有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FFFN
日本たばこ産業株式会社 事業の内容 (2018年12月期)
当社グループの経営理念は、「4Sモデル」の追求です。これは「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」という考え方です。
当社グループは、「4Sモデル」をベースに、「JTならではの多様な価値を提供するグローバル成長企業であり続けること」を目指す企業像(ビジョン)として定めており、また、「自然・社会・人間の多様性に価値を認め、お客様に信頼される『JTならではのブランド』を生み出し、育て、高め続けていくこと」が、当社グループの使命であると考えております。
加えて、当社グループ社員の一人ひとりが徹底すべき行動規範・価値観として「JTグループWAY」を掲げており、「お客様を第一に考え、誠実に行動すること」「あらゆる品質にこだわり、進化し続けること」「JTグループの多様な力を結集すること」という3つのステートメントによって、表現しております。
当社と、連結子会社224社、持分法適用会社11社から構成される当社グループは国内及び海外たばこ事業、医薬事業並びに加工食品事業を展開しているグローバル企業であり、その主な事業内容及び各関係会社等の当該事業に係る位置づけは次のとおりです。
なお、次の4区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。
〔国内たばこ事業〕
当該事業につきましては、たばこ製品の製造、販売等を行っております。当社が製造、販売を行い、TSネットワーク㈱が当社製品の配送及び外国たばこ製品(輸入たばこ製品)の卸売販売等の流通業務を行っております。また、日本フィルター工業㈱等が材料品の製造を行っております。なお、ナチュラル・アメリカン・スピリット製品に係る一部業務については、㈱トゥルースピリットタバコカンパニーが行っております。
(主な関係会社)
TSネットワーク㈱、ジェイティ物流㈱、日本フィルター工業㈱、富士フレーバー㈱、ジェイティエンジニアリング㈱、㈱トゥルースピリットタバコカンパニー
その他連結子会社7社、持分法適用会社1社
〔海外たばこ事業〕
当該事業につきましては、JT International S.A.を中核として、たばこ製品の製造、販売等を行っております。
(主な関係会社)
JT International S.A.、LLC JTI Russia、Gallaher Ltd.、LLC Petro、JT International Germany GmbH、JTI Polska Sp. z o. o.、JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.S.
その他連結子会社159社、持分法適用会社5社
〔医薬事業〕
当該事業につきましては、医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。主に当社が研究開発を行い、鳥居薬品㈱が製造、販売及びプロモーション業務(当社製品を含む)を行っております。
(主な関係会社)
鳥居薬品㈱、Akros Pharma Inc.
〔加工食品事業〕
当該事業につきましては、冷凍・常温加工食品、ベーカリー、調味料等の製造、販売をテーブルマーク㈱等が行っております。
(主な関係会社)
テーブルマーク㈱
その他連結子会社28社、持分法適用会社3社
上記の報告セグメントの他に、不動産賃貸等に係る事業等を営んでおります。なお、報告セグメントに属さない関係会社として、連結子会社14社、持分法適用会社2社があります。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
また、各事業における研究開発、調達、製造、販売等の分野ごとの概要は以下のとおりです。
〔たばこ事業〕
当社グループのたばこ事業(当社グループのたばこ事業は、国内と海外に分けて事業管理を行っており、報告セグメントにおいては「国内たばこ事業」と「海外たばこ事業」を区分しております)は、販売数量で世界第3位(中国国家煙草総公司を除く)を誇り、70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売しております。当社グループは世界における販売数量シェア上位10ブランドのうち3ブランドを製造・販売しております。
