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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GBRV

有価証券報告書抜粋 王子ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループの研究開発活動は、全体の研究開発を統括するイノベーション推進本部と各事業会社の研究開発部門、各工場の研究技術部等が連携しながら取り組んでいます。イノベーション推進本部は、新事業の創出並びに既存事業の競争力強化を念頭に、技術革新のシーズ開発から、よりビジネスに密着した新市場の開拓と新製品開発を行っています。
当連結会計年度末における当社の保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内1,956件、海外480件です。また保有商標権の総数は国内797件、海外832件です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は8,769百万円となっております。なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。

グループ全体の既存事業の競争力強化として、植林、パルプ、抄紙、塗工の各分野で、蓄積・体系化された技術を基に、新製品開発及び品質改善に取り組んでいます。国内外の工場で、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図っています。

(1)生活産業資材
産業資材事業では、古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、異物・欠陥削減等の品質・操業性改善を推進しました。これらの国内で培った基盤技術を活用して新製品開発を進めるとともに、カンパニーの枠を越え、当社グループ会社の各海外拠点へ水平展開を進めています。
昨年、板紙・包装用紙から段ボール・紙器・製袋までのトータルパッケージング事業を強化するため、イノベーション推進本部にパッケージング推進センターを設置し、国内外のパッケージング関連の製品開発を進めています。さらに、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとして脱プラスチック関連の製品開発を進め、2019年4月より、外部からの酸素や水蒸気の侵入を防ぎ内容物の劣化を抑えるバリア性紙素材「SILBIO BARRIER」のサンプル提供を開始しました。
当事業に係る研究開発費は516百万円です。

(2)機能材
機能材事業では、研究開発型ビジネスの形成を目指し、王子グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した機能性シート・フィルム分野での新製品開発を進めています。
特殊紙事業では、半導体や二次電池などの製造工程で使用される各種高機能フィルター用素材として、より高性能かつ環境に配慮した無機繊維ペーパーを開発しています。また、医療用包材や衛生用品向け不織布など、成長市場に向けた様々な製品開発も進めています。
粘着事業では、機能進化するタッチパネルに対応した各種粘着シートや高機能フィルムの開発を進めています。タッチペン適性を向上させたり、性能劣化を抑制する粘着シート、画面の見やすさを向上させるフィルムといった製品は、スマートフォンやノートPC、ゲーム機などへ採用されています。さらに、最新デザインに対応した高機能粘着シートやフレキシブルディスプレイ向けの製品開発も進めています。進化する車載ディスプレイ向け製品でも採用が進んでおり、新たな市場開拓を目指した製品開発に取り組んでいます。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの技術を生かしたコンデンサ用フィルムの開発や、塗工設備を活用した離型用フィルムの開発を進めています。ハイブリッド車や電気自動車の電気駆動系に用いられるフィルムコンデンサは、その主力材料である高性能ポリプロピレンフィルムの厚みが薄いほど小型化が可能になります。当社は高耐電圧ポリプロピレンフィルムの超薄型化技術の開発を推進し、世界的な需要拡大が見込まれる電動車両向けの電子部品の小型軽量化に貢献しています。また、新たな高機能フィルムとしては、シリコーン汚染が問題となる電子部品の生産工程向けにノンシリコーン軽剥離フィルムを開発しました。現在は、これら製品の採用拡大に向けた用途開発を進めています。
メディカル事業では、病院や介護向け医療用雑貨として、温かさが長持ちする身体清拭用シート「清拭ほっとクロス」を開発し、2019年4月より販売を開始しました。
当事業に係る研究開発費は2,231百万円です。

(3)資源環境ビジネス
王子製紙株式会社米子工場に設置したバイオリファイナリー連続工業プロセスでは、溶解パルプの実機生産と並行して、副生するヘミセルロース分解物の有効活用に関する研究を行っています。溶解パルプは、レーヨン、医薬品や食品の添加剤、セルロース誘導体などの原料として使用され、今後は世界的な人口増加により需要拡大が期待されています。既に繊維原料メーカーや医薬品原料メーカーへの販売を行っており、現在はセルロース誘導体などの高付加価値品への用途開発にも注力し、一部で販売も開始しました。
当事業に係る研究開発費は347百万円です。

