有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G64E
旭化成株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の主たる研究開発活動の概要、成果及び研究開発費(総額90,124百万円)は以下のとおりです。
「マテリアル」セグメント
(繊維事業)
繊維事業では、グループ内外との連携により、研究開発機能を充実・高度化させるとともに、成果実現のスピードアップを図っています。主力製品であるポリウレタン弾性繊維「ロイカ™」、キュプラ繊維「ベンベルグ™」、ナイロン66繊維「レオナ™」及び各種不織布において、独自性を活かした新たな価値商品の創出や、生産プロセスの革新を進めています。また、「健康で快適な生活」「環境との共生」に寄与する新事業領域の創出にも注力しており、新規セルロース素材の事業化や、高機能テキスタイル、新基軸不織布の開発などに取り組んでいます。
(ケミカル事業)
石油化学事業では、AN、MMA等当社の強みである触媒のブラッシュアップに継続的に取り組んでいます。また、水島製造所内に炭酸ガスを原料とするジフェニルカーボネートの実証プラントを建設し、2017年1月から実証運転を開始し、2018年度中には更なる運転安定性と操作性を確認しました。
高機能ポリマー事業では、新たなポリマー設計による高剛性・易成形性のポリアミドや次世代省燃費タイヤ用変性SBRなどの開発が進捗しています。さらに、独自CAE(Computer Aided Engineering)技術の高度化を推進し、機能樹脂事業において新規用途開拓と海外展開を加速していきます。
高機能マテリアルズ事業・消費財事業では、環境に配慮した食塩電解プロセス用のフッ素系イオン交換膜の開発を強化すると共に、電子材料関連では、次世代電子デバイスの要求に対応できる感光性樹脂材料の開発を加速しています。また、事業本部の広範な技術シナジーを活用した新事業創出の取組みも実施しています。
(エレクトロニクス事業)
セパレータ事業では、高分子設計・合成や、製膜加工などのコア技術を活かして、「省資源・省エネルギー」「環境負荷軽減」に貢献する新規材料の開発を推進しています。民生・車載・電力貯蔵用途に展開するリチウムイオン二次電池用高機能セパレータや鉛蓄電池用セパレータなどの環境・エネルギー関連素材の展開に注力していきます。
電子部品事業では、IoT社会の進展に対応して、「磁気」「音」「可視外光」「高周波」を主軸に「エンドユーザーのベネフィット」に繋がるソリューションを提供できる技術及び製品の開発を推進しています。豊富な技術資産と柔軟なエンジニア組織運営により、ミックスドシグナルLSI・化合物半導体・高機能パッケージなどを融合し、独自のソフトウェアを活かした高機能電子部品の開発のみならず、モジュール型製品への展開にも積極的に取り組んでいきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は33,919百万円です。
「住宅」セグメント
(住宅事業)
住宅事業では、「ロングライフ住宅の実現」を支えるコア技術について重点的な研究開発を続けています。
シェルター技術については、安全性(耐震・制震・免震技術、火災時の安全性向上技術)、耐久性(耐久性向上・評価技術、維持管理技術、リフォーム技術)に加えて、居住性(温熱・空気環境技術、遮音技術)、環境対応性(省エネルギー技術、低炭素化技術)の開発を行っています。住ソフト技術については、二世帯同居などの住まい方についての研究を、評価・シミュレーション技術については、ITなどの活用により直感的に理解可能な環境シミュレーションシステムの構築を、それぞれ進めています。また、住宅における生活エネルギー消費量削減とともに、人の生理・心理から捉えた快適性を研究し、健康・快適性と省エネルギーを両立させる環境共生的住まいを実現する技術開発に注力しています。
(建材事業)
建材事業では、「絶えざる改善・革新で、お客様に安全、安心、快適を提供します」を事業ビジョンとし、軽量気泡コンクリート(ALC)、フェノールフォーム断熱材、高機能基礎システム、鉄骨造構造資材の4つの事業分野において基盤技術の強化を推進しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は3,814百万円です。
「ヘルスケア」セグメント
(医薬事業)
医薬事業では、自社オリジナル製品の研究開発で培った経験をもとに、整形外科領域(骨、疼痛など)及び救急領域を中心に有効な治療方法がない医療ニーズを解決することによって、「健康でいたい」と願う世界中の人びとのQOLの向上を図ることを目指して積極的な研究開発を行っています。
