有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OGWT (EDINETへの外部リンク)
株式会社インターネットインフィニティー 事業等のリスク (2022年3月期)
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因になる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、投資判断上或いは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 介護保険制度について
当社グループの主要な事業でありますレコードブック事業及び在宅サービス事業は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を内容とするため、介護保険制度の改正及び介護報酬の改定の影響を強く受けます。介護サービスに係る単位数、地域区分による一単位の単価及び一人当たりの支給限度額については、介護保険制度等により定められているため、制度改正の内容によっては当社の収益性に影響を与える可能性があります。介護保険制度は、5年を目処に見直しが行われ、3年毎に介護報酬の改定が行われることとされており、2021年4月に介護報酬の改定が行われました。2021年度の介護報酬の改定では、全体としてプラス改定となり、介護保険制度を将来にわたり安定的に持続させるため、自立支援や重度化防止に向けた一層の取組みが評価されることに加え、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供が求められることとなりました。また、近年の新型コロナウイルス感染症や大規模災害などが発生した場合であっても必要な介護サービスが継続的に提供できるよう、事業継続に向けた計画等の策定も求められております。さらに、介護業界では人材不足が深刻化してきており、人材の確保が重要な経営課題として認識されておりますが、介護人材の確保と定着の観点から、経験や技能のある介護職員に重点をおいた新たな「介護職員特定処遇改善加算」が2019年10月より創設されております。
今後、後期高齢者の増加による介護給付費の伸びを抑えるため介護報酬の引き下げや自己負担割合の引き上げが行われた場合、介護サービスの利用の差し控え、利用回数の減少などの影響が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合について
当社グループが事業を展開する介護福祉及び予防介護市場は、介護保険法を中心とした様々な法規制下にあるため、事業展開にあたっては一定の法理解やノウハウの蓄積が必要ではあるものの、必ずしも参入障壁が高いとは言えないため、複数の事業者が参入しております。増大する社会保障費が国家財政を圧迫しており、介護保険サービスの更なる充実は期待しにくい環境にあることから、大手事業者の本格的な参入及び展開については、現時点において限定的であると認識しておりますが、今後も多数の事業者の参入や大手企業による展開の可能性が否定できません。当社グループは長年の介護保険ビジネスの運営によるノウハウの蓄積、ターゲット人口、競合事業所の状況、直営店の実績データ等を用いた当社独自のエリアマーケティングシステムの構築、利用者のモチベーションを高める優れた運動プログラムの確立、ケアマネジャーネットワークを用いたブランド戦略など、優位性を確保していると認識しておりますが、事業者の拡大や大手企業等の当該分野への本格参入が生じ、介護サービス利用者の獲得が激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新規出店について
当社グループのレコードブック事業は、直営及びフランチャイズ形態による多店舗展開を行っております。同事業においては、出店計画に基づき出店を行っておりますが、異業種他社との提携又は他社店舗の買収等による新規出店も積極的に進めております。しかしながら、新規出店が予定どおり行われない場合、もしくは出店時期が何らかの事情により延期となった場合、出店計画を見直す場合があるほか、当該店舗出店時の投資金額の回収が長期化し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、フランチャイズチェーン展開については、現在は大都市圏や地方都市を中心に全国にて展開しております。展開にあたっては当社独自のエリアマーケティングにより慎重な調査の上、出店エリアを決定していきますが、出店するエリアの自治体の方針等により、地方展開が予想どおり進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
介護保険法に基づく介護サービスを行うには、事業所毎に指定事業者としての指定を都道府県知事(介護予防・日常生活支援総合事業及び地域密着型サービス等については市区町村長)から受ける必要があります。指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」(介護保険法に基づく厚生労働省令)を満たしていなければなりませんが、当該基準を満たせなくなった場合には、事業の停止や介護報酬の減額等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 有資格者及び人員の確保について
