有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IBKN (EDINETへの外部リンク)
株式会社すかいらーくホールディングス 事業等のリスク (2019年12月期)
当社グループの事業内容、経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として以下のものがあります。
なお、下記の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。下記事項は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
(1)経済状況の変化
当社グループは日本国内におけるレストラン事業を中心としているため、日本国内の景気の変動や、政府の経済政策の影響により、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。特に、日本における消費税の増税等に起因する個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費の上昇は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国内市場環境の変化及び他社との競合
1997年には約29兆702億円であった日本の外食産業の市場規模は、2011年には約22兆8,282億円にまで縮小しましたが、その後増加基調となり2018年には約25兆7,692億円となりました(出典:日本フードサービス協会「外食市場規模推計」)。今後も少子高齢化の影響等により、大幅な成長を見込むことは難しい状況と認識しております。当社グループは、外食市場において、レストラン・居酒屋チェーンを展開する企業やファストフードチェーンを展開する企業に加え、個人又は家族経営などの飲食店とも競合しており、更に中食・内食市場において惣菜や弁当等を販売するコンビニエンスストアやスーパーマーケットを展開する企業とも競合する可能性があります。これらの当社グループの競合他社は、食品の価格、味や品質、メニューの豊富さ、店舗の立地、施設の魅力、雰囲気や居心地のよさ、スタッフの熟練度、レストランのブランドに対する社会的な評価、ポイントカード等の特典、軽減税率の適用等の税務上の取り扱い等において、当社グループより高い競争力を有する可能性があり、当社グループがこれらの競合他社に対して優位に立てない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本では、現在のところ、レストランチェーンを展開する企業のレストラン店舗数が国内のレストラン店舗数全体に占める割合は、ファストフードやコーヒーショップのチェーンを展開する企業の店舗数が全体の店舗数に占める割合と比較して相対的に低く、当社グループを含むレストランチェーンが更に成長する余地があると認識しておりますが、国内においてレストランチェーンが今後も成長を続けるとの保証はありません。
(3)消費者の嗜好の変化
当社グループが展開するレストラン事業における売上は、飲食に関する消費者の嗜好や社会的な流行の影響を強く受けます。
当社グループが消費者の嗜好等を正確に把握又は予測できない場合、ブランド転換や出店予定地域の調査等の施策が功を奏さない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループのレストラン事業における主力ブランドであるガストは、当社グループにおいて最大の店舗数を有しており、当社グループの売上及び利益でも大きな比率を占めているため、ガストのメニュー・価格帯・サービス等のコンセプトが顧客からの支持を得られない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)食品事故の発生
当社グループの中心事業であるレストラン事業においては、食品の安全性確保が極めて重要です。
食品事故を防ぐために、当社グループでは「すかいらーくグループ品質憲章」を掲げ、HACCPの考え方に基づき、食材の調達から、セントラルキッチンでの製造、店舗への流通、店舗での調理・提供に至るまでに予見されるリスクに対して検証を行い、安全・安心のための厳格な衛生管理ルールを策定し運用しています。例えば、セントラルキッチンで製造する製品は、加工条件が妥当であるかの検証を行い導入し、製造中は重要管理点をモニタリングし、基準に逸脱がないことを確認できた商品のみを出荷しています。また、食材の調達においては厳格な取引基準を設けそれに適合したお取引先からのみ仕入れています。セントラルキッチン、店舗においては、100秒間の手洗いルールと従業員の体調管理を徹底しております。これらのルール遵守の監視体制として、年間12万検体以上の細菌検査により食材の安全性の検証をしている他、工場から店舗のすべての工程について、専管組織である品質管理グループが抜き打ちでモニタリングをしています。食品事故の発生を防ぐためのこれらの施策にも関わらず、当社グループを原因とする集団食中毒など重大な食品事故が発生した場合は、お客様に多大なご迷惑をおかけするばかりか、行政処分はもとより、ブランドイメージや社会的信用の低下、売上の減少、対応費用の発生、民事訴訟の提起等が発生する可能性があります。
また、仮に、競合他社において食品事故等が発生した場合であっても、レストラン業界全体に対する評判・信用の低下や消費者の外食意欲の低下、事故の原因となった食材の在庫廃棄、入手困難に伴う価格の高騰等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(5)食材・間接材の調達困難・価格高騰
当社グループにおいては、国内外のインフレーションの進行、疫病(豚コレラ・鳥インフルエンザ等)の発生、天候不順・異常気象・自然災害・感染症の発生、エネルギーの不足、物流上の障害、政府による輸入制限処置の発動、国際的な漁獲制限、取引先の倒産又は事故・災害による供給停止、食品衛生上の問題又は放射能汚染等による出荷制限・風評被害、為替の変動、増税等により、原材料等の調達不安や価格高騰が発生した場合には、原価率の上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)労務関連
