有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G7PL
三井化学株式会社 事業等のリスク (2019年3月期)
当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。
当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 外部事業環境について
当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。また、法制度の変更による税負担の増加等のリスクが考えられます。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(2) 海外活動について(カントリーリスク)
当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。これらの事象は、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 法令の改変、規制の強化について
当社グループでは、事業展開にあたり各種許認可や規制等、さまざまな法令の適用を受けております。そのため、当社グループでは「法令・ルール遵守が会社存続の大前提」であることを強く認識し、社内外の法令違反事例を取り入れた教育実施等の施策を進め、法令遵守に努めております。
当社グループに関連する法令に関しては、大幅な変更や規制の強化、また、海外においては予期せぬ改変が行われるリスクが考えられます。これら法令の改変及び規制の強化は、当社グループの活動制限や法令遵守のためのコスト増大等、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(4)各事業の経営成績における変動要因について
当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。
①モビリティ部門
モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。
②ヘルスケア部門
ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。
③フード&パッケージング部門
機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。
農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。
④基盤素材部門
石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。
基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。
(5) 財務について
当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(6) 固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産
について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(7) 有価証券の減損について
当社グループは、事業上の関係の強化・維持等のため、顧客及び金融機関を中心に時価のある有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落等により、減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(8) 繰延税金資産について
当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っており
ます。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性が
あります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、
当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(9) 退職給付関係について
当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎
率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変
更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(10) 企業買収、資本提携及び事業再編について
当社グループは、事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における企業買収・資本提携等を実施しておりま
すが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリット
を獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの
経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(11) 事故・災害について
当社グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進め、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。
(12) 品質について
当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。
(13) 環境について
各種の化学物質を取り扱う当社グループでは、「環境との調和」を長期経営目標の一つとして掲げ、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、GHG(温室効果ガス)の排出量削減や産業廃棄物埋立て量ミニマム化に取り組んでおります。
しかしながら、環境に関するリスクとして、政府によるGHGの排出量削減目標を高める等の環境規制の更なる強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的あるいは社会的責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象により法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加、ひいては、環境規制に係る規制値又は目標値の達成のため、生産規模の縮小を余儀なくされることも想定される等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(14) 知的財産権について
当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(15) 気候変動について
気候変動による悪影響が益々増加し、パリ協定、SDGsに代表されるように世界共通の解決すべき社会課題として認識されています。化学品の製造では、気候変動の原因とされるGHG(温室効果ガス)を大量に排出します。また、気候変動に伴う物理的リスク及び低炭素社会への移行によるリスクは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、気候変動にどう対応していくかを重要な課題として考えています。
物理的リスクとして、台風、洪水等の極端な気象現象が深刻化する可能性があります。これにより、当社グループの生産拠点の生産能力低下、被害コスト増加を招く可能性があります。また、降雨量の変化により水リスクが高まる地域では渇水による水使用制限から生産拠点での生産活動低下を招く可能性があります。
低炭素社会への移行リスクとして、炭素税、排出権取引制度のようなGHG排出規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、それに伴い電力価格が上昇する可能性があります。これにより、当社グループの製造コストが増加し、収益低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会への移行の状況により、ステークホルダーからのGHG削減製品の要請が増加する可能性があります。その対応のため、研究開発費の増大、新規技術導入での設備費の増加によって、当社グループの収益が低下する可能性があります。
当社グループは、気候変動をリスクとしてだけではなく、機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題を解決してくことを目指します。また、気候変動に関連するリスク、機会及びその影響の評価に取り組んでいく姿勢を明確にするため、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言に賛同しており、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報開示に取り組んでいきます。
(16) 海洋プラスチック問題について
プラスチックは利便性と恩恵をもたらす素材であり、機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等、社会課題の解決に貢献しています。その一方で、年間数百万トンを超えるプラスチック廃棄物がその不適正な処理により陸上から流出している海洋プラスチック問題は、予てより懸念されています。近年、パリ協定、SDGs等、ESG課題への注目を背景に急速に関心が高まり、世界中で問題解決に向けた動きが活発化しています。
グローバルに各種の規制が検討され、国や企業によってはリサイクルプラスチックの利用促進や使い捨てプラスチック使用の自主規制、他素材への代替の検討が進展しています。特に欧州では、資源循環を追求する動きが加速しており、プラスチックにおいても、リサイクルし循環させる取り組みが、バリューチェーン企業全体で検討されています。これらの動きは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、プラスチックを巡る問題は化学産業が率先して取り組むべき重要な課題のひとつであると認識しています。
上記リスクに対して、プラスチックに携わるバリューチェーン企業、業界団体等とともに「海洋プラスチック問題対応協議会」、「Alliance to End Plastic Waste」(グローバルなプラスチックのバリューチェーン企業が巨額の資金を拠出し参加する活動)等の活動に参画し、それら活動を通じた、廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発活動、清掃活動などに積極的に関与することで、問題解決に取り組んでいます。また、資源循環に対してはビジネス機会としても捉えています。リサイクル原料の利用、自動車廃材から有用プラスチックへのケミカルリサイクル等のリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案といった幅広い可能性を検討し、資源循環促進に貢献していきます。
