有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G307
雪印メグミルク株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など、いまだ厳しい外部環境の中、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,382百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〈乳製品〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,894百万円です。
・提出会社
チーズカテゴリーにおいては、さけるチーズのラインナップ強化として「さけるチーズベーコン味」を発売致しました。さけるチーズはさいて食べる楽しさ、独特な食感、子供から大人まで楽しめるミルキーでマイルドな風味によって需要が年々拡大している商品です。「ベーコン味」は家飲みのおつまみ用途に最適でありながらお子様も大好きな味であり、一層の市場拡大に貢献致します。世界のチーズデザートをヒントにした商品開発を行っている「Cheese sweets Journey」については、ハワイをテーマに「パイン香るベイクドチーズ仕立てのスイーツ」を発売致しました。伸長著しいベビーチーズカテゴリーにおいてはナチュラルチーズを気軽に楽しめるをコンセプトとした「モッツァレラ入り ベビーチーズ」を発売し、高まる家飲み需要に対応しました。
油脂カテゴリーにおいては、若年層のマーガリン需要獲得を図るため、不二家の「ミルキー」の味が楽しめる「ミルキーソフト」の第二段として「ミルキーソフト キャラメル味」を発売致しました。
今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。
乳製品における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・プロセスチーズを想定したモデルチーズにおいて、原料の乳化剤が物性・構造変化におよぼす影響を検討した結果、乳化剤のHLBによって、粘度および硬度が変化することを確認しました。また、脂肪球の大きさにも影響を与えることがわかりました。この知見は、プロセスチーズ類の食感や物性の調整技術として活用していきます。
・マーガリン類を想定したモデル乳化物において、風味を形成する香気成分の遊離メカニズムについて研究しました。その結果、香気成分の遊離は、香気成分の炭素鎖と、モノグリセリドの脂肪酸の分子間相互作用の影響を受けることがわかりました。この知見は、マーガリン類の風味調整技術として活用していきます。
・噴霧乾燥によるホエー粉製造を想定し、ホエー中のミネラルが乾燥速度に与える影響を研究した結果、カルシウムによる増粘が乾燥速度を低下させることがわかりました。
これらの研究成果は日本食品科学工学会などの学会で発表し、論文としてFood Hydrocolloids、日本食品科学工学会誌に掲載いたしました。
・雪印ビーンスターク㈱
「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでいます。
商品開発では、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「すこやかM1」は、長年の母乳調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。
2018年度は、ピップ株式会社との共同取組により発売し、数々のメディアで紹介頂いた、大人のための“美味しい粉ミルク型サプリメント”「プラチナミルク for バランス」のスティックタイプ「プラチナミルク for バランス スティック10本」を発売しました。
お母さん向け商品としては、「ビーンスタークマム つわびー」を発売しました。本商品は、産婦人科医と一緒に考えた、妊娠初期の食べられないママのためのサプリメントです。ビタミンB6と葉酸を手軽に摂取することができ、特に葉酸摂取が重要な妊娠初期の女性におすすめです。
赤ちゃん向け商品としては、「ビーンスターク つよいこ」をリニューアルし、2019年4月1日より発売しております。本商品は、牛乳では摂りにくい「DHA」、「鉄」、離乳食で不足しがちな「カルシウム」など、お子様に大切な栄養素をバランスよく配合したフォローアップミルクです。
