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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GCOB

有価証券報告書抜粋 キッズウェル・バイオ株式会社 事業等のリスク (2019年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち、予想、見通し、方針等、将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果とは異なる可能性があることにご留意下さい。

1.法的規制等に関する事項
(1) 許認可等に関するリスク
当社は、原薬などの販売に当たり医薬品医療機器等法その他の規制を受けますが、これらについて法令違反があった場合、あるいは必要とされる資格を保有する人材が離職しその補充ができない場合には、監督官庁から業務の停止や許認可の取消し等の処分を受けることになり、当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在において、業務の停止や許認可の取消し等の処分を受ける原因となる事由は発生しておりません。
主な許認可等の状況
許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限取消し等となる事由
医薬品販売業許可札幌市札幌市保健所長
許可
(3092)
2019年12月23日
(6年ごとの更新)
医薬品医療機器等法、その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、医薬品医療機器等法第75条第1項により、その許可が取り消され又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じられることがある。

(2) 医薬品の研究開発における医薬品医療機器等法その他の規制に関するリスク
当社が業を営む医薬品業界では、研究、開発、製造及び販売のそれぞれにおいて、国内外の薬事に関する法令、薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けております。
当社は、日本国内の市場に留まらず欧米を含む国外の市場もターゲットとして各開発品の研究開発を進めておりますが、これらの開発品を医薬品として上市させるためには、各国の薬事に関する法令、バイオ後続品に係るガイドライン等、及びその他の規制に準拠して製造販売承認の申請を行い、承認を取得することが必須となります。このため、臨床試験等において、医薬品としての品質、有効性及び安全性を示すことができない場合には、承認を得られず、上市できず、当社の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、現在の医薬品医療機器等法においては、原薬の外部委託製造が可能となっておりますが、今後このような外部委託製造に関する規制や海外品の輸入等に関する規制が改定された場合、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 医療制度改革の影響に関するリスク
我が国では、医療費の抑制を目的として、薬価改定を含む数々の医療制度改革がこれまで実施されてきており、今後の高齢化社会を見据えた場合、その方針は継続されるものと考えられます。このため、当社開発品の上市に伴い、当該医薬品の薬価が影響を受け、当社が製薬企業に販売する原薬の販売価格にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