当社グループは、これまで様々な社会課題を解決するプラスチック素材を提供してきたメーカーとして、今後も積極的にプラスチック問題に対応していきます。
当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 外部事業環境について
当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。また、法制度の変更による税負担の増加等のリスクが考えられます。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(2) 海外活動について(カントリーリスク)
当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。これらの事象は、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 法令の改変、規制の強化について
当社グループでは、事業展開にあたり各種許認可や規制等、さまざまな法令の適用を受けております。そのため、当社グループでは「法令・ルール遵守が会社存続の大前提」であることを強く認識し、社内外の法令違反事例を取り入れた教育実施等の施策を進め、法令遵守に努めております。
当社グループに関連する法令に関しては、大幅な変更や規制の強化、また、海外においては予期せぬ改変が行われるリスクが考えられます。これら法令の改変及び規制の強化は、当社グループの活動制限や法令遵守のためのコスト増大等、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(4)各事業の経営成績における変動要因について
当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。
①モビリティ部門
モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。
②ヘルスケア部門
ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。
③フード&パッケージング部門
機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。
農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。
④基盤素材部門
石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。
基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。
(5) 財務について
当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(6) 固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産
について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(7) 有価証券の減損について
当社グループは、事業上の関係の強化・維持等のため、顧客及び金融機関を中心に時価のある有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落等により、減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(8) 繰延税金資産について
当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っており
ます。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性が
あります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、
当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(9) 退職給付関係について
当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎
率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変
更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(10) 企業買収、資本提携及び事業再編について
当社グループは、事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における企業買収・資本提携等を実施しておりま
すが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリット
を獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの
経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(11) 事故・災害について
当社グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進め、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。
(12) 品質について
当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。
(13) 環境について
各種の化学物質を取り扱う当社グループでは、「環境との調和」を長期経営目標の一つとして掲げ、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、GHG(温室効果ガス)の排出量削減や産業廃棄物埋立て量ミニマム化に取り組んでおります。
しかしながら、環境に関するリスクとして、政府によるGHGの排出量削減目標を高める等の環境規制の更なる強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的あるいは社会的責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象により法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加、ひいては、環境規制に係る規制値又は目標値の達成のため、生産規模の縮小を余儀なくされることも想定される等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(14) 知的財産権について
当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(15) 気候変動について
気候変動による悪影響が益々増加し、パリ協定、SDGsに代表されるように世界共通の解決すべき社会課題として認識されています。化学品の製造では、気候変動の原因とされるGHG(温室効果ガス)を大量に排出します。また、気候変動に伴う物理的リスク及び低炭素社会への移行によるリスクは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、気候変動にどう対応していくかを重要な課題として考えています。
物理的リスクとして、台風、洪水等の極端な気象現象が深刻化する可能性があります。これにより、当社グループの生産拠点の生産能力低下、被害コスト増加を招く可能性があります。また、降雨量の変化により水リスクが高まる地域では渇水による水使用制限から生産拠点での生産活動低下を招く可能性があります。
低炭素社会への移行リスクとして、炭素税、排出権取引制度のようなGHG排出規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、それに伴い電力価格が上昇する可能性があります。これにより、当社グループの製造コストが増加し、収益低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会への移行の状況により、ステークホルダーからのGHG削減製品の要請が増加する可能性があります。その対応のため、研究開発費の増大、新規技術導入での設備費の増加によって、当社グループの収益が低下する可能性があります。
当社グループは、気候変動をリスクとしてだけではなく、機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題を解決してくことを目指します。また、気候変動に関連するリスク、機会及びその影響の評価に取り組んでいく姿勢を明確にするため、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言に賛同しており、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報開示に取り組んでいきます。
(16) 海洋プラスチック問題について
プラスチックは利便性と恩恵をもたらす素材であり、機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等、社会課題の解決に貢献しています。その一方で、年間数百万トンを超えるプラスチック廃棄物がその不適正な処理により陸上から流出している海洋プラスチック問題は、予てより懸念されています。近年、パリ協定、SDGs等、ESG課題への注目を背景に急速に関心が高まり、世界中で問題解決に向けた動きが活発化しています。
グローバルに各種の規制が検討され、国や企業によってはリサイクルプラスチックの利用促進や使い捨てプラスチック使用の自主規制、他素材への代替の検討が進展しています。特に欧州では、資源循環を追求する動きが加速しており、プラスチックにおいても、リサイクルし循環させる取り組みが、バリューチェーン企業全体で検討されています。これらの動きは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、プラスチックを巡る問題は化学産業が率先して取り組むべき重要な課題のひとつであると認識しています。
上記リスクに対して、プラスチックに携わるバリューチェーン企業、業界団体等とともに「海洋プラスチック問題対応協議会」、「Alliance to End Plastic Waste」(グローバルなプラスチックのバリューチェーン企業が巨額の資金を拠出し参加する活動)等の活動に参画し、それら活動を通じた、廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発活動、清掃活動などに積極的に関与することで、問題解決に取り組んでいます。また、資源循環に対してはビジネス機会としても捉えています。リサイクル原料の利用、自動車廃材から有用プラスチックへのケミカルリサイクル等のリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案といった幅広い可能性を検討し、資源循環促進に貢献していきます。
当社グループは、これまで様々な社会課題を解決するプラスチック素材を提供してきたメーカーとして、今後も積極的にプラスチック問題に対応していきます。
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