当社グループでは、正社員、嘱託社員、多くのパートタイム及びアルバイトの従業員が、店舗及びマーチャンダイジングセンター等の業務に従事しております。働き方改革に関連して2019年4月に大企業より順次導入された時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務化及び36協定特別条項の見直し、2019年4月に導入される同一労働同一賃金における均等・均衡待遇に対する整備など、有期・無期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化があります。こうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、当社グループが優秀な社員及びクルーを雇用することが極めて難しくなる可能性や当社グループの人件費が高騰する可能性があります。また、当社グループにおいて労働関連法規制の違反が発生した場合は、規制当局から当社グループの業務改善が命じられること又は従業員からの請求等により、当社グループの事業、業績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材確保等
当社グループでは、多くのパートタイム及びアルバイトの従業員が、店舗及びマーチャンダイジングセンター等での業務に従事しております。昨今、一部の外食業者においてパートタイム等の従業員を確保することができず、一部の店舗を閉鎖又は休業した事例が報道されました。当社グループではそのような事例は発生しておりませんが、賃金の上昇、求人費の増加、国内の労働力需要の増加に伴う従業員の確保困難等により採用環境が悪化した場合、当社グループが必要とする数の従業員を適切なコストで確保することができなくなり、必要な数の従業員を確保するための人件費の増加、出店計画等の見直し、一部店舗の一時営業停止等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)不動産の賃借
当社グループの本社及び多くのレストラン店舗は、土地及び建物を第三者から賃借しており、敷金や保証金を賃貸人に対して差入れている物件が大半を占めております。当社グループは、賃貸人に係る与信調査及び与信管理は行っておりますが、予期せぬ賃貸人の破産等が発生した場合は、当該敷金や保証金が回収不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが新規の店舗を出店したり、賃借する建物の老朽化等に伴い店舗を移転せざるを得なくなったり、既存店舗の賃貸借の更新を行う場合において、景気の変動等により賃料相場が上昇したり、賃貸借期間の更新等に係る交渉が不調となったりした場合には、出店先又は移転先の店舗等を確保するまでに一定の時間及び費用を要する可能性や、当社グループが当初策定したとおりのレストラン店舗の出店又は移転が困難となる可能性があるとともに、店舗等に係る賃貸借契約の内容によっては不動産の賃借に係る費用が増加する可能性があり、これらの場合においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)天候不順、感染症等
外食市場における需要は、天候不順、異常気象、災害・紛争等の発生、感染症の発生等により、消費者の外食機会及び外食意欲の減少等に伴って変動する場合があります。当社グループの業績は、天候不順、感染症等による需要の変動の影響を受ける可能性があります。
(10)経営陣への依存
当社グループの経営は、代表取締役会長兼社長の能力と貢献に相当程度依存しております。当該役員のキャリアプラン、健康状態、家庭事情その他の何らかの理由により当該役員が辞任しその代替を確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)IT(情報システム)への依存
当社グループは、食材の仕入れ、配送システム、食品加工等のレストランの運営及び業務を、情報システムに依存しております。プログラムの不具合等やコンピュータ・ウイルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに様々な障害が生じた場合には、レストランの効率的な運営や消費者に対する食品の適時の提供が阻害され、重要なデータを喪失し、又は対応費用が発生すること等により、当社グループの事業、業績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(12)財務報告に係る内部統制
当社グループでは、財務報告の信頼性に係る内部統制の構築及び運用を重要な経営課題の一つとして位置付け、グループを挙げて管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでおりますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制を構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制に本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制が有効に機能しなかった場合や、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
(13)多額の借入金及び財務制限条項への抵触
当社グループは、金融機関を貸付人とする融資契約(シンジケートローン)を締結しており、多額の借入れを行っております。
当社グループは、既存の借入れがあることから新たな借入れが制約されたり、景気の下降に脆弱であったり、自己資本比率が当社グループよりも高い競合他社と比較して競争力が劣ったりする可能性があります。
