用研究や製品開発が積極的に行われ、その領域は拡大し続けております。
2)当社グループの事業領域について
当社グループは、遺伝子工学技術および細胞工学技術を基盤技術として、大学、公的研究機関や企業の研究部門の基礎研究を支援する研究支援分野から、企業等の産業活動を支援する産業支援分野まで幅広い製品・商品やサービスの展開に注力しております。
バイオテクノロジーの研究開発は、遺伝子や細胞レベルで生命現象を解明することが基本となります。当社グループは、遺伝子や細胞を解析するためのテクノロジーとして、PCR/リアルタイムPCR、クローニング、遺伝子/タンパク質発現、ベクターシステム、次世代シーケンス、ゲノム編集、幹細胞等の遺伝子工学および細胞工学技術を培ってまいりました。これらの技術を基盤とし、分子生物学分野におけるDNA/RNA解析製品、酵素等のバルク/カスタム製造、遺伝子研究受託から、細胞生物学分野における幹細胞(ES/iPS細胞等)関連製品、シングルセル解析へと製品・商品およびサービスを拡大させております。さらに、研究支援分野から産業支援分野へ事業領域を拡大させるべく、GCTP(注)に準拠した再生医療等製品等の製造受託や研究開発パートナーとしての受託サービス等を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)事業を展開しております。CDMO事業では、遺伝子治療や細胞医療の臨床開発で培った技術・ノウハウを活用し、遺伝子・細胞プロセッシングセンターを中核拠点として、GCTP/GMP(注)ベクター製造受託、細胞加工、セルバンク作製・保管、細胞製造プロセス開発、GMP(注)グレードタンパク質・酵素の製造・販売等を行っております。
(注)GCTP(Good Gene, Cellular and Tissue-based Products Manufacturing Practice)は再生医療等製品の製造管理および品質管理の基準、GMP(Good Manufacturing Practice)は医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準を指しております。

0101010_001.png

3)研究用試薬
バイオテクノロジーを利用する研究では、その目的や段階、また対象物質に応じて多くの種類の研究用試薬が必要であります。当社は、1979年に国産初の制限酵素を発売以来、遺伝子工学研究用試薬の主要メーカーとして、遺伝子工学の発展に即応した新技術や新製品の開発を進めております。研究用試薬の製造は、主に中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司で行い、特殊な技術や施設が必要な製品の製造は、国内で行う体制を整えております。
当社は、2005年9月に米国のClontech Laboratories, Inc.(現Takara Bio USA, Inc.)を買収いたしましたが、これにより当社グループの研究用試薬の製品ラインナップに、細胞分子生物学分野を中心としたClontech®製品群が加わりました。また、2014年8月にスウェーデンのCellectis AB(現Takara Bio Europe AB)を買収し、幹細胞分野を中心としたCellartis®製品群が加わりました。
さらに、2017年1月には、米国Rubicon Genomics,Inc.を買収し(その後、Takara Bio USA, Inc.に吸収合併)、超微量核酸サンプル解析領域の製品群の品揃えを強化いたしました。これらに加えて、欧米メーカーの商品の輸入販売等により、バイオテクノロジー全般にその領域を広げるために取り扱い品目の充実に努めております。
4)理化学機器
理化学機器の販売についてもバイオテクノロジーに関する知識が必要であり、機器の消耗品としての研究用試薬と合わせ、システムとして開発・販売されることも多く、当社グループにとってもシナジー効果が得られる領域であります。
当社グループのこの領域における事業は、1988年にPCR法に必須であるサーマルサイクラーと呼ばれる遺伝子増幅装置の米国からの輸入販売を開始したことに始まります。その後、高分子生体構成物質を測定することができる質量分析装置等取り扱い品目を増やしてまいりました。さらに、当社独自の実験ノウハウを搭載したPCR装置やリアルタイムPCR装置を開発し、機器メーカーよりOEM供給を受け販売する等事業拡大に努めております。
さらに、2017年には、シングルセル(1細胞)解析分野で独自技術を持つ、米国WaferGen Bio-systems, Inc. (その後、Takara Bio USA, Inc.に吸収合併)を買収し、理化学機器の製造・販売力を強化しております。
5)受託サービス
a)遺伝子研究受託サービス
当社は、実験や研究開発ならびに製造そのものを契約ベースで大学、公的研究機関や企業の研究部門から有料で請け負う事業を行っております。この事業では、当社独自の研究開発能力・ノウハウがセールスポイントであり、単なる遺伝子の配列解析サービスにとどまらず、次世代シーケンス解析や遺伝子の機能解析サービス等を行っております。
b)遺伝子検査受託サービス
当社は、基礎研究支援で培ってきた遺伝子解析技術を応用し、先端的な遺伝子検査サービスを提供しております。この事業では、信頼性保証体制のもと、製薬企業等が、薬事申請等に使用するための各種塩基配列解析や医療機関の依頼によりがん患者の検体のゲノム検査等を行っております。
c)再生医療等製品関連受託サービス
当社は、遺伝子治療や細胞医療の臨床開発で培った技術・ノウハウを活用し、遺伝子・細胞プロセッシングセンターを中核拠点として、大学、公的研究機関や企業の研究部門に対して再生医療等製品関連の受託サービスを行う設備・体制を確立しております。この事業では、遺伝子導入用ベクターや再生医療に利用される細胞等のGCTP/GMPに準拠した受託製造や製造プロセス開発、品質管理試験法の開発、試験製造、バイオアッセイサービスを行っております。
6)その他
当研究事業において当社が保有しております特許やノウハウのライセンスアウト(技術導出)を進めております。

