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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FUW2

有価証券報告書抜粋 J.フロント リテイリング株式会社 事業等のリスク (2019年2月期)


従業員の状況メニュー株式の総数等

当社グループはリスクを環境変化の中での「不確実性」と定義し、プラス面(機会)、マイナス面(脅威)の両面があるとしています。従って、マイナス面のリスク(不確実性)に対し適切にリスクヘッジする一方、マーケットの変化を見極め、プラス面のリスク(不確実性)に対して積極的なリスクテイクができれば、今後の企業の持続的成長につながると考えています。
当社グループでは、リスク管理経営に係る執行役社長の諮問機関として、執行役社長を委員長とし、執行役などをメンバーとするリスクマネジメント委員会を設置しています。委員会では、外部・内部環境分析をもとに定期的にリスク(不確実性)について論議し、リスク(不確実性)の洗い出し及び評価を行い、対応策のモニタリングを行っています。本年度は当社グループを取り巻くリスク(不確実性)として、「戦略」「ファイナンス」「オペレーション」「ハザード」の4つのカテゴリーから137項目のリスク(不確実性)を認識しました。
認識した個々のリスクについては分析・評価を行い、当社グループの業績及び財務状況への影響が非常に大きいと考えるリスクは、戦略に反映させて優先的に取組んでいます。

当社グループを取り巻く環境は想定を大幅に上回るスピードで変化しており、「シェアリングエコノミーの進展に係るリスク」「テクノロジーの進化に係るリスク」は小売業を中核とする当社グループに非常に大きな影響を与えています。将来的には「サーキュラーエコノミー」というさらに大きなリスクへの進展が見込まれる「シェアリングエコノミー」の波はとりわけ大きく、欧米においては既存のマーケットや産業を破壊するデジタル・ディスラプターが出てきており、日本でもその波が大きくなるのは近いと考えられます。さらに「ESG(環境・社会・ガバナンス)の重要性向上に係るリスク」は、投資家のみならず社会全体で関心が高まっており、その視点で企業が峻別されることが当たり前となっていることから、企業の対応が必須となりつつあります。また、近年、異常気象や台風・豪雨など地球温暖化に起因すると思われる災害が頻発していることを受け、「災害に係るリスク」に対しては、認識の強化をしております。
以上、4項目の最も重要と考えるリスクに加え、世界の政情不安や経済の減速を鑑み、その影響が高いと考えられるファイナンスに係る5項目、その他主要なリスク5項目とあわせ、計14項目を有価証券報告書提出日現在において投資家の皆さまの判断に影響を与える可能性がある主要なリスクと捉え、以下にリスク認識および対策を記載しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスク(不確実性)はこれらに限られるものではありません。

①シェアリングエコノミーの進展に係るリスク
所有から共有へという消費者の価値観の変化を伴った「シェアリングエコノミー」の波は大きさを増しており、欧米においては、既存のマーケットを破壊するデジタル・ディスラプターが出現しています。この流れは日本においても急速に顕在化してきており、テクノロジーの革新スピードを勘案すると、日本においてこのリスクが中期的に拡大する可能性が非常に高いと想定されます。このリスクが顕在化した場合、当社グループにとって小売事業を中核とするグループ全体が衰退するという非常に大きな影響が想定されます。
一方で、消費者の価値観の変化を潜在需要掘り起こしの機会と捉え、既存の当社グループのリソースと組み合わせるなどシェアリングを切り口とした新たなビジネスを創出できれば、既存顧客の需要拡大や新規顧客の獲得につながり、将来的には中核の小売事業の次の柱となる新たな事業へと育成することが可能となります。
当社グループでは、その実現に向けて国内外の市場調査などを踏まえたうえで、モノやスキルなどの新たなシェアリングサービス事業の検討をスタートさせており、中期的にはマルチサービスリテイラーの一翼を担う新規事業の創出につなげていきたいと考えています。また、すでにクラウド・ファンディングにより新しいエンタテインメントや地域活性化につながるサービスの開発を行う取組みをスタートしています。

