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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GAOD

有価証券報告書抜粋 アストマックス株式会社 事業等のリスク (2019年3月期)


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当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当社グループの事業内容について

① 商品先物市場・金融市場等の動向について
当社グループの主たる事業であるアセット・マネジメント事業及びディーリング事業は、主に国内外の商品先物市場及び金融市場等を運用の対象市場としております。従って、当社グループの業績は市場動向の影響を排除できない面があり、世界的な政治、経済、社会情勢等の動きがこれらの市場に対して大きな影響を与えています。
当社グループのディーリング事業においては国内外の主要先物市場を通じた裁定取引戦略が主たる取引であることもあり、市場における上昇トレンド・下降トレンドそのものが事業収益に直接大きな影響を与えるわけではありません。一方、アセット・マネジメント事業においては市場連動型の金融商品の運用も行っていることから、市場環境悪化に伴う解約に加え、良好な市場環境においても利益確定の解約が発生することがあります。
また、商品先物市場もしくは金融市場の値動きが極端に小さくなるような市場環境が継続した場合、仮想通貨やFX市場等他のアセットクラスに資金が流れ流動性が極端に低下した場合及び当社グループと同様または優れた手法を駆使するディーリング事業を展開する新規参入者が増加した環境においては、ディーリング事業の収益が低迷する可能性があります。同様にアセット・マネジメント事業においても新規参入者の増加及び既存業者との競合が厳しくなる事態等の発生による受託競争が激化した場合には同事業の業績が悪化する可能性があります。この他、戦争、テロ、疫病、天災、大規模事故等の世界的事件・事故が発生し、商品先物市場または金融市場の閉鎖、取引中断、大幅な取引ルールの変更等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績は大きな影響を受ける可能性があります。
② アセット・マネジメント事業における運用資産残高と報酬率について
当社グループのアセット・マネジメント事業における収益は、運用資産残高と報酬率によって大きく変動します。当社グループでは、安定的な収益拡大のために新たな運用資産の獲得を目指し、運用収益率の向上、新規運用商品の開発及びマーケティングの強化を図っている他、我が国における国民の長期資産形成に資するため、積立型の投資信託の取組に力を入れております。しかしながら、市場環境や政治経済情勢の変化、運用成績の悪化、顧客等の投資方針の変更等により、短期間で運用資産残高が減少する可能性があります。また、投資信託等の資産運用ビジネスにおいては、良好な運用成績などを背景に基準価額が値上がりした際に、利益確定のための契約の解約を受けて、逆に運用資産が減少することもあります。
③ 再生可能エネルギー関連事業について
当社グループがこれまでに開発等で携わった案件は、全国13箇所となり、その内12箇所の太陽光発電所は既に完成しております。また太陽光発電以外では主として地熱等を利用した発電事業等への取組も進めております。それぞれの案件の事業化に当たっては、関係者との連携を図りつつ、且つ厳格な調査に基づき事業化の是非を検討して進めております。しかしながら、本事業においては、ビジネスの進展が必ずしも予定通りに進まない事態が発生し得ること、想定しきれないコストが発生すること等により、事業採算が悪化するおそれがあります。特に地熱発電事業に関しては、事業化にむけて地表調査及び3本の調査井の掘削が完了しており、現時点におきましては事業性として有望であると判断しておりますが、今後予定している調査井において想定した蒸気や熱水等が得られない場合や、事業全体としての採算が合わない場合は開発を断念せざるを得ないこともあり得ます。そのような場合においては、これまでにかけた費用の大半を失うというリスクが存在します。
また、事業用地の取得を伴うケースがあることから、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による不動産価値の毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、不動産価値の急激な低下による減損等の新たなリスクを負うことになると共に、第三者に対し損害を及ぼし賠償責任を負うというリスクも存在します。こうした問題が発生した場合には、当社グループに対する信頼の失墜に繋がる可能性があります。その際には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、再生可能エネルギー関連事業においては、当社グループの自己資金に加えて銀行借入等を利用し、レバレッジをかけて投資を行うケースがあります。その際には当社グループが拠出した投資額を上回る規模の事業を行うこととなり、事業採算の僅かな悪化が、当社グループの損益に相対的に大きな影響を与えるおそれがあります。さらに、再生可能エネルギーについては、政府のエネルギー政策によっては諸規則等の改正またはその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。加えて、全国的な太陽光発電設備の増加により、春や秋等電力をあまり必要としない時期に出力抑制が課されることがエリアによって増加してきております。当社グループが保有する太陽光発電所は出力抑制に上限が付いているものが殆どですが、出力抑制がかかるたびに売電収入は減少することから課される回数によっては当社の営業収益に大きな影響を与えるリスクがあります。
④ 電力取引関連事業について
再生可能エネルギー関連事業の一環として、2016年4月より自由化された日本の電力小売市場において電力小売事業を行う企業等をサポートするシステム及びサービスの提供に取り組むことを目的として、アストマックス・エナジー・サービス株式会社を設立いたしましたが、事業計画通りに顧客を確保できない場合、または顧客となる電力小売事業者の取り扱う電力量が計画比下回った場合には、サポートシステム等先行投資した資産を減損処理する等のリスクが存在します。
また、発電事業者等他の電力業者から電力を調達し、小売電気事業者等に対し電力を販売する電力取引を拡大しておりますが、電力調達量が販売量を上回るまたは下回ることで電力量に過不足が生まれることがあり、そのまま期限が到来した場合は電力価格の変動を直に受けるため損失が発生するリスクや、電力市場の流動性が縮小することにより価格が著しく変動するリスク等が存在します。
さらに、当事業においては、事業の拡大に伴い与信供与する取引先が増加しています。当社は取引先に対する与信管理を実施しているものの、万が一与信先が破綻した場合は、少なからずその影響を受ける可能性があります。
⑤人財の確保に係るリスクについて
当社グループは、事業を維持し持続的な成長を実現するためには、全ての部署において、必要な時期に適切な人財を確保することが重要と考えており、また、人財育成を経営の重要課題の一つとして位置づけております。しかしながら、優秀な人財が社外に流出した場合や人財の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
⑥出資に係るリスクについて
当社グループでは、主要4事業及びそれに関連する事業会社またはファンド等に出資も行っており、連結子会社・持分法適用会社として収益等を取り込こんでいるものや、関連会社に該当しない出資先もあります。
出資先の選定に当っては、出資による投資成果とリスクを見積もると共に、当社事業との関係性や当社事業における価値、及び事業計画等の妥当性等を判断した上で、社内規程に基づく慎重な検討を行っており、また出資後においても、経営指導などを通じて出資先の価値の向上を図っておりますが、出資先で想定した利益が上がらない場合、出資先の経営状況が著しく悪化した場合、またはファンドの投資成果が大きなマイナスとなった場合など、連結損益にマイナスの影響を与える可能性があります。

