有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FHTG
大倉工業株式会社 研究開発活動 (2018年12月期)
当社グループにおける研究開発の基本方針は、コア・コンピタンスとしての「加工技術」の向上及び「機能材料」の開発であり、これらは競争戦略である「差別化・特殊化」を達成するための鍵と捉えております。
この基本方針のもと、当社グループの強みである押出・延伸等のプラスチック加工技術を基礎に、より競争力のある製品を生み出すべく経営資源を集中し、グループ一体となって取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、R&Dセンターを中心に各事業部門が密接に連携を取りながら、短期的成果の実現と中期的先行開発のバランスに配慮し、効率的に新たな技術や製品開発に取り組んでおります。
また、各種研究機関、大学、企業とのプロジェクト、共同研究もR&Dセンターを中心に推進しております。
当連結会計年度における主な活動内容は次のとおりであります。
[R&Dセンター]
市場の伸長が期待される「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「情報電子」に加え、3つの分野を横断する自動車用途向け部材に注力し、新しい要素技術の獲得に取り組み、事業に繋がる新製品を開発するべく取り組んでおります。
「環境・エネルギー」分野では、バイオプラスチック原料からできた環境負荷低減製品の技術の応用・深化検討を開始し、2019年に発足するクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)へ参画します。また、香川県先端技術活用型研究開発支援事業にて、産業技術総合研究所とセルロースファイバーに関する共同研究を行い、機能性フィルムの開発に活かせる樹脂複合化検討及び課題抽出を実施しました。さらに、電動化車両における電池の消耗削減に貢献する省エネルギー部材の開発を継続し、開発成果を権利化しました。
「ライフサイエンス」分野では、先端医療技術を導入したスマート手術室で使用される医療機器用プロテクトフィルムの開発を継続し、必要な法規制や規格要求を習得して上市に向け取り組みました。さらには今後の市場拡大が期待されるバイオ医薬品やワクチンの培養に使用する細胞培養関連部材の開発を開始しました。
「情報電子」分野では、昨年販売が具現化した電子黒板やデジタルサイネージなどに使用される大型用途に対応したタッチパネル部材の需要が増加しました。また、データ通信機器の高速通信に欠かせない5G対応の高周波低損失基板用部材の開発に着手しました。
[合成樹脂事業]
食品パッケージの市場では、夜間に包装する人材不足及び廃棄ロスを削減する目的でシェルフライフを延長するためにガス充填を行うMAP(Modified Atmosphere Packaging)システムの採用が増加しております。当連結会計年度では、このシステムに使用されるガスバリアー性シュリンクフィルムの長期保管性能を強化した製品の販売が旺盛となりました。
また、資源有効利用促進法の基本方針のひとつに示されているリデュース促進のため、ボトル容器からスタンディングパウチ形態への置き換えが進んでおり、それに対応する製品を上市しました。さらに、利便性を向上させるため、スパウト付きスタンディングパウチの販売に取り組みます。
さらに、様々な用途のシュリンク包装に対応するため、高収縮性を有したシュリンクフィルムを開発し、その生産機として従来よりも生産性の高い設備を新設しました。
[建材事業部]
南洋材合板の原木枯渇や価格高騰が見込まれる中、自社製リサイクル素材であるパーティクルボードを多面的に利用できるよう、パーティクルボードを基材とした化粧板の開発を進めました。
また、構造用パーティクルボードについて、よりお客様が利用しやすいよう、設計の見直し等を進めました。
さらに、未利用の植物資源を高度にカスケード利用する技術開発に取り組み、快適な住環境の形成に寄与する高付加価値で有用な機能性建材の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は10億2千9百万円であり、各セグメントに配分できないR&Dセンターの研究開発費用6億9千3百万円が含まれております。
なお、当連結会計年度末における特許権及び実用新案権の総数は141件であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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