(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、DIP品質と歩留まりを両立する技術開発や、使用薬品の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善を推進し、収益向上に繋げています。また、インクジェット新聞用紙やフォーム印刷用インクジェット紙の開発で培った技術を応用し、さらに付加価値の高いインクジェット用紙の開発を進めています。
当事業に係る研究開発費は914百万円です。

(5)その他の研究開発活動
グループ内の関連部門と密に連携しながら、イノベーション推進本部を中心に機動的かつ効率的な研究開発活動を実施し、セルロースナノファイバー(CNF)をはじめとして、薬用植物や水処理技術など、革新的価値創造に取り組んでいます。
CNFについては将来事業の柱として、事業化に向けた用途開発に精力的に取り組んでいます。CNFスラリー「アウロ・ヴィスコ」の開発においては、細い繊維(超微細繊維)により高い透明度・粘度を有する従来品に加え、新たに太く長い繊維(長繊維)から細く短い繊維(超微細繊維)までを含むCNFスラリーを開発し、より幅広い分野での適用を目指します。用途開発の具体例としては、化粧品原料用途のCNF「アウロ・ヴィスコ CS」を製品化しました。今後は化粧水、乳液、日焼け止め等の化粧品への採用を広めていきます。また、2019年1月に、生コンクリート圧送用先行剤にも採用されました。当先行剤は経済産業省「新市場創造型標準化制度」を活用した標準化案件に決定しており、標準化されれば様々な建築現場での採用拡大が期待されています。当社独自のCNF透明連続シート「アウロ・ヴェール」、耐水性能を向上させた「アウロ・ヴェール WP」、立体成形加工が可能な「アウロ・ヴェール 3D」についても開発及びサンプル配布を積極的に進め、様々な産業分野における適用性検討を継続しています。2019年5月には電機メーカーとの共同開発により「アウロ・ヴェール」上への微細パターニングに成功しました。この技術を用いて高機能な電子回路を形成し、幅広い製品への展開が期待されています。引き続き、社内外のリソースを有効に活用しながらCNFで実現可能となる新たな価値の創造に取り組み、CNF市場の活性化に貢献していきます。
さらに2018年1月に製造実証設備を導入した当社独自の透明連続シート「アウロ・ヴェール」、耐水性能を向上させた「アウロ・ヴェール WP」、立体成形加工が可能な「アウロ・ヴェール 3D」についても開発及びサンプル配布を積極的に進め、様々な産業分野における適用性検討を継続しています。引き続き、社内外のリソースを有効に活用しながらCNFで実現可能となる新たな価値の創造に取り組み、CNF市場の活性化に貢献していきます。
薬用植物については、「甘草(かんぞう)」の栽培技術によって、第17改正日本薬局方に定める薬効成分含量を満たす短期栽培技術を日本で初めて開発し、2017年からは、大規模栽培による「甘草」の量産化検討を開始しました。今後、漢方薬などの医薬品原料として販売を目指すとともに、医薬部外品や甘味料の原料化も視野に、新規ビジネスの柱の一つとして注力していきます。
水処理技術の分野では、当社が長年培ってきた製紙技術を通じて蓄積された用水製造・排水処理のノウハウを多様なニーズと組み合わせることで、あらゆる水環境に適した水処理システムを提供しています。国内のみならず東南アジア各国で、水質分析・ラボ試験・パイロット試験などの現地調査を実施し、より適切な設備の設計・施工を進めるための体制も確立しています。また新たな取り組みとして、用水製造及び排水処理向けに展開してきた当社独自の膜処理設備においては、IoTを導入した遠隔監視システムを組み込み、設備全体を遠隔でサポートするサービスを開始しました。今後も、水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、日本国内のみならず東南アジアをはじめとする新興国の水環境発展に貢献していきます。
その他、新規開発分野として、ナノドットアレイという独自の微細構造形成技術を用いて、深紫外LEDの輝度向上に用いる微細構造体、各種光学材料の反射防止構造体、iPS創薬開発などに役立つ細胞培養基材の微細構造体、などを開発しています。
また、木材主要成分であるヘミセルロースを、当社独自の技術により高付加価値製品へと展開することが可能になりました。高純度に精製したヘミセルロースは化粧品の原材料として配合され、既に全国で販売されています。さらにヘミセルロースを精製・化学合成した硫酸化へミセルロース(PPS)は、医薬品有効成分として、動物用医薬品、人用医薬品としての展開が期待されています。
その他の研究開発活動に係る研究開発費は4,759百万円です。なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費が含まれます。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00642] S100GBRV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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