介護保険法に基づく介護サービスについては、ほとんどの場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)・看護師・介護福祉士・訪問介護員等の有資格者によるサービスが義務付けられており、提供するサービス内容によって、異なる資格を必要とするため、適切な資格を有する人材を確保する必要があります。当社グループは、現時点において人材確保に関して重大な支障は生じていないものと認識しておりますが、今後の事業拡大に際して十分な人員確保が困難となった場合又は既存人員の流出等が生じた場合には、提供する介護サービスの質の低下や継続提供が困難となる可能性があるほか、人員確保のためのコスト負担増加等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 高齢者介護における安全管理及び健康管理について
当社グループが提供する介護サービスの利用者は、要支援又は要介護認定を受けている高齢者であり、転倒事故、食物誤嚥事故及び感染症の集団発生等、高齢者の特性に起因する事故等が発生する可能性があります。当社グループは、サービス提供中の安全衛生管理には細心の注意を払い、従業員の教育指導を徹底するなど事故の予防に万全を期しておりますが、万一、事故や感染症等が発生した場合、当社グループの信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受ける恐れがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(7) フランチャイズビジネスについて
当社グループはレコードブック事業においては、直営店に加えフランチャイズ形態による出店を行っております。当社は、フランチャイズ加盟店に対しては経営指導を行い、ロイヤルティ収入等を得ておりますが、加盟店の経営状況が芳しくない場合、ロイヤルティ収入の減少、当社への未払金の増加や、当フランチャイズチェーンからの撤退等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、フランチャイズ契約の内容が変更され、加盟店及び当社の収益構造が変化する場合、レコードブックの店舗ネットワーク拡大にあたってフランチャイズチェーン展開が計画どおりに実現できない場合、事業運営や今後の事業計画に影響を及ぼすなどして、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社はフランチャイズ加盟店に対し、スーパーバイザーを通じた店舗運営指導や経営支援等を行っておりますが、当社の指導が十分に理解されず、又は当社の指導の及ばない範囲でフランチャイズ加盟店に対する苦情や芳しくない評判等が発生した場合、当社及び当社グループのブランドイメージに影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 業績の変動について
当社グループのレコードブック事業においては、フランチャイズ形態による多店舗展開を積極的に進めており、毎期数十店ずつの新規出店を続けております。当社グループがフランチャイズ加盟店から売上高に応じて得ているロイヤルティ収入については、フランチャイズ加盟店数や各加盟店のご利用者人数に応じて伸びていくため、その性質上年度末にかけて売上高、利益ともに増加する傾向にあります。一方、Webソリューション事業では、主に顧客企業のマーケティングリサーチやプロモーション支援等を行っているシルバーマーケティング支援においては、顧客のマーケティング戦略等の変化に伴い、受注する案件の規模や案件数が変動する傾向にあります。よって、四半期毎の売上高は平準化されないことがあり、受注する案件の規模によっては一時的に特定の取引先に対する売上高の依存度が高まることになります。当社グループは、業績の安定に向けて新サービスの開発や商品ラインナップの拡充などによる顧客企業数の増加に努めていく方針でありますが、これらが計画通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 新規事業について
当社グループでは、新規事業への取組みを継続的に行っております。今後の高齢者市場拡大への対応として、新たなビジネスモデルの確立に向け、新サービス及び新規事業の開発を進め介護保険外サービスを強化していく方針ですが、当初の予測とは異なる状況が発生し、これらの展開が計画通りに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(10) 自然災害について
地震や風水害等の自然災害が発生し、業務を停止せざるを得ない場合や、建物や設備が損傷しその修復に多大な費用が必要となった場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(11) 感染症の拡大について
当社グループは社会インフラとして重要な役割を担っていることを鑑み、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生及び拡大に際しては、顧客や従業員、その他関係者等の安全確保、感染拡大防止を最優先に取組むことを前提に、介護サービスを継続して提供することにより社会に貢献していく方針ですが、事業を展開している地域や店舗において感染者が発生し、店舗運営や営業活動を含めた通常の事業活動が困難となった場合、また、取引先において感染症の影響に伴い人的・物的・財務的要因により弊害が生じ、販売や仕入活動において支障が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該事象の長期化に備え、当社グループにおいては事業継続計画の整備や不測の事態が生じた際の資金調達手段の確保等の対策を講じておりますが、当社グループの想定を上回る事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(12) 情報管理について
