有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G0TE
塩野義製薬株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
(1) 創薬及びCMC研究*1
当連結会計年度も引き続き、継続的な開発候補品及び開発品の創出を目指した取り組みを進めてまいりました。その結果、重点領域である感染症領域におきましては、新規抗インフルエンザウイルス薬候補品を創出いたしました。また、フロンティア領域*2におきましては、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療薬候補品を創出いたしました。
当連結会計年度は、前連結会計年度末に設定した優先7品目に加え、米国Sage社から導入した抗うつ薬候補S-812217を加えた優先8品目の研究開発に注力してまいりました。創薬研究におきましては、新規メカニズムの抗HIV薬候補、抗結核薬候補S-004992、核酸アジュバント*3候補S-540956について非臨床試験を遂行するとともに、5つのペプチド医薬品の新規創薬プログラムを開始いたしました。
CMC研究におきましては、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルの米国上市に向けた製品化、特発性肺線維症治療薬候補S-770108(ピレスパ吸入製剤)の上市に向けた商用吸入デバイス*4の開発を進めました。また、低分子化合物の製造技術におきましては、化合物の人体への吸収性改善に関する技術を開発し、従来法に比べ不純物または分解物を大幅に減少させる技術の開発等に取り組みました。
*1 CMC研究:原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究を統合した研究
*2 フロンティア領域:重点領域である感染症、疼痛・神経以外の疾患領域
*3 アジュバント:非特異的免疫賦活作用で薬物の効果を増強させる物質
*4 デバイス:装置、機器
(2) 開発
当連結会計年度は、抗インフルエンザウイルス薬Xofluzaを米国において承認申請し、予定よりも2か月早い10月24日に承認を取得することで、インフルエンザシーズン開始前に提携先のロシュ社による販売を開始することができました。また、重症化及び合併症を起こしやすいリスク要因をもつインフルエンザ患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験にて良好な結果が得られ、ロシュ社が米国において追加承認申請をいたしました。国内においては、ゾフルーザの価値最大化のため顆粒剤および予防適応での開発を進めました。
慢性肝疾患による血小板減少症治療薬Lusutrombopag(米国製品名:Mulpleta)につきまして、米国、欧州において承認を取得いたしました。さらに、欧州ではオピオイド誘発性便秘治療薬Rizmoic(日本製品名:スインプロイク)の承認を取得いたしました。
また、セフィデロコルにつきましては、カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症に対する第Ⅲ相臨床試験および院内肺炎に対する第Ⅲ相臨床試験を進めるとともに、米国、欧州において承認申請をおこないました。
すでに国内で小児を対象に販売しておりますADHD治療薬インチュニブにつきまして、成人を対象とした追加承認申請をおこないました。また、ADHD治療薬ビバンセの小児を適応とした承認を取得いたしました。
優先8品目につきましては、S-600918の第Ⅱ相臨床試験で難治性・原因不明慢性咳嗽に対する効果を確認いたしました。また、特発性肺線維症治療薬候補S-770108(ピレスパ吸入製剤)の第Ⅰ相臨床試験(日本)を完了いたしました。さらに、Sage社から導入した抗うつ薬S-812217及びペプチド医薬品候補S-005151の第Ⅰ相臨床試験を開始いたしました。
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は68,325百万円となりました。
(3) 戦略的事業投資による研究開発パイプライン及び技術の拡充
当社グループは創薬型製薬企業として、自社創薬比率50%以上を経営目標の1つとして掲げ、現在も68.8%*5を維持しております。また、自社で創製したパイプラインの開発を進める一方で、他社との連携によるパイプライン及び技術の拡充もイノベーション創出のためには必要であると考えております。
当連結会計年度は通常の研究開発費に加え、200億円の戦略的事業投資枠を設け、計10件の化合物及び技術の導入、またはそれに向けた契約を締結いたしました。
これらの化合物または技術が、次世代成長ドライバーとなるよう、自社創製品とともに研究開発を進めてまいります。
*5 2019年3月末現在
開発品(2019年5月9日現在)
*1: Dolutegravir、*2: Lamivudine、*3: Long acting parenteral formulation、*4: Cabotegravir、*5: Rilpivirine
当連結会計年度も引き続き、継続的な開発候補品及び開発品の創出を目指した取り組みを進めてまいりました。その結果、重点領域である感染症領域におきましては、新規抗インフルエンザウイルス薬候補品を創出いたしました。また、フロンティア領域*2におきましては、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療薬候補品を創出いたしました。
当連結会計年度は、前連結会計年度末に設定した優先7品目に加え、米国Sage社から導入した抗うつ薬候補S-812217を加えた優先8品目の研究開発に注力してまいりました。創薬研究におきましては、新規メカニズムの抗HIV薬候補、抗結核薬候補S-004992、核酸アジュバント*3候補S-540956について非臨床試験を遂行するとともに、5つのペプチド医薬品の新規創薬プログラムを開始いたしました。
CMC研究におきましては、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルの米国上市に向けた製品化、特発性肺線維症治療薬候補S-770108(ピレスパ吸入製剤)の上市に向けた商用吸入デバイス*4の開発を進めました。また、低分子化合物の製造技術におきましては、化合物の人体への吸収性改善に関する技術を開発し、従来法に比べ不純物または分解物を大幅に減少させる技術の開発等に取り組みました。