また、当社グループの借入金のうち、融資契約(シンジケートローン)に基づく借入金については、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば本契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入れについても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)減損会計の適用
当社グループは、全国の多様な立地に多様なブランドを出店しております。今後、店舗収益性が低下した場合等には、店舗資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、2019年12月31日現在、1,460億72百万円ののれんを連結財政状態計算書に計上しております。主要なブランドの内訳はガスト(755億42百万円)、ジョナサン(180億17百万円)、バーミヤン(155億83百万円)であり、事業収益性が低下した場合等は、のれんの減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なおこれらののれんについては非償却資産であります。
(15)外国為替相場の変動
当社グループは、食材の仕入先が世界各地にわたっており、現時点で外貨建で取引されている食材は全体の一部に留まっておりますが、かかる食材等のコスト及び価格は、直接的又は間接的に、為替の影響を受けます。当社グループは、現時点では為替リスクを軽減するためのヘッジは行っていないため、為替相場の変動により当社グループの事業、業績及び財政状態が悪化する可能性があります。
(16)自然災害等
当社グループは、全国に店舗やマーチャンダイジングセンター等を配置しているため、大規模な地震・風水害・津波・大雪・感染症の大流行等が発生した場合、当社グループの本社や店舗・マーチャンダイジングセンター等の建物・機械設備等が被災し、又は店舗の営業、マーチャンダイジングセンター等の稼動、原材料の物流又は従業員の出勤に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、そうした自然災害等により、ライフライン(水道、電気、ガス)の供給制限や供給停止、物流網の遮断、ガソリン等の調達難による配送・宅配業務の停止、取引先工場・倉庫等の被害、エネルギーや物資の不足、従業員の大規模な欠員等や公共交通機関の障害が発生した場合も、当社グループのレストランやマーチャンダイジングセンター等の稼動に支障をきたし又は顧客が当社グループの店舗に来店できないことにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループのレストラン及びマーチャンダイジングセンター等は、首都圏に集中しているため、首都圏において大規模な災害が発生した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)知的財産権
当社グループは、「ガスト」、「バーミヤン」、「ジョナサン」、「しゃぶ葉」等、当社グループが展開するレストランに係るロゴや、「ガスト チーズINハンバーグ」等のメニューに関する商標は、ブランドイメージやマーケティング上、非常に重要性が高いものと考えております。当社グループは、当該商標を保護するため、適切な国や地域での取得に努めていますが、一部の国・地域によっては十分な知的財産権の取得がされていない可能性があります。
また、当社グループは、自らの知的財産権を保全するため、当社グループの商標を不正に使用する第三者等に対し訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性がありますが、当社グループの商標を不正に使用する第三者等を適時に発見できない可能性や、当社が提起した訴訟等において当社の主張が十分に認められない可能性があり、これらの場合には、当社グループの事業、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
(18)インターネット等による風評被害
インターネット上において、当社グループ及びその関係者に関連し不適切な書き込みや画像等の公開によって風評被害が発生した場合、その内容の真偽にかかわらず、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの競合他社等に対する風評被害であっても、外食市場全体の社会的評価や評判が下落するものであれば、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用にも影響を及ぼす可能性があります。
(19)個人情報の漏洩
当社グループでは、モバイルアプリの運営、顧客アンケートの実施、宅配事業、テイクアウト事業、ポイントカードの利用、代金の決済等において、多くの顧客の個人情報を保持しております。当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っていますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらの個人情報が外部へ流出した場合、当社グループのブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性や、対応費用の発生等により当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20)法規制
当社グループの事業は、食品衛生法、労働基準法、食品表示法、景品表示法をはじめとする様々な法規制による制約を受けております。今後の社会情勢の変化等により、諸法令等の改正や新たな法令等の制定、法令解釈の変更や規制範囲が拡大することで事業活動が制限される可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。このリスクを避けるため、各種法令の改定に対して各主管部門が連携して関連諸法令改定等の周知徹底とその遵守に万全の態勢で臨んでいます。