当社グループが提供するサービスは、業務上、利用者或いはその家族の重要な個人情報を取扱います。当社グループは、個人情報をはじめとした情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や全社員対象の研修等を通じて、情報漏洩の防止に取り組んでおります。しかしながら、万一、システム等から個人情報が外部に漏洩する等のトラブルが発生した場合、損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(13) 風評等の影響について
当社グループが事業を展開する介護業界においては、利用者及び介護に関わる方々との信頼関係や評判が、当社グループの事業運営に大きな影響を与えると認識しております。当社グループは、利用者の信頼が得られる質の高いサービスの提供に努めておりますが、何らかの理由により当社グループに対するネガティブな情報や風評が流れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(14) 減損会計の適用について
当社グループは、レコードブック事業等において多数の事業所を出店しておりますが、事業環境の変化等により、事業所毎の採算性が低下した場合、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、減損処理が発生しないよう各拠点の収益管理を徹底し、採算性の悪い拠点に対しては積極的に対策を講じておりますが、万一、不採算拠点の増加や閉鎖が増加した場合には、多額の減損損失が発生する可能性があります。(15) 有利子負債への依存について
当社グループは、資金調達につき金融機関からの借入金等に多く依存しており、2022年3月期末における有利子負債は総資産の27.4%となっております。よって、金融情勢の変化などにより計画通り資金調達ができない場合には、事業展開等に影響を受ける可能性があります。また、金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には利益を圧迫し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(16) 株主に対する利益還元の方針について
当社は、事業拡大に向けた内部留保の充実が重要であると認識しておりますが、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題と認識しており、今後は、財務体質の強化を図り、必要な内部留保を確保しつつ、経営成績・財政状態を勘案して配当を行っていく方針であります。しかしながら、業績が計画通り進展しなかった場合や業績が悪化した場合、継続的に配当を行えない可能性があります。(17) 株式価値の希薄化について
当社グループは、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブプランとしてストック・オプションの発行及び譲渡制限付株式の発行を行っております。このうち、ストック・オプションについては、2022年3月末現在、新株予約権による潜在株式数は233,600株であり、発行済株式総数5,427,771株の4.3%に相当しております。今後につきましては譲渡制限付株式の発行を積極的に活用していくことを検討しております。これらの新株予約権の権利行使及び新たな譲渡制限付株式が発行された場合、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。(18) コンプライアンスについて
当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス体制及び内部統制システムの強化を経営上の重要課題の一つとして位置づけ、従業員等に対して適切な指示、指導を実施し、反社会的勢力との関係遮断や不正行為の防止・発見のために必要な予防策を講じています。しかしながら、コンプライアンスをはじめとした内部統制システムには一定の限界があるため、その達成を完全に保証するものではありません。そのため、必要な教育や対策等を可能な限り講じても、将来において法令違反等が生じた場合、利用者の信頼失墜を招く、もしくは取引先等から訴訟を提起される、という事態が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(19) 投融資について
当社グループは、新たな事業への展開や既存事業の強化、収益源の多様化、事業展開の加速化等を目的として、出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等を含む各種の投融資を行っていく方針です。その際、投融資先の状況及びそれに伴うリスク等を慎重に検討した上で投融資を実行し、出資後も定期的なモニタリングを継続実施していく方針ですが、これらの投融資の結果を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化により投融資に見合う収益が得られない、あるいは損失が発生した場合、減損の対象となる事象が生じた場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(20) 子会社管理体制について
当社は、連結子会社について、その運営にあたり「グループ経営管理規程」に基づき子会社の管理体制を整備するとともに、当社の役職員が子会社の役員を兼務し、子会社の業務運営の把握や改善を行うなど、適切な管理及び支援を行っております。しかしながら、当社による連結子会社への管理及び支援が適切に行われず、当該子会社の業績悪化や不祥事等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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