*1 CMC研究:原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究を統合した研究
*2 フロンティア領域:重点領域である感染症、疼痛・神経以外の疾患領域
*3 アジュバント:非特異的免疫賦活作用で薬物の効果を増強させる物質
*4 デバイス:装置、機器
(2) 開発
当連結会計年度は、抗インフルエンザウイルス薬Xofluzaを米国において承認申請し、予定よりも2か月早い10月24日に承認を取得することで、インフルエンザシーズン開始前に提携先のロシュ社による販売を開始することができました。また、重症化及び合併症を起こしやすいリスク要因をもつインフルエンザ患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験にて良好な結果が得られ、ロシュ社が米国において追加承認申請をいたしました。国内においては、ゾフルーザの価値最大化のため顆粒剤および予防適応での開発を進めました。
慢性肝疾患による血小板減少症治療薬Lusutrombopag(米国製品名:Mulpleta)につきまして、米国、欧州において承認を取得いたしました。さらに、欧州ではオピオイド誘発性便秘治療薬Rizmoic(日本製品名:スインプロイク)の承認を取得いたしました。
また、セフィデロコルにつきましては、カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症に対する第Ⅲ相臨床試験および院内肺炎に対する第Ⅲ相臨床試験を進めるとともに、米国、欧州において承認申請をおこないました。
すでに国内で小児を対象に販売しておりますADHD治療薬インチュニブにつきまして、成人を対象とした追加承認申請をおこないました。また、ADHD治療薬ビバンセの小児を適応とした承認を取得いたしました。
優先8品目につきましては、S-600918の第Ⅱ相臨床試験で難治性・原因不明慢性咳嗽に対する効果を確認いたしました。また、特発性肺線維症治療薬候補S-770108(ピレスパ吸入製剤)の第Ⅰ相臨床試験(日本)を完了いたしました。さらに、Sage社から導入した抗うつ薬S-812217及びペプチド医薬品候補S-005151の第Ⅰ相臨床試験を開始いたしました。
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は68,325百万円となりました。
(3) 戦略的事業投資による研究開発パイプライン及び技術の拡充
当社グループは創薬型製薬企業として、自社創薬比率50%以上を経営目標の1つとして掲げ、現在も68.8%*5を維持しております。また、自社で創製したパイプラインの開発を進める一方で、他社との連携によるパイプライン及び技術の拡充もイノベーション創出のためには必要であると考えております。
当連結会計年度は通常の研究開発費に加え、200億円の戦略的事業投資枠を設け、計10件の化合物及び技術の導入、またはそれに向けた契約を締結いたしました。
これらの化合物または技術が、次世代成長ドライバーとなるよう、自社創製品とともに研究開発を進めてまいります。
*5 2019年3月末現在
開発品(2019年5月9日現在)
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
感染症 | S-649266 (セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物) | セフェム系抗生物質 (注射) | 腎盂腎炎を含む複雑尿路感染症(米国) 多剤耐性グラム陰性菌感染症(欧州) | グローバル:フェーズⅢ 米国:申請 (2018年12月) 欧州:申請 (2019年3月) | 自社 | 自社 |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザ®] | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザウイルス感染症 | 日本:承認 (2018年2月) 台湾:申請 (2018年6月) | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザ®] | インフルエンザ治療薬 (経口・顆粒) | インフルエンザウイルス感染症 | 日本:承認(体重20kg以上) (2018年9月) 日本:申請(体重20kg未満)(2018年8月) 日本:フェーズⅢ(小児新用量) | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザ®] | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザウイルス感染症(予防投与) | 日本:フェーズⅢ | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) | |
疼痛・ 神経 | S-297995 (ナルデメジントシル酸塩) [日本:スインプロイク®] [米国:Symproic®] [欧州:Rizmoic®] | 末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト (経口) | オピオイド誘発性便秘症 | 米国・日本:承認 (2017年3月) 欧州:承認 (2019年2月) | 自社 | 自社 |
S-297995 (ナルデメジントシル酸塩) [日本:スインプロイク®] [米国:Symproic®] [欧州:Rizmoic®] | 末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト (経口・顆粒) | オピオイド誘発性便秘症(小児) | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-877489 (リスデキサンフェタミンメシル酸塩) | 中枢神経刺激薬 (経口) | 小児ADHD | 日本:承認 (2019年3月) | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-877503 (グアンファシン塩酸塩) [インチュニブ®] | 非中枢神経刺激薬 (経口) | 成人ADHD | 日本:申請 (2018年8月) | Shire社(アイルランド) | 自社/Shire社 | |
S-120083 | 炎症性疼痛治療薬 (経口) | 炎症性疼痛 | 日本:フェーズⅠ 米国:フェーズⅡ | 自社/Purdue社 (米国) | 自社/Purdue社 | |
