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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IT5R (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ビーアールホールディングス 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度における研究開発費総額は51百万円であり、全額が建設事業に係るものであります。なお、主な内容は次のとおりであります。

(1)亜硝酸リチウムを活用したコンクリート構造物の長寿命化技術
我が国の社会資本を支えるコンクリート構造物は老朽化の一途を辿っており、それらを長寿命化する技術が不可欠であると言えます。特に、塩害や中性化による鉄筋腐食やASRによるコンクリートの異常膨張など、深刻なコンクリート構造物の劣化に対する効果的な補修技術の開発が急務とされてきました。そのような社会状況の中、当グループは「亜硝酸リチウム」という材料の性質に一早く着目し、亜硝酸リチウムによる鉄筋防錆効果およびASR膨張抑制効果に関する研究を、京都大学をはじめ多数の大学との共同研究として推進し、「ASRリチウム工法」および「リハビリカプセル工法」というコンクリート補修技術を開発、実用化しました。
「ASRリチウム工法」は、ASRにより劣化したコンクリート構造物全体に亜硝酸リチウムを内部圧入する工法であり、これまで不可能とされてASRの劣化進行を根本的に抑制することができます。現時点でASRリチウム工法に対抗し得る類似工法は実用化されておらず、今後もこの分野で高いシェアを維持できると考えます。
「リハビリカプセル工法」は、塩害や中性化により劣化したコンクリート内部の鉄筋付近に亜硝酸リチウムを内部圧入する技術であり、コンクリート中の鉄筋をはつり出すことなく確実に鉄筋防錆処理することができます。これまで塩害補修の決め手は電気防食工法と言われてきましたが、本工法を使えば電気防食工法より安価に補修することが可能となり、採用件数が増加傾向にあります。近年では港湾分野での大規模補修工事、NEXCOや阪神高速道路での大規模更新事業にも採用され、さらなる販路拡大が期待されています。
(2)既設構造物の内部補強技術
我が国の社会インフラは、高度経済成長期に大量に建設されたことから、供用年数が一般的な耐用年数の50年を超過し、老朽化した構造物が今後益々増加することが見込まれています。また建設から年数が過ぎ、その間のニーズの変化によって更新の必要に迫られた構造物や、昨今の地震被害を踏まえて見直された新しい耐震規準に適合しない構造物も数多く存在します。しかし、それら既存の構造物を新たに構築するには多額の費用を必要とするため、今ある構造物を使いながら補強や改築をすることができる技術に対する需要が高まっています。
そこで当グループは、得意分野であるプレストレストコンクリート技術のノウハウを応用して、既存構造物の部材内部に固定配置した緊張材にプレストレスを与えて補強する「K-PREX工法」を開発し実用化しました。本工法は、一般的なコンクリート補強工法とは異なり、補強部材外周に補強材を設置する必要がないことから、施工条件の厳しい既存構造物の補強ニーズに応えることができます。近年では、橋梁下部工の補強工事にも採用され、さらなる発展が期待されています。今後は、適用緊張材のラインナップ充実により用途の拡大を図るとともに、公的技術認定の取得に向けた取組みを推進し、さらなる販路拡大を目指します。
(3)継手部の配筋を省いた新しいプレキャスト床版継手技術
近年、社会インフラの老朽化に伴い、高速道路橋の鉄筋コンクリート床版をプレキャストプレストレストコンクリート床版へ取り替える事業(大規模更新事業)が本格化しています。この事業においては、供用中の道路の交通規制を伴うことから、急速施工が求められます。
このような社会ニーズに対応するため、当グループでは、日鉄エンジニアリング社との共同開発により、更新工事(既設橋梁の床版取替)における交通規制期間の短縮や施工の合理化・省力化が図れるプレキャスト床版の接合工法「ELSS Joint」を実用化しました。「ELSS Joint」は、従来のような鉄筋を用いた継手工法とは異なり、プレキャスト床版間に低剛性の専用材料を充てんするだけで床版相互を半剛接合するという画期的な工法であり、従来工法と比較して、労働生産性は14%程度向上し、交通規制期間を1 割以上短縮することが可能となります。今後、高速道路の大規模更新事業での採用に向けた取組みを推進し、販路拡大を目指します。
(4)産業副産物を活用したPC桁製造時の環境負荷低減技術
石炭火力発電所から排出される産業副産物であるフライアッシュは、セメント原料、コンクリート製品、土工材等に利用されていますが、その利用量は決して多くはなく、環境負荷低減のためにさらなる有効利用が望まれています。一方、フライアッシュを混和したコンクリートは、コンクリートが緻密になり耐久性が向上することはよく知られています。
このような環境負荷低減や構造物の高耐久化といった社会的要請に応えるため、当グループの江津工場の近隣にある中国電力三隅発電所から排出されるフライアッシュをセメントの部分代替品として活用したプレストレストコンクリート桁(PC桁)の実用化し、実橋に採用されました。このような活動に加え、製鉄所で銑鉄を製造する際に排出される高炉スラグをコンクリートの細骨材(砂)の代替材料として利用する研究にも着手しており、産業副産物の有効活用技術のさらなる高度化を目指します。

(5)建設工事における生産性向上技術
建設業では、他の産業に比べて技能者の高齢化が急速に進行しており、将来的に社会資本を維持するために必要な担い手の確保や生産性の向上が喫緊の課題となっています。このような現状に対応するため、ICT(情報通信技術)や規格の標準化等で建設現場のプロセスの最適化を図る活動「i-Construction」(アイ・コンストラクション)が国土交通省で推進される等、官民をあげた取組みが活発になっており、当グループにおいても、建設工事の省力化やプレキャスト製品の合理化といった生産性向上に資する技術導入や新規開発を進めています。
その一例として、コンピュータ上で作成した橋梁の三次元モデルを施工計画・施工管理に利用するCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)と呼ばれる情報管理技術、コンクリート工事におけるGPS(全地球測位システム)方式の生コン運搬管理システムや無線LANを活用したプレストレス導入管理システムおよびモバイル方式の自動計測・通信システム等、様々な建設ICTを橋梁工事に導入し、施工管理業務の高度化・省力化を進めています。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00312] S100IT5R)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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