また現在、雪印メグミルク㈱との共同研究として、約30年ぶりとなる全国的な母乳調査研究を実施しています。これらの研究の一環として、日本、中国、韓国、デンマークの4か国間の国際共同研究に参画し、最近の日本人の母乳中オステオポンチン(OPN)濃度を調査しました。OPNは、免疫に働きかける機能をもつ母乳中の成分です。その結果、母乳中のOPN濃度およびたんぱく質中のOPNの割合は国によって異なり、産後日数の経過に伴い濃度が低下することが明らかになりました。800検体を超えた多国間での母乳とOPNに関する共同研究は世界初の取り組みとなります。これらの研究について、5月にスイス・ジュネーブで開催された欧州小児消化器肝臓栄養学会(European Society for Pediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition : ESPGHAN)において、学術発表しました。また、本研究結果は欧米の小児学専門誌「Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition」にオンライン掲載されました。
〈飲料・デザート類〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,583百万円です。
・提出会社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、たっぷりボトルで楽しめる本格ラテの「BOTTLATTE」シリーズに、コールドブリュー(低温抽出製法)コーヒーを使用し、キレのある軽やかな味わいを楽しめる「BOTTLATTE カフェラテクリアテイスト」を新たにラインナップに加えました。また、シリーズにおいて、シズルを立たせたデザインに変更し、各商品のこだわりをコピーでパッケージ正面に記載致しました。カップ飲料では、“ミルクの濃厚さ” にこだわって開発した「濃厚ミルク仕立て」シリーズに、カフェなどでも人気のチーズフレーバーを使用した「濃厚ミルク仕立て フロマージュミルク」を新たにラインナップに加えました。
天然果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、健康意識の高まりに対応する商品として、Dole®ブランドより、機能性表示食品の果汁100%飲料「Dole® Handy Charge Berry Mix」、「Dole® Handy Charge Lemon Mix」2品を発売し、オフィスワーカーの様々なシーンに寄り添い、おいしさと機能で応援いたします。
ヨーグルトカテゴリーでは、「ガセリ菌SP株シリーズ」において、お客様からのニーズに応えるべく、生乳、乳製品、乳たんぱく質のみを使用し、甘味のないプレーンタイプの「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト 生乳仕立てプレーン」を発売いたしました。甘味がなくてもおいしく食べられる商品をシリーズに加えることで、フルーツ系ラインナップでは取り込むことが出来なかった新たなユーザー獲得を目指します。
デザートカテゴリーでは、当社独自の特許製法*により重ねた4層のハーモニーで彩り豊かなおいしさをお届けする「重ねドルチェシリーズ」において、多層デザートの魅力をよりわかりやすくお客様へ伝え、お楽しみいただけるよう、「重ねドルチェ caffè&ブランマンジェ」と「重ねドルチェ fruttaピーチ」を発売いたしました。また、大人が楽しむデザートとして、お酒とスイーツの融合に着目し、カジュアルに飲まれるカクテルを、2層のおいしいデザートで楽しむ「カクテルジュレ カシスオレンジ風味」を発売しました。
*多層食品及びその製造方法:方法特許第4022558号
飲料・デザート類における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」が骨格筋細胞のミトコンドリアの生合成を促し、加齢による修復能力の低下に伴う筋損傷からの回復を促進することを、細胞実験により見出しました。
・マウスを対象とした動物実験において、当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)を投与することにより、花粉症の症状を緩和する可能性を見出しました。
・ヒトを対象とした試験において、当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)を含む発酵乳を摂取することにより、ダニやハウスダストによる目や鼻の不快感が緩和されることを確認しました。
これらの研究成果は、日本乳酸菌学会、日本食品免疫学会などの各学会での発表の他、論文としてFunctional Foods in Health and Diseaseに掲載いたしました。
〈飼料・種苗〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は905百万円です。
・雪印種苗㈱
飼料分野では、酪農における牛体管理の重要課題であるルーメンアシドーシス研究*を進めており、公的機関と連携してルーメン微生物の評価を中心に飼料素材の検討を継続しています。また子牛の健全な生育を助ける代用乳の素材および配合の改良研究を重点課題として取り組んでいます。さらに母牛の出産前後の健康を維持する有望な素材を探索し、周産期サプリメントの商品化に向けた研究を継続しています。
