有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FFZG
株式会社資生堂 事業等のリスク (2018年12月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年3月26日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。
(1)事業戦略
化粧品業界はグローバル規模で競争が激化しており、他業界からの参入が著しいなか、当社は、当社の強みであるプレステージブランド及び中国をはじめとするアジア地域におけるコスメティクス・パーソナルケアブランドへの選択的集中投資を進めており、投資の推進に際して、意思決定のために必要かつ十分な情報収集をした上で検討を実施し、合理的な意思決定を行っています。しかし、「美」や化粧品に対するニーズや購買行動が多様化するなか、これら領域で商品・サービスの提供やマーケティング活動において的確に対処できない場合には、目標とする市場シェアを獲得することができなくなる可能性があります。また、重点戦略と位置付けるデジタルマーケティングやEコマースの加速や、新たなテクノロジーによる価値創造を実現できなければ、様々な世代のお客さまとの強い関係づくりに悪影響を及ぼし、成長市場における支持を獲得できない可能性があります。
(2)ブランドイメージ
ソーシャルネットワーキングサービス等の進展に伴い、当社や当社事業について有害な情報が拡散したり、当社が起用したモデルやソーシャルメディアで商品などの購買決定に一定の影響力を持つインフルエンサーの言動をあらかじめ統制することはできないため、その言動に対する社会的批判が拡散し、当社の強みであるブランドイメージが低下する可能性があります。また、模倣品などの当社ブランドの盗用などによりブランド戦略が実現せず、競合他社との比較において優位性を失うなどの悪影響を招く可能性があります。このため、資生堂グループの「ソーシャルメディアポリシー」を定め社内教育を徹底するとともに、倫理的あるいは社会通念上問題となる可能性がある表現や言動を予防するために、宣伝・広告等の発信情報や起用するモデルやインフルエンサーの事前チェックシステムを導入し、あわせてWEBサイト及びソーシャルネットワークのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見と対応を図っています。模倣品対策については、行政と連携を図り摘発につなげるなどの対策を講じています。
また、上記以外にも、ブランドイメージの低下につながる可能性のあるリスクには、品質問題、情報漏洩、環境汚染、コンプライアンス違反などがあります。
(3)品質管理
お客さまの品質要求が高度化・多様化するなか、当社の品質管理システムが十分に機能しなかった場合の商品の不具合や、あるいは新たに得られた科学的知見に基づく安全性の懸念等により、お客さまに健康被害や損害を与える可能性があるとともに、当社の品質に対する社会的信用を失う可能性があります。
当社では、「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい安全性保証基準を設定し、新製品の開発、生産、出荷の各段階で当社の品質基準に適合していることを厳密に確認するとともに、お客さま相談窓口や社内対応体制を整備し定期的にシミュレーション訓練を行うなど、お客さまからの品質に関する申し出に対して迅速・適切に対応できる体制を敷いています。
(4)戦略的投資
当社では、「VISION 2020」の第2フェーズ「成長加速の新戦略」の実現に向けて、戦略市場への投資、新規事業・新規市場への事業拡大及びM&A等の戦略的投資を強化しています。しかしながら、予期せぬ市場環境の変化等により当初の計画において予定していた効果が得られず戦略の見直しが必要となる可能性があります。また、M&Aについては綿密なデュー・ディリジェンスを実施し当該国・地域のリスク軽減策を講じるものの、M&A先における深刻な経営不振によって期待された投資効果を得られない、あるいはM&A先の内部統制やコーポレートガバナンス体制等の不全により不祥事が発生し行政処分が科されたり、訴訟が提起されるなど、当社の社会的信用の低下の可能性があります。
(5)為替変動
当社グループは、輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について、為替レートの変動リスクを負っています。当社グループでは、適切な為替予約等を付すことにより為替変動に対するヘッジを行っていますが、リスクが完全に回避されるわけではありません。また、海外連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回っている状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与えます。さらに、当社の海外連結子会社及び持分法適用関連会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させます。また、不測の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料の調達
