有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GB86
チッソ株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
「社会の未来をかえる新しい価値を発見し、社内外の技術を活用して価値創造のビジネスモデルを継続的に提案する。」を研究開発方針に掲げ、事業価値の向上に向けた研究開発を推進しています。当連結会計期間末における研究開発要員はグル-プ全体で345名、研究開発費は約73億円でした。
セグメントごとの研究開発の概要は以下の通りです。
(1)機能材料事業
機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び関連材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
液晶材料市場は中国メーカーとの競争が一段と激化していますが、高い信頼性が要求される車載用途、及び解像度と透過性の要求が厳密な高精細プレミアムTVでは中国以外のメーカーの材料が選択されています。
特に2018年度は8K対応TV用パネルに搭載される液晶として、新型材料の顧客評価を進めました。採用が実現すれば自社として初のブランドメーカーでの新モードの流動となるため、R&Dのみならず製造関係部署も一丸となっての開発を進めています。特にこれからの市場状況を見越し、コスト・プロセスの両面で顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、上期に続き下期も発光材料の採用が増加し、製品化が進んでいます。既存材料もさることながら、新規将来テーマへ向けた開発も促進しており、関西学院大学との共同研究による材料系開発を行ないました。これらの成果については、2019年度に学会や学術論文による発表等を進め、当社の中核事業子会社であるJNC株式会社の有機EL材料の存在価値を高めてまいります。さらに機能の異なる有機EL材料製品の開発も加速し、今後の事業の中核として確立すべく注力しています。
光配向膜材料は特性の改良により高感度、高透過率、高安定性の材料系を新規開発し、高機能特性を有する材料の供給体制の構築を進めています。
オーバーコート材料は、当社材料の特徴である高バリア性能、高耐熱性、高平坦性で高い評価をいただいています。
重合性液晶材料(PLC)は、顧客評価で小型ディスプレイでの表示特性の顕著な改善が確認されており、更なるステージアップの段階を向かえています。また最近では大型ディスプレイテーマへの展開を検討する顧客もあり、大型製品への採用の可能性も広がっています。
LCDマーケットの定着、関連材料の大量生産に並行して、ディスプレイ業界以外でも液晶材料の入手が容易となりつつあることから、結晶と液体の中間の特性をもつ特殊材料である液晶をディスプレイ以外の用途への展開を目的とした研究開発も進めております。具体的には光の遮断機能を活用した調光材や、光変調素子等で最終製品段階まで開発が進んでいます。
プリンテッド・エレクトロニクス材料は、既に採用されているフィルムセンサー、コンデンサー用途の拡大、半導体向け材料及びフレキシブルプリント基板の開発に注力しており、顧客評価が順調に進んでいます。
(2)加工品事業
加工品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
繊維・不織布関連では高機能複合繊維の開発とスルーエア不織布、メルトブローン不織布、エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布やこれらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。スルーエア不織布では、孔開け不織布や格子状の模様を付けた賦形不織布を試作し、肌触りや通気性の良い不織布の開発を行っています。また、複合製品では、空調フィルター等を開発し、ユーザー評価を進めています。
肥効調節型肥料は、新機能を付与した肥効調節型肥料の量産化技術開発及び拡販を進めています。
(3)化学品事業
化学品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能有機化学品の研究開発及び生産技術開発
b)シリコン化合物の研究開発及び生産技術開発
c)ライフケミカル製品の開発
有機化学品では社内コア技術を活用し、電子情報材料をターゲットとした機能性化学品のユーザー評価が進んでいます。
シリコン化合物では高機能新規シラン化合物や樹脂変性用の反応性シリコーンの開発を行っています。シリコン系LED用封止材は採用が進むと共に、新用途材料としてのユーザー評価も増加しており、更に機能性を向上させた材料開発に取り組んでいます。
ライフケミカル製品においては、医薬品原料を精製するためのクロマトグラフィー充填剤(商品名;セルファイン)を展開しています。また、中国では現地代理店と契約し販売体制の強化をはかっています。この他、抗体医薬精製用プロテインA担体(製品名:セルファインSPA-HC)の販売を開始しました。これにより抗体医薬精製で使用されるクロマトグラフィー充填剤の全てを自社製品として販売することが可能となりました。体外用診断薬では、新たに人用の体外診断用医薬品(白癬菌抗原キット)の承認を受け、海外での販売を強化しています。微生物検査用のシート培地は、新シリーズの開発を継続しています。
