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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GC8Z

有価証券報告書抜粋 日本板硝子株式会社 事業等のリスク (2019年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社グループでは、各連結会計年度末時点における事業活動の状況及び財政状態に照らして、主要な財務上及び事業運営上のリスク要因につき、定期的な見直しを行っております。当連結会計年度末時点において、当社グループが認識している主要な財務上及び事業運営上のリスクは、以下に記載の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。
また、当社グループが将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は、当連結会計年度末時点において存在しておりません。

(1) 経済状況
当社グループは、日本を含むアジア、欧州、米州等、世界各国・地域で事業展開をしております。このため、当社グループの世界各国の顧客の事業環境の変化及び世界各地における地政学上の問題が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
また、南米等の新興市場については長期的に見れば先進国・地域の市場を上回るペースで成長するものと考えておりますが、当社グループが事業を展開している先進国・地域の市場に比べてより大きな潜在的リスクがあると考えております。

(2) 特定の産業・分野への依存
当社グループの売上高の90%以上が、建築用ガラス事業及び自動車用ガラス事業におけるものであり、当連結会計年度では、それぞれ外部顧客への売上高の41%及び51%を占めております。また、当社グループの外部顧客への売上高は、主に建設、住宅産業並びに自動車産業の顧客に対するものです。これらの業界では、これまでも消費者マインドの周期的な動きに連動して需要が変動してきましたが、こうした需要の変動は今後も起き得るものと考えております。
当社グループは、相対的に利益率が高く、将来市場の大きな成長が見込まれる高付加価値(VA)製品の売上の増大に努めております。これらの製品は、一般的な製品に比べて価格の変動は通常小さいと考えられ、経済状況が悪化した場合の影響を受けにくいと考えられております。しかしながら、これらの製品が高い利益率を維持し続ける、又はこれらの製品の市場が製品全体の平均を上回るペースで成長し続けるという保証はありません。更に、他のガラスメーカーが技術的な優位を有する製品を市場に投入する結果、当社グループの製品との競合が高まり、高付加価値(VA)製品であるにもかかわらず利益率が低下する可能性があります。
また顧客が当社グループに不利な形に戦略を見直す可能性があります。その場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、自動車用ガラス事業では、顧客の分散にも努めております。近年、自動車産業では企業間の合従連衡の動きが続いており、当社グループの顧客である自動車メーカーの購買力の上昇につながっております。このような合従連衡が今後も続く場合には、販売先上位のメーカーに顧客ベースが集中する可能性があります。

(3) 競争
当社グループは、日本及び海外のガラスメーカーと競合関係にあります。また、プラスチックや金属をはじめ、建築分野、自動車分野並びに情報電子分野等で使用される各種素材メーカーとも競合関係にあります。当社グループでは、独自技術や独自製品の市場への提供により競争力の確保に努めておりますが、市場ニーズの変化、製品を低コストで提供するメーカーの台頭、あるいは強固な顧客基盤や高い知名度を有するメーカーの参入等によって、当社グループの競争優位を維持できない場合、もしくは当社グループが獲得できないような政府による助成制度を競合他社が受けている場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(4) 新製品の開発及び技術革新
当社グループは、既存の事業分野における独自技術や独自製品の開発に注力すると共に、既存分野以外の新しい分野における新製品の開発に注力しております。新製品の開発プロセスは相当な時間と支出を要する可能性があり、また新製品の販売による収益が得られるまでに、多くの投資が必要となる可能性があります。また、競合他社が当社グループより早く市場に製品を送り出した場合や、代替技術や代替製品が市場に受け入れられた場合には、当社グループによる製品開発のための投資は、当初想定した利益をもたらさない可能性があります。更に当社グループが技術革新を予測できない場合や、これに迅速に対応できない場合、あるいは顧客のニーズに適応した新製品の開発に成功しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5) 将来の必要資金
当社グループは、①新製品の発売②事業計画や研究開発計画の実行③生産能力の拡大④補完的な事業、技術あるいはサービスの取得⑤コスト削減策やリストラクチャリング計画の実行⑥期限を迎えた負債の返済、等の目的に充当するため、将来において追加的な資金の調達が必要となる可能性があります。これらの資金を想定する条件で調達できないか、又は全く調達できない場合、既存の製品及びサービスの拡充と改善や新事業開発のための投資を行うことが困難となり、あるいはその結果として競合他社よりも高い競争力を確保することが困難となり、当社グループの財務状況にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6) 海外における事業
当社グループは、日本、アジア、欧州、北米、南米等、世界各国・地域に生産設備を有しております。
更に当社グループは、南米、ロシア、中国等の新興国・地域において、子会社、ジョイント・ベンチャー、出資、提携といった様々な形態により事業運営を行っており、これらは当該国・地域における当社グループの生産能力を維持するうえで重要な役割を担っております。当社グループでは、過年度においてこうした新興国・地域の子会社やジョイント・ベンチャーへの出資に対して減損損失を計上しましたが、これらの国・地域の市場環境が更に悪化しないという保証はなく、また将来において減損損失が全く発生しないという保証もありません。ジョイント・ベンチャーのパートナー等との間での事業運営等の方針の相違により、事業の継続が困難になるような場合やその他の要因によっては、当社グループでは予想できない投資に対する損失が発生する可能性があります。