②テクノロジーの進化に係るリスク
テクノロジーの進化およびその進化がもたらすビジネスの変革のスピードは加速度的に増し、すでに顕在化している「テクノロジーの進化に係るリスク」は、業界の垣根を破壊するデジタル・ディスラプターの攻勢や、消費者と商品・サービスを直接つなげるスマートフォンを活用したサービスの飛躍的な進歩により、リアル店舗の小売事業を中核とする当社グループに中期的に非常に大きな影響を与えると想定されます。また、ビッグデータなどの活用の遅れ、情報システムの脆弱性を突いたサイバー攻撃などについても、当社グループの業務運営への支障、生産性向上の妨げとなる可能性があります。
一方で、5Gのサービス開始に伴い、スマートフォンを活用してリアル店舗と連携したサービスの構築や情報提供ができれば、既存顧客の潜在需要の掘り起こし、新規顧客の獲得につながります。また、ブロックチェーンやVR(仮想現実)・AR(拡張現実)、AI(人工知能)などのテクノロジーを適切に活用することができれば、業務の自動化による人手不足の解消、業務の効率化が可能となります。
当社グループでは、顧客の統合データベースの基盤を構築し、スマートフォンの活用による顧客生涯価値の最大化に向けたサービスの取組みを進めており、中期的には、購買データを活用しマネタイズするビジネスモデルの構築や、キャッシュレス社会に対応した新たな決済手段の導入による顧客利便性の向上の実現を目指しております。また、リアル店舗においては、VR・ARを活用した新たな顧客体験の提供、人的サービスをテクノロジーに置き換えることによる省力化と利便性向上など、既存のビジネスとテクノロジーを融合した新たなサービスを創出しています。情報システムの安全性の確保については、重要システムの脆弱性診断やネットワーク通信調査などにより早期に問題を発見し、対策を講じる仕組みを確立しています。

③ESGの重要性向上に係るリスク
ESGに対する取組みの重要性が今後益々高まることは避けられず、環境、社会、ガバナンスの3つの課題への対応は必須となり、今すぐ対応が求められる喫緊のリスクに加えて将来に向けて今から取組みを始めるリスクまで、長期的にリスクが顕在化する可能性があります。なかでも気候変動など環境問題は対応を誤ると大きなレピュテーション低下につながるリスクと考えています。また、ダイベストメントが世界的な潮流になる中、日本の環境問題への認識は諸外国と比較して低いと指摘されていることもあり、企業としては決して避けては通れない課題となっています。「ESGの重要性向上に係るリスク」が顕在化した場合、消費者離れ、地域社会との関係悪化や投資の対象から外れるなどの事態が生じ、グループ全体が衰退するという非常に大きな影響が想定されます。
一方で、従来型CSRの範疇に留まらず「CSV(共通価値の創造)」の発想へ転換し、事業活動を通じた社会課題の解決ができれば、売上の拡大や集客力の向上に加え顧客および投資家に対するレピュテーションの向上につながり、当社グループの持続的成長が可能となります。
「先義後利」「諸悪莫作、衆善奉行」を社是として常に広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す当社グループでは、ESGの取組みについて、2018年度にステークホルダーの意見も取り入れたうえで、「低炭素社会への貢献」「サプライチェーン全体のマネジメント」「地域社会との共生」「ダイバーシティの推進」「ワーク・ライフ・バランスの実現」という5つのマテリアリティ(重要課題)を決定しました。それぞれについて2050年の目標を設定し、その達成を目指し、CSVの考えのもと事業活動を通じて社会課題の解決を図っています。なかでも「低炭素社会への貢献」は最重要課題と位置づけ、新しく建替える大丸心斎橋店本館をモデル店舗に再生可能エネルギーへの切替えによるCO2削減をスタートさせるとともに、環境、社会に優しい活動を通じてお客様および地球への負担を低減する取組みを強化しています。環境、社会双方に係る「サプライチェーン全体のマネジメント」については「お取引先様行動原則」を定め、今後当社グループと取引のある多数のお取引先様とともに、環境や人権などに配慮した調達を進めていく予定です。「地域社会との共生」については、小売店舗を核にエリア全体の魅力化に取組み、地域とともに成長するビジネスモデルを創るという当社グループ独自の取組みを推進しています。「ダイバーシティの推進」「ワーク・ライフ・バランスの実現」は、小売事業を中核とする当社グループにとって生産性向上のために重要な課題であると認識しており、なかでも女性活躍推進については具体的な数値目標を定めて取組んでいます。また、シニア、障がい者の活用も積極的に行っています。「ワーク・ライフ・バランスの実現」については、在宅勤務制度の導入や男性の育児休職有給休暇取得の推進などにより、働きやすい環境づくりに努めています。これらの取組みを支えるコーポレートガバナンスについては、指名委員会等設置会社へ機関変更するとともに、複数の社外取締役を選任して経営監督機能を強化し、透明性の高い経営を進めています。これらESGの取組みについては、「ESG説明会」などを通じて社外に対し積極的に情報を開示しています。

