有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100JC06 (EDINETへの外部リンク)
川田テクノロジーズ株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
当社グループは、社会のニーズに高い技術で応えることができるよう、研究開発活動を積極的に推進し、新しい技術や知見の獲得に務めています。研究開発体制としては、川田テクノロジーズ㈱技術研究所がグループをまたいだ分野の技術開発を担当し、グループ各社が現業事業に直結する内容の研究開発を担当しています。
当連結会計年度における研究開発費は908百万円であり、セグメント別の主な内容は次のとおりであります。
(鉄構セグメント)
主に川田工業㈱の鋼構造事業部が、鋼構造・複合構造に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は417百万円であり、材料・構造・施工・保全などに関する新技術の開発・改善を行っています。主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 複合構造に関する研究開発
当社グループが得意とする鋼材とコンクリートの複合構造物では、プレビーム合成桁、鋼・コンクリート合成床版(SCデッキ)などの製品化に注力し、多くの実績を収めてきました。これらに関しては、経済性や施工性における優位性をさらに高めるための大幅なリニューアルを進めています。
② 橋梁保全技術に関する研究開発
高速自動車道などで計画・実施されている老朽化した橋梁の大規模更新・大規模修繕に対して、鋼桁の架替え工法やPC床版・合成床版・鋼床版による床版取替え工法など、多種多様なニーズに応えるためのラインナップを整えています。
③ 生産技術に関する研究開発
高能率・高品質・低コストをキーワードに新たな溶接法の開発を進めています。また、溶接の可視化による溶接現象の解明と理解を通した最適溶接条件の検討、さらに川田テクノロジーズ㈱技術研究所と共同でハイダイナミックレンジ画像処理技術を用いた若年溶接技能者向け溶接技量向上システムの開発にも注力しています。
④ 現場の生産性向上に関する研究開発
橋梁の製作・架設現場にICTを積極導入し、労働生産性を高めるための技術開発を進めています。製作工場では、MR(複合現実)を活用して構造物の出来形検査の省力化に取り組んでいるほか、架設工事では、新開発の機材を導入して作業の機械化・自動化を図り、効率と安全の両立に取り組んでいます。
(土木セグメント)
川田建設㈱が、コンクリート構造物に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は109百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 新設構造物の品質・耐久性向上技術に関する研究開発
各種施工管理システムの高精度化・全自動化を目的として研究開発を推進しています。ジャッキの油圧ポンプ操作を含めてタブレットで集中管理できる全自動緊張管理システムを2件の現場の縦締めPC鋼材に適用しました。管理精度の向上に加えて、省力化や安全性向上に寄与することが確認できました。また、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを配合した高品質・高耐久性コンクリートの研究開発を継続実施しており、今年度は宮城県産と石川県産のフライアッシュを実工事に適用しました。今後とも当社プレキャスト製品のJIS認定範囲を拡張することで、製品の販路拡大を図っていきます。
② 更新技術に関する研究開発
今後需要が増大する橋梁の改修・更新技術に着目して、更新用プレキャストPC床版とPC中間定着工法の研究開発を継続して推進しています。前者についてはNEXCOでの9件目の工事受注に結びつきました。競争力向上のために開発を進めていた繊維補強軽量プレキャストPC床版は輪荷重走行試験が完了し、NEXCO規準における100年相当の耐疲労性が確認できました。後者については問い合わせが増えており、施工実績を6件(PC鋼棒φ23が3件、PC鋼線12φ5が2件、12φ7が1件)とすることができました。
③ 保全技術に関する研究開発
既設PC橋梁の維持管理をターゲットにした非破壊検査技術、延命化・長寿命化技術について工法化を目指して、大学や専門会社と共同して基礎的な研究開発を継続しています。長寿命化技術としてKKグラウト注入工法(NETIS登録済)が完成し、予防保全技術として簡易な塩分除去工法を研究中です。また、補修工事における作業環境改善対策として、川田テクノロジーズ㈱技術研究所と共同で現場ビューワーや採寸治具などの作業補助装置の開発を継続しています。