(4)新規分野
精密加工品開発室では、各種機能性フィルム、リチウムイオン電池用セパレータの製造販売を継続しています。特に、機能性フィルムの中でもペイント・プロテクションフィルムは、防汚性や自己修復性の特徴に加え、高い光沢性と施工の容易さなどが好評を得ており、米国・中国・東南アジアで販売を伸ばしています。更に販売を支えるツールとしてWEB上に専用のサイトを公開しています(www.jn-shield.com)。その他、スマホ向け防眩及び防指紋の光学フィルム、自動車内装部品向けの加飾成型用フィルム、賃貸住宅向け床材用保護フィルムの市場開発も継続しています。リチウムイオン電池(LIB)用セパレータ材料では、細孔の大きさ分布を高度に制御することによる低抵抗の特徴を活用して、摂氏0℃以下の環境域や高電流での充放電を可能とする優れたLIB用高性能セパレータとして、国内外で好評価を得ています。加えて、無機物のコートを施すことで安全性を更に向上させたコートタイプセパレータを開発し、各種リチウムイオン電池へ採用が進んでいます。
(5)コーポレートテーマ
機能材料事業、加工品事業、化学品事業、エネルギー・環境事業をターゲットとした新技術、新商品の開発を推進しています。吸音材料の開発では、ナノ繊維の特徴を活かし、低周波領域での吸音性を大幅に高めることに成功し、モビリティー分野、オフィス分野での用途開拓を進めています。二次電池負極材料の開発では、米国ベンチャー企業への出資を行い、リチウムイオン二次電池の高容量化と長寿命化を実現する添加剤の開発を進めています。低環境負荷で高栄養作物の栽培を実現する新農業システムの開発は、技術ライセンスの取得に向けた準備を進めています。
(6)研究開発支援部門
事業開発推進室、知的財産室及び市原研究所、水俣研究所の分析・基盤グループと共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)事業開発支援
b)知的財産支援
c)全社研究開発支援としての分析・基盤研究
事業開発推進室では、開発テーマの早期事業化と既存テーマの利益最大化を目指し、市場調査に立脚した方針立案等でコーポレートテーマ及び事業部門を支援しています。知的財産支援では、2018年度に201件の国内新規特許を出願しました。研究開発支援では、当社グループのコア事業である、ディスプレイ材料に対して高度な分析・解析技術を使って研究開発推進に貢献しています。今年度は、AI技術の開発に取り組み、材料設計の基盤的なツールとしての活用を始めています。
セグメントごとの研究開発の概要は以下の通りです。
(1)機能材料事業
機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び関連材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
液晶材料市場は中国メーカーとの競争が一段と激化していますが、高い信頼性が要求される車載用途、及び解像度と透過性の要求が厳密な高精細プレミアムTVでは中国以外のメーカーの材料が選択されています。
特に2018年度は8K対応TV用パネルに搭載される液晶として、新型材料の顧客評価を進めました。採用が実現すれば自社として初のブランドメーカーでの新モードの流動となるため、R&Dのみならず製造関係部署も一丸となっての開発を進めています。特にこれからの市場状況を見越し、コスト・プロセスの両面で顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、上期に続き下期も発光材料の採用が増加し、製品化が進んでいます。既存材料もさることながら、新規将来テーマへ向けた開発も促進しており、関西学院大学との共同研究による材料系開発を行ないました。これらの成果については、2019年度に学会や学術論文による発表等を進め、当社の中核事業子会社であるJNC株式会社の有機EL材料の存在価値を高めてまいります。さらに機能の異なる有機EL材料製品の開発も加速し、今後の事業の中核として確立すべく注力しています。
光配向膜材料は特性の改良により高感度、高透過率、高安定性の材料系を新規開発し、高機能特性を有する材料の供給体制の構築を進めています。
オーバーコート材料は、当社材料の特徴である高バリア性能、高耐熱性、高平坦性で高い評価をいただいています。
重合性液晶材料(PLC)は、顧客評価で小型ディスプレイでの表示特性の顕著な改善が確認されており、更なるステージアップの段階を向かえています。また最近では大型ディスプレイテーマへの展開を検討する顧客もあり、大型製品への採用の可能性も広がっています。
LCDマーケットの定着、関連材料の大量生産に並行して、ディスプレイ業界以外でも液晶材料の入手が容易となりつつあることから、結晶と液体の中間の特性をもつ特殊材料である液晶をディスプレイ以外の用途への展開を目的とした研究開発も進めております。具体的には光の遮断機能を活用した調光材や、光変調素子等で最終製品段階まで開発が進んでいます。