2.医薬品開発事業に関する事項
(1) 医薬品開発事業全般に関するリスク
医薬品開発の分野では、世界各国の製薬企業に加え、当社を含む創薬ベンチャー企業などが技術革新の質とスピードを競い合っております。また、医薬品の基礎研究、開発から製造及び販売に至る過程では、各国における諸規制に従うことから、長期間にわたり多額の資金を投入せざるを得ません。このため、各開発品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在及び将来における開発品についても同様のリスクが内在しております。当社は、研究開発段階から収益が得られるビジネスモデルを構築することにより、各開発品の研究開発リスクの分散を図っておりますが、期待どおりの収益が得られる契約が締結できる保証はありません。このような場合には、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 医薬品の有用性及び安全性に関するリスク
当社は、「大学発ベンチャーであることの公共性に準じ、利益の追求に留まらず、希少疾患や難治性疾患を対象とする医薬品開発により、人々のクオリティ・オブ・ライフを向上させ、社会に貢献する」という経営理念のもと、医療ニーズに応えるべく、医薬品の研究開発を行っております。医薬品の研究開発では、基礎研究段階から製造販売承認の取得に至るまで、様々な研究開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において研究開発の続行可否が判断されます。このため、非臨床試験や臨床試験において期待する効果が確認できない場合、予期せぬ副作用が発生した場合、あるいは研究開発期間中に医療現場での標準治療法等が変わり、医療ニーズに対する開発品目の有用性を見出すことが困難となった場合など、医薬品としての有用性及び安全性が確認できない場合には、研究開発が中止されることになります。当社の開発品において研究開発が続行できなくなった場合には、当社の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 新規開発品の創出に関するリスク
当社は、社外との提携関係を積極的に構築することで、新規開発品の探索及び創出を図ることについても重要な事業戦略としております。しかしながら、これらの活動により、新規開発品の探索及び創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により、新規開発品の探索及び創出活動に支障が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 研究開発に内在する進捗遅延に関するリスク
当社は、研究開発型企業として自社単独での研究開発を推進しつつ、社外との提携関係を構築することで効率的な研究開発の推進を図っております。
しかしながら、当初計画したとおりの研究開発の結果が得られない場合、各種試験の開始又は完了に遅延が生じた場合、提携先との契約等により当社単独で研究開発を進めることができない場合、あるいは提携候補先との契約交渉が遅延した場合には、医薬品としての製造販売承認の取得が遅れる又は制限される可能性は否定できません。当社は、このような事態を極力回避すべく、各開発品の進捗管理及び評価を適時に行い、各開発品の優先順位付け、投下する経営資源の強弱の変更、あるいは研究開発の一時中断の決定などの対応を図っております。このように、当社は研究開発費が大きく増加するリスクを低減しておりますが、研究開発が計画どおりに進捗しない場合には、当社の事業計画並びに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 医薬品業界における競合に関するリスク
近年の医薬品業界は、国内外の製薬企業、バイオ関連企業、研究機関などが激しく競争しており、技術革新が急速に進む環境下にあります。このため、これらの競合先との競争の結果により、当社がライセンスアウトした開発品あるいは研究開発中の開発品が市場において優位性を失い、研究開発の中止を余儀なくされるおそれがあります。また、当社の開発品がいち早く上市できた場合でも、これらの競合先が優位性のある製品を市場に投入し、当社の市場シェアを奪うなど、当社の事業計画及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6) 国内外の大手製薬企業等の参入に関するリスク
近年の国内外における医療費抑制策の中で、ジェネリック医薬品市場の拡大傾向は今後も持続するものと考えております。このため、国内外の大手製薬企業等が日本のジェネリック医薬品市場のみならず、世界市場が非常に大きいと期待されるバイオ後続品市場にも積極的に参入してくることも考えられ、既に一部顕在化しております。当社が事業領域とするバイオ後続品については、低分子化合物のジェネリック医薬品に比べて豊富な知識、経験及びノウハウが求められることから、参入障壁は比較的高いものと認識しております。しかしながら、国内外の大手製薬企業等が巨額の研究開発費を投じ参入を強化する可能性があります。さらに先発医薬品メーカーから特許権の許諾を受けて発売される後発医薬品「オーソライズド・ジェネリック(AG)」をめぐる動きも活発化しております。これは先発品とまったく同様に製造される特性上、後発品としての申請に必要な試験が省略できるなど非常に短期間で参入を果たせるものとなります。このような状況は低分子化合物のジェネリック医薬品市場に大きな影響を与えることが想定されます。現状では、バイオ後続品におけるAGの定義、薬価制度を含め不明瞭な部分もありますが、バイオ医薬品に係るAGが市場に現れた場合、ジェネリック医薬品市場のAGに見られるような影響を受ける可能性があります。これらの結果、バイオ後続品の開発において国内外の大手製薬企業等に先行された場合あるいはバイオ医薬品のAGが市場で販売され始めた場合には、当社の事業計画及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