研究開発力を長期に亘る競争力の源泉とすべく、特に葉たばこの育種、原材料及びその加工、たばこの香喫味、製造技術並びにRRP(注)関連技術の分野に注力し、製品価値の向上とコストの低減を目指しております。基礎研究及び応用研究開発領域については、日本国内の研究所がグローバル機能を有しており、製品開発領域については、各国・各地域の異なるニーズ・嗜好に対応すべく、ローカルベースでの開発も行っております。
(注)RRPは、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-
Risk Products, RRP)を指しております。
たばこの原料である葉たばこは、農作物であるため、その調達状況は天候に左右され、また、近年、エネルギー資源や他の作物の価格高騰等により、葉たばこ供給の不安定化や価格の高止まり傾向が見られます。このような状況下において、当社グループは買収による垂直統合及びサプライヤーとの連携強化により、原料の安定的な調達と調達コストの低減を目指しております。
・外国産葉たばこの調達
当社グループは、主要葉たばこ産地(米国、ブラジル、マラウィ等)における自社調達基盤の活用、及び主に大手3社の国際葉たばこサプライヤーからの購買により、外国産葉たばこを調達しております。
自社調達基盤は、2009年にブラジル及びアフリカにおける葉たばこサプライヤーの買収、並びに米国におけるジョイントベンチャー設立によって獲得したものです。自社調達基盤の獲得以降、原料調達の安定化、葉たばこ耕作段階からの関与を深めることによる品質管理の強化、葉たばこ調達に精通した優秀な人財の育成による葉たばこ調達部門の強化に取組んでおります。
・国内産葉たばこの調達
国内産葉たばこの調達については、たばこ事業法等により、当社が国内の葉たばこ耕作農家と毎年売買契約を締結し、たばこ製造に適した葉たばこを全量購買することが定められております。また、翌年の耕作面積及び買入価格については、「葉たばこ審議会(注)」の答申を尊重し決定しております。
(注)当社の代表者の諮問に応じ、原料用国内産葉たばこの生産及び買入れに関する重要事項につき調査審議するための審議会です。委員は11人以内で、耕作者を代表する者及び学識経験のある者のうちから財務大臣の認可を受けて当社の代表者が委嘱します。
お客様に信頼される高品質なたばこづくりを目指し、グローバルな製造体制を構築しております。日本国内では4つのたばこ製造工場及び1つのその他たばこ関連工場が、日本を除く28か国では35のたばこ製造工場(その他たばこ関連工場含む)が稼動しております。また、当社グループブランドの製造委託及び2社間でのクロスライセンスによる製造も一部行っております。
ブランド・ロイヤリティを高めるために、様々な規制を遵守しつつ、積極的かつ効果的なマーケティング活動を展開しております。
グローバルには、グローバル・フラッグシップ・ブランド(以下「GFB」という)(注)を中心に、一部のローカルブランドによる補完を行いながらマーケティング活動を行っております。
(注)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFBとしております。
たばこの小売価格設定にあたっては、ブランドのポジショニング、製品価値との見合い、競合製品の価格、利益確保といった観点に加え、定価制や課税方式(従量税・従価税)など国ごとに異なる特有の制度面からも検討を行います。小売価格変更の契機として最も代表的なものは増税です。近年、国内外問わず財政及び公衆衛生の観点からたばこ税の増税が行われております。
お客様に当社グループの商品を確実にお届けするために、当社グループは各市場の法的制約、慣行等に合わせて、自社流通や現地代理店及び流通業者の利用等、最適な流通販売ルートの確保を行っております。
また、販売チャネルに関しても、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケットといったチェーン企業をはじめ、個人商店、自動販売機等があり、その販売構成比は国ごとに異なります。当社グループは、販売チャネル状況、お客様動向及び競合動向を加味した営業体制を構築しております。
〔医薬事業〕
当社グループは、1987年より医薬事業に進出し、「国際的に通用する特色ある研究開発主導型事業の構築」「オリジナル新薬の開発を通じての存在感の確保」をミッションとし、現在は医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。
1998年12月には鳥居薬品㈱(以下「鳥居薬品」という)の発行済株式総数の過半数を取得し、その後、製造、販売及びプロモーション機能を鳥居薬品に、研究開発機能を当社に統合しました。
また、2000年4月には、米国ニュージャージー州にあるグループ会社、Akros Pharma Inc.に臨床開発機能を追加し、海外での臨床開発拠点を設立しました。
