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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G8TS

有価証券報告書抜粋 株式会社大林組 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、社会及び顧客の多様なニーズに応えるため、環境保全、エネルギー対策等の社会に貢献する技術や、生産性向上、品質確保、コストダウン等に資する工法や技術のほか、事業領域の拡大を図るための技術開発など多岐にわたる分野の研究開発活動を実施している。
また、研究開発活動の幅を広げ、効率化を図るため、国内外の大学、公的研究機関、異業種企業との技術交流、共同開発も積極的に推進している。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は約123億円であり、主な研究開発成果は次のとおりである。
なお、当社は研究開発活動を国内建築、海外建築、国内土木、海外土木、不動産及びその他の各セグメントには区分していない。

(1) 当社
① 革新的な高流動コンクリート「ニューロクリートNeoⓇ」を開発・適用
普通コンクリートに特殊増粘剤と高性能AE減水剤を添加するだけで、ひび割れが発生しにくい高品質なコンクリート構造物を低コストで構築できる、高流動コンクリート「ニューロクリートNeoⓇ」を開発した。
従来の高流動コンクリートは、単位セメント量(1m3に含まれるセメント質量)を大幅に増加させることで材料分離抵抗性を高めていることから、材料コストが上昇するとともに温度ひび割れが発生しやすくなる。
今回開発した「ニューロクリートNeoⓇ」は、従来の高流動コンクリートに比べ単位セメント量が圧倒的に少ないことで、ひび割れが発生しにくいうえに、材料費を約25~35%削減できる。また、普通コンクリートと異なり、建設技能者がバイブレーター等で締固め作業を行わなくても自重で型枠内の隅々まで均質に充填する性能があることから、生産性が向上すると同時にコンクリート工事に係る建設技能者数を約30~50%低減できる。既に8件の道路トンネル工事に適用している。

② システム天井用の面発光LED照明器具「エコルミスクエアⓇ」を開発・適用
高い意匠性と省エネルギー性を兼ね備えた、システム天井用の面発光照明器具「エコルミスクエアⓇ」を開発した。
「エコルミスクエアⓇ」は、システム天井のグリッドサイズ(600mm角)に合わせた照明器具で、LED光源からの光を導光板を用いて効率的に拡散させることにより、面全体がまぶしさや不快感を感じずやわらかい光を発光し、消費電力を大幅に低減することで、省エネルギーに貢献する。また、導光板の活用により、器具の薄型・軽量化を実現し、レイアウトの可変性やデザインの自由度を広げ、意匠性の高い空間を実現しており、既に4件のオフィスビルなどに適用している。

③ 廃棄物最終処分場に敷設する「導電性自己修復マット」を開発・適用
廃棄物最終処分場に低コスト、短工期で敷設できる「導電性自己修復マット」を開発した。
廃棄物最終処分場では、地下水汚染を招かないよう厳重な漏水対策を実施することが義務付けられている。従来は、遮水シートが破損した場合の漏水リスクを低減するため、二重に敷設した遮水シートの間に、遮水シートの破損箇所を電気的に特定するための導電性マットと、水分に触れると膨張して小さな穴や隙間をふさぐ自己修復マットを敷設していた。
今回開発した導電性自己修復マットは、自己修復マット上面の不織布に電気を流せるカーボン繊維を混合することで、導電性と自己修復性の両方の機能を1枚のマットで併せ持つため、材料コストの低減と作業時間の短縮が可能となった。既に一般廃棄物最終処分場の建設工事に適用している。

④ 米国シリコンバレーにてオープンイノベーションにより次世代型の自動品質検査システムを開発
新たな技術の研究開発を進め、次世代生産システムの構築に取り組むために、米国シリコンバレーに開設した「シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリ(Silicon Valley Ventures & Laboratory)」において、飛躍的に建設現場の生産性を向上させる次世代型の自動品質検査システムをSRI Internationalと共同で開発し、建設現場の配筋検査への適用性を実証した。
従来の一般的な2次元の設計図面による配筋検査作業では、施工管理者が工事の進捗に合わせて移動し、対象部位の図面を探して検査するという作業に、多大な労力と時間を費やしていた。
本システムでは、タブレット端末であるべき姿のBIM(Building Information Modeling)モデルと実際の配筋を重ね合わせたMR(Mixed Reality:複合現実)の映像を確認するだけで、設計図面通りに組み立てられているかを瞬時に判別できるため、配筋検査作業の画期的な効率化と品質向上の両方を実現した。