酪農に貢献する新たな機能と特徴を持つ乳酸菌製品の開発へ向けて、新規乳酸菌株およびサイレージ用酵素の性能評価試験を継続実施しています。この中で、乳酸菌の菌株を改良したサイレージ用資材サイマスターACが2018年度の北海道指導参考事項に認定され、当該商品と技術の普及促進が期待されます。
*ルーメンアシドーシスとは、牛の1番目の胃であるルーメン内が、酸性になって、ルーメン内に生息する微生物
がダメージを受けたり、ルーメン粘膜(上皮組織)が損傷してしまうという病的な状態のことです。
牧草・飼料作物種子分野では、栄養価に優れサイレージ発酵特性の良好な自給飼料として期待される高糖含量オーチャードグラス「えさじまん」の機能を検証する産乳性試験および安定生産を確認する採種性試験を継続しています。
飼料用トウモロコシについては九州と関東・東北での圃場試験において耐倒伏性・耐病性・収量性の良好な1品種、北海道で耐病性と収量性に優れる2品種を選抜し、2019年に販売を開始しました。また北海道(道央・道南)と府県全域で収量性と耐病性に優れる1品種を2020年に市場投入する予定です。
畑作・園芸種苗分野では、カボチャ「栗天下」の青果品質の市場評価が高いことから北海道以外へも普及拡大することとし、安定した青果の供給のために栽培に関して技術支援を行っています。スイートコーン「ピュアホワイト」に続く「ピュアホワイトSP」も青果の品質と栽培のしやすさに関して高い評価を得ています。
花卉分野では、ポットカーネーション7品種を新たに品種登録出願し、生産者向け苗の出荷を開始しました。またシクラメンの組織培養苗を2品種、新たに発売しました。鉢物・ガーデン用ダリア「おひさまダリア」苗の本格販売を開始しました。
生理活性物質関係では、畑作・園芸作物の根張りを良好にする当社独自の機能性液肥「根真人232」の市場競争力をさらに向上させるため、製造方法の改良に取り組んできました。改良に目途が立ち、製造試験を継続しています。また線虫や病原菌による作物被害の抑制・軽減を目的として、さまざまな病害のメカニズム研究を進めています。
環境緑化分野の芝生・植生関係では生態系・環境に調和した草種・品種の開発を進めており、寒冷地・高冷地に向く芝生用ケンタッキーブルーグラス「ハイディ」の販売を開始しました。また、自社育成のノシバ品種「エンルム」、「イジャニ」は増殖圃を北海道研究農場と千葉研究農場に設置し、特性を確認するとともに販売へ向けた増殖を継続しています。
当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。
原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など、いまだ厳しい外部環境の中、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,382百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〈乳製品〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,894百万円です。
・提出会社
チーズカテゴリーにおいては、さけるチーズのラインナップ強化として「さけるチーズベーコン味」を発売致しました。さけるチーズはさいて食べる楽しさ、独特な食感、子供から大人まで楽しめるミルキーでマイルドな風味によって需要が年々拡大している商品です。「ベーコン味」は家飲みのおつまみ用途に最適でありながらお子様も大好きな味であり、一層の市場拡大に貢献致します。世界のチーズデザートをヒントにした商品開発を行っている「Cheese sweets Journey」については、ハワイをテーマに「パイン香るベイクドチーズ仕立てのスイーツ」を発売致しました。伸長著しいベビーチーズカテゴリーにおいてはナチュラルチーズを気軽に楽しめるをコンセプトとした「モッツァレラ入り ベビーチーズ」を発売し、高まる家飲み需要に対応しました。
油脂カテゴリーにおいては、若年層のマーガリン需要獲得を図るため、不二家の「ミルキー」の味が楽しめる「ミルキーソフト」の第二段として「ミルキーソフト キャラメル味」を発売致しました。
今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。
乳製品における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・プロセスチーズを想定したモデルチーズにおいて、原料の乳化剤が物性・構造変化におよぼす影響を検討した結果、乳化剤のHLBによって、粘度および硬度が変化することを確認しました。また、脂肪球の大きさにも影響を与えることがわかりました。この知見は、プロセスチーズ類の食感や物性の調整技術として活用していきます。
・マーガリン類を想定したモデル乳化物において、風味を形成する香気成分の遊離メカニズムについて研究しました。その結果、香気成分の遊離は、香気成分の炭素鎖と、モノグリセリドの脂肪酸の分子間相互作用の影響を受けることがわかりました。この知見は、マーガリン類の風味調整技術として活用していきます。