② 遺伝子医療事業
当社は、研究用試薬等の開発において培ったコアテクノロジーである遺伝子工学技術や細胞工学技術の応用分野として、がん等を対象とする遺伝子治療等の先端医療技術の開発に注力し、商業化を目指しております。
1)遺伝子治療の現状について
従来、医薬品は化学合成により製造される低分子化合物が中心でしたが、近年になりバイオテクノロジーが発展すると、抗体や組換えタンパク質等を主成分とするバイオ医薬品が出現するようになりました。さらに、幹細胞やウイルスベクター等のあらたな技術の発展により、細胞や遺伝子を薬とする再生医療や遺伝子治療等が新しい治療手段として、注目を集めております。
遺伝子治療とは、生まれつき欠いている遺伝子や病気を治すために役立つ遺伝子、あるいはこれらの遺伝子を組み込んだ細胞をヒトの体に投与することにより疾患を治療する方法であります。また、近年では腫瘍溶解性ウイルスによる治療も遺伝子治療に含まれると解釈されています。遺伝子治療は、1990年に米国でアデノシンデアミナーゼ欠損症の患者に対して、世界で最初に実施されました。その後、様々な技術開発があり、2012年に希少疾患の一つであるリポタンパクリパーゼ欠損症治療薬が海外で初めて上市し、その後も上市が相次いでいます。2017年には、CD19・CAR遺伝子治療薬が一部の白血病を対象として米国で承認され、高い治療奏効率が注目されています。
我が国では、法令を整備し「再生医療等安全確保法」、「医薬品医療機器等法」(2014年11月施行)遺伝子治療を含む再生医療の実用化を促進する各種施策を実施しております。また、海外においても同様の施策が実施され、大手製薬企業、バイテックベンチャー等による競争が激しくなっております。
2)臨床開発プロジェクト
当社は、Oncolytic Virus(腫瘍溶解性ウイルス)およびEngineered T cell Therapy(遺伝子改変T細胞療法)等の遺伝子治療の臨床開発を進め、商業化を目指しております。
a)腫瘍溶解性ウイルス
腫瘍溶解性ウイルス canerpaturev(略称C-REV、旧称HF10)は、単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株であり、正常細胞ではほとんど増殖いたしませんが、がん細胞に感染すると増殖し、がん細胞を死滅させることが示されております。当社では、この性質を利用し、C-ERVをがん治療薬として国内外で臨床開発を進めております。
b)遺伝子改変T細胞療法
遺伝子改変T細胞療法は、免疫細胞の一種であるT細胞が、がん細胞を認識・攻撃する、がん免疫の性質を利用します。治療薬となる遺伝子改変T細胞は、採血により取得した患者のT細胞に体外で遺伝子を導入し、拡大培養を行う事により作製します。患者に投与した遺伝子改変T細胞は、ターゲットとするがん細胞を選択的に認識・攻撃します。当社では、遺伝子改変T細胞療法として、siTCR®遺伝子治療薬およびCAR遺伝子治療薬の臨床開発を進めております。

(2)当社グループ各社の位置づけ
① バイオ産業支援事業
当社は、研究用試薬や理化学機器等の製造・販売や受託サービスを行っております。中国において、宝生物工程(大連)有限公司が研究用試薬の開発・製造や受託サービスを行い、宝日医生物技術(北京)有限公司が研究用試薬や理化学機器の販売を行っております。ヨーロッパにおいて、Takara Bio Europe S.A.S.が研究用試薬や理化学機器の販売を行い、Takara Bio Europe ABが研究用試薬の製造・販売や受託サービスを行っております。Takara Korea Biomedical Inc.は、韓国において研究用試薬や理化学機器の販売を行っております。Takara Bio USA, Inc.は、米国で研究用試薬や理化学機器の開発を行い、全世界に販売しております。DSS Takara Bio India Private Limitedは、インドにおいて研究用試薬の製造・販売を行っております。
② 遺伝子医療事業
当社は、日本および米国等において、がん等を対象とした遺伝子治療の臨床試験を実施しており、その商業化を目指しております。
(3)事業の系統図
以上の企業集団の状況について、当社および主要な子会社等との関係を事業系統図で示せば以下のとおりであります。
0101010_002.png


また、宝ホールディングス株式会社(東証一部)は、2019年3月31日現在、当社議決権の60.92%を所有する親会社であります。当社と、宝ホールディングス株式会社および同社のグループ会社(同社の子会社および関連会社)との間には取引があります。宝ホールディングス㈱グループにおける当社の位置づけおよび同グループ内の会社と当社との主な取引の内容は、以下のとおりであります。
1)宝ホールディングス㈱グループにおける当社の位置づけ
宝ホールディングス㈱グループは、純粋持株会社である宝ホールディングス株式会社および同社の関係会社62社(子会社60社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)9社とともにバイオ事業を推進しております。
2)宝ホールディングス㈱グループとの取引について
宝ホールディングス㈱グループとは、主に営業拠点に関する不動産賃貸借取引、商標権使用に関する取引およびコンピュータ関係業務の委託等に関する取引があります、詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (5)当社の親会社について」に記載しております。


沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02474] S100G4H9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。