④災害などに係るリスク
異常気象や自然災害をはじめ「災害などに係るリスク」は年々高まり、中期的にも継続するとともに規模の拡大が見込まれます。台風、地震などの自然災害、火災・停電などの事故が発生し、インフラの休止により事業活動が停止した場合や施設の改修に多額の費用が発生した場合、消費マインドが落ち込んだ場合など、当社グループの業績および財務状況への非常に大きな影響が想定されます。加えて、システム障害が発生した場合、売上の逸失や重要データの消失につながる可能性があります。
当社グループでは拡大する災害に備え、取締役会、経営会議において過去の経験も踏まえながらソフト・ハード両面から対応策の優先順位について論議・共有をしたうえで、行動レベルまで落とし込まれたBCP計画を再構築しました。それをもとに、対策本部の設置、訓練の強化、災害備蓄品の整備を進めるとともに、積極的な設備更新を行っています。また、決済を中心とする重要なデータを処理する関西のデータセンターのバックアップセンターを関東に設け、想定外の災害が起こった場合であっても被災地区以外の店舗の営業に差支えがないように備えています。これら事前の対策により災害による被害の最小化、当社グループの業績および財務状況への影響の低減に努めています。さらに、早期に事業を復旧することにより、社会的インフラとしての役割を果たす取組みを進めています。

⑤消費税増税、五輪後の不況発生に係るリスク
間近に迫った消費増税、五輪後の反動などにより、増税後すぐのタイミングから数年に渡り複合的な消費不況が起こる可能性は高く、増税前の駆け込み需要の取り込みや、五輪後の消費の落ち込みへの対応策などを構築できなければ、当社グループの業績及び財務状況への大きな影響が想定されます。
一方で、消費増税に左右されない外国人富裕層への対応を強化するとともに、教育の無償化や住宅ローン減税の延長、プレミアム商品券の発行など消費増税後の手厚い政策を踏まえ対応策を講じることで、新たな消費を生み出すことが可能となります。
当社グループでは、富裕層に向けた高額品の新規催事を開催するなど百貨店を中心に消費増税前の駆け込み需要を取り込むための施策を講じております。また、増税後についても増税の影響を受けにくい最寄品の強化などに加え、外国人富裕層については、旅行者のみならず商圏拡大という発想で固定客化に向けた取組みを推進しています。

⑥顧客の変化、特に少子高齢化・長寿命化に係るリスク
すでに顕在化している「顧客の変化、特に少子高齢化、長寿命化に係るリスク」は、数年後にボリュームの大きい団塊世代が75歳に突入することから、より深刻になると見込まれます。この大きな変化への対応は不可欠であり、かつ競合との競争激化が必至であることから、対応が後手に回れば当社グループの業績及び財務状況への大きな影響が想定されます。
一方で、近い将来に到来する「人生100年時代」は、従来は一直線であったライフステージを複数の人生の節目や転機を伴うマルチステージへと変化させます。それに伴い暮らし方の新たなマーケットが生まれるため、こうした変化に対応していくことができれば、当社グループの新たな成長機会が拡大します。
当社グループでは、少子高齢化や家族構成など家族のあり方の変化に伴う暮らし方や楽しみ方の多様化に対応するため、グループの顧客データを統合したデータベースの活用により新たな商品・サービスを生み出し、生涯価値の最大化を図ります。その第一弾として2018年度、子育て世代の不安・不満を解消し教育の充実と長時間保育を両立させる保育園を設立し、2019年度より運営を開始しています。