・噴霧乾燥によるホエー粉製造を想定し、ホエー中のミネラルが乾燥速度に与える影響を研究した結果、カルシウムによる増粘が乾燥速度を低下させることがわかりました。
これらの研究成果は日本食品科学工学会などの学会で発表し、論文としてFood Hydrocolloids、日本食品科学工学会誌に掲載いたしました。
・雪印ビーンスターク㈱
「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでいます。
商品開発では、当社の基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「すこやかM1」は、長年の母乳調査研究、とくに免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。
2018年度は、ピップ株式会社との共同取組により発売し、数々のメディアで紹介頂いた、大人のための“美味しい粉ミルク型サプリメント”「プラチナミルク for バランス」のスティックタイプ「プラチナミルク for バランス スティック10本」を発売しました。
お母さん向け商品としては、「ビーンスタークマム つわびー」を発売しました。本商品は、産婦人科医と一緒に考えた、妊娠初期の食べられないママのためのサプリメントです。ビタミンB6と葉酸を手軽に摂取することができ、特に葉酸摂取が重要な妊娠初期の女性におすすめです。
赤ちゃん向け商品としては、「ビーンスターク つよいこ」をリニューアルし、2019年4月1日より発売しております。本商品は、牛乳では摂りにくい「DHA」、「鉄」、離乳食で不足しがちな「カルシウム」など、お子様に大切な栄養素をバランスよく配合したフォローアップミルクです。
また現在、雪印メグミルク㈱との共同研究として、約30年ぶりとなる全国的な母乳調査研究を実施しています。これらの研究の一環として、日本、中国、韓国、デンマークの4か国間の国際共同研究に参画し、最近の日本人の母乳中オステオポンチン(OPN)濃度を調査しました。OPNは、免疫に働きかける機能をもつ母乳中の成分です。その結果、母乳中のOPN濃度およびたんぱく質中のOPNの割合は国によって異なり、産後日数の経過に伴い濃度が低下することが明らかになりました。800検体を超えた多国間での母乳とOPNに関する共同研究は世界初の取り組みとなります。これらの研究について、5月にスイス・ジュネーブで開催された欧州小児消化器肝臓栄養学会(European Society for Pediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition : ESPGHAN)において、学術発表しました。また、本研究結果は欧米の小児学専門誌「Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition」にオンライン掲載されました。
〈飲料・デザート類〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,583百万円です。
・提出会社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、たっぷりボトルで楽しめる本格ラテの「BOTTLATTE」シリーズに、コールドブリュー(低温抽出製法)コーヒーを使用し、キレのある軽やかな味わいを楽しめる「BOTTLATTE カフェラテクリアテイスト」を新たにラインナップに加えました。また、シリーズにおいて、シズルを立たせたデザインに変更し、各商品のこだわりをコピーでパッケージ正面に記載致しました。カップ飲料では、“ミルクの濃厚さ” にこだわって開発した「濃厚ミルク仕立て」シリーズに、カフェなどでも人気のチーズフレーバーを使用した「濃厚ミルク仕立て フロマージュミルク」を新たにラインナップに加えました。
天然果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、健康意識の高まりに対応する商品として、Dole®ブランドより、機能性表示食品の果汁100%飲料「Dole® Handy Charge Berry Mix」、「Dole® Handy Charge Lemon Mix」2品を発売し、オフィスワーカーの様々なシーンに寄り添い、おいしさと機能で応援いたします。
ヨーグルトカテゴリーでは、「ガセリ菌SP株シリーズ」において、お客様からのニーズに応えるべく、生乳、乳製品、乳たんぱく質のみを使用し、甘味のないプレーンタイプの「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト 生乳仕立てプレーン」を発売いたしました。甘味がなくてもおいしく食べられる商品をシリーズに加えることで、フルーツ系ラインナップでは取り込むことが出来なかった新たなユーザー獲得を目指します。