(2) 当社グループを取り巻く法的規制等に関するリスクについて

① 法的規制等について
ASTAM社は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に定める投資信託委託会社として公募・私募の投資信託の設定を行っていることから、金融商品取引法を始めとする各種法令及び所属する各種協会の自主規制ルール等を遵守し、投資信託等の運用及び管理を適切に行うことが求められるほか、各種法令等の遵守が求められます。また、金融商品取引法に定める金融商品取引業(投資運用業、投資助言・代理業及び第二種金融商品取引業)に加え、それらに付随する業務も営んでおり、これらの金融商品取引業務においても、同様に、金融商品取引法を始めとする各種法令及び金融商品取引法に定める各自主規制機関の自主規制ルール等に関する厳格な遵守体制が求められております。
一方、2016年12月に新設したアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社(以下、「AFM社」という。)及びアストマックス・トレーディング株式会社(以下、「ASTRA社」という。)においては、金融商品取引法第63条に基づく「適格機関投資家等特例業務」の届出を行っておりますが、適格機関投資家等特例業務を行う業者に関する金融商品取引法の一部を改正する法律(「2015年改正金商法」)が、2016年3月1日に施行され、適格機関投資家等特例業務を行う業者の行為規制等が強化されました。
当社グループとしては、コンプライアンス態勢及び内部管理体制水準の確立・維持に努め、今後も更なる徹底を図るべく継続して取組んでまいりますが、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の営業活動が制限され顧客ビジネスの展開に支障をきたす可能性もあります。また、投資信託の基準価額に大きな誤りがあった場合を始め、ASTAM社の事務ミス等の過失により投資信託または投資信託の投資者に損害が生じた場合等には、損害賠償責任を負う可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
ASTRA社等が営むディーリング事業及び電力取引関連事業は、関係法令を中心に、国内外の主要取引所の諸規則の遵守を求められており、また再生可能エネルギー関連事業は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法や電気事業法等の規制を受けることとなります。当社グループとしては、これら事業においても、法令遵守の下に事業を進めていく努力をしておりますが、万が一法令違反等が発生した場合には、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けることがあり、また損害賠償責任を負う可能性もあります。そのような事態の発生は当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(3) 当社グループの事業体制について

