有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G1U3
不二製油グループ本社株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループは長年積み重ねてきた研究成果と先進の技術力を生かし、植物性油脂と大豆および大豆たん白を基礎とする新しい機能を持つ食品素材の開発に取り組んでおります。特に近年は、持続可能性(Sustainability)の観点から、これら素材を主原料に用いた、様々な動物代替食品素材の開発を「PBFS(Plant-Based Food Solutions)」として注力しています。2016年8月に不二製油株式会社・阪南事業所内に開所いたしました「不二サイエンスイノベーションセンター」には、通算5,000名を越える国内外のお客様、および企業・研究機関の方をお迎えし、「共創」をテーマにした研究開発の拠点として、グローバル展開に向けた独創性のある製品の開発を行っております。
日本国内を統括する不二製油株式会社は、各素材別の研究開発室と、これら素材を用いたアプリケーションを開発(応用開発)する「価値づくり市場開発室」を併せた、研究開発部門として運営しています。これにより、各素材間の共創による新規複合素材の開発を効率良く行うと共に、開発された新素材をすぐさまお客様へ提案し、お客様と共創による価値づくりを実現できる体制にしています。また、生産技術開発部門では引き続きコア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。
未来創造研究所は、当社グループの将来を支えるための研究部門として不二製油グループ本社株式会社に移管を行い、新規事業を創造する研究所としての位置付けのもと、積極的に国内外の大学等の公的研究機関との共同研究、及び研究員の派遣に取り組んでいます。国内では、国立大学法人京都大学と産学共同講座を当初の計画を延長して取り組んでおり、国立大学法人茨城大学とは、クロスアポイントメント制度により、大学教員を当社研究員としても採用しています。海外では、シンガポール大学との共同研究、コペンハーゲン大学への研究員の派遣等を行っております。
東南アジア圏を統括するFUJI OIL ASIA PTE. LTD.(シンガポール)の「アジアR&Dセンター」では、東南アジア地域のニーズに合わせた製品研究・開発、並びに、国際食品企業との連携において、重要な拠点になっております。日本国内にある「不二サイエンス・イノベーションセンター」および「つくば研究開発センター」との定期的な会合や人的交流を通じて、不二製油グループの更なる研究開発のレベルアップに努めてまいります。また、他のグループ各社においても、相互の交流を通じた素材開発・応用開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,758百万円であります。
研究開発活動の概要は次のとおりであります。
(油脂部門)
安全・安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品およびその最適な応用法に関する研究開発を通して、お客様のご要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果としては、健康志向素材として、難溶性抗酸化成分を油の中で細かく分散させる新技術で、酸化と魚臭の発生を抑えた安定化DHA・EPAの開発に成功し、これまで出来なかった幅広いカテゴリーの食品に展開できる健康志向製品として提案を開始しております。その他、育児粉乳等のニュートリション用途の厳しい品質規格にも対応できる健康油脂素材の開発にも注力しました。また、従来より検討してきたDTR技術(*)により、少ない調味料でも塩味や酸味、辛味が強く感じられる呈味増強油脂を開発し、減塩効果のある調味油として、病院や高齢者施設の給食用途で大きく期待されております。また同技術を応用し、油脂の風味発現向上、口解け向上など従来製品の高機能化に加えて、ラード等の代替となる、物性、風味を兼ね備えた可塑性油脂の開発を行い、弊社の掲げる植物性素材でのお客様への価値提供(PBFS)を推進しております。更に油脂結晶制御技術、エステル交換、分別技術を利用し、品質、作業性を両立するアイスコーチング用油脂、部分硬化油不使用の機能性チョコレート用油脂等、グローバル市場からの要望にも対応可能な油脂素材の開発に取り組み、海外展開を拡大されるお客様へのご提案が可能な製品の開発を継続しております。
当部門の研究開発費は732百万円であります。
*DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与増強する技術。
(製菓・製パン素材部門)
チョコレートやホイップクリーム、マーガリン、チーズ風味素材、パイ製品等、製菓・製パン用素材を中心にした新技術・新製品開発、およびソフト開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、チョコレートにおいては、最近の健康志向の流れから、糖類を低減したシュガーレス規格のチョコレートを製品化し、美味しさと健康を両立した製品の開発に努めました。また、調理加工市場向けとして小型容器に充填したソース状のチョコレートやカカオ風味の濃さを訴求した調理用途の製品開発に取り組みました。乳化・発酵素材開発では、ホイップクリームやマーガリン、フィリング素材を中心に従来の乳の美味しさと機能向上を目指した製品開発に取り組む一方で、健康志向や消費者ニーズの変化に対応し、新しい植物性の素材価値を追求しております。USS(ウルトラソイセパレーション)豆乳の美味しさを活かした、チーズ様素材、ホイップクリーム、フィリング等によるサステナブルな製品群の拡充を図りながら、PBFSを推進しています。また、価値づくり開発においては、これら製品の特長を活かしたアプリケーション開発と様々な社会課題、ニーズの中に消費者価値を想定したソリューション提案活動を実施しております。