なお、下記の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。下記事項は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
(1)経済状況の変化
当社グループは日本国内におけるレストラン事業を中心としているため、日本国内の景気の変動や、政府の経済政策の影響により、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。特に、日本における消費税の増税等に起因する個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費の上昇は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国内市場環境の変化及び他社との競合
1997年には約29兆702億円であった日本の外食産業の市場規模は、2011年には約22兆8,282億円にまで縮小しましたが、その後増加基調となり2018年には約25兆7,692億円となりました(出典:日本フードサービス協会「外食市場規模推計」)。今後も少子高齢化の影響等により、大幅な成長を見込むことは難しい状況と認識しております。当社グループは、外食市場において、レストラン・居酒屋チェーンを展開する企業やファストフードチェーンを展開する企業に加え、個人又は家族経営などの飲食店とも競合しており、更に中食・内食市場において惣菜や弁当等を販売するコンビニエンスストアやスーパーマーケットを展開する企業とも競合する可能性があります。これらの当社グループの競合他社は、食品の価格、味や品質、メニューの豊富さ、店舗の立地、施設の魅力、雰囲気や居心地のよさ、スタッフの熟練度、レストランのブランドに対する社会的な評価、ポイントカード等の特典、軽減税率の適用等の税務上の取り扱い等において、当社グループより高い競争力を有する可能性があり、当社グループがこれらの競合他社に対して優位に立てない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本では、現在のところ、レストランチェーンを展開する企業のレストラン店舗数が国内のレストラン店舗数全体に占める割合は、ファストフードやコーヒーショップのチェーンを展開する企業の店舗数が全体の店舗数に占める割合と比較して相対的に低く、当社グループを含むレストランチェーンが更に成長する余地があると認識しておりますが、国内においてレストランチェーンが今後も成長を続けるとの保証はありません。
(3)消費者の嗜好の変化
当社グループが展開するレストラン事業における売上は、飲食に関する消費者の嗜好や社会的な流行の影響を強く受けます。
当社グループが消費者の嗜好等を正確に把握又は予測できない場合、ブランド転換や出店予定地域の調査等の施策が功を奏さない場合等においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループのレストラン事業における主力ブランドであるガストは、当社グループにおいて最大の店舗数を有しており、当社グループの売上及び利益でも大きな比率を占めているため、ガストのメニュー・価格帯・サービス等のコンセプトが顧客からの支持を得られない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)食品事故の発生
当社グループの中心事業であるレストラン事業においては、食品の安全性確保が極めて重要です。
食品事故を防ぐために、当社グループでは「すかいらーくグループ品質憲章」を掲げ、HACCPの考え方に基づき、食材の調達から、セントラルキッチンでの製造、店舗への流通、店舗での調理・提供に至るまでに予見されるリスクに対して検証を行い、安全・安心のための厳格な衛生管理ルールを策定し運用しています。例えば、セントラルキッチンで製造する製品は、加工条件が妥当であるかの検証を行い導入し、製造中は重要管理点をモニタリングし、基準に逸脱がないことを確認できた商品のみを出荷しています。また、食材の調達においては厳格な取引基準を設けそれに適合したお取引先からのみ仕入れています。セントラルキッチン、店舗においては、100秒間の手洗いルールと従業員の体調管理を徹底しております。これらのルール遵守の監視体制として、年間12万検体以上の細菌検査により食材の安全性の検証をしている他、工場から店舗のすべての工程について、専管組織である品質管理グループが抜き打ちでモニタリングをしています。食品事故の発生を防ぐためのこれらの施策にも関わらず、当社グループを原因とする集団食中毒など重大な食品事故が発生した場合は、お客様に多大なご迷惑をおかけするばかりか、行政処分はもとより、ブランドイメージや社会的信用の低下、売上の減少、対応費用の発生、民事訴訟の提起等が発生する可能性があります。
また、仮に、競合他社において食品事故等が発生した場合であっても、レストラン業界全体に対する評判・信用の低下や消費者の外食意欲の低下、事故の原因となった食材の在庫廃棄、入手困難に伴う価格の高騰等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(5)食材・間接材の調達困難・価格高騰
当社グループにおいては、国内外のインフレーションの進行、疫病(豚コレラ・鳥インフルエンザ等)の発生、天候不順・異常気象・自然災害・感染症の発生、エネルギーの不足、物流上の障害、政府による輸入制限処置の発動、国際的な漁獲制限、取引先の倒産又は事故・災害による供給停止、食品衛生上の問題又は放射能汚染等による出荷制限・風評被害、為替の変動、増税等により、原材料等の調達不安や価格高騰が発生した場合には、原価率の上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)労務関連