⑤ 建設技能者の接近を検知して建設重機との接触を防止する安全装置「クアトロアイズⓇ」を開発
AIを活用して、建設重機に設置した複数のカメラが建設技能者を高精度に認識し、接近の恐れを検知すると強制的に重機を停止させて接触事故を防止する安全装置「クアトロアイズⓇ」を開発した。
従来の超音波センサーやICタグを用いた安全装置は、資材や危険区域外の建設技能者にも反応して警報が頻発するなどの課題があった。「クアトロアイズⓇ」は、あらかじめ建設技能者の作業姿勢やヘルメットの形状を学習させたAIを活用することで、検知精度が飛躍的に向上し、従来困難であった、屈んだ姿勢や材料を運ぶ建設技能者の検知が可能となった。また、ステレオカメラにより距離を正確に計測できるため、接触の恐れがある場合は強制的に停止させる機能を備えたことにより、接触事故を確実に防ぐことができる。

⑥ 解体作業時の騒音を低減する「バブルサイレンサー™」を開発
建物の解体作業時のコンクリートを破砕する際に発生する騒音を低減する装置「バブルサイレンサー™」を開発した。
「バブルサイレンサー™」を、地下や基礎部分のコンクリート破砕に使用する建設重機「ジャイアントブレーカー」に装着し、騒音発生源である先端ノミ部分を泡で覆うことにより、特に人が不快に感じる高音域の騒音及び粉じんの飛散を抑制し、周辺環境への影響を軽減できる。また、放出する泡は工事で一般に使われている安全な材料を使用するため、従来通りの方法で処分できる。

⑦ 地震後の建物安全性判定支援システム「ポケレポ™」を開発
地震発生後の建物の安全性の判定を支援するシステム「ポケレポ™」を、㈱中電シーティーアイと共同で開発した。
「ポケレポ™」は、配線が不要な無線加速度計とクラウドを活用することで、新築、既存を問わず短期間、低コストで導入できる。また、地震直後にデータをクラウドへアップロードし、安全性判定支援情報を作成するため、建物管理者は、遠方からも複数の建物の情報を一括で把握することができる。さらに、建物ごとの過去の地震観測記録はクラウド上に蓄積されるため、長期間にわたり当該建物の構造安全性を定量的に確認することが可能となる。
今後は実証実験を経て、2019年度中を目標に実用化をめざす。

⑧ 「5G」を活用し、2台の建機を遠隔操作により連携させる実証試験に成功
次世代移動通信システム「5G」を活用し、2台の建設機械(以下「建機」)を遠隔操作により連携させる実証試験に、KDDI㈱及び日本電気㈱と共同で成功した。
災害時の復旧工事では、安全を確保する観点から建機を遠隔で操作するシステムの活用が期待されているが、従来のWi-Fiを利用した遠隔操作では、映像のずれにより作業効率が低下する課題があった。実証試験では、2台の建機に搭載した8台のカメラ映像と音声情報を、高速、大容量及び低遅延通信が特長の「5G」を活用し、リアルタイムで伝送することで、2台の異なる建機を遠隔操作により連携させ、土砂を運搬することに成功した。加えて、車載型の「5G」基地局を導入して復旧活動を迅速かつ安全に進められることを実証した。また、国内で初めて対話型の音声制御システムを導入し、建機を音声のみで遠隔操作することにより、一人のオペレーターが2台の建機を同時に遠隔操作できることを実証した。

⑨ 施工に最適なノズル位置を自動で保つコンクリート吹付け機を開発
山岳トンネル掘削時の支保部材である吹付けコンクリートの施工において、簡易な操作で最適な吹付け位置を維持し、高品質の施工を可能とする吹付け機を、古河ロックドリル㈱と共同で開発した。
従来の吹付け機では、アーム先端部のノズルを正しい位置から外れないように、素早く手動でアームを伸縮させる高度な熟練作業が要求された。
今回開発した吹付け機は、アームの伸縮動作を自動化して操作を簡易化したことで、技能の熟練度によらない吹付けが可能となり、オペレーターの技能習得にかかる時間を短縮できる。さらに、ノズル位置を施工に最適な軌道上に自動で保つことができるため、施工品質の向上とともに、材料コストの抑制や作業環境の悪化を防止することも可能となった。
(2) 大林道路㈱
置き型・フルカラーLEDの路面誘導灯の開発
工事による道路交通規制の際、安全かつ円滑に車両誘導を促すための路面誘導灯「ミチテラ™」を、早水電機工業㈱及びウシオライティング㈱と共同開発した。
「ミチテラ™」は、路面に置くタイプの点滅誘導灯で、堅牢性、防塵性及び防水性に優れているうえ、複雑な配線作業を伴うことなく、ケーブルに電源を接続するだけで使用でき、設置・撤去が容易である。また、円盤型の本体の四方には、フルカラーLED(青・赤・緑)を搭載しており、多様な色を表現できるほか、視認性が高く、あらゆる方向から、また晴天時には100m離れた位置からでも光を確認できる。
点滅パターンは、自由にプログラミングが可能であり、制限速度に合わせた点滅間隔に調整することで、ドライバーに違和感を与えず自然な車線変更を促し、安全かつ円滑な車両誘導を実現することができる。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00055] S100G8TS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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