当部門の研究開発費は1,486百万円であります。
(大豆部門)
大豆たん白、大豆たん白食品、豆乳、大豆多糖類の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、昨年に続き世界初の豆乳の分離分画技術、USS(ウルトラソイセパレーション)製法で加工された豆乳クリームおよび低脂肪豆乳は、風味の面から調理加工分野や飲料分野にて高い評価を得ました。植物性の組織状たん白素材は、シリアル素材向けの大豆パフの開発を進め、高たん白や低糖質の栄養面と良食感の両立化により市場の拡大に繋がりました。また、粉末状植物性たん白素材は、近年たん白摂取の重要性が一般消費者層まで浸透し、プロテインパウダー、プロテインバー等の健康食品への採用が好調を維持しています。更に、たん白補給、高齢化社会に対応すべく、大豆たん白粉末を応用されやすいよう改質するほか、高齢者が喫食しやすい食品、冷凍豆腐、がんもどきなどの大豆たん白食品を開発し、老健向けの豆腐パティーも展開いたしました。生協向け大豆たん白食品では、PBFS商品の展開としてミートレスハンバーグ、冷凍タイプ大豆ミートを上市し市場への定着を進める一方、具材の産地にこだわった商品としてハンバーグや和惣菜、あるいはチーズ様素材を包餡したとうふハンバーグも引き続き好調であります。大豆多糖類においては、引き続き国内外における飲料分野や国内市場での麺および米飯用品質改良剤分野での使用が好調であります。
当部門の研究開発費は1,186百万円であります。
(基盤研究その他)
未来創造研究所では、経営課題である「おいしさと健康」を両立させた食の市場を創造するための研究開発や、新規事業に繋がる新技術開発に取り組んでおります。また、産学連携による研究開発にも引き続き取り組んでおります。
当連結会計年度の主な成果としては、機能性表示食品制度への対応として、当社として3件目となる「ペプチドメンテ・チュアブル」の届出が受理されました。本品は、これまでの「記憶力(認識したことを正しく思い出す力)の維持」に続く商品として、大豆ペプチドである「大豆由来セリルチロシン」を関与成分に、新たに「健康な中高年の方の認知機能の一部である注意力(物事に一時的に集中する力)を維持する機能があることが報告されている」旨が、表示可能であります。大豆の加工と味や機能と成分の関連性について、国立大学法人京都大学との産学共同講座において引き続き取り組んでおります。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)採択課題である「肝臓脂肪量減少作用をもつ緑豆タンパクの新規な抗生活習慣病機能性食材としての実用化への取り組み」において、参画している研究機関との連携を進め、その研究成果のうち、緑豆タンパク摂取と腸内細菌叢を介した脂質代謝調節機序について、国際学術専門誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」に論文が掲載されました。
当部門の研究開発費は1,353百万円であります。
日本国内を統括する不二製油株式会社は、各素材別の研究開発室と、これら素材を用いたアプリケーションを開発(応用開発)する「価値づくり市場開発室」を併せた、研究開発部門として運営しています。これにより、各素材間の共創による新規複合素材の開発を効率良く行うと共に、開発された新素材をすぐさまお客様へ提案し、お客様と共創による価値づくりを実現できる体制にしています。また、生産技術開発部門では引き続きコア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。
未来創造研究所は、当社グループの将来を支えるための研究部門として不二製油グループ本社株式会社に移管を行い、新規事業を創造する研究所としての位置付けのもと、積極的に国内外の大学等の公的研究機関との共同研究、及び研究員の派遣に取り組んでいます。国内では、国立大学法人京都大学と産学共同講座を当初の計画を延長して取り組んでおり、国立大学法人茨城大学とは、クロスアポイントメント制度により、大学教員を当社研究員としても採用しています。海外では、シンガポール大学との共同研究、コペンハーゲン大学への研究員の派遣等を行っております。
東南アジア圏を統括するFUJI OIL ASIA PTE. LTD.(シンガポール)の「アジアR&Dセンター」では、東南アジア地域のニーズに合わせた製品研究・開発、並びに、国際食品企業との連携において、重要な拠点になっております。日本国内にある「不二サイエンス・イノベーションセンター」および「つくば研究開発センター」との定期的な会合や人的交流を通じて、不二製油グループの更なる研究開発のレベルアップに努めてまいります。また、他のグループ各社においても、相互の交流を通じた素材開発・応用開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,758百万円であります。
研究開発活動の概要は次のとおりであります。
(油脂部門)
