有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FZ3C
第一三共株式会社 事業等のリスク (2019年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。
(1) 他社競合・ジェネリック医薬品等製品販売に関するリスク
当社グループ製品と同領域の他社製品との競合、当社グループ製品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入等は、当社グループの医薬品の売上を減少させる要因となり、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、販売及び技術導出入契約の条件変更・終了等、及び主力品の海外発売国における保険適用等に関する交渉結果等により、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 訴訟に関するリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S.ホールディングスInc.並びにAllergan Sales, LLC(旧Forest Laboratories, LLC)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニカー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々から、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されておりましたが、2017年8月1日に原告側と和解契約を締結し、2018年3月30日に和解内容を一部変更する契約を締結いたしました。なお、当該訴訟については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②訴訟」に記載しております。
(3) 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性があります。
(4) M&A等に関するリスク
当社グループは、研究開発等における事業展開の一環として、M&A又は資本提携等を実施することがあります。これらのM&A等にあたり、当社グループはデューデリジェンスを行い、当該M&A等の効果やリスクを算定したり、当社の負担するリスクを限定するよう努めております。しかし、対象会社の経営環境や事業の変化、デューデリジェンスにおいて判明しなかった情報等、又は買収後に被買収企業の経営方針、コーポレート・カルチャー、コーポレート・ガバナンス等の相違のために両社の協業が円滑に進まないことに起因して、当該M&A等において期待されていた効果が実現されない可能性や、M&A等に関する契約に基づき相手方に対して補償責任を負う可能性があり、その場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
(5) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更等により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了等が起こった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、重点領域であるがん領域について、DS-8201をフラグシップアセットと位置付け、開発の拡大・加速化に取り組んでおり、2019年3月29日にアストラゼネカ社と戦略的提携を開始いたしました。当該品目について、研究開発・上市の遅延等、承認申請の遅延等、期待した有効性・安全性が得られない事象あるいは期待した販売の進捗への支障等が生じた場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
北里第一三共ワクチン㈱は、2011年に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、6ヶ月以内に4,000万人分のワクチンを供給できる体制を構築する計画でありました。しかし、設備設計時の想定より高い投与量が必要であることが開発中に判明し、ワクチン収量向上、設備の改良等の検討に取り組んで参りましたが、当初の事業期限である2014年3月末までに供給体制を整備することができませんでした。また、その後もワクチン収量を向上させるための検討に取り組んで参りましたが、2019年3月末の事業期限までに整備することができず、最終的に構築できた供給能力は2,318万人分となりました。なお、今後交付を受けた助成金の一部を返還するとともに、遅延に関わる遅延損害金をお支払い致しますが、想定する遅延損害金は過年度に計上済みであります。
同社は2019年4月1日に当社が吸収合併いたしましたが、当社は、同社のワクチン供給体制の構築に向けた取組みを引き継ぎ、パンデミック発生時に必要な新型インフルエンザワクチンを確実に供給できる体制の維持・管理に努め、与えられた責務を全うすることにより我国の保健衛生の向上に貢献して参ります。
(6) 製造・仕入れに関するリスク
製品の一部は、当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しております。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。医薬品は医薬品医療機器法その他の国内外の法規制等の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 副作用発現に関するリスク
予期していなかった副作用の発現等の問題が発生した場合は、当社グループの医薬品の売上が減少するとともに、製品回収や販売中止等に係る多額の費用が発生するなど、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産に関するリスク
当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟提起等をする場合があり、それらの動向は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼすことがあります。特に先進諸国でのジェネリック医薬品拡大を背景に、訴訟提起等を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性があります。
(9) 海外における事業展開に関するリスク
当社グループは、医薬品の開発、販売等の分野で、海外においても積極的に事業を展開しており、このような海外事業においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制や行政指導等に抵触するリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 災害等の発生による事業活動に関するリスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境問題に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社グループでは医薬品等の管理には万全を期すべく努めておりますが、万一、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等深刻な環境問題が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 金融市況及び為替変動に関するリスク
株式市況の低迷等により保有する株式等の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループは、業務上、各種ITシステムを利用しており、また、個人情報を含む多くの機密情報を保有しております。ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの休止等、及び機密情報の漏洩を防止するため、情報管理に関する規程等を整備して従業員へ情報管理の重要性を周知徹底するとともに、セキュリティシステムの導入等の対応策を実施しておりますが、これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 財務報告に係る内部統制の整備等に関するリスク
当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制整備に努めております。しかし、内部統制が有効に機能しなかった場合、又は財務報告に係る内部統制の不備又は開示すべき重要な不備が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15) 法令違反等に関するリスク
当社グループは、グループ企業行動憲章のもとに、コンプライアンス行動基準等を制定しているほか、企業倫理委員会や従業員ホットラインの設置等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、役員及び従業員の個人的な不正行為等を含め重大な法令違反が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
第一三共Inc.は、主力品のプロモーション活動の一環として行った医師講演施策に関し、米国司法省より調査を受け、同省及びその他政府機関との間で和解に至りました。本和解に基づき、第一三共Inc.は、2015年3月期に約39百万米ドルの和解金を支払うと共に、保健福祉省監察総監室との間で法令遵守に関する協定(Corporate Integrity Agreement)を締結し、コンプライアンス研修の実施等により、コンプライアンス体制を強化しております。
(16) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、その結果、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合には繰延税金資産が減額され、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) その他のリスク
その他のリスクとして、金融危機の発生による資金調達環境の悪化、当社グループ製品の偽造医薬品流通による信頼性低下等が考えられます。これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。