デザートカテゴリーでは、当社独自の特許製法*により重ねた4層のハーモニーで彩り豊かなおいしさをお届けする「重ねドルチェシリーズ」において、多層デザートの魅力をよりわかりやすくお客様へ伝え、お楽しみいただけるよう、「重ねドルチェ caffè&ブランマンジェ」と「重ねドルチェ fruttaピーチ」を発売いたしました。また、大人が楽しむデザートとして、お酒とスイーツの融合に着目し、カジュアルに飲まれるカクテルを、2層のおいしいデザートで楽しむ「カクテルジュレ カシスオレンジ風味」を発売しました。
*多層食品及びその製造方法:方法特許第4022558号
飲料・デザート類における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」が骨格筋細胞のミトコンドリアの生合成を促し、加齢による修復能力の低下に伴う筋損傷からの回復を促進することを、細胞実験により見出しました。
・マウスを対象とした動物実験において、当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)を投与することにより、花粉症の症状を緩和する可能性を見出しました。
・ヒトを対象とした試験において、当社独自の乳酸菌であるヘルベティカス菌(SBT2171株)を含む発酵乳を摂取することにより、ダニやハウスダストによる目や鼻の不快感が緩和されることを確認しました。
これらの研究成果は、日本乳酸菌学会、日本食品免疫学会などの各学会での発表の他、論文としてFunctional Foods in Health and Diseaseに掲載いたしました。
〈飼料・種苗〉
当連結会計年度の研究開発費の総額は905百万円です。
・雪印種苗㈱
飼料分野では、酪農における牛体管理の重要課題であるルーメンアシドーシス研究*を進めており、公的機関と連携してルーメン微生物の評価を中心に飼料素材の検討を継続しています。また子牛の健全な生育を助ける代用乳の素材および配合の改良研究を重点課題として取り組んでいます。さらに母牛の出産前後の健康を維持する有望な素材を探索し、周産期サプリメントの商品化に向けた研究を継続しています。
酪農に貢献する新たな機能と特徴を持つ乳酸菌製品の開発へ向けて、新規乳酸菌株およびサイレージ用酵素の性能評価試験を継続実施しています。この中で、乳酸菌の菌株を改良したサイレージ用資材サイマスターACが2018年度の北海道指導参考事項に認定され、当該商品と技術の普及促進が期待されます。
*ルーメンアシドーシスとは、牛の1番目の胃であるルーメン内が、酸性になって、ルーメン内に生息する微生物
がダメージを受けたり、ルーメン粘膜(上皮組織)が損傷してしまうという病的な状態のことです。
牧草・飼料作物種子分野では、栄養価に優れサイレージ発酵特性の良好な自給飼料として期待される高糖含量オーチャードグラス「えさじまん」の機能を検証する産乳性試験および安定生産を確認する採種性試験を継続しています。
飼料用トウモロコシについては九州と関東・東北での圃場試験において耐倒伏性・耐病性・収量性の良好な1品種、北海道で耐病性と収量性に優れる2品種を選抜し、2019年に販売を開始しました。また北海道(道央・道南)と府県全域で収量性と耐病性に優れる1品種を2020年に市場投入する予定です。
畑作・園芸種苗分野では、カボチャ「栗天下」の青果品質の市場評価が高いことから北海道以外へも普及拡大することとし、安定した青果の供給のために栽培に関して技術支援を行っています。スイートコーン「ピュアホワイト」に続く「ピュアホワイトSP」も青果の品質と栽培のしやすさに関して高い評価を得ています。
花卉分野では、ポットカーネーション7品種を新たに品種登録出願し、生産者向け苗の出荷を開始しました。またシクラメンの組織培養苗を2品種、新たに発売しました。鉢物・ガーデン用ダリア「おひさまダリア」苗の本格販売を開始しました。
生理活性物質関係では、畑作・園芸作物の根張りを良好にする当社独自の機能性液肥「根真人232」の市場競争力をさらに向上させるため、製造方法の改良に取り組んできました。改良に目途が立ち、製造試験を継続しています。また線虫や病原菌による作物被害の抑制・軽減を目的として、さまざまな病害のメカニズム研究を進めています。
環境緑化分野の芝生・植生関係では生態系・環境に調和した草種・品種の開発を進めており、寒冷地・高冷地に向く芝生用ケンタッキーブルーグラス「ハイディ」の販売を開始しました。また、自社育成のノシバ品種「エンルム」、「イジャニ」は増殖圃を北海道研究農場と千葉研究農場に設置し、特性を確認するとともに販売へ向けた増殖を継続しています。
当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。
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