(建築セグメント)
川田工業㈱建築事業部が、川田工業㈱事業企画部と連携して研究開発を実施しています。当連結会計年度における研究開発費は68百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 耐震/制振用の座屈拘束ブレースに関する研究開発
研究・開発を継続している座屈拘束ブレース「ハイパー・ブレース」は、(一財)日本建築センターの一般評定を取得し、栃木工場においても耐震ブレースが製作可能になりました。
さらに、制振ブレースの疲労実験を追加し、芯鋼材を小さくできるようにしました。現在までの受注実績は、制振ブレースが超高層建築物で1棟、耐震ブレースが大型倉庫で5棟です。次年度は、拘束材断面の最小化を図るために局所載荷実験を実施する予定です。また、市販の一貫構造計算ソフトにハイパー・ブレースを組み込むことで受注実績を増やし、拡販を行う予定です
② 環境事業に関する研究開発
水やりが基本的に不要な屋上緑化システム「みどりちゃん」は、インド、シンガポールにおいて新たに実験施工を行いました。
インドではバンガロール、セーラム、コチの3地域において、現地の大学や設計事務所と共同で実験施工を行いました。いずれの共同実験先も環境意識が高く、今後の市場を一緒に探りながらモニタリングを行います。
シンガポールでは工業・商業の開発管理を行う会社と共同で実験施工を行っています。国の施策として「グリーンビルディング・マスタープラン」を掲げており、その中で国内のビル80%以上に緑化を行うことが明示されています。新たな市場になることも見据え、今後、現地でのマーケティング調査を行っていく予定です。
(その他)
カワダロボティクス㈱は双腕ロボットに関する研究開発を継続して実施しています。当連結会計年度における研究開発費は312百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 双腕型産業用ロボット「NEXTAGE」に関する研究開発
双腕ロボット関連では、川田テクノロジーズ㈱技術研究所と共同で「NEXTAGE」のハードウエア及びソフトウエアの性能・機能、拡張性向上を目的とした要素技術開発を実施しています。
② ロボットの統合拡張プラットフォーム化に関する研究開発
双腕ロボットの導入拡大に向けた研究開発として、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトに参画し、ロボット作業システムを迅速に構築可能な基幹モジュール及び拡張モジュールの開発及び実証試験を実施しました。
当連結会計年度における研究開発費は908百万円であり、セグメント別の主な内容は次のとおりであります。
(鉄構セグメント)
主に川田工業㈱の鋼構造事業部が、鋼構造・複合構造に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は417百万円であり、材料・構造・施工・保全などに関する新技術の開発・改善を行っています。主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 複合構造に関する研究開発
当社グループが得意とする鋼材とコンクリートの複合構造物では、プレビーム合成桁、鋼・コンクリート合成床版(SCデッキ)などの製品化に注力し、多くの実績を収めてきました。これらに関しては、経済性や施工性における優位性をさらに高めるための大幅なリニューアルを進めています。
② 橋梁保全技術に関する研究開発
高速自動車道などで計画・実施されている老朽化した橋梁の大規模更新・大規模修繕に対して、鋼桁の架替え工法やPC床版・合成床版・鋼床版による床版取替え工法など、多種多様なニーズに応えるためのラインナップを整えています。
③ 生産技術に関する研究開発
高能率・高品質・低コストをキーワードに新たな溶接法の開発を進めています。また、溶接の可視化による溶接現象の解明と理解を通した最適溶接条件の検討、さらに川田テクノロジーズ㈱技術研究所と共同でハイダイナミックレンジ画像処理技術を用いた若年溶接技能者向け溶接技量向上システムの開発にも注力しています。
④ 現場の生産性向上に関する研究開発
橋梁の製作・架設現場にICTを積極導入し、労働生産性を高めるための技術開発を進めています。製作工場では、MR(複合現実)を活用して構造物の出来形検査の省力化に取り組んでいるほか、架設工事では、新開発の機材を導入して作業の機械化・自動化を図り、効率と安全の両立に取り組んでいます。
(土木セグメント)