プリンテッド・エレクトロニクス材料は、既に採用されているフィルムセンサー、コンデンサー用途の拡大、半導体向け材料及びフレキシブルプリント基板の開発に注力しており、顧客評価が順調に進んでいます。
(2)加工品事業
加工品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
繊維・不織布関連では高機能複合繊維の開発とスルーエア不織布、メルトブローン不織布、エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布やこれらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。スルーエア不織布では、孔開け不織布や格子状の模様を付けた賦形不織布を試作し、肌触りや通気性の良い不織布の開発を行っています。また、複合製品では、空調フィルター等を開発し、ユーザー評価を進めています。
肥効調節型肥料は、新機能を付与した肥効調節型肥料の量産化技術開発及び拡販を進めています。
(3)化学品事業
化学品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能有機化学品の研究開発及び生産技術開発
b)シリコン化合物の研究開発及び生産技術開発
c)ライフケミカル製品の開発
有機化学品では社内コア技術を活用し、電子情報材料をターゲットとした機能性化学品のユーザー評価が進んでいます。
シリコン化合物では高機能新規シラン化合物や樹脂変性用の反応性シリコーンの開発を行っています。シリコン系LED用封止材は採用が進むと共に、新用途材料としてのユーザー評価も増加しており、更に機能性を向上させた材料開発に取り組んでいます。
ライフケミカル製品においては、医薬品原料を精製するためのクロマトグラフィー充填剤(商品名;セルファイン)を展開しています。また、中国では現地代理店と契約し販売体制の強化をはかっています。この他、抗体医薬精製用プロテインA担体(製品名:セルファインSPA-HC)の販売を開始しました。これにより抗体医薬精製で使用されるクロマトグラフィー充填剤の全てを自社製品として販売することが可能となりました。体外用診断薬では、新たに人用の体外診断用医薬品(白癬菌抗原キット)の承認を受け、海外での販売を強化しています。微生物検査用のシート培地は、新シリーズの開発を継続しています。
(4)新規分野
精密加工品開発室では、各種機能性フィルム、リチウムイオン電池用セパレータの製造販売を継続しています。特に、機能性フィルムの中でもペイント・プロテクションフィルムは、防汚性や自己修復性の特徴に加え、高い光沢性と施工の容易さなどが好評を得ており、米国・中国・東南アジアで販売を伸ばしています。更に販売を支えるツールとしてWEB上に専用のサイトを公開しています(www.jn-shield.com)。その他、スマホ向け防眩及び防指紋の光学フィルム、自動車内装部品向けの加飾成型用フィルム、賃貸住宅向け床材用保護フィルムの市場開発も継続しています。リチウムイオン電池(LIB)用セパレータ材料では、細孔の大きさ分布を高度に制御することによる低抵抗の特徴を活用して、摂氏0℃以下の環境域や高電流での充放電を可能とする優れたLIB用高性能セパレータとして、国内外で好評価を得ています。加えて、無機物のコートを施すことで安全性を更に向上させたコートタイプセパレータを開発し、各種リチウムイオン電池へ採用が進んでいます。
(5)コーポレートテーマ
機能材料事業、加工品事業、化学品事業、エネルギー・環境事業をターゲットとした新技術、新商品の開発を推進しています。吸音材料の開発では、ナノ繊維の特徴を活かし、低周波領域での吸音性を大幅に高めることに成功し、モビリティー分野、オフィス分野での用途開拓を進めています。二次電池負極材料の開発では、米国ベンチャー企業への出資を行い、リチウムイオン二次電池の高容量化と長寿命化を実現する添加剤の開発を進めています。低環境負荷で高栄養作物の栽培を実現する新農業システムの開発は、技術ライセンスの取得に向けた準備を進めています。
(6)研究開発支援部門
事業開発推進室、知的財産室及び市原研究所、水俣研究所の分析・基盤グループと共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)事業開発支援
b)知的財産支援
c)全社研究開発支援としての分析・基盤研究
事業開発推進室では、開発テーマの早期事業化と既存テーマの利益最大化を目指し、市場調査に立脚した方針立案等でコーポレートテーマ及び事業部門を支援しています。知的財産支援では、2018年度に201件の国内新規特許を出願しました。研究開発支援では、当社グループのコア事業である、ディスプレイ材料に対して高度な分析・解析技術を使って研究開発推進に貢献しています。今年度は、AI技術の開発に取り組み、材料設計の基盤的なツールとしての活用を始めています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00753] S100GB86)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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