安全・安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品およびその最適な応用法に関する研究開発を通して、お客様のご要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果としては、健康志向素材として、難溶性抗酸化成分を油の中で細かく分散させる新技術で、酸化と魚臭の発生を抑えた安定化DHA・EPAの開発に成功し、これまで出来なかった幅広いカテゴリーの食品に展開できる健康志向製品として提案を開始しております。その他、育児粉乳等のニュートリション用途の厳しい品質規格にも対応できる健康油脂素材の開発にも注力しました。また、従来より検討してきたDTR技術(*)により、少ない調味料でも塩味や酸味、辛味が強く感じられる呈味増強油脂を開発し、減塩効果のある調味油として、病院や高齢者施設の給食用途で大きく期待されております。また同技術を応用し、油脂の風味発現向上、口解け向上など従来製品の高機能化に加えて、ラード等の代替となる、物性、風味を兼ね備えた可塑性油脂の開発を行い、弊社の掲げる植物性素材でのお客様への価値提供(PBFS)を推進しております。更に油脂結晶制御技術、エステル交換、分別技術を利用し、品質、作業性を両立するアイスコーチング用油脂、部分硬化油不使用の機能性チョコレート用油脂等、グローバル市場からの要望にも対応可能な油脂素材の開発に取り組み、海外展開を拡大されるお客様へのご提案が可能な製品の開発を継続しております。
当部門の研究開発費は732百万円であります。
*DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与増強する技術。
(製菓・製パン素材部門)
チョコレートやホイップクリーム、マーガリン、チーズ風味素材、パイ製品等、製菓・製パン用素材を中心にした新技術・新製品開発、およびソフト開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、チョコレートにおいては、最近の健康志向の流れから、糖類を低減したシュガーレス規格のチョコレートを製品化し、美味しさと健康を両立した製品の開発に努めました。また、調理加工市場向けとして小型容器に充填したソース状のチョコレートやカカオ風味の濃さを訴求した調理用途の製品開発に取り組みました。乳化・発酵素材開発では、ホイップクリームやマーガリン、フィリング素材を中心に従来の乳の美味しさと機能向上を目指した製品開発に取り組む一方で、健康志向や消費者ニーズの変化に対応し、新しい植物性の素材価値を追求しております。USS(ウルトラソイセパレーション)豆乳の美味しさを活かした、チーズ様素材、ホイップクリーム、フィリング等によるサステナブルな製品群の拡充を図りながら、PBFSを推進しています。また、価値づくり開発においては、これら製品の特長を活かしたアプリケーション開発と様々な社会課題、ニーズの中に消費者価値を想定したソリューション提案活動を実施しております。
当部門の研究開発費は1,486百万円であります。
(大豆部門)
大豆たん白、大豆たん白食品、豆乳、大豆多糖類の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果としては、昨年に続き世界初の豆乳の分離分画技術、USS(ウルトラソイセパレーション)製法で加工された豆乳クリームおよび低脂肪豆乳は、風味の面から調理加工分野や飲料分野にて高い評価を得ました。植物性の組織状たん白素材は、シリアル素材向けの大豆パフの開発を進め、高たん白や低糖質の栄養面と良食感の両立化により市場の拡大に繋がりました。また、粉末状植物性たん白素材は、近年たん白摂取の重要性が一般消費者層まで浸透し、プロテインパウダー、プロテインバー等の健康食品への採用が好調を維持しています。更に、たん白補給、高齢化社会に対応すべく、大豆たん白粉末を応用されやすいよう改質するほか、高齢者が喫食しやすい食品、冷凍豆腐、がんもどきなどの大豆たん白食品を開発し、老健向けの豆腐パティーも展開いたしました。生協向け大豆たん白食品では、PBFS商品の展開としてミートレスハンバーグ、冷凍タイプ大豆ミートを上市し市場への定着を進める一方、具材の産地にこだわった商品としてハンバーグや和惣菜、あるいはチーズ様素材を包餡したとうふハンバーグも引き続き好調であります。大豆多糖類においては、引き続き国内外における飲料分野や国内市場での麺および米飯用品質改良剤分野での使用が好調であります。
当部門の研究開発費は1,186百万円であります。
(基盤研究その他)
未来創造研究所では、経営課題である「おいしさと健康」を両立させた食の市場を創造するための研究開発や、新規事業に繋がる新技術開発に取り組んでおります。また、産学連携による研究開発にも引き続き取り組んでおります。
当連結会計年度の主な成果としては、機能性表示食品制度への対応として、当社として3件目となる「ペプチドメンテ・チュアブル」の届出が受理されました。本品は、これまでの「記憶力(認識したことを正しく思い出す力)の維持」に続く商品として、大豆ペプチドである「大豆由来セリルチロシン」を関与成分に、新たに「健康な中高年の方の認知機能の一部である注意力(物事に一時的に集中する力)を維持する機能があることが報告されている」旨が、表示可能であります。大豆の加工と味や機能と成分の関連性について、国立大学法人京都大学との産学共同講座において引き続き取り組んでおります。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)採択課題である「肝臓脂肪量減少作用をもつ緑豆タンパクの新規な抗生活習慣病機能性食材としての実用化への取り組み」において、参画している研究機関との連携を進め、その研究成果のうち、緑豆タンパク摂取と腸内細菌叢を介した脂質代謝調節機序について、国際学術専門誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」に論文が掲載されました。
当部門の研究開発費は1,353百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00431] S100G1U3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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