3.収益モデルに関する事項
(1) 収益計上に関するリスク
医薬品の基礎研究開始から上市に至るまでには長い年月を要することから、研究開発の成果が事業収益として計上されるまでには長期間を要します。また、医薬品開発の成功確率は近年益々低くなっており、上市に至らないケースも多いため、最終的に事業収益が計上されない可能性もあります。また、当社が臨床開発段階において製薬企業と提携した場合、その製薬企業が臨床試験を実施することになります。このため、臨床試験は提携先の製薬企業に依存し、当該提携先において順調に臨床試験が進まない場合や経営環境の変化や経営方針の変更など、当社が制御し得ない要因が発生した場合には、当該医薬品の開発が遅延あるいは中止となる可能性があります。
一方、研究開発が順調に進捗して上市に至った場合であっても、当該医薬品が市場において評価されず、当初計画していた収益を計上できない可能性があります。
当社は、研究開発段階から収益の計上方法を多様化することにより、各開発品の収益計上リスクの分散を図っておりますが、研究開発を行ったにもかかわらず、期待どおりの収益が計上できる保証はありません。このような場合には、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) フィルグラスチムバイオ後続品の販売に関するリスク
当社の開発品であるフィルグラスチムバイオ後続品は、富士製薬工業㈱と持田製薬㈱の2社が販売を行っておりますが、何らかの理由により、いずれかの企業が販売に支障をきたした場合には、当該医薬品の売上減少に伴い当社の原薬売上が減少し、当社の事業計画及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 提携先企業等との契約に関するリスク
当社は、各事業においてパートナー企業と業務提携、共同研究あるいはライセンス契約等を締結し、それぞれ協働して開発活動を行っておりますが、各社における経営環境の変化や経営方針の変更など当社が制御し得ない要因によって中断あるいは中止となる可能性を含め、何らかの理由により当該契約が解除された場合には、当社の事業戦略や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。

4.事業推進体制に関する事項
(1) 親会社との関係について
ノーリツ鋼機㈱は、期末日時点では親会社に該当するものの、2019年4月1日効力発生の㈱セルテクノロジーとの株式交換に伴い、同日以降はその他の関係会社に該当いたします。なお、当社の取締役3名中、同社グループより1名が非常勤取締役として就任しているほか、当社は、同社の孫会社である㈱日本再生医療との間で資本業務提携契約を締結し、資本参加しております。これらの点から、ノーリツ鋼機㈱が経営方針や事業戦略等を変更した場合、当社の方針・政策決定及び事業展開に何らかの影響を及ぼす可能性があります。

(2) 提携関係に関するリスク
当社は、研究開発の各段階において、開発や販売を行う製薬企業などとの広範な提携関係を構築することで、固定費の増加を回避しつつ専門性の高い社外の技術力を活用し、戦略的かつ柔軟に研究開発を推進しております。しかしながら、計画通りに提携関係が構築できなかった場合、提携関係に変更が生じた場合あるいは提携関係が解消された場合には、当社の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(3) バーチャル(外部委託)型経営に関するリスク
当社は、バーチャル型企業であることから、医薬品開発に伴うGLP試験やGMPに基づく原薬などの製造を受託企業に委託しております。このため、当該委託先において一定の信頼性や品質を有する対応が困難となり、代替先への製造移管を速やかに行うことができない場合には、当該開発品の研究開発に遅れが生じたり、研究開発自体が中止となることで、当社の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、当該開発品の上市後、原薬などを安定供給することが必要となりますが、製造委託先が商業用規模での安定供給に支障をきたし、代替先への製造移管を速やかに行うことができない場合には、当該医薬品の販売開始の遅延や市場への供給不足が発生し、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(4) 小規模組織であることに関するリスク
当社の研究開発の特長は、社外との提携関係を構築することで、固定費を抑えつつ効率的に事業を推進することにあります。このため、少人数による組織体制が適しておりますが、今後積極的に開発品の拡充を図るためには、人員の増強が必要になるものと考えております。しかしながら、想定通りに人材の確保ができない場合あるいは人材の流出が生じた場合には、研究開発の推進や社外との提携関係の構築に支障が生じ、当社の事業計画や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
また、事業の拡大に伴い、内部管理体制の強化も必要になってまいります。この点においても研究開発と同様に少人数の組織であるため、想定通りに人材の確保ができない場合あるいは人材の流出が生じた場合には、内部管理体制の質の低下を招き、当社の社会的信用を損なう可能性があります。