当社グループは、安定的な利益貢献に向け、各製品の価値最大化、研究開発パイプラインの強化並びに、戦略的な導出入機会の探索及び提携先との連携強化に取り組んでおります。
・全般
研究開発は医薬事業の基盤であり、医薬事業の長期的成長と収益性にとって重要なものです。研究開発活動は主に「糖・脂質代謝」「免疫・炎症」「ウイルス」の領域にフォーカスしており、当年度は371億円を投資しました。
・研究開発プロセス
「探索研究、創薬研究、前臨床試験」を医薬総合研究所が、その後の「臨床試験、承認申請・承認取得」を臨床開発部門等と米国Akros Pharma Inc.が、それぞれ担っております。また、開発途中段階にて海外における開発権及び商業化権を導出した化合物については、導出先企業が以後のプロセスを担います。
当社グループ製品の製造に関しては、鳥居薬品が担うほか、医薬品製造受託会社にも委託しております。
・海外における販売及びプロモーション
現在、海外において自社の販売組織を保有しておらず、化合物毎に、開発途中段階で海外における開発及び商業化権を他社に導出し、導出先から販売実績に応じたロイヤリティを受領することとしております。
・日本における販売及びプロモーション
日本国内での当社グループ製品の医薬品卸売業者への販売及び医療施設へのプロモーションについては、主に鳥居薬品によって行われております。なお、プロモーションについては、同社の全国14か所の営業支店に在籍する507名の医薬情報担当者(MR)によって行われております。
主要製品としては、「デシコビ配合錠(抗HIV薬)」「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」があります。
なお、当社がGilead Sciences Inc.(以下「Gilead社」という)及び鳥居薬品との間で締結していた「デシコビ配合錠」を含む抗HIV薬6品の日本国内での独占的開発・商業化権のライセンス契約(以下「原契約」という)について、2019年1月1日に契約が終了しております。原契約終了からGilead社の日本法人であるギリアド・サイエンシズ株式会社への製造販売承認の承継が完了するまでの間は、経過措置的な取引条件の下、当社はGilead社から当該抗HIV薬6品を購入し、鳥居薬品は日本国内における販売元として流通を担います。
〔加工食品事業〕
当社グループは、1998年より加工食品事業に参入し、それ以来、自律的な成長に加えて、M&Aや資本提携等によって事業を拡大させてきました。
2008年には日本の大手冷凍食品メーカーであった㈱加ト吉の株式を公開買付により取得してグループ会社とし、同年に当社グループの加工食品事業を㈱加ト吉に移管し、事業統合を実施するとともに、2010年に㈱加ト吉はテーブルマーク㈱と名称を変更する等、統合シナジーの追求・一体感の更なる醸成を図りました。当年度末現在、純粋持株会社であるテーブルマークホールディングス㈱(以下「TMHD」という)及び事業会社であるテーブルマーク㈱並びにグループ各社(以下「テーブルマーク」という)が事業を担っております。
テーブルマークは、日本を中心に、冷凍麺、冷凍米飯、パックご飯、焼成冷凍パンといったステープル(主食)商品を中心とした冷凍・常温加工食品、首都圏を中心に店舗を展開するベーカリー並びに酵母エキス調味料、昆布・カツオなどの抽出エキス調味料、組立型調味料、オイスターソース等の調味料を主力とし、事業を展開しております。加工食品事業での主要な製品には、冷凍麺の「冷凍さぬきうどん」や、パックご飯「たきたてご飯」、酵母エキス調味料「バーテックス」等があります。
なお、2018年10月31日の当社取締役会において、加工食品事業の組織再編を決議しました。これにより、2019年1月1日に当社に食品事業企画室を新設し、同年3月にTMHDの清算を予定しておりますが、当社グループの加工食品事業における事業内容に変更はありません。
研究開発では、消費者のニーズや嗜好にあった革新的な製品の開発に注力しており、多様化するお客様ニーズに対応するため、テーブルマークが保有する独自技術を活かした、付加価値ある製品の開発に取り組んでおります。
具体的には、テーブルマーク独自の発酵・製パン・冷凍技術を活かして、焼きたての味、食感を維持・再現した、家庭で手軽に焼きたての味が楽しめる焼成冷凍パンを開発しました。また、冷凍麺ではうどんの新製法「丹念仕込み『綾・熟成法』」を開発し、これにより、うどんの高品位・高付加価値化を実現することが可能となりました。
