有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G4C0
株式会社不動テトラ 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループは、各事業における独自の技術とノウハウを有する分野を中心に、研究開発活動を行っている。
なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は545百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。
港湾分野においては、消波工の据付におけるICT施工の高度化と効率化を図るため、消波ブロックの測量点群データに消波ブロックのソリッドモデル(立体モデル)を自動配置させるソフトを開発した。また、水産庁のフロンティア漁場整備事業への参加を目指して、大水深における湧昇流マウンド築造システムの開発を継続している。
また、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドにおいて、種々の工法開発を進めると共に、新たに材料実験室を新設し、材料関係の要素試験体制も強化した。
なお、当社グループの研究開発費は特定の事業に区分することが困難なため、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業ごとの研究開発費を記載していない。当連結会計年度における研究開発費の総額は545百万円であり、活動の主な成果は次のとおりである。
(1) 総合技術研究所
総合技術研究所の組織を見直し、研究グループを海洋・水理、環境修復、地盤、材料・構造、基盤技術の5つのグループに再整備した。海洋・水理グループは海域・河川域の各種構造物の水理安定性や水理機能を、環境修復グループは地下水・土壌の汚染浄化技術を、地盤グループは地盤改良技術を、材料・構造グループはブロックの構造強度を、基盤技術グループは中長期的に利用可能な汎用技術を主な研究対象とする。これに全社的な知的財産戦略と管理を行う知的財産グループを加え、これらの持てる力の結集と連携と協働により、社会や顧客のニーズに沿った社会に貢献する新しい技術を提供していく。(2) 土木事業
当分野では、環境修復技術及び陸海の土木施工技術について研究開発活動を行っている。①環境修復技術
フッ素含有土壌浄化工法に加えて、特許を保有する土壌還元法を改善し、VOCs(揮発性有機化合物)汚染土壌及び地下水の浄化技術について、また、今後大規模な市場になると見ている自然由来重金属含有土壌(砒素、フッ素、鉛)を対象とした汚染土処理について、対策工法の開発を継続的に進めている。②土木施工技術
国土交通省が推進する「CIM」への対応として、陸上分野においては複雑な地形を有する箇所に橋梁下部工等の多くの構造物を建設する高速道路工事1件において、「CIM」を継続的に導入し、施工管理業務の効率化を図った。また、生産性向上技術への対応として、AIやVR等を活用した新技術の研究開発に着手した。港湾分野においては、消波工の据付におけるICT施工の高度化と効率化を図るため、消波ブロックの測量点群データに消波ブロックのソリッドモデル(立体モデル)を自動配置させるソフトを開発した。また、水産庁のフロンティア漁場整備事業への参加を目指して、大水深における湧昇流マウンド築造システムの開発を継続している。
(3) 地盤改良事業
当分野では、砂杭系や固化処理系等の地盤改良工法について、生産性向上・環境対策等の付加価値向上や、コスト削減による競争力強化等の視点から研究開発活動を行っている。また、総合技術研究所内に整備した多目的試験フィールドにおいて、種々の工法開発を進めると共に、新たに材料実験室を新設し、材料関係の要素試験体制も強化した。
①砂杭系工法
SAVEコンポーザーに代表される砂杭系の工法では、施工に伴う周辺地盤の変位が問題となることがあることから、多目的試験フィールドでは変位低減手法について研究を重ね、多様な対策手法の整備を進めている。また、材料実験室ではSAVE-SP工法で使用する流動化砂の性能向上を図るための実験を進めている。②固化処理系工法
信頼性の高い高品質な大径深層混合処理工法であるCI-CMC工法の貫入能力を向上させたCI-CMC-HG工法を開発した。同工法は、現状オーガーの約2倍のトルクを有する高トルクインバータモータを採用するとともに、貫入補助として撹拌軸の先端からエアー・スラリーを噴射する先端吐出機構の併用も可能とし、N値50を超える硬質の砂礫地盤等への適用も可能とした。③生産性向上技術
ICTを活用した地盤改良工法の施工管理システムとして、施工状況を随時アニメーションで確認できる「リアルタイム施工管理システム」と施工情報を3次元で表示できる「3次元モデル化システム」とを組み合わせた「Visios®-3D」を開発し、既にCI-CMC工法の施工機に搭載しているが、新たにSAVEコンポーザーやグラベルドレーン工法の砂杭系工法への適用を可能とし、国土交通省新技術情報提供システム「NETIS」へ登録された。(4) ブロック事業
当分野では、東日本大震災を踏まえた「津波に対する防災・減災」に係るブロックの適用技術の開発を継続することに加えて、全国的に既設ブロックの老朽化が進んでいることから、防波堤・護岸に使用されているブロックの維持管理に関わる手法の開発を進めている。また、新規分野への参入を目的に、砂防堰堤用のブロックを開発した。①津波に対する防災・減災
津波の越流があっても倒壊しにくい「粘り強い構造」の防波堤に関する当社の研究成果は、国土交通省や水産庁の設計指針に織り込まれており、当社製品が全国の港湾、漁港で採用されている。継続して従来明確にされていなかった津波の流れに対する設計手法の確立に向け、(一社)漁港漁場新技術研究会の取り組みの一環として実験方法の提案を行っており、設計に用いる当社ブロックの特性値を取得すべく実験を実施している。②ブロック維持管理手法
既設の防波堤や護岸のブロックについては、長年の風浪で沈下や飛散が起こり本来の消波機能を十分果たせない箇所が増加していることから、嵩上げ等の維持補修を合理的に実施する技術についての研究を実施している。当年度は、ドローンを利用した消波工の沈下形状の3次元データ化の検討を行うとともに、国土交通省の「港湾の施設の点検診断ガイドライン」に則った消波工の点検診断方法への適用や必要な嵩上数量の自動計算手法を検討した。③砂防堰堤用ブロック
工事を遠隔地より安全かつ円滑に行う無人化施工は、災害復旧や火山地帯における砂防堰堤などの工事で採用されているため、これらに対応する無人化施工用のブロックを開発した。
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