(7) 生産中断リスク
当社グループは、生産活動の中断により生じる潜在的な影響を最小限に抑えるため、設備に対して定期的な防災点検や設備保守を行っております。それに加え、生産設備に対する災害(地震、台風、洪水、停電及び当社グループ又は顧客の生産を停止させるその他の事象等)の影響を抑えるべく、主要拠点では事業継続計画(BCP)を策定しております。しかしながら、災害による被害を完全に予防又は低減できない可能性があります。また、当社グループの特定の設備で生産される製品を、他の設備で生産できない場合もあります。従って、地震及びその他の事象により、当社グループのいずれかの設備において生産の中断があった場合には、特定の製品の生産能力を著しく低下させる可能性があり、結果的に当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、このような事態を想定して保険に加入しておりますが、いかなる場合でも保険によって当社グループの損害が補償されるとは限りません。

(8) 為替及び金利の変動
当社グループは、世界の多くの国々や地域で事業活動を展開しており、こうした国々や地域において為替レートの変動及び金利の変動のリスクを有しております。また、海外子会社の現地通貨で表示される資産・負債等は、連結財務諸表の作成のために円換算される過程において、為替レートの変動によるリスクも有しております。更に金利の変動は、支払利息や受取利息、あるいは金融資産や金融負債の金額に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれらのリスクのヘッジに努めておりますが、為替レート及び金利の変動は、当社グループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(9) 原燃料の調達及び製品供給
ガラスの製造過程においては、珪砂やソーダ灰等の特定の原料と、重油や天然ガス等の燃料が必要となります。原燃料の調達コストの変動は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、商品デリバティブ取引やスワップ取引により、原燃料の価格変動リスクをヘッジしておりますが、これらの手法によって原燃料価格の上昇による影響を完全に除去できない可能性があります。
当社グループは、原燃料の調達に関して、仕入先との間で長期間に及ぶ固定価格での購入契約を締結する場合があります。また、当社グループの製品は、当社グループ独自の販売ルートに加え、当社グループ以外の第三者を通じて販売されております。何らかの理由により、主要な仕入先や販売先との関係の終了や重要な変更が生じ、又は主要な仕入先が契約上の義務を履行できなくなった場合には、現在よりも不利な条件での契約の締結が必要となり、又は原燃料の仕入れや製品の流通に支障が生ずる可能性があり、結果的に当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(10) 退職給付債務
当社グループでは、多数の企業年金制度や退職者向け医療給付制度を運営しております。年金資産の時価が大きく変動した場合、又は年金債務計算に使用される割引率や死亡率等が大きく変動した場合には、当社グループの退職給付制度に対する追加的な資金拠出が必要となる可能性があります。当社グループでは、従業員に対して適切な退職給付制度を提供する一方で、追加的な資金拠出が必要となるリスクを低減するため、退職給付債務について定期的に見直しを行っております。過去数年間にわたって、当社グループでは、年金資産の運用構成の見直し、年金受給者に関する長寿リスクのヘッジ、及び現役従業員に関する年金給付額算定のベースとなる給与額の上昇に対する上限の設定等の対応を行ってまいりました。しかしながら、こうした対応によって、将来における当社グループの年金制度に対する資金拠出増加のリスクを完全に除去できない可能性があります。

