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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G8IC

有価証券報告書抜粋 東急建設株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

セグメントごとの研究開発は次のとおりであります。なお、「建設事業(建築)」及び「建設事業(土木)」の研究開発費は、建設事業共通でかかる費用のため、「建設事業」として記載しております。

[建設事業]
研究開発活動については、社会課題の把握と抽出を行い、SDGs(持続可能な開発目標)において当社が優先して取り組む重要な社会課題のうち、安全で安心・快適なまちづくりへの貢献、技術革新による生産プロセスの効率性向上、施工品質向上技術、省資源・省エネルギーの推進に基づく環境技術等受注確保につながる技術を開発し、実用化を目指しております。当連結会計年度においては、以下の技術分野に関して、研究開発を進めました。

1.安心安全 ・維持管理技術・災害対策技術(地震、洪水等)・施工自動化システム
2.生産性向上 ・建築構造・省力化技術・通信技術・土壌浄化促進技術・検査支援システム
・ICTロボット技術・シミュレーション技術
3.環境負荷低減 ・資源再利用・ZEB(Zero Energy Building)・グリーンインフラ
・木造建築多様化技術

更に、大学、公共研究機関及び関連企業との共同研究をはじめとする社外連携を進め、競争的資金の活用等により研究開発の効率を高めております。特に、東京都市大学とは産学連携に関する包括契約を締結しており、2018年度は12テーマの共同研究を実施しました。
当連結会計年度における研究開発費は、1,084百万円であります。

主な研究開発成果は次のとおりであります。

(1)ZEB提案モデルとしての技術研究所ゼロ・エネルギー・ビル化改修完成
築25年を経過した自社技術研究所をZEB(Zero Energy Building)化する改修工事が2018年5月に完成しました。「外部熱負荷の徹底低減」「独自のトリプルハイブリット熱源」「先進的な水素利用」を技術的テーマとし、国内トップレベルの73%のエネルギー削減を実現し、2017年度にはBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)において「ZEB Ready」の認証を取得しました。導入した二酸化炭素を排出しない自立型水素エネルギー供給システムは、民間事業としては国内初の取り組みで、太陽光発電と組み合わせた画期的なシステムであります。また、空調や照明を改良することで、省エネと同時に、オフィス空間の快適性と働く人の業務の効率性の向上も目指しています。今後は、運用データを順次蓄積し運用での改善を行い、ZEB技術の提案に活用していきます。

(2)グリーンインフラ実証施設の設置
当社は、自然環境が有する機能を活用して、防災・減災、生物多様性の保全等、持続可能な地域づくりを推進するグリーンインフラの実証施設を技術研究所敷地内に設置しました。
本施設は約120㎡(9.5m×12.5m)の敷地に、雨水の貯留槽・浸透促進設備と、貯留水循環型ビオトープを構築し、雨水を「貯める」「使う」「自然に還す」、生き物が「棲む」「育つ」をキーワードに、ホタルが生息できる水辺を創出しながら、グリーンインフラによる環境保全と防災・減災効果について実証を行います。
本施設では都市型集中豪雨対策(雨水流出抑制)と、環境保全技術開発(雨水の有効活用と自然に還す循環促進、動植物生育環境の創出)を主眼としており、収集したデータをもとに段階的に改良を加え、環境意識の高まりから今後さらなる活用が期待されているグリーンインフラの要素技術の高度化を進めてまいります。


(3)規格流通木材を利用し低コスト・短工期で木造中空間を創出する「連続斜め梁構法」を確立
当社は、ナイス㈱との共同研究により、木造建築において、6mの規格流通材を利用し8.19mスパンの木造中空間を創出する構法の実証に成功しました。
当社が培ったゼネコンとしての総合的知見と、ナイス㈱の木材流通企業としての専門的知見により、高価格・長納期の特注材を用いず、材料調達のしやすい規格流通材による木造中空間創出構法「連続斜め梁構法」を確立しました。本構法は、一般社団法人日本木造住宅産業協会が公表している提案(木造軸組工法による大スパン架構の提案(2012年5月))を実証したものです。この成果により、中大規模木造建築領域において優れたコストパフォーマンスと材料調達納期短縮を実現することが可能となります。