当社グループでは、正社員、嘱託社員、多くのパートタイム及びアルバイトの従業員が、店舗及びマーチャンダイジングセンター等の業務に従事しております。働き方改革に関連して2019年4月に大企業より順次導入された時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務化及び36協定特別条項の見直し、2019年4月に導入される同一労働同一賃金における均等・均衡待遇に対する整備など、有期・無期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化があります。こうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、当社グループが優秀な社員及びクルーを雇用することが極めて難しくなる可能性や当社グループの人件費が高騰する可能性があります。また、当社グループにおいて労働関連法規制の違反が発生した場合は、規制当局から当社グループの業務改善が命じられること又は従業員からの請求等により、当社グループの事業、業績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材確保等
当社グループでは、多くのパートタイム及びアルバイトの従業員が、店舗及びマーチャンダイジングセンター等での業務に従事しております。昨今、一部の外食業者においてパートタイム等の従業員を確保することができず、一部の店舗を閉鎖又は休業した事例が報道されました。当社グループではそのような事例は発生しておりませんが、賃金の上昇、求人費の増加、国内の労働力需要の増加に伴う従業員の確保困難等により採用環境が悪化した場合、当社グループが必要とする数の従業員を適切なコストで確保することができなくなり、必要な数の従業員を確保するための人件費の増加、出店計画等の見直し、一部店舗の一時営業停止等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)不動産の賃借
当社グループの本社及び多くのレストラン店舗は、土地及び建物を第三者から賃借しており、敷金や保証金を賃貸人に対して差入れている物件が大半を占めております。当社グループは、賃貸人に係る与信調査及び与信管理は行っておりますが、予期せぬ賃貸人の破産等が発生した場合は、当該敷金や保証金が回収不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが新規の店舗を出店したり、賃借する建物の老朽化等に伴い店舗を移転せざるを得なくなったり、既存店舗の賃貸借の更新を行う場合において、景気の変動等により賃料相場が上昇したり、賃貸借期間の更新等に係る交渉が不調となったりした場合には、出店先又は移転先の店舗等を確保するまでに一定の時間及び費用を要する可能性や、当社グループが当初策定したとおりのレストラン店舗の出店又は移転が困難となる可能性があるとともに、店舗等に係る賃貸借契約の内容によっては不動産の賃借に係る費用が増加する可能性があり、これらの場合においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)天候不順、感染症等
外食市場における需要は、天候不順、異常気象、災害・紛争等の発生、感染症の発生等により、消費者の外食機会及び外食意欲の減少等に伴って変動する場合があります。当社グループの業績は、天候不順、感染症等による需要の変動の影響を受ける可能性があります。
(10)経営陣への依存
当社グループの経営は、代表取締役会長兼社長の能力と貢献に相当程度依存しております。当該役員のキャリアプラン、健康状態、家庭事情その他の何らかの理由により当該役員が辞任しその代替を確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)IT(情報システム)への依存
当社グループは、食材の仕入れ、配送システム、食品加工等のレストランの運営及び業務を、情報システムに依存しております。プログラムの不具合等やコンピュータ・ウイルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに様々な障害が生じた場合には、レストランの効率的な運営や消費者に対する食品の適時の提供が阻害され、重要なデータを喪失し、又は対応費用が発生すること等により、当社グループの事業、業績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(12)財務報告に係る内部統制
当社グループでは、財務報告の信頼性に係る内部統制の構築及び運用を重要な経営課題の一つとして位置付け、グループを挙げて管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでおりますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制を構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制に本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制が有効に機能しなかった場合や、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
(13)多額の借入金及び財務制限条項への抵触
当社グループは、金融機関を貸付人とする融資契約(シンジケートローン)を締結しており、多額の借入れを行っております。
当社グループは、既存の借入れがあることから新たな借入れが制約されたり、景気の下降に脆弱であったり、自己資本比率が当社グループよりも高い競合他社と比較して競争力が劣ったりする可能性があります。
また、当社グループの借入金のうち、融資契約(シンジケートローン)に基づく借入金については、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば本契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入れについても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)減損会計の適用