創薬技術や創薬シーズ、創薬テーマについては、世界中の企業や大学とのコラボレーションを積極的に推進することによって、絶えざる革新を日々進めています。
(医療事業)
医療事業では、治療の可能性を広げ、医療水準を向上させる製品、技術、サービスを提供するために、グループ総力をあげた研究開発に取り組んでいます。これまで培ってきた豊富な基礎技術と研究開発の応用により、人工腎臓、血液浄化技術、白血球やウイルスの除去技術をさらに発展させていきます。
(クリティカルケア事業)
クリティカルケア事業では、突然の心停止からの生存率を向上する技術開発を原点とし、新規領域にも研究を広げています。急性心筋梗塞・脳卒中・敗血症・呼吸困難など、予後の悪い数多い緊急疾病に対する新規治療法や技術が求められている昨今、全ての事業にわたり、患者と臨床医に役立つことを共通の使命としています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は37,183百万円です。
「その他」
エンジニアリング分野等に関する研究開発を行っています。当セグメントに係る研究開発費の金額は141百万円です。
当社グループは、「収益性の高い付加価値型事業の集合体」を目指して、「コア技術の育成・獲得」「高付加価値化の追求」「マーケットチャネルの活用」の3軸で新事業開発及び研究開発を進めています。
「コア技術の育成・獲得」については、培ってきたコア技術・ノウハウや事業プラットフォームの棚卸しを前期より行い、新事業創出を目的に強化領域を定めました。その領域の競争力を高めるべく、中核を担うプロフェッショナル人財を高度専門職に任命し技術開発力の強化を図りました。当期は、事業基盤を担う各事業部門の固有領域や事務系職種に同制度を拡大展開し、それらの領域を牽引する人財も新たに高度専門職に任命し、新規事業・事業強化への参画・貢献を図っています。進展が著しいIoT、AI、ビッグデータなどのデジタル技術への対応については、前期から研究開発・知的財産領域、製造・生産技術領域に新たな組織を発足させ活用を推進しています。当期はその活動を強化・スピードアップすべく、デジタルイノベーションセンターを立ち上げました。IoT、AI、ビッグデータ分析などを活用(デジタルトランスフォーメーション)し、国内外の生産拠点・関係会社の生産革新を強力に推進します。
「高付加価値化の追求」の具体例としては、「液体を高度に濃縮できる新規の膜システムの開発」や「世界最小の高精度・低消費電力CO2センサの開発」などが挙げられます。
「液体を高度に濃縮できる新規の膜システムの開発」は、当社のコア技術であり、多岐にわたる事業を生み出してきた膜・セパレーション技術を活かしたものです。加熱や加圧プロセスが不要となる新規濃縮技術を実現し、熱に弱い有効成分などの品質を保持したまま高度濃縮する技術が求められている食品・医薬用途などでの早期実用化を目指します。
「世界最小の高精度・低消費電力CO2センサの開発」は、当期に買収したSenseair ABの光路設計の技術と、当社のコア技術である化合物半導体による赤外線小型受発光素子の技術とを組み合わせて実現するものです。この技術により、自動車の車室内、ビルや住居などの居住空間環境の空気質だけでなく、室外環境のモニタリングが可能になります。また、アルコール検知用途など、さまざまな分野への応用展開が期待されます。これらを通じて、環境エネルギー及び自動車などの安全運転支援に貢献できると考えています。
「マーケットチャネルの活用」の取り組みについては、コンセプトカー「AKXY™(アクシー)」を通して、お客様に対し、自動車の安全性や快適性の向上、環境への貢献に資する多様なキーアイテムを提案しています。当期は、当社技術の「進化」をテーマに、車体のさらなる軽量化・低燃費化や安全性・快適性の一層の向上を実現する構造材料やセンシング技術など、8製品を新たに「AKXY™」に搭載し、より多くのニーズに対してご提案ができるようリニューアルしました。このコンセプトは欧州で高く評価され、「ドイツデザインアワードSpecial Mention Category 2019」を受賞しました。
全社に係る研究開発費の金額は、15,067百万円です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00877] S100G64E)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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