(5) 大学・公的研究機関との共同研究に係る費用負担に関するリスク
当社は、医薬品シーズの探索を目的として、北海道大学をはじめとする複数の大学や公的研究機関との共同研究を行っておりますが、共同研究に係る費用の一部については当社が負担しております。また、共同研究の進捗状況に応じて、追加的な費用を負担する場合もあります。
当社は、今後も大学や公的研究機関との共同研究に積極的に取り組む方針であり、相応の共同研究費を負担する予定でありますが、共同研究に係るテーマなどの状況により、当社が予定していない費用負担が発生することになった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 研究所の使用に関するリスク
当社は、北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センターが民間企業との共同研究等のために設けているオープンラボラトリスペースの一部を、当社研究所として使用しております。このため、共同研究契約の終了など何らかの理由により、同施設の使用ができなくなった場合には、当社研究所の移転を余儀なくされ、追加的な設備投資や賃借料の発生などによって、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 企業買収等に関するリスク
当社は、事業展開の手段として、企業買収等を実施することがあります。しかしながら、対象企業に対するデューデリジェンスの不備又は事業環境や競合状況の著しい変化等により、当初想定していた相乗効果が得られない可能性があります。その場合、対象企業における投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5.知的財産権に関する事項
(1) 知的財産権に関するリスク
当社は、事業活動の中で様々な知的財産権を使用しておりますが、これらは当社の権利及び当社が権利出願中のもの、社外から適法に使用許諾を受けたもの、あるいは特許権が期間満了に至ったものであると認識しております。
しかしながら、当社が出願中の特許等の全てが成立する保証はありません。また、特許等が成立した場合でも、当該特許等を超える優れた技術の台頭により、当社の特許等に含まれる技術が淘汰される可能性もあります。このような場合には、当社の競争力が失われ、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
一方、本書提出日現在において、当社の事業活動について第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた事実はありません。また、当社は今後発生し得る紛争を未然に防止するため、社内において、あるいは弁護士や弁理士を通じて特許調査を適宜実施しておりますが、万が一当社が第三者の特許等を侵害していた場合、当該第三者から差止請求や損害賠償請求を受け、高額な許諾料を請求されるなど、当社の事業活動並びに財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、第三者が当社の特許等を侵害する場合には、権利保全のために必要な措置をとるなど、その解決のために多大な費用と時間を要する可能性があります。

(2) 特許の確保に関するリスク
当社の従業員が職務発明をした場合、係る権利は職務発明規程に基づき原始的に当社に帰属いたしますが、当該発明者に対して特許法第35条第4項に定める相当の利益を支払わなければなりません。これまでに当該利益を支払う事例が生じたことはありませんが、将来的に支払が発生した際、利益の相当性について紛争が生じる可能性があります。これらの紛争により、発明者に追加の利益を支払わなければならない場合には、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 権利者からの契約解除等に関するリスク
当社の開発品の中には、第三者から実施許諾を得たうえで研究開発を進めるものもあります。当社は、当該ライセンス契約に定める諸条件に従って、開発品を製品化する努力義務を負っております。ライセンス契約に定める諸条件の全てを当社が満たすことができるかどうかについては、多くの要因に依存しており、これらの中には当社が制御不能な要因も含まれております。このため、将来的に当社がライセンス契約の解除条項に抵触し、権利者から権利の許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業計画並びに財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

6.業績等に関する事項
(1) 財政状態及び経営成績に関するリスク
当社はフィルグラスチムバイオ後続品の販売で得た収益により研究開発費を除いた固定費を賄える状況となっているものの、既存の開発品に係る研究開発費が先行して計上されますので、現時点では利益を計上することができておりません。当社は、早期の黒字化を目指しておりますが、事業計画が想定通りに進捗しない場合には、黒字化の時期が遅れたり、繰越利益剰余金がマイナスからプラスに転じる時期が遅れる可能性があります。

