有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FZAP
岩谷産業株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当連結会計年度の研究開発は、前年度に引き続き水素エネルギー社会の推進、再生可能エネルギー事業の拡大に向けて最先端の水素技術の確立に注力するとともに、「ガス&エネルギー」を基軸におきながら、当社の基幹事業であるエネルギー、産業ガスからマテリアル、自然産業まで幅広く活動しました。
研究開発活動の中心となる中央研究所(兵庫県尼崎市)は、既存の水素試験研究設備を更新するとともに、新たに水素適合性材料評価を行う設備を導入し、独自研究と幅広い製品評価を通じて水素のパイオニアとしての地位の確立に努めました。また、当社の技術・商品開発のコントロールタワーとして、幅広く新技術開発・新商品開発を目に見える形に具現化することにより着実に成果に結びつけることに注力しました。さらに、「技術のイワタニ」としての信用を構築するにあたり、基盤技術を強化し営業部門との連携を通じて技術支援やユーザーニーズへの対応力の向上に取り組みました。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は2,428百万円となっております。なお、そのうち主なものは当社の2,293百万円であります。
主な研究開発内容は水素関連のもので、その金額は779百万円です。その他の研究開発費用をセグメント別に分けると、総合エネルギー事業203百万円、産業ガス・機械事業15百万円、マテリアル事業113百万円、自然産業事業14百万円、その他1,301百万円となっております。その他セグメントが多いのは研究開発拠点である当社中央研究所の共有費用が含まれるためです。
なお、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(水素関連)
水素エネルギー関連の研究開発は、経済産業省が設置した水素・燃料電池戦略協議会で策定された水素・燃料電池戦略ロードマップ及び水素基本戦略に基づき、水素エネルギーの利用拡大に繋がる水素ステーションの整備並びに水素サプライチェーンの構築に重点を置き推進しました。具体的には、大阪国際空港(伊丹空港)の隣接地等新たに5箇所の水素ステーションの整備に着手しました。水素発電が導入され将来の水素大量消費社会を迎えるにあたり、水素サプライチェーンの構築に向けた技術の確立を目的に、経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)等の各種研究補助事業(国プロ等)や委託研究に取り組みました。また、9月に開催された福井国体の開会式では、水素ガスを燃焼し炬火を灯す世界初の取り組みに成功しました。水素の炎は目に見えないため、ナトリウムによる炎色反応により黄色の炎を演出しました。
主な研究開発案件は、①水素ステーションの建設コスト削減と保安技術の強化に繋がる水素試験研究設備の導入、②水素ステーションにおける水素計量技術や水素ガス品質管理技術に関する研究開発、③日豪褐炭水素プロジェクトにおける液化水素大規模海上輸送サプライチェーン構築に向けた要素技術の研究、④再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素エネルギーシステムの開発における水素の輸送・貯蔵・供給システムの構築、⑤純水素型燃料電池コ・ジェネレーションシステム向けの水素導管供給技術の開発等となります。
(総合エネルギー事業)
当社主力のコンシューマープロダクツであるカセットガスの拡販につながる商品開発に注力しています。具体的には、LPGの燃焼・伝熱技術を活用し熱電発電モジュールと組み合わせたモバイル・バッテリーや固体酸化物形燃料電池(SOFC)を搭載したポータブル発電機等の商品開発を進めています。
(産業ガス・機械事業)
新規事業開発の取り組みとして、6月に国内初となる重水素ガスの商業生産及び販売を開始しました。各種ガスのアプリケーション開発として、オゾン濃縮技術を応用し当社が開発した「オゾンブースター」を搭載した半導体製造装置が、米国大手半導体デバイスメーカーに導入されました。また、半導体製造装置のクリーニングガスとして広く利用されている三フッ化塩素ガスについても、大学との共同研究により、半導体や微小電気機械システム(MEMS)の高精度な微細加工技術を開発し大手半導体メーカーに提案しています。
溶接技術関連では、当社が開発した窒素と水素の混合ガスから成るアルミナ溶射用新アシストガスを用いた溶射試験を継続し新規商材の開発に取り組みました。
(マテリアル事業)
パーム椰子殻(PKS)のバイオマス燃料の取扱い時の課題として取り上げられた異臭問題に対して、消石灰処理を施すことにより有機酸を低減し消臭効果があることを確認しました。今後、実用化を図り消臭技術を確立することにより、バイオマス燃料事業の拡大に繋げます。
(自然産業事業)
スギ、ヒノキ等の針葉樹の苗木栽培にファインバブル水を用いると育苗速度が向上することを確認しました。今後、フィールドテストを通じて育苗メカニズムの解明を進めるとともに、品質及び生産性の向上に対する明確な有効性を立証します。また、樹種をカエデやモミジ等の広葉樹にも拡げ、ファインバブル水の有効性を検証します。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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