安全な食品づくりは、安全で高品質な原料の調達から始まります。当社グループでは、原料の選定にあたり、サプライヤーから提出される品質規格保証書の内容確認だけでなく、主要な原料については、残留農薬などのモニタリング検査や原料工場の定期的な監査を食品衛生法等関連法規の適法性はもとより、当社グループ独自で定めている基準により実施しております。
更に、海外から調達する原材料において、原料農場の土壌や水質の検査、栽培状況の確認、農薬の管理状態のチェック、飼育場や養殖場の点検など、原材料の生産現場から安全性を確認する体制を構築しております。
当社グループでは、日本で23の工場、海外で8つの工場を運営しており、また、国内外の委託工場に当社グループの加工食品の製造を外部委託しております。国内外31か所の自社グループ工場と生産委託を行っている全ての冷凍食品工場においては、ISO22000又はFSSC22000を取得しております。ISO22000及びFSSC22000では、HACCPの考え方による科学的な裏付けをもった衛生管理や重要管理点をコントロールするためのルールを定め、その管理手法に基づいた継続的な改善を行います。FSSC22000については、31か所の自社グループ工場で既に取得しており、その他のグループ工場に関しても事業環境を勘案しながら、順次取得に向け準備を進めております。
お客様視点での市場分析とテーブルマークが保有する技術を組み合わせることにより、新たな付加価値を持った商品提案を行い、市場の拡大を目指しております。また、効果的な販売促進施策によるお客様の商品認知度の向上に努めております。
収益力強化に向けて、営業部門組織体制の最適化に取り組むとともに、量販店、コンビニエンスストア等への積極的なアプローチによる取扱い品目の拡大や優位な陳列場所の確保に取り組んでおります。
お客様に安全な商品を、安心して召し上がっていただくために、東京及び中国(青島)に品質管理センターを設置しており、商品の企画・開発段階からの使用原材料の検査・監査を実施するとともに、工場での生産時・出荷前の検査並びに商品づくり全体の安全管理を行っております。また、「食の安全に関するアドバイザー」である外部専門家の方々より、評価・助言をいただき、多様な知見・視点を積極的に取り入れ、事業活動に反映しております。これらの取組みは、上記及びに記載した内容を含め、ウェブサイトなどで積極的に公開しております。
当社グループは、「4Sモデル」をベースに、「JTならではの多様な価値を提供するグローバル成長企業であり続けること」を目指す企業像(ビジョン)として定めており、また、「自然・社会・人間の多様性に価値を認め、お客様に信頼される『JTならではのブランド』を生み出し、育て、高め続けていくこと」が、当社グループの使命であると考えております。
加えて、当社グループ社員の一人ひとりが徹底すべき行動規範・価値観として「JTグループWAY」を掲げており、「お客様を第一に考え、誠実に行動すること」「あらゆる品質にこだわり、進化し続けること」「JTグループの多様な力を結集すること」という3つのステートメントによって、表現しております。
当社と、連結子会社224社、持分法適用会社11社から構成される当社グループは国内及び海外たばこ事業、医薬事業並びに加工食品事業を展開しているグローバル企業であり、その主な事業内容及び各関係会社等の当該事業に係る位置づけは次のとおりです。
なお、次の4区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。
〔国内たばこ事業〕
当該事業につきましては、たばこ製品の製造、販売等を行っております。当社が製造、販売を行い、TSネットワーク㈱が当社製品の配送及び外国たばこ製品(輸入たばこ製品)の卸売販売等の流通業務を行っております。また、日本フィルター工業㈱等が材料品の製造を行っております。なお、ナチュラル・アメリカン・スピリット製品に係る一部業務については、㈱トゥルースピリットタバコカンパニーが行っております。
(主な関係会社)
TSネットワーク㈱、ジェイティ物流㈱、日本フィルター工業㈱、富士フレーバー㈱、ジェイティエンジニアリング㈱、㈱トゥルースピリットタバコカンパニー
その他連結子会社7社、持分法適用会社1社
〔海外たばこ事業〕
当該事業につきましては、JT International S.A.を中核として、たばこ製品の製造、販売等を行っております。
(主な関係会社)
JT International S.A.、LLC JTI Russia、Gallaher Ltd.、LLC Petro、JT International Germany GmbH、JTI Polska Sp. z o. o.、JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.S.