(4)地震波加振実験による「高減衰制震構造システム」の性能実証
当社と東京都市大学は、油圧ダンパーと積層ゴム支承を組み合わせた「高減衰制震構造システム」について、2018年8月、実在建物の約4分の1スケールモデルを用いた振動台公開実験を行い、従来のパッシブ型制震構造を大きく上回る性能があることを実証しました。
本構造システムの基礎技術である東京都市大学西村教授の発明による「部分免震構造」は、これまで小型振動台実験によってその減衰性能が学術的に評価されていましたが、今回、当社技術研究所の大型振動台において、過去の代表的な被害地震3種類の地震波加振実験を行った結果、実在建物の合理的な構造システムとして、実用化できる性能が確認されました。

(5)「繊維植込みシートを用いたタイル張付けモルタルの剥落防止工法」の建築技術性能証明取得
当社、㈱淺沼組、㈱鴻池組、佐藤工業㈱、西武建設㈱、大末建設㈱、東亜建設工業㈱、東洋建設㈱、㈱松村組の建設9社は、タイル剥落防止工法「繊維植込みシートを用いたタイル張付けモルタルの剥落防止工法」の建築技術性能証明を2018年8月に共同で取得しました。
本工法は、コンクリート躯体表面に植え込まれた繊維が、タイル張付けモルタル層あるいは不陸調整材の層と絡み合った状態に形成されることで、境界面に剥離が生じてもタイルを含む張付け材料の自重に対して容易には剥落しない状態が構築できます。

(6)人通孔等の大開孔設置時でも梁の高さを抑える基礎梁補強工法「(仮称)RECT-HOLE」の構造性能
評価を取得
当社は、人通孔等の大開孔を有する鉄筋コンクリート造基礎梁の強度を保ちながら、梁せい(高さ)を抑える工法「(仮称)RECT-HOLE」を開発し、日本ERI㈱の構造性能評価を取得しました。これまで当社施工の6物件に本工法を適用しその成果を実証しました。
鉄筋コンクリート造の基礎梁に設備点検用の人通孔を設置する場合、構造規定で基礎梁のせいを開孔径の3倍以上とすることが求められていますが、本構法は、開孔周囲を補強し、構造上必要とされる所定の耐力、変形性能を確保しながら、基礎梁のせいを開孔径の2倍にまで低減可能な基礎梁補強工法で、これにより、基礎部の掘削土量だけでなくコンクリートや型枠等の数量が低減でき、コスト削減、工期短縮を実現しました。

(7)「地盤改良リアルタイム施工管理システム」の開発
当社と㈱テノックスは、深層混合処理工法による地盤改良工事を対象に施工位置と施工機械の攪拌混合回数や固化材添加量等の施工情報をリアルタイムに一元管理できるシステムを共同開発し、当社施工現場に導入しました。
この「地盤改良リアルタイム施工管理システム」は、施工の元請会社が主体的に管理する施工位置情報と地盤改良の専門工事会社が主体的に管理する施工情報をリアルタイムに連携することで、工事進捗や施工状況をどこでも複眼的に把握することが可能となり、早期の問題発見や迅速な対応を実現します。また、施工位置の誘導作業や帳票整理等の作業を大幅に削減できるため、施工現場の働き方改革にも貢献します。


(8)あらゆる方向に移動可能な「PC桁運搬台車」の開発
当社は、独自技術(特許「重負荷車輪の構造」)である硬質ゴムタイヤを装着した重量物運搬台車に、アウトリガーと横移動フレームを加え、直線だけでなくカーブや横方向等あらゆる方向に移動ができる「PC桁運搬台車」を開発しました。これにより、PC桁による高架化工事で、家屋が密集し借地可能な用地が限られている狭あいな敷地において、最大27tのPC桁セグメントを所定の位置に運搬することを可能としました。

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

[不動産事業等]
研究開発活動は、特段行われておりません。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00316] S100G8IC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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