⑦所得の二極化に係るリスク
すでに顕在化している「所得の二極化に係るリスク」は、各種統計から判断すると今後もさらに進展が見込まれ、当社グループの既存事業を支えてきた従来の中間層の減少は避けられません。これにより中間価格帯の商材の落ち込みがさらに深まり、当社グループの業績及び財務状況への非常に大きな影響が想定されます。
一方で、当社グループが得意としている富裕層マーケットは拡大しており、フローリッチと言われる従来の富裕層とは異なるライフスタイルや嗜好を持つ富裕層、アジア圏からの外国人富裕層が増加しています。これら新たな富裕層へのニーズに的確に応えることができれば、新しい成長の機会が拡大します。
当社グループでは、富裕層の多様化する興味・関心に対応する資産価値のある商品・サービスを開発しています。また、富裕層のニーズに合わせて、従来の人的対応にICTを活用した支援システムを組み合わせお得意様営業活動を高度化しています。顧客アプローチについてもWEBマガジン、自社サイト、リアル店舗を融合させた新たな対応を行っております。一方で、外国人富裕層については、アプリを活用して固定客化を促進しています。当社グループの中核事業である小売事業の中間層マーケット衰退への対策として、消費性向にかげりが見られる婦人服ボリュームゾーンなど従来型のカテゴリーを圧縮し、消費性向に勢いがあるウェルネス、ビューティ、フーズ、サービスなど新たな消費ニーズを捉えたカテゴリーに主軸を移すことで、再成長へとつなげる取組みを進めています。

⑧減損に係るリスク
当社グループは、事業活動上、店舗用土地・建物を始めとする事業用固定資産を保有または賃借しています。新会計基準IFRS16号の適用を機に、資産の賃借についても保有資産と同様に使用権資産として財政状態計算書に計上が必要となり、2019年度以降、「減損に係るリスク」が顕在化した場合、減損規模が大きくなる可能性が高まります。したがって、当社グループが保有および賃借する資産が経済、競合などの外部環境変化や既存店舗モデルの陳腐化などによる収益性の低下、地価の下落などに直面した場合、減損を認識しなければならず、当社グループの財務状況への非常に大きな影響が想定されます。
当社グループでは、事前の対策として、グループへの影響が高いと思われる一定金額以上の投資案件について投資計画検討委員会において損益計画の妥当性、投資回収の実現性を審査しています。スタンダードプランに加え案件特有のリスクを反映したプランについても検証し、投資判断に誤りが生じないよう努めています。また、不測の事態を招かぬよう、事後の対策として、再生計画検討委員会において減損の有無について判断し早期に対策を講じることで、財務状況への影響を最小化しています。加えて、減損リスクを意識することで、資産収益性を高める取組みを加速させ、キャッシュフロー創出力および企業価値の向上を促進していきます。

⑨資金調達に係るリスク
世界的な景気減速懸念から金融市場は大きく変動する傾向があり、中期的に「資金調達に係るリスク」が顕在化する可能性は高まると考えられます。当社グループは、出店、改装、M&Aなどに関する資金を金融機関からの借入および、社債、コマーシャル・ペーパーの発行などにより金融市場から調達しており、金融機関による貸付枠や信用供与枠などの条件変更、当社グループの信用格付の大幅な引下げ、投資家の投資意欲の減退が生じた場合、適時に適切な条件で必要な資金を調達できず、当社グループの財務状況への非常に大きな影響が想定されます。
当社グループでは、事業活動に必要となる資金は、自ら創出した資金でまかなうことを基本方針としております。その上で、事業投資などで必要資金が生じる場合には、財務の健全性維持を勘案し、主として社債の発行及び金融機関からの借入などにより資金調達を行っております。資金調達については、事業年度毎に資金調達方針を定め、資金調達手段を多様化することや、金融機関からの借入などの間接金融と社債の発行などの直接金融、並びに短期調達と長期調達の適正なポートフォリオの構築に取り組んでおります。また、急激な金融市場の変動に備えるため、金融機関、格付機関、債券投資家と日常的に意思疎通を密にすることにより、調達環境が不透明な状況にあっても適切に調達できる環境を整えています。加えて、ESGを重視した経営を行うことで、効率的・効果的な資金調達を行う環境を整えています。さらに、コミットメントラインの設定によって不測の事態への備えも実施しています。

⑩金利の変動に係るリスク
景気の減速、金融緩和政策などにより長期間、低金利が継続しているものの、中期的には「金利の変動に係るリスク」が顕在化する可能性はやや高まると想定されます。当社グループは、金融債権や有利子負債を保有しており、金利の大幅な変動は、調達手段、支払利息額や受取利息額、金融資産・負債の評価を変容させ、業績および財務状況にも影響が想定されます。
当社グループは、自己資本に加え金融市場の動向を把握した上で戦略的な資金調達を行っております。具体的には、適切な金利水準による資金調達を実施するために、市場動向の把握、損益の視点を加えた調達手段の選択など、調達・運用の両面でポートフォリオを的確に行うことにより、支払利息の削減や受取利息の増加、金融資産の適正化につなげています。また、低金利での安定的な資金を戦略的に確保することで、複数の事業における新たな投資やM&Aを促進し、グループ全体の業績の向上につなげています。