当社グループは、全国の多様な立地に多様なブランドを出店しております。今後、店舗収益性が低下した場合等には、店舗資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、2019年12月31日現在、1,460億72百万円ののれんを連結財政状態計算書に計上しております。主要なブランドの内訳はガスト(755億42百万円)、ジョナサン(180億17百万円)、バーミヤン(155億83百万円)であり、事業収益性が低下した場合等は、のれんの減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なおこれらののれんについては非償却資産であります。
(15)外国為替相場の変動
当社グループは、食材の仕入先が世界各地にわたっており、現時点で外貨建で取引されている食材は全体の一部に留まっておりますが、かかる食材等のコスト及び価格は、直接的又は間接的に、為替の影響を受けます。当社グループは、現時点では為替リスクを軽減するためのヘッジは行っていないため、為替相場の変動により当社グループの事業、業績及び財政状態が悪化する可能性があります。
(16)自然災害等
当社グループは、全国に店舗やマーチャンダイジングセンター等を配置しているため、大規模な地震・風水害・津波・大雪・感染症の大流行等が発生した場合、当社グループの本社や店舗・マーチャンダイジングセンター等の建物・機械設備等が被災し、又は店舗の営業、マーチャンダイジングセンター等の稼動、原材料の物流又は従業員の出勤に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、そうした自然災害等により、ライフライン(水道、電気、ガス)の供給制限や供給停止、物流網の遮断、ガソリン等の調達難による配送・宅配業務の停止、取引先工場・倉庫等の被害、エネルギーや物資の不足、従業員の大規模な欠員等や公共交通機関の障害が発生した場合も、当社グループのレストランやマーチャンダイジングセンター等の稼動に支障をきたし又は顧客が当社グループの店舗に来店できないことにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループのレストラン及びマーチャンダイジングセンター等は、首都圏に集中しているため、首都圏において大規模な災害が発生した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)知的財産権
当社グループは、「ガスト」、「バーミヤン」、「ジョナサン」、「しゃぶ葉」等、当社グループが展開するレストランに係るロゴや、「ガスト チーズINハンバーグ」等のメニューに関する商標は、ブランドイメージやマーケティング上、非常に重要性が高いものと考えております。当社グループは、当該商標を保護するため、適切な国や地域での取得に努めていますが、一部の国・地域によっては十分な知的財産権の取得がされていない可能性があります。
また、当社グループは、自らの知的財産権を保全するため、当社グループの商標を不正に使用する第三者等に対し訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性がありますが、当社グループの商標を不正に使用する第三者等を適時に発見できない可能性や、当社が提起した訴訟等において当社の主張が十分に認められない可能性があり、これらの場合には、当社グループの事業、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
(18)インターネット等による風評被害
インターネット上において、当社グループ及びその関係者に関連し不適切な書き込みや画像等の公開によって風評被害が発生した場合、その内容の真偽にかかわらず、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの競合他社等に対する風評被害であっても、外食市場全体の社会的評価や評判が下落するものであれば、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用にも影響を及ぼす可能性があります。
(19)個人情報の漏洩
当社グループでは、モバイルアプリの運営、顧客アンケートの実施、宅配事業、テイクアウト事業、ポイントカードの利用、代金の決済等において、多くの顧客の個人情報を保持しております。当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っていますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらの個人情報が外部へ流出した場合、当社グループのブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性や、対応費用の発生等により当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20)法規制
当社グループの事業は、食品衛生法、労働基準法、食品表示法、景品表示法をはじめとする様々な法規制による制約を受けております。今後の社会情勢の変化等により、諸法令等の改正や新たな法令等の制定、法令解釈の変更や規制範囲が拡大することで事業活動が制限される可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。このリスクを避けるため、各種法令の改定に対して各主管部門が連携して関連諸法令改定等の周知徹底とその遵守に万全の態勢で臨んでいます。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03515] S100IBKN)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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