川田建設㈱が、コンクリート構造物に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は109百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 新設構造物の品質・耐久性向上技術に関する研究開発
各種施工管理システムの高精度化・全自動化を目的として研究開発を推進しています。ジャッキの油圧ポンプ操作を含めてタブレットで集中管理できる全自動緊張管理システムを2件の現場の縦締めPC鋼材に適用しました。管理精度の向上に加えて、省力化や安全性向上に寄与することが確認できました。また、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを配合した高品質・高耐久性コンクリートの研究開発を継続実施しており、今年度は宮城県産と石川県産のフライアッシュを実工事に適用しました。今後とも当社プレキャスト製品のJIS認定範囲を拡張することで、製品の販路拡大を図っていきます。
② 更新技術に関する研究開発
今後需要が増大する橋梁の改修・更新技術に着目して、更新用プレキャストPC床版とPC中間定着工法の研究開発を継続して推進しています。前者についてはNEXCOでの9件目の工事受注に結びつきました。競争力向上のために開発を進めていた繊維補強軽量プレキャストPC床版は輪荷重走行試験が完了し、NEXCO規準における100年相当の耐疲労性が確認できました。後者については問い合わせが増えており、施工実績を6件(PC鋼棒φ23が3件、PC鋼線12φ5が2件、12φ7が1件)とすることができました。
③ 保全技術に関する研究開発
既設PC橋梁の維持管理をターゲットにした非破壊検査技術、延命化・長寿命化技術について工法化を目指して、大学や専門会社と共同して基礎的な研究開発を継続しています。長寿命化技術としてKKグラウト注入工法(NETIS登録済)が完成し、予防保全技術として簡易な塩分除去工法を研究中です。また、補修工事における作業環境改善対策として、川田テクノロジーズ㈱技術研究所と共同で現場ビューワーや採寸治具などの作業補助装置の開発を継続しています。
(建築セグメント)
川田工業㈱建築事業部が、川田工業㈱事業企画部と連携して研究開発を実施しています。当連結会計年度における研究開発費は68百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 耐震/制振用の座屈拘束ブレースに関する研究開発
研究・開発を継続している座屈拘束ブレース「ハイパー・ブレース」は、(一財)日本建築センターの一般評定を取得し、栃木工場においても耐震ブレースが製作可能になりました。
さらに、制振ブレースの疲労実験を追加し、芯鋼材を小さくできるようにしました。現在までの受注実績は、制振ブレースが超高層建築物で1棟、耐震ブレースが大型倉庫で5棟です。次年度は、拘束材断面の最小化を図るために局所載荷実験を実施する予定です。また、市販の一貫構造計算ソフトにハイパー・ブレースを組み込むことで受注実績を増やし、拡販を行う予定です
② 環境事業に関する研究開発
水やりが基本的に不要な屋上緑化システム「みどりちゃん」は、インド、シンガポールにおいて新たに実験施工を行いました。
インドではバンガロール、セーラム、コチの3地域において、現地の大学や設計事務所と共同で実験施工を行いました。いずれの共同実験先も環境意識が高く、今後の市場を一緒に探りながらモニタリングを行います。
シンガポールでは工業・商業の開発管理を行う会社と共同で実験施工を行っています。国の施策として「グリーンビルディング・マスタープラン」を掲げており、その中で国内のビル80%以上に緑化を行うことが明示されています。新たな市場になることも見据え、今後、現地でのマーケティング調査を行っていく予定です。
(その他)
カワダロボティクス㈱は双腕ロボットに関する研究開発を継続して実施しています。当連結会計年度における研究開発費は312百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 双腕型産業用ロボット「NEXTAGE」に関する研究開発
双腕ロボット関連では、川田テクノロジーズ㈱技術研究所と共同で「NEXTAGE」のハードウエア及びソフトウエアの性能・機能、拡張性向上を目的とした要素技術開発を実施しています。
② ロボットの統合拡張プラットフォーム化に関する研究開発
双腕ロボットの導入拡大に向けた研究開発として、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトに参画し、ロボット作業システムを迅速に構築可能な基幹モジュール及び拡張モジュールの開発及び実証試験を実施しました。
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