その他連結子会社159社、持分法適用会社5社
〔医薬事業〕
当該事業につきましては、医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。主に当社が研究開発を行い、鳥居薬品㈱が製造、販売及びプロモーション業務(当社製品を含む)を行っております。
(主な関係会社)
鳥居薬品㈱、Akros Pharma Inc.
〔加工食品事業〕
当該事業につきましては、冷凍・常温加工食品、ベーカリー、調味料等の製造、販売をテーブルマーク㈱等が行っております。
(主な関係会社)
テーブルマーク㈱
その他連結子会社28社、持分法適用会社3社
上記の報告セグメントの他に、不動産賃貸等に係る事業等を営んでおります。なお、報告セグメントに属さない関係会社として、連結子会社14社、持分法適用会社2社があります。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
また、各事業における研究開発、調達、製造、販売等の分野ごとの概要は以下のとおりです。
〔たばこ事業〕
当社グループのたばこ事業(当社グループのたばこ事業は、国内と海外に分けて事業管理を行っており、報告セグメントにおいては「国内たばこ事業」と「海外たばこ事業」を区分しております)は、販売数量で世界第3位(中国国家煙草総公司を除く)を誇り、70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売しております。当社グループは世界における販売数量シェア上位10ブランドのうち3ブランドを製造・販売しております。
研究開発力を長期に亘る競争力の源泉とすべく、特に葉たばこの育種、原材料及びその加工、たばこの香喫味、製造技術並びにRRP(注)関連技術の分野に注力し、製品価値の向上とコストの低減を目指しております。基礎研究及び応用研究開発領域については、日本国内の研究所がグローバル機能を有しており、製品開発領域については、各国・各地域の異なるニーズ・嗜好に対応すべく、ローカルベースでの開発も行っております。
(注)RRPは、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-
Risk Products, RRP)を指しております。
たばこの原料である葉たばこは、農作物であるため、その調達状況は天候に左右され、また、近年、エネルギー資源や他の作物の価格高騰等により、葉たばこ供給の不安定化や価格の高止まり傾向が見られます。このような状況下において、当社グループは買収による垂直統合及びサプライヤーとの連携強化により、原料の安定的な調達と調達コストの低減を目指しております。
・外国産葉たばこの調達
当社グループは、主要葉たばこ産地(米国、ブラジル、マラウィ等)における自社調達基盤の活用、及び主に大手3社の国際葉たばこサプライヤーからの購買により、外国産葉たばこを調達しております。
自社調達基盤は、2009年にブラジル及びアフリカにおける葉たばこサプライヤーの買収、並びに米国におけるジョイントベンチャー設立によって獲得したものです。自社調達基盤の獲得以降、原料調達の安定化、葉たばこ耕作段階からの関与を深めることによる品質管理の強化、葉たばこ調達に精通した優秀な人財の育成による葉たばこ調達部門の強化に取組んでおります。
・国内産葉たばこの調達
国内産葉たばこの調達については、たばこ事業法等により、当社が国内の葉たばこ耕作農家と毎年売買契約を締結し、たばこ製造に適した葉たばこを全量購買することが定められております。また、翌年の耕作面積及び買入価格については、「葉たばこ審議会(注)」の答申を尊重し決定しております。
(注)当社の代表者の諮問に応じ、原料用国内産葉たばこの生産及び買入れに関する重要事項につき調査審議するための審議会です。委員は11人以内で、耕作者を代表する者及び学識経験のある者のうちから財務大臣の認可を受けて当社の代表者が委嘱します。
お客様に信頼される高品質なたばこづくりを目指し、グローバルな製造体制を構築しております。日本国内では4つのたばこ製造工場及び1つのその他たばこ関連工場が、日本を除く28か国では35のたばこ製造工場(その他たばこ関連工場含む)が稼動しております。また、当社グループブランドの製造委託及び2社間でのクロスライセンスによる製造も一部行っております。
ブランド・ロイヤリティを高めるために、様々な規制を遵守しつつ、積極的かつ効果的なマーケティング活動を展開しております。
グローバルには、グローバル・フラッグシップ・ブランド(以下「GFB」という)(注)を中心に、一部のローカルブランドによる補完を行いながらマーケティング活動を行っております。