⑪株式相場の変動に係るリスク
EUの政情不安や米中貿易摩擦などにより景気減速の兆候が見られ、中期的に「株式相場の変動に係るリスク」はやや高まると想定されます。株式相場が下落すると、当社グループの中核事業である百貨店顧客の名目的な資産減少から消費マインドの低下を招き、業績および財務状況への非常に大きな影響が想定されます。また、当社グループの株価が下落すると、新株発行により調達できる資金の減少につながります。さらに、当社グループは金融資産の一部として国内企業の株式などの有価証券を保有していることから、株価下落などの株式価値の減少により、親会社の所有者に帰属する持分や年金資産が少なからず減少する可能性があります。
当社グループでは、株価変動を支える対策として顧客とのつながりを強化するため、グループの顧客情報を統合した顧客基盤を構築し、顧客のニーズに柔軟に応えることで需要を喚起する対策を講じています。また、自己株式の取得により株価を適正水準に保つことや、資産全体や年金資産に占める株式の割合を適正に保つことにより、財務の安定化を図っています。国内企業の株式などの有価証券については、保有合理性のある株式以外を削減することにより、株式相場の変動による資産価値の変動を防いでいます。

⑫為替の変動に係るリスク
米国の金融政策の変更、EUの政情不安などファンダメンタルズに変化が見られるものの為替相場は安定傾向にありますが、中期的には「為替の変動に係るリスク」はやや高まると想定されます。当社グループの中核事業である小売事業に占めるインバウンド売上のシェアは年々上がっており、過度に円高が進行した場合、中国をはじめとする一般訪日外国人の来店客数及び購入金額が減少し、当社グループの業績に大きな影響を与えます。一方、当社グループは一部の商品や原材料を海外から調達しており、長期にわたり円安が継続した場合には、商品、原材料の仕入れ価格や店頭の商品価格に少なからず影響を受けます。
当社グループでは、インバウンドについては受け身の対応ではなく商圏拡大という発想で外国人富裕層の固定客化を進め、円高によるインバウンドの落ち込みを防いでいます。また、一部の商品や原材料の調達については実需に基づく為替予約取引の活用や、海外の商品調達先を分散するなどの対策を講じ、リスクの低減に努めています。

⑬情報管理に係るリスク
SNSの進展などの背景もあり、すでに顕在化している「情報管理に係るリスク」は今後もさらに高まっていくことが想定されます。当社グループは多数のお客様からお預かりしている個人情報および営業機密を有しており、他企業から機密情報を受け取ることもあります。これらの情報が不正または過失により外部に流出した場合、当社グループの信頼性や企業イメージが著しく低下するとともに、損害賠償など対応のための多額の費用負担が発生し、当社グループの業績および財務状況への大きな影響が想定されます。
当社グループでは、不正または過失による個人情報や営業機密の流出などが生じないよう、基本方針・基本規程・ガイドラインなどからなる「情報セキュリティポリシー」を整備したうえで、全従業員に対して教育を実施し、個人情報保護を厳格に行っています。また、業務監査を通じて継続的なモニタリングも行っています。知的財産については法務部門による管理を徹底し、リスクの低減に努めています。

⑭法規制及び法改正に係るリスク
小売事業を中核として複数の事業を展開する当社グループは、様々な法規制の適用を受けています。マルチサービスリテイラー戦略に基づき事業領域を拡大していることから対応すべき法規制も増える傾向にあり、すでに顕在化している「法規制および法改正に係るリスク」は、今後もさらに高まっていくことが想定されます。法規制や法改正への対応には新たな対応コストが発生することに加え、事業活動が制限を受ける場合、ビジネスの転換や縮小を招き、当社グループの業績および財務状況への大きな影響が想定されます。
当社グループでは、第一に担当部署が中心となり、適宜外部の専門家を活用しながら法務部門がサポートすることで法を遵守しています。あわせて、法務部門から法改正に関する動向を経営層へ発信・周知することにより、法改正への対応を推進・強化しています。

従業員の状況株式の総数等


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