(11) 法的規制
当社及びその子会社、並びにジョイント・ベンチャー及び関連会社では、投資や輸出入に関する規制、公正な競争に関する規制、環境保護に関する規制並びにその他商取引、労働、知的財産権、租税、通貨管理等に関する所在国・地域の各種法令規則及び国際規則・条約の適用を受けております。これらの法令規則又はその運用の変更は、当社グループの事業活動に対する制約の発生、法令遵守対応に関する費用の発生、あるいは法令規則違反による当社グループに対する過料の賦課、又はこれに派生しての民事賠償請求等によって、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(12) 事業戦略
当社グループの事業戦略は、経済環境、原料価格、為替レート、新技術や新製品の開発や提供等の様々な要因により影響を受けます。このような状況のもと、当社グループの事業戦略が成功し、想定した成果を収めることができるという保証はありません。更に当社グループの事業計画の遂行が想定した効果を生まない、あるいは期待された効果を実現できない可能性があります。
当社グループは、競争優位を維持するため、利益率の低い製品から高付加価値(VA)製品へのシフトを目的に新技術や新製品の開発に努め、投資を行っております。しかしながら、当社グループが、競合他社に先駆けてより高度な技術の開発や事業化に成功し、又は結果的に競合他社よりも高い競争力を維持できるという保証はありません。

(13) 知的財産権
特許権等の知的財産権は、当社グループの事業において競争力をもたらす重要な要素です。しかしながら、当社グループが有する知的財産権を常に保護できるという保証はありません。また、当社グループは世界各国・地域で事業を行っているため、知的財産権に関する第三者との紛争のリスクも高まっております。このような知的財産権に関する侵害や紛争は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(14) 民事賠償責任
当社グループの製品の欠陥により第三者に損害が発生した場合、当社グループは製造物責任に基づく賠償請求を受ける可能性があり、また、これにより当社グループの社会的評価に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、高品質の製品の製造に注力しておりますが、予期しない品質問題が生じた場合、大規模なリコールの実施が必要となる可能性があります。その場合、当社グループの社会的評価が毀損し、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(15) 環境に関する法規制
当社グループは、地球温暖化対策を初めとする持続可能な社会への取組みに注力しております。環境に与える負荷を低減するため、CO2削減、省エネ、廃棄物削減、有害物質の不使用・除去等の環境課題に取り組み、環境に関する様々な法令規則を遵守しております。しかしながら、環境に関する法令規則やその運用に関する変更が行われた場合には、当社グループの事業活動に対する制約の発生、法令遵守対応に関する費用の発生、あるいは法令規則違反による当社グループに対する過料の賦課等によって、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。


(16) 貸借対照表に計上された資産の評価及び減損
当社グループは、貸借対照表において、減損テストの実施を毎年必要とする多額の資産項目を計上しております。これらの資産には、ピルキントン社買収により発生したのれんや無形資産が含まれますが、これらに限定されるものではなく、主として各国・地域における税務上の繰越欠損金等に対して認識された繰延税金資産も含まれております。当社グループでは、過年度において「自動車用ガラス事業 その他の地域」の資金生成単位にかかるのれんについて、減損損失を計上しましたが、「自動車用ガラス事業 その他の地域」の資金生成単位やそれ以外の資金生成単位について、将来において減損損失が全く発生しないという保証はありません。当社グループの今後の業績が以前に減損テストを実施した際の想定通りに改善しない場合には、将来において減損損失が発生する可能性があります。
また当社グループは、年度末での回収可能性の再検討を踏まえて、ここ数年にわたって繰延税金資産の評価減を計上してまいりましたが、将来において再び繰延税金資産の評価減が発生しないという保証はありません。最近では、世界各国において法人所得税率の引き下げの動きが起きています。繰延税金資産の算定に使用される適用税率の低下を通じて、将来において繰延税金資産の評価減が発生する可能性があります。

(17) 情報セキュリティ
当社グループでは、事業活動に関して様々な機密情報やデータを保有・使用しており、適切な情報の管理や効率的な業務の遂行における情報システムの重要性はますます高まっております。当社グループは、機密情報・データや情報システムの十分な保護に努めておりますが、自然災害、通信トラブル、コンピューター・ウイルスの感染、サイバー攻撃等の事象により情報システムや事業活動の中断、または機密情報の漏えい等の事態が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。


従業員の状況研究開発活動


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