(注)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFBとしております。
たばこの小売価格設定にあたっては、ブランドのポジショニング、製品価値との見合い、競合製品の価格、利益確保といった観点に加え、定価制や課税方式(従量税・従価税)など国ごとに異なる特有の制度面からも検討を行います。小売価格変更の契機として最も代表的なものは増税です。近年、国内外問わず財政及び公衆衛生の観点からたばこ税の増税が行われております。
お客様に当社グループの商品を確実にお届けするために、当社グループは各市場の法的制約、慣行等に合わせて、自社流通や現地代理店及び流通業者の利用等、最適な流通販売ルートの確保を行っております。
また、販売チャネルに関しても、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケットといったチェーン企業をはじめ、個人商店、自動販売機等があり、その販売構成比は国ごとに異なります。当社グループは、販売チャネル状況、お客様動向及び競合動向を加味した営業体制を構築しております。
〔医薬事業〕
当社グループは、1987年より医薬事業に進出し、「国際的に通用する特色ある研究開発主導型事業の構築」「オリジナル新薬の開発を通じての存在感の確保」をミッションとし、現在は医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。
1998年12月には鳥居薬品㈱(以下「鳥居薬品」という)の発行済株式総数の過半数を取得し、その後、製造、販売及びプロモーション機能を鳥居薬品に、研究開発機能を当社に統合しました。
また、2000年4月には、米国ニュージャージー州にあるグループ会社、Akros Pharma Inc.に臨床開発機能を追加し、海外での臨床開発拠点を設立しました。
当社グループは、安定的な利益貢献に向け、各製品の価値最大化、研究開発パイプラインの強化並びに、戦略的な導出入機会の探索及び提携先との連携強化に取り組んでおります。
・全般
研究開発は医薬事業の基盤であり、医薬事業の長期的成長と収益性にとって重要なものです。研究開発活動は主に「糖・脂質代謝」「免疫・炎症」「ウイルス」の領域にフォーカスしており、当年度は371億円を投資しました。
・研究開発プロセス
「探索研究、創薬研究、前臨床試験」を医薬総合研究所が、その後の「臨床試験、承認申請・承認取得」を臨床開発部門等と米国Akros Pharma Inc.が、それぞれ担っております。また、開発途中段階にて海外における開発権及び商業化権を導出した化合物については、導出先企業が以後のプロセスを担います。
当社グループ製品の製造に関しては、鳥居薬品が担うほか、医薬品製造受託会社にも委託しております。
・海外における販売及びプロモーション
現在、海外において自社の販売組織を保有しておらず、化合物毎に、開発途中段階で海外における開発及び商業化権を他社に導出し、導出先から販売実績に応じたロイヤリティを受領することとしております。
・日本における販売及びプロモーション
日本国内での当社グループ製品の医薬品卸売業者への販売及び医療施設へのプロモーションについては、主に鳥居薬品によって行われております。なお、プロモーションについては、同社の全国14か所の営業支店に在籍する507名の医薬情報担当者(MR)によって行われております。
主要製品としては、「デシコビ配合錠(抗HIV薬)」「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」があります。
なお、当社がGilead Sciences Inc.(以下「Gilead社」という)及び鳥居薬品との間で締結していた「デシコビ配合錠」を含む抗HIV薬6品の日本国内での独占的開発・商業化権のライセンス契約(以下「原契約」という)について、2019年1月1日に契約が終了しております。原契約終了からGilead社の日本法人であるギリアド・サイエンシズ株式会社への製造販売承認の承継が完了するまでの間は、経過措置的な取引条件の下、当社はGilead社から当該抗HIV薬6品を購入し、鳥居薬品は日本国内における販売元として流通を担います。
〔加工食品事業〕
当社グループは、1998年より加工食品事業に参入し、それ以来、自律的な成長に加えて、M&Aや資本提携等によって事業を拡大させてきました。