(2) 税務上の繰越欠損金に関するリスク
当社は2019年3月期において、税務上の繰越欠損金を有しており、現在は所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が課されておらず、2020年3月期における課税所得もマイナスとなる見通しであります。しかしながら、今後当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合あるいは税制改正に伴い所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が発生した場合には、計画している当期純利益又は当期純損失並びにキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(3) 特定の販売先への依存に関するリスク
当社の売上高の大半は富士製薬工業㈱に対するフィルグラスチムバイオ後続品の原薬供給にかかる売上であるため、同社への売上依存度が非常に高い状態にあります。
当社は新規販売先の開拓を進めることで、特定の販売先への売上依存度の引き下げを図る方針でありますが、新規販売先の開拓が想定通りに進まない可能性があります。また、現在契約を締結している販売先との契約解消等が生じた場合には、当社の経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(4) 資金調達に関するリスク
当社はバイオ後続品事業を始めバイオテクノロジーに関する事業化を目指した研究開発型企業であるため、先行投資としての研究開発資金を必要としますが、当社が業を営む医薬品業界やバイオ事業の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、また、これに伴うリスクも高いため、調達資金が投資家の期待する成果に必ずしも結びつかない可能性があります。このため、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、間接金融による資金調達は難しく、増資を中心とした資金調達を行う方針であります。その場合には、当社の発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、当初の想定を上回る研究開発資金が必要となり、機動的な資金調達が困難な場合には、研究開発を継続することができなくなる可能性があります。

(5) 配当政策に関するリスク
当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にはありません。当面は早期の黒字化を目指し、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先する方針であります。一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が想定通りに進捗せず、今後も安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。

(6) 投資有価証券の価値変動に関するリスク
当社は本書提出日現在において投資有価証券を保有しております。
このため、当該投資有価証券の価値変動に伴い評価損が計上された場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 為替レートの変動に関するリスク
当社は、社外との提携関係の構築をグローバルに展開していることから、海外の取引先との間で外貨建取引を行っております。これまでは、当社の外貨建取引の多くが支払サイトも短いことから、多額の為替差損益を計上することはありませんでしたが、当社の今後の事業規模の拡大に伴い、外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

7.その他
(1) 情報流出に関するリスク
当社が研究開発の過程で入手する知見、技術、ノウハウ等には重要な機密情報が多く含まれております。当社は、これらの機密情報が社外に流出しないよう、役職員や取引先との間で秘密保持義務等を定めた契約を締結し、厳重な情報管理に努めております。
しかしながら、役職員や取引先によりこれらが遵守されなかった場合には、重要な機密情報が流出し、当社の事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

(2) システム障害等に関するリスク
当社はシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するために様々な手段を講じておりますが、ウィルス、権限のないアクセス、自然災害、通信エラーあるいは電気障害などが引き起こす事故が発生する可能性を否定することはできません。システム障害、セキュリティ侵害等が発生した場合、当社が保有する医薬品開発過程における重要な情報が喪失又は流出する可能性があります。データの喪失あるいは機密情報の流出を招いた場合、データ復旧のために金銭的・時間的に多大な負担を余儀なくされたり、特定の開発品の開発の進捗が遅延したり、取引先から損害賠償を請求されたり、当社の社会的信用が失墜して社外との提携関係の構築が難しくなるなど、当社の事業計画の進捗に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 医薬品の品質・副作用に関するリスク
当社が開発に関与する医薬品の安全性に関する情報は、限られた被験者を対象に実施した臨床試験から得られたものであり、上市前に副作用の全てを把握することはできません。当社は、直接医薬品の販売を行う計画はありませんが、上市後に予期せぬ副作用が発生する可能性があります。その場合、製品の回収あるいは販売中止を余儀なくされ、当社の原薬などの販売についても継続することが困難となり、以後の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

(4) 訴訟等に関するリスク
当社は、コンプライアンス体制の構築に注力しておりますが、製薬企業などから特許等の侵害を理由として損害賠償請求を受けたり、訴訟を提起される可能性があります。また、製造物関連、環境関連、労務関連その他に関する訴訟が提起される可能性もあり、これらの結果、当社の社会的信用が失墜し、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(5) 災害に関するリスク
当社は、事業活動の中心となる事業所を北海道と東京に設けており、地理的なリスク分散を図っております。また、当社は研究開発活動の一部を社外に委託していることから、実質的にはさらに広くリスク分散されているものと考えております。
しかしながら、これらの地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊やインフラの機能停止などにより、当社の事業活動が影響を受ける可能性があります。

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

従業員の状況研究開発活動


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