S-010887 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-117957 | 不眠症治療薬 (経口) | 不眠症 | 米国:フェーズⅠ | 自社/Purdue社(米国) | 自社/Purdue社 | |
S-600918 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
S-600918 | 咳嗽治療薬 (経口) | 難治性・原因不明慢性咳嗽 | 日本:フェーズⅡ | 自社 | 自社 | |
S-637880 | 神経障害性疼痛治療薬 (経口) | 神経障害性疼痛 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
LY248686 (デュロキセチン塩酸塩) [サインバルタ®] | SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) (経口) | うつ病・うつ状態(小児) | 日本:フェーズⅢ | Eli Lilly(米国) | 自社/日本イーライリリー社 | |
S-812217 | GABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレータ (経口) | うつ病・うつ状態 | 日本:フェーズⅠ | Sage社(米国) | 自社/Sage社 | |
代謝 疾患 | S-237648 | ニューロペプチドYY5受容体アンタゴニスト (経口) | 肥満症 | 日本:フェーズⅡ 米国:フェーズⅠ | 自社 | 自社 |
S-707106 | インスリン抵抗性改善薬 (経口) | 2型糖尿病 | 米国:フェーズⅡa | 自社 | 自社 |
領域 | 開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 |
フロン ティア | S-888711 (ルストロンボパグ) [日本:ムルプレタ®] [米国:Mulpleta®] | トロンボポエチン受容体作動薬 (経口) | 慢性肝疾患による血小板減少症 | 日本:承認 (2015年9月) 米国:承認 (2018年7月) 欧州:承認 (2019年2月) | 自社 | 自社 |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 食道がん | 日本:フェーズⅢ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-588410 | がんペプチドワクチン (注射) | 膀胱がん | 日欧:フェーズⅡ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-525606 | スギ抗原特異的舌下免疫療法薬 (舌下) | スギ抗原によるアレルギー性鼻炎 | 日本:フェーズⅡ | Stallergenes社(フランス) | 自社 | |
S-488210 | がんペプチドワクチン (注射) | 頭頸部がん | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-588210 | がんペプチドワクチン (注射) | 固形がん | 英国:フェーズⅠ | オンコセラピー・サイエンス社(日本) | 自社 | |
S-222611 (epertinib) | HER2/EGFRデュアル阻害薬 (経口) | 悪性腫瘍 | 欧州:フェーズⅠ/Ⅱ | 自社 | 自社 | |
S-770108 | 抗線維化薬 (吸入) | 特発性肺線維症 | 日本:フェーズⅠ | 自社 | 自社 | |
SR-0379 | 皮膚潰瘍治療薬 (外用) | 皮膚潰瘍 (褥瘡,糖尿病性潰瘍) | 日本:フェーズⅡ | ファンぺップ社(日本) | 自社 | |
S-005151 | 脳梗塞治療薬 (注射剤) | 脳梗塞 | 日本:フェーズⅡ | ステムリム社(日本) | 自社 |
開発No. (一般名) [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 | |
S/GSK1349572 (dolutegravir) | インテグラーゼ阻害薬 (経口) | HIV感染症(治療) | (DTG*1+3TC*2未治療患者・2剤配合剤療法) 欧州:申請 (2018年9月) 米国:承認 (2019年4月) (DTG/3TC2剤配合剤維持療法) グローバル:フェーズⅢ | Shionogi-ViiV Healthcare社 | ViiV Healthcare社(英国) | |
S/GSK1265744 LAP*3 (cabotegravir) | インテグラーゼ阻害薬 (注射) | HIV感染症(治療及び予防) | (CAB*4 LAP+RPV*5 LAP 2剤療法) 米国:申請(2019年4月) (CAB LAP、予防適応) グローバル:フェーズⅢ | Shionogi-ViiV Healthcare社 | 治療:ViiV Healthcare社(英国) 予防:ViiV社、HPTN、NIAID、Gilead社(米国) | |
S-0373 | 非ペプチド型TRHミメティック (経口) | 脊髄小脳変性症 | 日本:フェーズⅢ | 自社 | キッセイ薬品(日本) | |
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [米国:XofluzaTM] | インフルエンザ治療薬 (経口) | インフルエンザウイルス感染症 | 米国:承認 (2018年10月) 米国:追加申請受理(ハイリスク患者、2019年3月) グローバル:フェーズⅢ(重症) グローバル:フェーズⅢ(小児) | 自社 | 自社/Roche社 (スイス) |
一般名 [製品名] | 薬効 (剤型) | 適応症 | ステージ | 起源 | 開発 | |
オキシコドン塩酸塩水和物 [オキシコンチン®] | アヘンアルカロイド系麻薬 (経口) | 中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛 | 日本:申請中(2016年11月) 日本:フェーズⅢ | Napp社(英国) | 自社 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00923] S100G0TE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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