有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GBEF
大日本塗料株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい商品、省エネルギー・省力化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力するとともに、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の研究開発を始め、防食理論、分析・物性評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術などの基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,596百万円となりました。
当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1)国内塗料事業
① 構造物塗料分野
橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新商品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では有機ジンクリッチペイントでありながら摩擦接合部への適用が可能となり作業工程が削減できる「ゼッタールEP-HF」、点検・診断では点検時に簡易的な補修が可能な「レジソークType1-NSスプレー」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止を短工期で実現する「レジガード1Dayはく落防止(SheiM-CS)システム」やプラント配管設備における保温材下の腐食を抑制する「CUIシャット」などの開発を行い、市場展開に取り組んでおります。
② 建築塗料分野
戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂(手の脂)による汚れ、はがれの問題を解決し、大手テーマパークにも採用された水性塗料「アクアマリンタックレス」、「臭気」をキーワードとした新商品2品として、カーテンウォールの改修用の弱溶剤形塗料の作業性を有し、臭気を60%低減した「Vフロン#201ニオイの少ないタイプ」、商業施設が営業中でも改修を可能としたゼロVOCで安全且つ従来のエマルション塗料の臭気を94%低減した「COZY PACK」などの市場展開に取り組んでおります。
③ 車輌産機・自動車補修塗料分野
車両産機塗料分野においては西武鉄道の新型特急列車「Laview(ラビュー)」に高意匠金属調メタリック塗料「スーパーブライト#2000」が採用されました。今回塗装された新型車両は、世界で活躍する建築家・妹島和世氏がデザイン監修し、日立製作所にて約2年間の試験施工を繰り返し、完成させた車両です。また自動車補修塗料分野では特化則対応塗料としてシャーシ用塗料「鉄壁コート マットブラック」、プライマーサフェーサー塗料「Auto D-NexT プラサフ」、補修用パテ「Auto D-NexT ライトパテ」及び「Auto D-NexT ポリパテ」などの新商品の市場展開に取り組んでおります。
④ 建材塗料分野
新築戸建住宅向け外装建材用塗料、屋根建材用塗料での高意匠、高機能、高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。
⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野
メタルカーテンウォールを主とした建築内外装用焼付塗料として、従来の溶剤系塗料に加え、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」の市場展開を行い、都市開発案件、オリンピック関連施設への採用に向け取り組んでおります。
⑥ インクジェット・新事業分野
インクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性かつ高性能な塗膜の形成を実現できるDNTデジタルコーティングシステムによる市場への展開を実施しております。新事業としては貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料の開発に取り組んでおります。
(2)海外塗料事業
中国、タイ、インドネシア等の東南アジア及びメキシコにおいて自動車部品メーカーを中心に省工程・高意匠の自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。また、金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」も市場展開しており、好評を博しております。
重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けやODA(政府開発援助)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。
(3)照明機器事業
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、2019年は照明機器事業部が得意とする商業施設他、ホテル等の施設照明の需要も堅調に推移してゆくことが期待されます。
新商品としては直流24Vの給電レールにマグネットを取り付けることによって、点灯が可能な「スポットライト・レールシステム」を開発し、DNライティングが独自開催した「新商品発表会」及び東京ビッグサイトで開催された「ライティングフェア2019」で好評を博しております。
既存の間接照明器具の「SC-LEDシリーズ」及び「TREシリーズ」に短尺サイズを追加することにより、サイズ・ラインナップを拡充し、使い勝手の良さを向上させております。
その他大手住宅設備メーカー向けに住宅設備機器組込み用として、特注照明器具が採用されました。
また、主力のLED照明器具を中心に設計を見直し、材料・半製品の統合によるコストダウンでの売上総利益率は向上しました。
今後は戦略的に市場動向を分析し、照明を使った快適な空間創造及び魅力的な施設演出のための光技術及び光制御技術を応用した製品開発を行うとともに品質面・コスト面での向上を目指していきます。
(4)蛍光色材事業
蛍光顔料事業では、環境に考慮した人体に優しいノンホルマリン型のポリエステル系蛍光顔料や、アクリル系蛍光顔料の開発及び産学官を活用した「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発にも継続して取り組んでおります。また、電気・電子部品にも使用できるハロゲンフリー型蛍光顔料の市場展開に取り組んでおります。
蛍光塗料事業では、停電時の暗闇で長時間発光する蓄光塗料、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン#100」、歩行時に水に濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、危険個所表示など雪面にスプレー可能な「蛍光スノースプレー」などの市場展開に取り組んでおります。
なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,215百万円、「照明機器事業」298百万円、「蛍光色材事業」83百万円であります。
当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1)国内塗料事業
① 構造物塗料分野
橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新商品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では有機ジンクリッチペイントでありながら摩擦接合部への適用が可能となり作業工程が削減できる「ゼッタールEP-HF」、点検・診断では点検時に簡易的な補修が可能な「レジソークType1-NSスプレー」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止を短工期で実現する「レジガード1Dayはく落防止(SheiM-CS)システム」やプラント配管設備における保温材下の腐食を抑制する「CUIシャット」などの開発を行い、市場展開に取り組んでおります。
② 建築塗料分野
戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂(手の脂)による汚れ、はがれの問題を解決し、大手テーマパークにも採用された水性塗料「アクアマリンタックレス」、「臭気」をキーワードとした新商品2品として、カーテンウォールの改修用の弱溶剤形塗料の作業性を有し、臭気を60%低減した「Vフロン#201ニオイの少ないタイプ」、商業施設が営業中でも改修を可能としたゼロVOCで安全且つ従来のエマルション塗料の臭気を94%低減した「COZY PACK」などの市場展開に取り組んでおります。
③ 車輌産機・自動車補修塗料分野
車両産機塗料分野においては西武鉄道の新型特急列車「Laview(ラビュー)」に高意匠金属調メタリック塗料「スーパーブライト#2000」が採用されました。今回塗装された新型車両は、世界で活躍する建築家・妹島和世氏がデザイン監修し、日立製作所にて約2年間の試験施工を繰り返し、完成させた車両です。また自動車補修塗料分野では特化則対応塗料としてシャーシ用塗料「鉄壁コート マットブラック」、プライマーサフェーサー塗料「Auto D-NexT プラサフ」、補修用パテ「Auto D-NexT ライトパテ」及び「Auto D-NexT ポリパテ」などの新商品の市場展開に取り組んでおります。
④ 建材塗料分野
新築戸建住宅向け外装建材用塗料、屋根建材用塗料での高意匠、高機能、高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。
⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野
メタルカーテンウォールを主とした建築内外装用焼付塗料として、従来の溶剤系塗料に加え、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」の市場展開を行い、都市開発案件、オリンピック関連施設への採用に向け取り組んでおります。
⑥ インクジェット・新事業分野
インクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性かつ高性能な塗膜の形成を実現できるDNTデジタルコーティングシステムによる市場への展開を実施しております。新事業としては貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料の開発に取り組んでおります。
(2)海外塗料事業
中国、タイ、インドネシア等の東南アジア及びメキシコにおいて自動車部品メーカーを中心に省工程・高意匠の自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。また、金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」も市場展開しており、好評を博しております。
重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けやODA(政府開発援助)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。
(3)照明機器事業
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、2019年は照明機器事業部が得意とする商業施設他、ホテル等の施設照明の需要も堅調に推移してゆくことが期待されます。
新商品としては直流24Vの給電レールにマグネットを取り付けることによって、点灯が可能な「スポットライト・レールシステム」を開発し、DNライティングが独自開催した「新商品発表会」及び東京ビッグサイトで開催された「ライティングフェア2019」で好評を博しております。
既存の間接照明器具の「SC-LEDシリーズ」及び「TREシリーズ」に短尺サイズを追加することにより、サイズ・ラインナップを拡充し、使い勝手の良さを向上させております。
その他大手住宅設備メーカー向けに住宅設備機器組込み用として、特注照明器具が採用されました。
また、主力のLED照明器具を中心に設計を見直し、材料・半製品の統合によるコストダウンでの売上総利益率は向上しました。
今後は戦略的に市場動向を分析し、照明を使った快適な空間創造及び魅力的な施設演出のための光技術及び光制御技術を応用した製品開発を行うとともに品質面・コスト面での向上を目指していきます。
(4)蛍光色材事業
蛍光顔料事業では、環境に考慮した人体に優しいノンホルマリン型のポリエステル系蛍光顔料や、アクリル系蛍光顔料の開発及び産学官を活用した「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発にも継続して取り組んでおります。また、電気・電子部品にも使用できるハロゲンフリー型蛍光顔料の市場展開に取り組んでおります。
蛍光塗料事業では、停電時の暗闇で長時間発光する蓄光塗料、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン#100」、歩行時に水に濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、危険個所表示など雪面にスプレー可能な「蛍光スノースプレー」などの市場展開に取り組んでおります。
なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」1,215百万円、「照明機器事業」298百万円、「蛍光色材事業」83百万円であります。
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