(1) 他社競合・ジェネリック医薬品等製品販売に関するリスク
当社グループ製品と同領域の他社製品との競合、当社グループ製品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入等は、当社グループの医薬品の売上を減少させる要因となり、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、販売及び技術導出入契約の条件変更・終了等、及び主力品の海外発売国における保険適用等に関する交渉結果等により、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 訴訟に関するリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社、第一三共Inc.及び第一三共U.S.ホールディングスInc.並びにAllergan Sales, LLC(旧Forest Laboratories, LLC)及びその関係会社は、オルメサルタンメドキソミルを含有する製剤(米国製品名「ベニカー」等)の服用により、スプルー様腸疾患(重症下痢等を主な症状とする疾患)等が発現したと主張する方々から、米国連邦裁判所及び州裁判所において複数の訴訟を提起されておりましたが、2017年8月1日に原告側と和解契約を締結し、2018年3月30日に和解内容を一部変更する契約を締結いたしました。なお、当該訴訟については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②訴訟」に記載しております。
(3) 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性があります。
(4) M&A等に関するリスク
当社グループは、研究開発等における事業展開の一環として、M&A又は資本提携等を実施することがあります。これらのM&A等にあたり、当社グループはデューデリジェンスを行い、当該M&A等の効果やリスクを算定したり、当社の負担するリスクを限定するよう努めております。しかし、対象会社の経営環境や事業の変化、デューデリジェンスにおいて判明しなかった情報等、又は買収後に被買収企業の経営方針、コーポレート・カルチャー、コーポレート・ガバナンス等の相違のために両社の協業が円滑に進まないことに起因して、当該M&A等において期待されていた効果が実現されない可能性や、M&A等に関する契約に基づき相手方に対して補償責任を負う可能性があり、その場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
(5) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更等により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了等が起こった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、重点領域であるがん領域について、DS-8201をフラグシップアセットと位置付け、開発の拡大・加速化に取り組んでおり、2019年3月29日にアストラゼネカ社と戦略的提携を開始いたしました。当該品目について、研究開発・上市の遅延等、承認申請の遅延等、期待した有効性・安全性が得られない事象あるいは期待した販売の進捗への支障等が生じた場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
北里第一三共ワクチン㈱は、2011年に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、6ヶ月以内に4,000万人分のワクチンを供給できる体制を構築する計画でありました。しかし、設備設計時の想定より高い投与量が必要であることが開発中に判明し、ワクチン収量向上、設備の改良等の検討に取り組んで参りましたが、当初の事業期限である2014年3月末までに供給体制を整備することができませんでした。また、その後もワクチン収量を向上させるための検討に取り組んで参りましたが、2019年3月末の事業期限までに整備することができず、最終的に構築できた供給能力は2,318万人分となりました。なお、今後交付を受けた助成金の一部を返還するとともに、遅延に関わる遅延損害金をお支払い致しますが、想定する遅延損害金は過年度に計上済みであります。
同社は2019年4月1日に当社が吸収合併いたしましたが、当社は、同社のワクチン供給体制の構築に向けた取組みを引き継ぎ、パンデミック発生時に必要な新型インフルエンザワクチンを確実に供給できる体制の維持・管理に努め、与えられた責務を全うすることにより我国の保健衛生の向上に貢献して参ります。
(6) 製造・仕入れに関するリスク
製品の一部は、当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しております。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。医薬品は医薬品医療機器法その他の国内外の法規制等の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 副作用発現に関するリスク
予期していなかった副作用の発現等の問題が発生した場合は、当社グループの医薬品の売上が減少するとともに、製品回収や販売中止等に係る多額の費用が発生するなど、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産に関するリスク
当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟提起等をする場合があり、それらの動向は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼすことがあります。特に先進諸国でのジェネリック医薬品拡大を背景に、訴訟提起等を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性があります。
(9) 海外における事業展開に関するリスク
当社グループは、医薬品の開発、販売等の分野で、海外においても積極的に事業を展開しており、このような海外事業においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制や行政指導等に抵触するリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 災害等の発生による事業活動に関するリスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境問題に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社グループでは医薬品等の管理には万全を期すべく努めておりますが、万一、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等深刻な環境問題が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 金融市況及び為替変動に関するリスク
株式市況の低迷等により保有する株式等の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループは、業務上、各種ITシステムを利用しており、また、個人情報を含む多くの機密情報を保有しております。ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの休止等、及び機密情報の漏洩を防止するため、情報管理に関する規程等を整備して従業員へ情報管理の重要性を周知徹底するとともに、セキュリティシステムの導入等の対応策を実施しておりますが、これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 財務報告に係る内部統制の整備等に関するリスク
当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制整備に努めております。しかし、内部統制が有効に機能しなかった場合、又は財務報告に係る内部統制の不備又は開示すべき重要な不備が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15) 法令違反等に関するリスク
当社グループは、グループ企業行動憲章のもとに、コンプライアンス行動基準等を制定しているほか、企業倫理委員会や従業員ホットラインの設置等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、役員及び従業員の個人的な不正行為等を含め重大な法令違反が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
第一三共Inc.は、主力品のプロモーション活動の一環として行った医師講演施策に関し、米国司法省より調査を受け、同省及びその他政府機関との間で和解に至りました。本和解に基づき、第一三共Inc.は、2015年3月期に約39百万米ドルの和解金を支払うと共に、保健福祉省監察総監室との間で法令遵守に関する協定(Corporate Integrity Agreement)を締結し、コンプライアンス研修の実施等により、コンプライアンス体制を強化しております。
(16) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っておりますが、その結果、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合には繰延税金資産が減額され、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) その他のリスク
その他のリスクとして、金融危機の発生による資金調達環境の悪化、当社グループ製品の偽造医薬品流通による信頼性低下等が考えられます。これらの事象が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
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