① 持株会社の機能とガバナンス体制について
当社は、2012年10月1日付で、株式移転によりASTRA社の完全親会社として設立され、即日、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現東京証券取引所JASDAQ)に上場いたしました。当社は主に連結子会社である事業会社を通じて事業運営を行うと共に、当該事業会社等の管理業務を受託することにより、業務委託料収入及び配当金収入を主な収益の源泉とする持株会社となりました。この結果、各事業の管理業務(リスク管理業務を除く。)は持株会社である当社に集約され、当社グループ全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、各事業におけるファイア・ウォール(業務隔壁)の更なる徹底と各々の事業会社の迅速な意思決定を可能とする体制を構築いたしました。また、各事業会社における重要事項については、持株会社におけるグループ経営会議及び取締役会においても十分に審議され、重要事項に関する持株会社としての意思決定もなされています。しかしながら、持株会社におけるガバナンス体制及び管理業務遂行体制が十分に機能しない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 企業買収と統合について
当社グループは、2012年8月1日付でマネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社の発行済全株式を取得し、2012年12月28日付でITCインベストメント・パートナーズ株式会社の発行済株式の99%を取得して子会社化しました。その後、2013年4月1日付で、当社グループにおけるアセット・マネジメント事業を統合し、ASTAM社として事業を開始しております。今後、ASTAM社において計画通りに事業展開が進まない場合には、企業買収に伴って計上している「のれん」の減損損失を持分法による投資損益に含めて計上することになるリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。尚、2019年4月1日付で、当社はヤフー株式会社にアストマックス投信投資顧問株式会社株式の一部(16.7%)を譲渡し、同社は子会社から外れ、持分法適用会社となりました。
③ コンプライアンスの徹底について
当社は、上場企業として、当社グループ各社を含めたコンプライアンスの徹底を最重要課題の一つとして取り組んでおります。前述のとおり、当社グループが営む業務には、それぞれの営む事業毎に様々な法的規制や業界団体による自主規制ルールがあり、これらをグループ各社が企業として遵守することのみならず、役職員一人一人にモラルが求められていると考えております。当社グループでは、全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を要求するとともに、毎年度、その旨誓約書を提出させており、加えて継続的な研修を含む啓蒙活動とチェックを実施することにより、その徹底を図っております。しかしながら、万一役職員による不祥事等が発生した場合は当社グループのイメージが失墜し、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。


(4) その他

① システム障害に係るリスクについて
当社グループのコンピュータ・システムは、業務上不可欠なインフラとなっております。
現状、重要なデータについては外部のデータセンター利用を通じたバックアップ体制を確立するなど、業務上及びセキュリティー上必要とされる水準を備えていると考えておりますが、ハードウェア、ソフトウェアの不具合や人為的ミス、天災、停電、テロ、コンピュータウィルス、サイバー攻撃その他の不正アクセス等によりコンピュータ・システムに障害が発生する可能性はあります。システム障害のレベルによっては、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟の可能性について
当社グループが2007年6月に旧三井物産フューチャーズ株式会社(当時)の全株式を取得して以来抱えていた6件の被告事案は全件和解が成立しております。しかしながら、旧三井物産フューチャーズ株式会社の顧客等から訴訟を提起される可能性は残されております。この他にも、「(1) 当社グループの事業内容について③再生可能エネルギー関連事業について」及び「(2)当社グループを取り巻く法的規制等に関するリスクについて①法的規制等について」に記載された事項に係る訴訟の可能性があります。

これらのほかにも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクを表すものではありません。

従業員の状況研究開発活動


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