2008年には日本の大手冷凍食品メーカーであった㈱加ト吉の株式を公開買付により取得してグループ会社とし、同年に当社グループの加工食品事業を㈱加ト吉に移管し、事業統合を実施するとともに、2010年に㈱加ト吉はテーブルマーク㈱と名称を変更する等、統合シナジーの追求・一体感の更なる醸成を図りました。当年度末現在、純粋持株会社であるテーブルマークホールディングス㈱(以下「TMHD」という)及び事業会社であるテーブルマーク㈱並びにグループ各社(以下「テーブルマーク」という)が事業を担っております。
テーブルマークは、日本を中心に、冷凍麺、冷凍米飯、パックご飯、焼成冷凍パンといったステープル(主食)商品を中心とした冷凍・常温加工食品、首都圏を中心に店舗を展開するベーカリー並びに酵母エキス調味料、昆布・カツオなどの抽出エキス調味料、組立型調味料、オイスターソース等の調味料を主力とし、事業を展開しております。加工食品事業での主要な製品には、冷凍麺の「冷凍さぬきうどん」や、パックご飯「たきたてご飯」、酵母エキス調味料「バーテックス」等があります。
なお、2018年10月31日の当社取締役会において、加工食品事業の組織再編を決議しました。これにより、2019年1月1日に当社に食品事業企画室を新設し、同年3月にTMHDの清算を予定しておりますが、当社グループの加工食品事業における事業内容に変更はありません。
研究開発では、消費者のニーズや嗜好にあった革新的な製品の開発に注力しており、多様化するお客様ニーズに対応するため、テーブルマークが保有する独自技術を活かした、付加価値ある製品の開発に取り組んでおります。
具体的には、テーブルマーク独自の発酵・製パン・冷凍技術を活かして、焼きたての味、食感を維持・再現した、家庭で手軽に焼きたての味が楽しめる焼成冷凍パンを開発しました。また、冷凍麺ではうどんの新製法「丹念仕込み『綾・熟成法』」を開発し、これにより、うどんの高品位・高付加価値化を実現することが可能となりました。
安全な食品づくりは、安全で高品質な原料の調達から始まります。当社グループでは、原料の選定にあたり、サプライヤーから提出される品質規格保証書の内容確認だけでなく、主要な原料については、残留農薬などのモニタリング検査や原料工場の定期的な監査を食品衛生法等関連法規の適法性はもとより、当社グループ独自で定めている基準により実施しております。
更に、海外から調達する原材料において、原料農場の土壌や水質の検査、栽培状況の確認、農薬の管理状態のチェック、飼育場や養殖場の点検など、原材料の生産現場から安全性を確認する体制を構築しております。
当社グループでは、日本で23の工場、海外で8つの工場を運営しており、また、国内外の委託工場に当社グループの加工食品の製造を外部委託しております。国内外31か所の自社グループ工場と生産委託を行っている全ての冷凍食品工場においては、ISO22000又はFSSC22000を取得しております。ISO22000及びFSSC22000では、HACCPの考え方による科学的な裏付けをもった衛生管理や重要管理点をコントロールするためのルールを定め、その管理手法に基づいた継続的な改善を行います。FSSC22000については、31か所の自社グループ工場で既に取得しており、その他のグループ工場に関しても事業環境を勘案しながら、順次取得に向け準備を進めております。
お客様視点での市場分析とテーブルマークが保有する技術を組み合わせることにより、新たな付加価値を持った商品提案を行い、市場の拡大を目指しております。また、効果的な販売促進施策によるお客様の商品認知度の向上に努めております。
収益力強化に向けて、営業部門組織体制の最適化に取り組むとともに、量販店、コンビニエンスストア等への積極的なアプローチによる取扱い品目の拡大や優位な陳列場所の確保に取り組んでおります。
お客様に安全な商品を、安心して召し上がっていただくために、東京及び中国(青島)に品質管理センターを設置しており、商品の企画・開発段階からの使用原材料の検査・監査を実施するとともに、工場での生産時・出荷前の検査並びに商品づくり全体の安全管理を行っております。また、「食の安全に関するアドバイザー」である外部専門家の方々より、評価・助言をいただき、多様な知見・視点を積極的に取り入れ、事業活動に反映しております。これらの取組みは、上記及びに記載した内容を含め、ウェブサイトなどで積極的に公開しております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00492] S100FFFN)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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