調達先の事業継続が困難な状況に陥るなど、特定の原材料が入手困難となり当社商品の安定的な生産・供給が不能となったり、市況の影響等により原材料の価格が高騰して財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の調達先において、児童労働や強制労働などの人権問題や生物多様性の破壊などの環境問題、禁止物質の混入などが発生すると、当該原材料の調達困難や当社の社会的信用の低下につながる可能性があります。当社では、「資生堂グループサプライヤー行動基準」を策定し調達先に遵守を要請するとともに、Sedex(サプライヤーエシカル情報共有プラットフォーム)へ加入してサプライチェーンにおける社会・環境への取り組みを客観的に評価しています。
(7)人材の確保
当社では、急速なグローバル化の進展により、国際的競争環境に耐えられる人材の確保・育成が急務となっています。世界で勝つために欠かせないグローバル人材・マネジメント人材・専門的な知識と経験を有するプロフェッショナル人材の獲得及び育成ができなければ競争力が低下し、当社グローバル戦略における目標達成を危うくする可能性があります。また女性が主要なお客さまである当社にとって女性の活躍推進や国籍や年齢などの多様性(ダイバーシティ)に富む職場が実現できなければ、新たな価値創造とグローバルでの成長の妨げとなり、人材採用にも悪影響をもたらす可能性があります。当社では、「PEOPLE FIRST」を重点戦略の一つと位置付け、採用・研修・配置において、人材の多様性(ダイバーシティ)を促進しています。
(8)環境対応
地球環境問題の深刻化に伴い環境意識が高まるなか、当社では、「人も地球も美しく共生する持続可能な社会」の実現に向けて、持続可能なものづくりの視点から、サステナブルなプラスチックや認証パーム油への切り替えやCO2排出削減量に目標値を設定し取り組んでいますが、この目標を達成できないことや、当社事業活動に伴うその他の環境負荷に対する社会的批判により、当社商品へのお客さまからの支持に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が事業活動を展開する国・地域において、環境汚染等による環境規制違反を理由に行政処分を科されたり、訴訟を提起される可能性があります。
(9)経済・政治情勢
事業活動を展開する国・地域において、政権や政策の変更などを契機に当社に不利益な外資規制や薬事規制が実行されたり、あるいは外交関係等に起因する事業環境の悪化による影響を受けて、当該国・地域での事業継続が困難となったり撤退を余儀なくされる可能性があります。新たに事業展開する際には、事前に当該国・地域の経済・政治・社会的情勢に関する情報を収集し、慎重に判断しています。また、すでに展開している国・地域においても同様に、現地法人等を通じて必要な情報収集を行うとともに、定期的なモニタリングなどにより本社と連携を図りながら対応する体制を敷いています。
(10)自然災害
事業活動展開地域における甚大な自然災害により、当社生産拠点やサプライチェーンが被災すれば、人的・物的被害に加え、長期間にわたり生産・物流及び販売が中断するなどの損失を被る可能性があります。当社では重要業務の継続または早期復旧によってこうした損失を最小化するため、生産拠点、物流拠点、情報システム部門及び本社を事業継続の重要拠点と位置付け、事業継続計画(BCP)の構築を行っています。
(11)情報セキュリティ
インターネット販売の進展により、信頼できる強固なITシステムやインフラ、情報の取り扱いの重要性が増すなかで、サイバー攻撃による個人情報や機密情報の漏洩、業務の中断などの脅威が高まっています。予想を超えるサイバー攻撃や不正アクセスにより当社の保有する個人情報や機密情報が漏洩した場合は、当社グループへの信頼の低下を招く可能性があります。また、厳格化する各国・地域の規制に違反した場合、現地法規制に則って処罰が科せられる可能性もあります。
当社グループが保有する情報資産の保護については、規定類の整備と遵守の徹底、従業員の啓発などの対策に取り組むとともに、技術的対策としては、外部からの攻撃に対するフィルタリングやPC端末のセキュリティ強化による紛失時の情報漏洩防止、クラウド利用に関するセキュリティ強化を進めています。
(12)法規制等への対応
当社グループの事業に関係性がある法規制には、「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」をはじめとする法規制や、品質に関する基準、環境に関する基準等があります。これらの法規制に違反することにより、罰則や損害賠償責任を負うだけでなく、社会的な批判にさらされる可能性があります。また、当社はグローバルに事業展開しており、各国の会社法や税法、知的財産権に関する法規制、カルテルなど市場競争に関する法規制、さらには腐敗行為規制などのさまざまな法規制を受けています。これらの法規制が大幅に変更された際に、対応するために追加の費用や投資が必要となる可能性があります。また、当社が事業展開先の国・地域におけるこれらの法規制の要求事項に対応できない場合は、罰則が科されたり訴訟を提起されるリスクに加え、当該国・地域における事業の大幅な縮小・変更や撤退を余儀なくされる可能性があります。遵法のためのチェックの仕組みや従業員教育を通じて社内にコンプライアンスを徹底するとともに、ビジネスパートナーに対しても遵法を要請しています。
(13) 重要な訴訟等
当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。- 有価証券報告書 抜粋メニュー
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00990] S100FFZG)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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